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はばたきの3月
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まだ肌寒い、今日この頃。私は、この約一年を振り返っていた。
今までの私の人生で、一番色付いていた、楽しかった日々。
直面したのは、自分の弱さという、目を逸らしていた真実。
何度も迷って、逃げて、立ち向かって……そうして、私たちは互いを知った。
もっと、こうであったなら――羨んでいる理想像はあるけれど、彼に教わって、少しずつそれは夢から現実にスライドしていった。
――私には、決めたことがある。
勝手に実行すると怒られてしまうだろうから、今度はちゃんと伝えることにした。いつ言おうかドキドキするけれど、そろそろ告げなければならない。
先日互いに話をして、未来の展望を聞かせてもらったばかり。だというのに、私のそれは、すべてを否定するかのような提案だ。果たして、彼は何と言うだろうか……。
それでもこれが、私たちの『一番』の願いを叶える方法だと思うのだ。
まさか、この私が一番毒づいていた、奇跡や夢を信じて縋ることになろうとは、思っていなかったけれど。
彼は、きっと驚いて否定するだろう。もっと先でも良いのではと、言われるかもしれない。
そんな、いろんな「かも」は案の定、彼の口からあれもこれもと湧き出てきた。
「何で……」
「君の描く未来は、すごく魅力的だったよ。だけど……」
「さくらさんは、いつも勝手に一人で決める! 何で、そんな大事なことを決めてしまうの?」
「……それでも、君が望まないなら、私は――」
「……考えたい。お願い、考えさせて」
「うん」
予想していたことではあったけれど、告げるまでに勇気を振り絞ったけれど。それでも戸惑う彼は、真っ向から頭ごなしの全否定だけはしなかった。それだけでも十分だった。
これは、私一人の気持ちでは決められないし、実行できはしない。
私たちが同じ方向を向くことで、初めてスタートラインに立てるのだから。
そう――私たちは、始まってすらいない。ゼロですらないんだ。
だから、マイナスという生温い眠りから、目覚めなければならない。
願いを、叶えたいのであれば――
彼はしばらく考えると言って、今日は帰った。きっと、すぐに答えは出せないだろう。
どちらでも良い。彼が悩んで決めてくれたのなら、賛成でも反対でも私は受け入れよう。今度こそ、もう逃げない。
彼の夢をそばで見守るか、遠くで私も頑張るか……。いずれにせよ、私たちが願いを叶えるために選び、掴み取る未来。
それが、どうか願わくば、彼の狂気ではないことを。
そうではないことだけを、私は、ただただ祈っていた。
「結局、そういう話に落ち着いたんだ?」
「まだ保留中ってところだけどね」
レオくんに考えを伝えた日の、夕方。部活帰りのリュウを見つけた私は、彼に少し時間をもらった。
出会った時よりも、随分と仲良くなれた気がする。リュウは相変わらず悪態を吐きながらも、こうして私の要望を聞き入れてくれていた。
それが嬉しいようで、どことなく寂しいと思うのは、ワガママだろうか。
「結局、別れないなんて……一番ズルいやり方だよね。死んで幽霊になって、更にレオの心を永遠に捉えたままなんてさ。……やっぱり、嫌いだ。僕、お前みたいなやつ、嫌い。大嫌いだよ」
リュウが俯いてしまったので、その表情を窺い知ることはできない。
高い声が、わずかに震えていた。
「ごめんね、リュウ」
「簡単に謝るな。僕は、一生許さないからな。その奇跡とやらを起こさないと、絶対に許さない。レオとの約束を守らないやつは、許してなんてやるものか」
怖くない睨みを向けられて、淡い苦笑が自然と浮かぶ。
まるで、強がる小型犬。触れられたら、頭を撫でてあげるのに。……噛みつかれそうだけど。
「わかった。恨まれるのは嫌だから、頑張るね」
「何を頑張るんだよ」
「わからない。だけど、私にできることがあるなら、何だってする。それがたとえ、地獄での修行だとしても」
「……お前、地獄に堕ちるのかよ」
