21 / 47
瞬きの9月
4
しおりを挟む
「お前が、さくら?」
「…………どちら様ですか?」
彼が教室へと向かったその後で、見知らぬ子に声を掛けられた。
さらりとした烏の濡れ羽色の髪に、雪のように白い肌。私よりも低い背に、大きな瞳。顔は、とても小さい。まるで、人形のように可愛らしい子だ。
一見すると美少女であるその子は、しかし、男子用の制服を着ていた。
なんと可愛い男の子だろうか。その辺の女子よりも可愛いではないか。
声も、容姿に似たあどけなさを残す、高いもの。どうやら、声変わりがまだらしい。
一年生かな? 彼の知り合いだろうか?
「ふん……思ったより、芋っぽいな」
「――はい?」
この子、今何て言った? 芋? 失礼な!
「聞こえなかったの? 間抜けな声出して……垢抜けてない。田舎っぽい。ダサいって言ったんだけど」
「ちょっ……ダサいも何も、見ての通り制服姿ですし? というか、何で見ず知らずの君に、そこまで言われないとならないわけ?」
顔に似合わず、言葉が悪い。表情も人を小馬鹿にしたようなそれで、見ていてイライラした。
「だから、その制服を基本通り真面目に着てるのが、ダサいんだって。おばさん」
「お、おば……!」
な、何? 何なのこの子! 初対面で、失礼な。
そういえば、いきなり呼び捨てにされていた気がする! しかも、お前って言っていた。
声を掛けられたという事実に驚き、思わず聞き流してしまっていたけれど……諸々併せて、ムカつく!
「――って、そんなことよりも……君、私が見えているの?」
「今更。ってか、それって確認しないといけないわけ?」
「む……」
いちいち鼻につく。私は、先程から終始半眼だった。
「見えてるし、声も聞こえてるよ、先輩。じゃなきゃ、会話成立しないでしょ」
「そうだけど……でも……」
「でも、何? 今までは、たとえ見えていても、誰もが見えないフリして、声掛けてこなかったのに――って?」
「そうよ。いきなり、何なの? それに、どうして私の名前を知っているの?」
「さあね。気が向いただけ。気紛れだよ」
「気紛れ?」
その気紛れで、私は暴言を浴びせられているってこと?
何でよ! というか、全然答えになっていないのだけど?
「……ムカつくから。僕、お前のこと嫌い。大っ嫌い」
「はあ? 何、いきなり……どうして、私がそんなことを言われないといけないの? 私が君に、何をしたっていうのよ」
「直接は何もされてない。だけど、そんなこと関係ない。だって、お前が死んでいるのが悪いんだから」
「――え?」
私は混乱する。私の死が、どうして悪いって言うの?
しかし、何も言えなかった。向けられる視線で射竦められてしまったかのように、動けない。
これが、憎悪か――その言葉がしっくりくるほどに、彼の視線は仄暗い炎のようだった。
「お前は死んだ。なのに、未だここにいる。……何でなんだよ! お前が、死んだくせにこんなところにいるから! だから、レオはお前に囚われたままなんだ!」
レオ……それって、彼のことだよね? この子、やっぱりレオくんの知り合い? だから、私の名前も知っているの?
もしかして――
「君も、レオくんのことが好きなの?」
「――は、はあ?」
私の問いに、途端声が裏返る美少年。みるみるうちに、その顔は真っ赤に染まった。先程までの迫力は、微塵も残っていない。
「もって、何だよ。もって! お前と一緒にするな!」
「……それって、私が想う気持ちよりも、君の方がレオくんのことを好きってこと? じゃあ、図星だったんだ。私がレオくんと付き合っているのが気にくわないとか、そういう話?」
「はあ? おっまえ! ふざけんなよ! 何言ってんだ! 僕とレオは、小学三年生の時からの幼なじみだ! 僕は、レオの保護者なんだからな!」
幼なじみなのに、保護者なの?
