私は逃げます

恵葉

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試験

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到着し、翌々日には何と!受験日です。
レイとアンドリューは、フェデリコ様が街を案内し、のんびり過ごしたようです。

アルと私は、追い込みです。
まあ…多分、受かるでしょう。
ただどの学年に編入出来るかという問題です。
私は年齢的には初等の最終学年辺りが妥当ですが、出来れば飛び級で中等に進みたい。
前世23歳の記憶が案外あるので、初等は勉強内容的につまらないのです。
中等だったらまあ復習とか思えなくもない。
それに科目によっては、そもそも前世には無かった科目もあるし。
アルは中等の最終学年の途中に入れるのが理想的です。
専門課程に行きたいところなのですが、まだどの方面に進むか、気持ちが定まっていないのだそうです。
だから猶予が欲しいというところで。

中食や夕食も、私とアルは、それぞれに部屋で頂きました。
というか、ワンハンドで食べられるような軽食を用意してくださいました。

夕食を運んできてくれたマーサに、早めに入浴して、早めに寝てくださいと言われてしまいました。
なので適当なところで諦めて、早めにベッドへ入りました。

当日、フェデリコ様が、アルと私に付き添ってくれることになりました。
フェデリコ様は既に専門課程も修了し、今は研究過程に進もうか、就職しようか、悩んでいる最中だそうです。
非情に優秀な成績らしくて、専門は経済で、何と!王宮の文官にスカウトされているらしいです。
でもスカウトが来ているのは財務部門で、フェデリコ様としては、貿易などの方が興味があるとかで、悩んでいるそうです。
贅沢な悩みだな…。

アルと私が試験を受けている間、フェデリコ様は、レイとアンドリューに学内を案内するのだそうです。
留学するとかしないとかは別として、私たちの国には、ここまでの学校は無いので、一つの参考になるのではないかと。

アルと私は、試験を受ける部屋も別々です。
受験生は、事前に自分のレベルをある程度自己申告し、それに合わせて試験を受けます。
試験は、2ヶ月に一回やっているそうで、結構年中編入が出来るらしいです。
これは、この国の生徒たちも、何らかの事情で途中で休学し、また復学したりというのが、簡単に出来るように、学生が途中で退学することなく、最後まで勉強を続けられるようにという事です。
学年も、大まかにはあるのですが、最終的には取得単位若しくは試験で、上の学年に上がったり、課程を進学したり、卒業した李が決まるのだそうです。
極端な事を言ってしまえば、アルと私が、同じ授業を取る可能性もゼロではない。

私と同レベルの受験生は、私を含めて10数人おりました。
今回は割と多いらしい。
年齢は皆、多少のずれはあるものの、大きくは変わらない…けど私が最年少っぽい…。
計算問題はこのレベルのは得意です。
問題は語学と歴史…。
前世の知識が使えない為、少し大変なのです。
それでも必死で問題を解きました。
当初、私の試験は午前中だけで終わりのはずだったのですが、急遽試験官から午後も受けるように言われました。
アルは元々、午後もあったのですが。
昼はフェデリコ様とレイとアンドリュー様が迎えにきてくれて、アルも合流して、学食へ向かいました。
学食は、エリアが幾つか分かれていて、初等、中等、専門課程、教師及び研究過程に分かれていて、更にその中で高位貴族のみが利用できるエリアというのがありました。
私は伯爵家なので、高位ではない。
どうしたら良いのかと悩んでいたら、フェデリコ様が、全員を専門課程の高位貴族用のそれも個室へ連れて行ってくださいました。
権利のある人が一緒であれば、下の課程の学生や、高位貴族ではないものでも、入る事が出来るらしい。
食事は、フェデリコ様がお勧めのものを適当にオーダーしてくださいました。
「リーナちゃんはどうだった?試験?午前中で終わりだよね?」
「それが…終わった直後に試験官の方から、午後も受けるように言われてしまいまして。
午後はこの教室へ行くように言われたのですが…。
私、何か試験で失敗したのでしょうか?」
そういって渡された指示書を見せると、アルがそれを覗き込み。
「あれ、この試験会場は、俺が試験を受ける教室と同じだよ?
午後は専門的な科目の試験なんだけど…リーナは何をやるのかな?」
「昼食を食べたら、知っている教官にどういうことなのか、聞いてきてあげるよ。
午後の試験まで時間があるから、君たちはカフェへ案内するから、そこで待っていてくれる?」
「お手数をお掛けして申し訳ございません!」
私は申し訳なく思って頭を下げました。