「それくらいの気持ちってこと。……何があろうと、諦めない。絶対に叶えてみせる。それが、私たちの願いだから」
「残りの二年を一緒に過ごすよりも?」
「一日でも早く、叶えるためだから」
まっすぐ向けられる視線は、やがて溜息とともに閉じられた。
小さな唇が、やんわりと微笑む。
「わかったよ。まったく、頑固な幽霊だな。……絶対、約束守れよ。僕も待っててやるから」
「リュウ……ありがとう」
「ま、それもレオがどっちを選ぶか――それ次第ってところか」
「そうだね。どちらになっても、ならなくてもいい。今のレオくんが本気で考えて決めてくれたなら、私はどんな未来でも構わない」
「そうかよ。……悪かったな」
「え?」
突然の謝罪に、目を丸くした。いったい、どうしたのだろうか。
「僕は、お前を目の敵にしてた。レオを沼に引きずり込むお前を、不幸の根源だと決めつけてたんだ」
「リュウ……」
風が吹く。美しい髪がさらりと揺れて、彼の片目を隠した。
「レオがああやって笑えるようになったのは、本当に最近なんだ。ずっと悲しみと戦って、苦労して、ここまで来たんだ。お前を心の支えにしながら、お前の言葉に囚われて、お前に苦しめられてきた。思い出に泣きながら、それでもレオはお前に縋ってきた。口を開けば『お姉さんが』『お姉さんに』『お姉さんの』『お姉さんだったら』って――いつもお前のことばっかり。そばにいる僕は何の役にも立たないのかと思うほど、レオの頭の中はお前で支配されてた」
無感情に語る瞳が、彼の過去の色を伝えてくる。
想いが、突き刺さるようだった。
「それでも、レオは現実を見ようと足掻いてたんだ。それなのに、お前は現れた。二度と出会えないはずのお前が、ここにいた」
ざあっと風が暴れる。私たちの髪をバタバタと翻して、視界を塞いだ。
「その時はまだ、僕には見えなかったから。だから、レオが言ってることの意味がわからなかった。そういった存在が見えることすら、レオは隠していたから。その時初めて、僕は知ったんだ。――レオが、境界線にいることを」
風がやむ。両の目が、まっすぐに私を捉えていた。
「憎かった。恨めしかった。死んでもまだレオを離さないのかって、悔しくなった。だから『お姉さん』がお前だと知って、会いに来た。付き合い始めたっていうから、別れさせてやろうって思った。消えてしまえって願ったんだ――お前のこと、何も知らないのに」
リュウは、力強い瞳を崩さなかった。だけど、声が泣いていた。
私は、口を開くことすらできなかった。
「全部聞いた。全部、レオに聞いたよ。僕がレオの隣にいた分、お前はここでたった一人、レオを見守ってたんだろ? 何も覚えてないのに、レオのことを見守り続けてたんだ。そんなこと、死の間際に願えるか? 自分のことじゃなくて、レオのこと? ――こんなの、僕がどうこう言えることじゃない。口を挟んでいいことじゃない。僕がしてることは、すべて余計なことだったんだ」
「――そんなことない。リュウは、ずっとレオくんのことを想って考えていた。そのどこにも、余計なことなんてない。そんなこと、言わせない」
私もリュウも、レオくんのことが大事で、大好きで。だから、幸せになってほしいと願う気持ちは、一緒なんだ。
そう想うことが余計なんて、そんなの私は認めない。
「……本当、お前って変な幽霊だな」
ふにゃりと表情を崩したリュウは、優しい顔をしていた。
少し困ったような、穏やかな笑顔だった。
「ありがとう……レオを、見守ってくれていて。どんな未来でも、お前たちが笑ってられるようにって、願うよ」
「ありがとう、リュウ。そこには、もちろんリュウもいるでしょ? 一緒に笑っていてね」
「……仕方ないな。お前たちだけじゃ、危なっかしいから。ちゃんとそばにいてやるよ」
「ありがとう。レオくんのこと、よろしくね」
「当たり前だ。だから、絶対に奇跡起こせよ」
「うん」
これは、彼の知らない私たち二人の約束。
たった一人でも、こうして想ってくれている人がいる――それは、とてもありがたいことなのに、なかなか気付けない。失って初めて、存在の大きさを知る。
だけど、誰かに教えてもらうものでもない。私は、そう思う。