「えっと、とりあえず、友達ってことだよね」
「そんな生温いものか。僕たちは、親友だ」
「そう……」
とにかく、友達ということか。
「えっと、だから好きなんだよね? レオくんのこと」
だから、私のことを敵視していると。そういうことか。
「大丈夫。レオくんなら、同性だからって引かないでいてくれるよ。……たぶん」
「たぶんって何だよ。取ってつけたように言うな。ってか、大丈夫って何だ。僕は親友として、保護者として、レオのことが心配なだけだ。ややこしい方に話を持っていこうとするな!」
「え? 恋愛感情的な意味で好きだから、彼女の私が嫌いなんじゃないの?」
「お前……人の話をちゃんと聞いてたか? 芋な上に、馬鹿なのか?」
「馬鹿……あのさ、あんまり調子に乗っていると、いくら温厚な私でも怒るよ?」
「は? 調子乗ってんのは、お前だろうが。幽霊のくせに、何が彼女だ。レオは、生きた人間なんだよ。幽霊と人間がまっとうな恋愛なんてできるか。さっさと成仏しやがれ」
再び真剣な顔つきになる、目の前の美少年。その瞳は鋭くて、ただの暴言でないことが窺えた。
「……できるなら、とっくにやっている。好きで、十年もこんなところにいない」
ムッとして、睨み返す。そのまましばらく睨み合っていたが、やがて彼の視線がついと逸れた。
「そうかよ。だけどな、お前の事情なんか僕は知らない。知ったことか。それよりも、このままだとレオは不幸になる。僕は、それだけは見過ごせない。それだけは、許せない」
「どうして、不幸になるなんて……」
「どうして? じゃあ、逆に聞いてやろうか? お前は、どうしてこのままいけば、レオが幸せになれるなんて思えるんだ?」
「それは……」
私は、思わず口ごもる。目の前の彼が、片目を眇めた。腕を組んで、斜に構える。
「心当たりがあるから答えられないんだろ? 即答できないやつに、レオは渡せない。僕が、レオの目を覚まさせる。絶対に、別れさせてやる。つか、別れろ」
「嫌」
「レオのことが大事なら、別れるべきだ」
「絶対に嫌」
「別れろよ」
「嫌ったら嫌」
「強情だな」
「君に言われたくない」
互いに睨み合う。口火を切ったのは、私だった。
「ねえ」
「何だよ」
「授業、行かなくて良いの?」
鳴り響くのは、チャイム。このままでは、遅れてしまうのではないだろうか。
「――っ……仕方ない。僕は真面目だから行くけど、また来るからな! 絶対に別れさせてやる!」
そんな捨て台詞を吐いて、彼は校舎へと走っていった。
「もう来なくて良いんだけどな……」
そううんざりしながら、私は小さな背を見送る。名も知らない彼に言われた言葉が、目の前をちらついていた。
「このままだと、彼が不幸になる――か」
私は、とすりと桜の木に背を預けた。台風の日のことが、脳裏を掠める。あんな風に無茶を続ければ、いつかは――
そこまで思考して、頭をぶんぶんと横に振った。
「大丈夫。彼は約束してくれた。だから、大丈夫……」
自身へ言い聞かせるように、何度も繰り返した。まるで、何かの呪文のように。
「あ、名前を聞いていない」
これでは、彼に確認しづらい。いや、あれだけの美少年だ。容姿でわかるだろう。
「いや、それよりも……もしかしたら、怒るかな?」
敵視されているとはいえ、男の子だ。彼の友達らしいが、自分以外の人と、それも男の子と会話したと知れたら、機嫌を損ねるかもしれない。
「いや、まさかそこまで……でも……」
独占欲というか、嫉妬というか。少し、可愛いというレベルを超えている彼。あの美少年の言動も、不穏なものだ。まず、私自身が戸惑いと混乱の渦中にいる。心配の種は、これ以上増やしたくない。そのため、少し様子を見た方が良いかもしれない。
「あーあ、もう……いったい何なのよ……」
泣いて、笑って、怒って……本当に、忙しい日々だ。
「悔しいな……」
楽しいのに、悔しい。
彼と出会って、感情を取り戻したかのように、景色に色が咲いた。だからこそ、悔しい。
「レオくん……私たち、幸せだよね?」
即答したかった。胸を張って言いたかった。私たちは、幸せだって。
だけど、できなかった。どうしてか、言えなかった。
「幸せって、何? どうなったら、幸せ?」
私は、幸せだよ。だけど、レオくんは幸せ?