カフェで待つ間、レイとアンドリュー様に聞きました。
「二人は午前中は、どんなところを見て回ったの?」
「フェデリコ様が一緒だったからか、少しだけ騎士課の授業に参加出来たんだ。」
「え!?どんなことをやったの?」
「本当は授業風景を少しだけ見るだけのはずで、それは外国語の授業だったんだ。
騎士は外国からの要人の警備をすることもあるし、自国の要人が外国へ行くときに同行する場合もあるから、ある程度の外国語の習得は必須なんだって。
その後、剣術の授業で、そこに参加させてもらえたんだ。
でも流石、騎士を目指すだけあって、皆、凄く強かったよ。
私には騎士は難しいと思い知ったよ。」
「俺は今から鍛えれば、騎士も目指せるかもって思ったよ。
自分の能力を知れたのは、凄くためになったよ。」

そんな話をしていたら、フェデリコ様が戻ってきました。
「待たせてごめんね!分かったよ、リーナちゃんの午後の試験。
何かね、一つ目の試験が計算だったでしょ?
リーナちゃん、満点だったらしくて、ちょっと初等じゃないよねってなったらしいよ。
語学と歴史は中の上っぽいんだけど、計算がずば抜けてい過ぎたみたい。
それで他の科目もやらせてみようという事になったみたいだよ。」
「午後って私は何をやるのか、分かりますか?」
「一応選択してもらうみたい。
更に計算は受けてもらうみたいだけど、他に音楽、服飾、調理、芸術、建築あたりかな。」
「その中から幾つ受けるのですかね?私?」
「計算と、プラス二つか三つだろうね。」
「だったら服飾と調理にしておきたいです。」
「あ、じゃあ先に試験官に言っておいてあげるよ。
時間になったらアルと一緒に教室へ行って!
レイとアンドリューはこのままここで待っていて!
午後は図書館へでも行こうか?」

こうして私は、午後は先ずは計算問題…流石に足し算、引き算それに簡単な掛け算、割り算…では済まなくなりました。
それらが混在していたのと、桁数が増えた。
いや、増えても良いのですけどね…あの数字を縦に書いて計算って、この世界に無いのですよ。
だからその計算式をあんまり書きたくない。
しかしそれを書かないと、計算も難しい。
仕方ないので、最後に全て、上から塗りつぶしておこうと決め、問題を解きました。

更に服飾は、布と糸やハサミなどが用意され、何と!何かを作れと。
仕方が無いので、ワンピースを作りました。
材料と時間が色々足りなさすぎる!
1時間で単なる袋以外のものを作れるかっていうのよ…全く!
なので、前世の記憶の、70年代ファッションだったかな?!長方形チックなモダンな感じの直線縫いのワンピを作っておきました。
本当は古代ギリシャのドレスも作れるのですが、あれは縫う必要も無く、布と紐で作れてしまうので、止めておきました。

最後は調理。
様々な材料が置かれていて、何か作れと。
そしてこれまた制限時間は一時間。
手っ取り早くニョッキを作る事にした。
ナスと干し肉のトマトソースにたっぷりのハードチーズを掛けて、出来上がり。

あぁ…予定外に疲れる試験でした。
何の事前準備も無しに何かを作れとか、ホント無茶苦茶だよ。


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