だから、どうかと願う。彼が、気付きますように。
周りに溢れた小さな幸せに、気付くことができますように――
今までの私の人生で、一番色付いていた、楽しかった日々。
直面したのは、自分の弱さという、目を逸らしていた真実。
何度も迷って、逃げて、立ち向かって……そうして、私たちは互いを知った。
もっと、こうであったなら――羨んでいる理想像はあるけれど、彼に教わって、少しずつそれは夢から現実にスライドしていった。
――私には、決めたことがある。
勝手に実行すると怒られてしまうだろうから、今度はちゃんと伝えることにした。いつ言おうかドキドキするけれど、そろそろ告げなければならない。
先日互いに話をして、未来の展望を聞かせてもらったばかり。だというのに、私のそれは、すべてを否定するかのような提案だ。果たして、彼は何と言うだろうか……。
それでもこれが、私たちの『一番』の願いを叶える方法だと思うのだ。
まさか、この私が一番毒づいていた、奇跡や夢を信じて縋ることになろうとは、思っていなかったけれど。
彼は、きっと驚いて否定するだろう。もっと先でも良いのではと、言われるかもしれない。
そんな、いろんな「かも」は案の定、彼の口からあれもこれもと湧き出てきた。
「何で……」
「君の描く未来は、すごく魅力的だったよ。だけど……」
「さくらさんは、いつも勝手に一人で決める! 何で、そんな大事なことを決めてしまうの?」
「……それでも、君が望まないなら、私は――」
「……考えたい。お願い、考えさせて」
「うん」
予想していたことではあったけれど、告げるまでに勇気を振り絞ったけれど。それでも戸惑う彼は、真っ向から頭ごなしの全否定だけはしなかった。それだけでも十分だった。
これは、私一人の気持ちでは決められないし、実行できはしない。
私たちが同じ方向を向くことで、初めてスタートラインに立てるのだから。
そう――私たちは、始まってすらいない。ゼロですらないんだ。
だから、マイナスという生温い眠りから、目覚めなければならない。
願いを、叶えたいのであれば――
彼はしばらく考えると言って、今日は帰った。きっと、すぐに答えは出せないだろう。
どちらでも良い。彼が悩んで決めてくれたのなら、賛成でも反対でも私は受け入れよう。今度こそ、もう逃げない。
彼の夢をそばで見守るか、遠くで私も頑張るか……。いずれにせよ、私たちが願いを叶えるために選び、掴み取る未来。
それが、どうか願わくば、彼の狂気ではないことを。
そうではないことだけを、私は、ただただ祈っていた。
「結局、そういう話に落ち着いたんだ?」
「まだ保留中ってところだけどね」
レオくんに考えを伝えた日の、夕方。部活帰りのリュウを見つけた私は、彼に少し時間をもらった。
出会った時よりも、随分と仲良くなれた気がする。リュウは相変わらず悪態を吐きながらも、こうして私の要望を聞き入れてくれていた。
それが嬉しいようで、どことなく寂しいと思うのは、ワガママだろうか。
「結局、別れないなんて……一番ズルいやり方だよね。死んで幽霊になって、更にレオの心を永遠に捉えたままなんてさ。……やっぱり、嫌いだ。僕、お前みたいなやつ、嫌い。大嫌いだよ」
リュウが俯いてしまったので、その表情を窺い知ることはできない。
高い声が、わずかに震えていた。
「ごめんね、リュウ」
「簡単に謝るな。僕は、一生許さないからな。その奇跡とやらを起こさないと、絶対に許さない。レオとの約束を守らないやつは、許してなんてやるものか」
怖くない睨みを向けられて、淡い苦笑が自然と浮かぶ。
まるで、強がる小型犬。触れられたら、頭を撫でてあげるのに。……噛みつかれそうだけど。
「わかった。恨まれるのは嫌だから、頑張るね」
「何を頑張るんだよ」
「わからない。だけど、私にできることがあるなら、何だってする。それがたとえ、地獄での修行だとしても」
「……お前、地獄に堕ちるのかよ」
「それくらいの気持ちってこと。……何があろうと、諦めない。絶対に叶えてみせる。それが、私たちの願いだから」
「残りの二年を一緒に過ごすよりも?」
「一日でも早く、叶えるためだから」
まっすぐ向けられる視線は、やがて溜息とともに閉じられた。