一緒だと思っていたけれど、本当にそうなの? 彼の言うとおり、このままだと不幸になるの?
「痛いなあ……」
あの子から向けられた数々の言葉たちが、ぐさぐさと私に刺さる。わかっているからこそ、尚更受け入れられなかった。
「私からは、別れない……絶対に……」
呟いた声音は、非常に弱々しいもので。それは、あっさりと吹く風に攫われていってしまった。
「…………どちら様ですか?」
彼が教室へと向かったその後で、見知らぬ子に声を掛けられた。
さらりとした烏の濡れ羽色の髪に、雪のように白い肌。私よりも低い背に、大きな瞳。顔は、とても小さい。まるで、人形のように可愛らしい子だ。
一見すると美少女であるその子は、しかし、男子用の制服を着ていた。
なんと可愛い男の子だろうか。その辺の女子よりも可愛いではないか。
声も、容姿に似たあどけなさを残す、高いもの。どうやら、声変わりがまだらしい。
一年生かな? 彼の知り合いだろうか?
「ふん……思ったより、芋っぽいな」
「――はい?」
この子、今何て言った? 芋? 失礼な!
「聞こえなかったの? 間抜けな声出して……垢抜けてない。田舎っぽい。ダサいって言ったんだけど」
「ちょっ……ダサいも何も、見ての通り制服姿ですし? というか、何で見ず知らずの君に、そこまで言われないとならないわけ?」
顔に似合わず、言葉が悪い。表情も人を小馬鹿にしたようなそれで、見ていてイライラした。
「だから、その制服を基本通り真面目に着てるのが、ダサいんだって。おばさん」
「お、おば……!」
な、何? 何なのこの子! 初対面で、失礼な。
そういえば、いきなり呼び捨てにされていた気がする! しかも、お前って言っていた。
声を掛けられたという事実に驚き、思わず聞き流してしまっていたけれど……諸々併せて、ムカつく!
「――って、そんなことよりも……君、私が見えているの?」
「今更。ってか、それって確認しないといけないわけ?」
「む……」
いちいち鼻につく。私は、先程から終始半眼だった。
「見えてるし、声も聞こえてるよ、先輩。じゃなきゃ、会話成立しないでしょ」
「そうだけど……でも……」
「でも、何? 今までは、たとえ見えていても、誰もが見えないフリして、声掛けてこなかったのに――って?」
「そうよ。いきなり、何なの? それに、どうして私の名前を知っているの?」
「さあね。気が向いただけ。気紛れだよ」
「気紛れ?」
その気紛れで、私は暴言を浴びせられているってこと?
何でよ! というか、全然答えになっていないのだけど?
「……ムカつくから。僕、お前のこと嫌い。大っ嫌い」
「はあ? 何、いきなり……どうして、私がそんなことを言われないといけないの? 私が君に、何をしたっていうのよ」
「直接は何もされてない。だけど、そんなこと関係ない。だって、お前が死んでいるのが悪いんだから」
「――え?」
私は混乱する。私の死が、どうして悪いって言うの?
しかし、何も言えなかった。向けられる視線で射竦められてしまったかのように、動けない。
これが、憎悪か――その言葉がしっくりくるほどに、彼の視線は仄暗い炎のようだった。
「お前は死んだ。なのに、未だここにいる。……何でなんだよ! お前が、死んだくせにこんなところにいるから! だから、レオはお前に囚われたままなんだ!」
レオ……それって、彼のことだよね? この子、やっぱりレオくんの知り合い? だから、私の名前も知っているの?
