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引き裂きドール
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自作のサイトを前に、敢は難しい顔をしていた。サイトの出来はいい。同級生から借りた写真を元に、実際に売られているドールを見つけ出せたおかげで、写真も掲載できた。
さすがに、沖田奏の所持する「はつ」の写真を載せることは憚られた。
後々に発見されて比較されたりすると、いろいろと面倒なことになりそうだったからだ。
「ねえ、見てる? 斉藤初。お前が持ってるのかなー? 黒髪ドール」
パソコンの画面を睨みつけながら、届くことのない挑発を口にする。
本当は、斉藤初の家に乗り込みたかった。通学路を張って、接触を試みたいと思っていた。だけど、今は駄目だ。まだ、何の証拠もない。
名前とドールに似ているだけ――そんなことで怪しむなんてことは、さすがにできなかった。
「現場はうろちょろしてるみたいだけど……何のために? 友達の復讐が目的? いや、犯人だったら、何を調べる必要がある? 捜し物か? ……わからないな」
それに、あんな事故を中学生が起こせるとも思えなかった。彼女が犯人であるならば、どうやって成し遂げたのか――そこを証明しないと、自分は動けない。
「仮定――もしもそうだとして、だったら、次はどう動く? 斉藤初」
大型トラックの運転手に轢かれそうになっていた子どもと母親が、現在の被害者――
「母親まで範疇だったら……通行人? 一緒に現場にいたクラスメイト? 駄目だ。僕、その事件のことは単なる事故としてあんまり調べていなかったから、関係者がまだいるのかわからないな」
頭をがしがしと掻いて、綺麗な顔の青年は「よし」と勢いよく立ち上がる。
「斉藤初の前に、沖田奏死亡事故の詳細調査を優先する。きっと次のターゲットも、関係者のはずだからね」
近藤敢は、そこで苦い顔をした。説明はできない。だけど、この事件はまだ終わらない。そんな気がしていた。だって「あの子」を止めていないから――
「妹ちゃんのメッセージに、どれだけの意味があるのかはわからないけど……やるだけのことはやらないとね」
そう気合いを入れたところで、敢は自身の頭がボサボサになっていることに気付いた。
「あー、もう! この勢いで出掛けようと思ったのにー! セットしなきゃ外歩けないよー」
喚きながら、準備を始める敢。ようやく動き出したのは、一時間後のことだった。
さすがに、沖田奏の所持する「はつ」の写真を載せることは憚られた。
後々に発見されて比較されたりすると、いろいろと面倒なことになりそうだったからだ。
「ねえ、見てる? 斉藤初。お前が持ってるのかなー? 黒髪ドール」
パソコンの画面を睨みつけながら、届くことのない挑発を口にする。
本当は、斉藤初の家に乗り込みたかった。通学路を張って、接触を試みたいと思っていた。だけど、今は駄目だ。まだ、何の証拠もない。
名前とドールに似ているだけ――そんなことで怪しむなんてことは、さすがにできなかった。
「現場はうろちょろしてるみたいだけど……何のために? 友達の復讐が目的? いや、犯人だったら、何を調べる必要がある? 捜し物か? ……わからないな」
それに、あんな事故を中学生が起こせるとも思えなかった。彼女が犯人であるならば、どうやって成し遂げたのか――そこを証明しないと、自分は動けない。
「仮定――もしもそうだとして、だったら、次はどう動く? 斉藤初」
大型トラックの運転手に轢かれそうになっていた子どもと母親が、現在の被害者――
「母親まで範疇だったら……通行人? 一緒に現場にいたクラスメイト? 駄目だ。僕、その事件のことは単なる事故としてあんまり調べていなかったから、関係者がまだいるのかわからないな」
頭をがしがしと掻いて、綺麗な顔の青年は「よし」と勢いよく立ち上がる。
「斉藤初の前に、沖田奏死亡事故の詳細調査を優先する。きっと次のターゲットも、関係者のはずだからね」
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「妹ちゃんのメッセージに、どれだけの意味があるのかはわからないけど……やるだけのことはやらないとね」
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