小さな唇が、やんわりと微笑む。
「わかったよ。まったく、頑固な幽霊だな。……絶対、約束守れよ。僕も待っててやるから」
「リュウ……ありがとう」
「ま、それもレオがどっちを選ぶか――それ次第ってところか」
「そうだね。どちらになっても、ならなくてもいい。今のレオくんが本気で考えて決めてくれたなら、私はどんな未来でも構わない」
「そうかよ。……悪かったな」
「え?」
突然の謝罪に、目を丸くした。いったい、どうしたのだろうか。
「僕は、お前を目の敵にしてた。レオを沼に引きずり込むお前を、不幸の根源だと決めつけてたんだ」
「リュウ……」
風が吹く。美しい髪がさらりと揺れて、彼の片目を隠した。
「レオがああやって笑えるようになったのは、本当に最近なんだ。ずっと悲しみと戦って、苦労して、ここまで来たんだ。お前を心の支えにしながら、お前の言葉に囚われて、お前に苦しめられてきた。思い出に泣きながら、それでもレオはお前に縋ってきた。口を開けば『お姉さんが』『お姉さんに』『お姉さんの』『お姉さんだったら』って――いつもお前のことばっかり。そばにいる僕は何の役にも立たないのかと思うほど、レオの頭の中はお前で支配されてた」
無感情に語る瞳が、彼の過去の色を伝えてくる。
想いが、突き刺さるようだった。
「それでも、レオは現実を見ようと足掻いてたんだ。それなのに、お前は現れた。二度と出会えないはずのお前が、ここにいた」
ざあっと風が暴れる。私たちの髪をバタバタと翻して、視界を塞いだ。
「その時はまだ、僕には見えなかったから。だから、レオが言ってることの意味がわからなかった。そういった存在が見えることすら、レオは隠していたから。その時初めて、僕は知ったんだ。――レオが、境界線にいることを」
風がやむ。両の目が、まっすぐに私を捉えていた。
「憎かった。恨めしかった。死んでもまだレオを離さないのかって、悔しくなった。だから『お姉さん』がお前だと知って、会いに来た。付き合い始めたっていうから、別れさせてやろうって思った。消えてしまえって願ったんだ――お前のこと、何も知らないのに」
リュウは、力強い瞳を崩さなかった。だけど、声が泣いていた。
私は、口を開くことすらできなかった。
「全部聞いた。全部、レオに聞いたよ。僕がレオの隣にいた分、お前はここでたった一人、レオを見守ってたんだろ? 何も覚えてないのに、レオのことを見守り続けてたんだ。そんなこと、死の間際に願えるか? 自分のことじゃなくて、レオのこと? ――こんなの、僕がどうこう言えることじゃない。口を挟んでいいことじゃない。僕がしてることは、すべて余計なことだったんだ」
「――そんなことない。リュウは、ずっとレオくんのことを想って考えていた。そのどこにも、余計なことなんてない。そんなこと、言わせない」
私もリュウも、レオくんのことが大事で、大好きで。だから、幸せになってほしいと願う気持ちは、一緒なんだ。
そう想うことが余計なんて、そんなの私は認めない。
「……本当、お前って変な幽霊だな」
ふにゃりと表情を崩したリュウは、優しい顔をしていた。
少し困ったような、穏やかな笑顔だった。
「ありがとう……レオを、見守ってくれていて。どんな未来でも、お前たちが笑ってられるようにって、願うよ」
「ありがとう、リュウ。そこには、もちろんリュウもいるでしょ? 一緒に笑っていてね」
「……仕方ないな。お前たちだけじゃ、危なっかしいから。ちゃんとそばにいてやるよ」
「ありがとう。レオくんのこと、よろしくね」
「当たり前だ。だから、絶対に奇跡起こせよ」
「うん」
これは、彼の知らない私たち二人の約束。
たった一人でも、こうして想ってくれている人がいる――それは、とてもありがたいことなのに、なかなか気付けない。失って初めて、存在の大きさを知る。
だけど、誰かに教えてもらうものでもない。私は、そう思う。
だから、どうかと願う。彼が、気付きますように。
周りに溢れた小さな幸せに、気付くことができますように――
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