もしかして――
「君も、レオくんのことが好きなの?」
「――は、はあ?」
私の問いに、途端声が裏返る美少年。みるみるうちに、その顔は真っ赤に染まった。先程までの迫力は、微塵も残っていない。
「もって、何だよ。もって! お前と一緒にするな!」
「……それって、私が想う気持ちよりも、君の方がレオくんのことを好きってこと? じゃあ、図星だったんだ。私がレオくんと付き合っているのが気にくわないとか、そういう話?」
「はあ? おっまえ! ふざけんなよ! 何言ってんだ! 僕とレオは、小学三年生の時からの幼なじみだ! 僕は、レオの保護者なんだからな!」
幼なじみなのに、保護者なの?
「えっと、とりあえず、友達ってことだよね」
「そんな生温いものか。僕たちは、親友だ」
「そう……」
とにかく、友達ということか。
「えっと、だから好きなんだよね? レオくんのこと」
だから、私のことを敵視していると。そういうことか。
「大丈夫。レオくんなら、同性だからって引かないでいてくれるよ。……たぶん」
「たぶんって何だよ。取ってつけたように言うな。ってか、大丈夫って何だ。僕は親友として、保護者として、レオのことが心配なだけだ。ややこしい方に話を持っていこうとするな!」
「え? 恋愛感情的な意味で好きだから、彼女の私が嫌いなんじゃないの?」
「お前……人の話をちゃんと聞いてたか? 芋な上に、馬鹿なのか?」
「馬鹿……あのさ、あんまり調子に乗っていると、いくら温厚な私でも怒るよ?」
「は? 調子乗ってんのは、お前だろうが。幽霊のくせに、何が彼女だ。レオは、生きた人間なんだよ。幽霊と人間がまっとうな恋愛なんてできるか。さっさと成仏しやがれ」
再び真剣な顔つきになる、目の前の美少年。その瞳は鋭くて、ただの暴言でないことが窺えた。
「……できるなら、とっくにやっている。好きで、十年もこんなところにいない」
ムッとして、睨み返す。そのまましばらく睨み合っていたが、やがて彼の視線がついと逸れた。
「そうかよ。だけどな、お前の事情なんか僕は知らない。知ったことか。それよりも、このままだとレオは不幸になる。僕は、それだけは見過ごせない。それだけは、許せない」
「どうして、不幸になるなんて……」
「どうして? じゃあ、逆に聞いてやろうか? お前は、どうしてこのままいけば、レオが幸せになれるなんて思えるんだ?」
「それは……」
私は、思わず口ごもる。目の前の彼が、片目を眇めた。腕を組んで、斜に構える。
「心当たりがあるから答えられないんだろ? 即答できないやつに、レオは渡せない。僕が、レオの目を覚まさせる。絶対に、別れさせてやる。つか、別れろ」
「嫌」
「レオのことが大事なら、別れるべきだ」
「絶対に嫌」
「別れろよ」
「嫌ったら嫌」
「強情だな」
「君に言われたくない」
互いに睨み合う。口火を切ったのは、私だった。
「ねえ」
「何だよ」
「授業、行かなくて良いの?」
鳴り響くのは、チャイム。このままでは、遅れてしまうのではないだろうか。
「――っ……仕方ない。僕は真面目だから行くけど、また来るからな! 絶対に別れさせてやる!」
そんな捨て台詞を吐いて、彼は校舎へと走っていった。
「もう来なくて良いんだけどな……」
そううんざりしながら、私は小さな背を見送る。名も知らない彼に言われた言葉が、目の前をちらついていた。
「このままだと、彼が不幸になる――か」
私は、とすりと桜の木に背を預けた。台風の日のことが、脳裏を掠める。あんな風に無茶を続ければ、いつかは――
そこまで思考して、頭をぶんぶんと横に振った。
「大丈夫。彼は約束してくれた。だから、大丈夫……」
自身へ言い聞かせるように、何度も繰り返した。まるで、何かの呪文のように。
「あ、名前を聞いていない」
これでは、彼に確認しづらい。いや、あれだけの美少年だ。容姿でわかるだろう。
「いや、それよりも……もしかしたら、怒るかな?」
敵視されているとはいえ、男の子だ。彼の友達らしいが、自分以外の人と、それも男の子と会話したと知れたら、機嫌を損ねるかもしれない。
「いや、まさかそこまで……でも……」
独占欲というか、嫉妬というか。少し、可愛いというレベルを超えている彼。あの美少年の言動も、不穏なものだ。まず、私自身が戸惑いと混乱の渦中にいる。心配の種は、これ以上増やしたくない。そのため、少し様子を見た方が良いかもしれない。
「あーあ、もう……いったい何なのよ……」
泣いて、笑って、怒って……本当に、忙しい日々だ。
「悔しいな……」
楽しいのに、悔しい。
彼と出会って、感情を取り戻したかのように、景色に色が咲いた。だからこそ、悔しい。
「レオくん……私たち、幸せだよね?」
即答したかった。胸を張って言いたかった。私たちは、幸せだって。
だけど、できなかった。どうしてか、言えなかった。
「幸せって、何? どうなったら、幸せ?」
私は、幸せだよ。だけど、レオくんは幸せ?
