スモールランド

anasan

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スモールランドはハーパー達の家からバイクで30分といった所にある。
不思議なことに
知らぬ間に建設され、知らぬ間に完成した。
この時代、建設というよりプログラミングされたカセットを作製し、
ボタンをいくつか押せば完成してしまうほどの技術がすすんでいる。

しかし、当然前もって知らされ、
場所を確保し、騒音もある程度するので
気付かないのは不自然なのである。
まあ、皆そこらへんは技術の進歩かな位にしか考えていないだろう。

故に新しい技術は皆が見たいと思うものである。

しかし、スモールランドは皆が行けるわけではない。
家に招待状が届いた人のみ誰か一人を誘って行ける。

それがたまたまハーパーの家に届いたのだ。

ハーパーはまさかの招待状に驚きと喜びを隠しきれない様子ではしゃいだ。
何かもわからない不思議なテーマパークだが、
気になって気になって、行きたいと願うばかりであったのが、まさか行けるなんて思ってもいなかったのである。

すぐにエマを誘った。
驚いた様子だったが行くことを決意した。

持ち物指定、服装など、一切の説明もなく
今日、8月12日の昼12時とだけ記されたチケットのみはいっていた。

チケットとはまた古風なと心の中で思った。

ハーパーは歴史が好きなのである。
中でも大昔の植物や動物には目がない。
ましてや紙で出来たチケットなんて
今はもう使われていない。
紙すら貴重なものである。


この西暦2500年である今は地球温暖化と人口増加のが進みすぎて、植物や虫、動物などがほとんど生き残っていない。
海は残ってはいるものの入る事は汚水が進み危険なので
入る人などまずいない。

若者の楽しみと言えば友達と酒を飲むか
体験型ゲーム、映画などである。
それも家から出ずに出来てしまうので
飽き飽きしているのである。

そんな中、このスモールランドは
噂によると大自然を目の当たりに出来るそうではないか、
それには全世界の人が大注目している。


しかしながら
スモールランド内の公式な説明は一切なく、
中には不安だと招待状を受け取っても辞退するものは大勢いた。
ハーパーも父親はもう大人だと承諾してくれたが
母親には反対された。しかし、そんなの関係ない。
頑固なハーパーは押しきって参加したのである。

エマはというと、両親が科学者であるため
それも経験と快く承諾してくれた。


ハーパーとエマは
スモールランドまでの道のりを無言で走っていた。
心のどこかで不安があるのと
言葉では表せない高揚しか気持ちがあったのだ。

バイクで20分ほど走った頃だろうか
遠くからでも見える大きな大きな門が見えてきた。
本でしか見たことがない生き物や植物が
まるで絡み合っているかのような模様である。

茶色い素材で出来ている。

彼女達は生きた木を見たことがない。
しかし、その素材が木材であることは
学校で勉強したので知っている。

「こんなに大きな木の門なんてはじめてみた、木材ってまだこんなに残ってたんだ、、」
ハーパーは思わず呟く。

ハーパーの部屋にも観葉植物なるものはあるが
偽物の植物で成長はするが
プログラミングされている植物なので
生きている植物とは大きく異なる。

するとエマもそれに答えるかのように

「まだ生きている木が存在するのかな、、、。」
と呟く。



この馬鹿デカい門の向こうにスモールランドがあるのか、、
二人は息を飲む。


どんどん門に近づいていくと
大勢の人達が見えてくる。
どうやらパレードが行われていて出店も沢山出ている。

空には沢山のバルーンと気球のような乗り物、空飛ぶ車で賑わっていた。

二人は緊張してきたのがお互いに伝わると
目を見合わせる。

そりゃそーだ、
全世界の人が注目している
謎のテーマパークへ初の招待客が今日入場するのだから大ニュースであり、一目見たいと思うのがどの時代も人間なのである。

スカイボードと呼ばれている
空飛ぶ船のような乗り物には
マスコミであろう人びとが今か今かとスタンバイしている。


ここにいる皆、そして世界中の人々が今か今かと門が開くのを待ちわびている。

門は音も立てず大きく構えてそびえている。

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