一緒だと思っていたけれど、本当にそうなの? 彼の言うとおり、このままだと不幸になるの?
「痛いなあ……」
あの子から向けられた数々の言葉たちが、ぐさぐさと私に刺さる。わかっているからこそ、尚更受け入れられなかった。
「私からは、別れない……絶対に……」
呟いた声音は、非常に弱々しいもので。それは、あっさりと吹く風に攫われていってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
ハチミツ色の絵の具に溺れたい
桃本もも
青春
大学生になったばかりの梅若佐保には、ひとつだけ悔やんでも悔やみきれないことがあった。
高校で唯一仲良くしていた美術部の後輩、茜谷まほろが事故に遭うきっかけを作ってしまったことだ。
まほろは一命を取りとめたものの、意識不明がつづいている。
まほろがいない、無味乾燥な日々。
そんな佐保のもとに、入院しているはずのまほろが現れる。
「あたし、やりたいことがあって、先輩のところに来たんです」
意識だけの存在になったまほろとの、不思議なふたり暮らしがはじまる――
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
僕《わたし》は誰でしょう
紫音みけ🐾新刊2月中旬発売!
青春
※第7回ライト文芸大賞にて奨励賞を受賞しました。応援してくださった皆様、ありがとうございました。
【あらすじ】
交通事故の後遺症で記憶喪失になってしまった女子高生・比良坂すずは、自分が女であることに違和感を抱く。
「自分はもともと男ではなかったか?」
事故後から男性寄りの思考になり、周囲とのギャップに悩む彼女は、次第に身に覚えのないはずの記憶を思い出し始める。まるで別人のものとしか思えないその記憶は、一体どこから来たのだろうか。
見知らぬ思い出をめぐる青春SF。
※表紙イラスト=ミカスケ様
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
一条さん結婚したんですか⁉︎
あさとよる
恋愛
みんなの憧れハイスペックエリートサラリーマン『一条 美郷(※超イケメン)』が、結婚してしまった⁉︎
嫁ラブの旦那様と毒舌地味嫁(花ちゃん)....とっ!その他大勢でお送りしますっ♡
((残念なイケメンの一途過ぎる溺愛♡))のはじまりはじまり〜
⭐︎本編は完結しております⭐︎
⭐︎番外編更新中⭐︎
Blue Bird ―初恋の人に再会したのに奔放な同級生が甘すぎるっ‼【完結】
remo
恋愛
「…溶けろよ」 甘く響くかすれた声と奔放な舌にどこまでも落とされた。
本宮 のい。新社会人1年目。
永遠に出来そうもない彼氏を夢見つつ、目の前の仕事に奮闘中。
なんだけど。
青井 奏。
高校時代の同級生に再会した。 と思う間もなく、
和泉 碧。
初恋の相手らしき人も現れた。
幸せの青い鳥は一体どこに。
【完結】 ありがとうございました‼︎
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる