72 / 83
第二章
レイモンドの訪問 後編
しおりを挟む
「ねえ…私はきっとこのまま、誰とも結婚しないから、最後にリーナとの思い出だけ欲しいな…。
それを胸に抱いて生きていくから…。
私にキスしてくれる?」
「え?!」
正直言って戸惑った…。
レイの誰とも結婚しないという発言にも驚いたし、最後にとか、私との思い出だけ欲しいとか、私はどうしたら良いのかな…。
どうして良いのか困っていると、レイが起き上がった。
「ふっ…ごめん…困らせるつもりは無いんだ…。
いや…ごめん…私の事で困って欲しいのかも…。
リーナは…私の事を好ましく思ってくれているかもしれないけど、それはアルや他の人たちと同じでしょ?
私だけを思ってくれているわけではない…あ!何も言わないで!分かっているから…。
でも私はどうしようもないくらいに君の事が好きで、だから君の事を完全に過去の事にしたくて君から離れたんだ。
この国へも来るべきだは無かったな…。
まさか君に会うとは思わなかったんだ。」
「…。」
「…でも…これが本当に最後!もう君には会わないよ…。
完全に会わないというのは無理かもしれないけど、でももう出来る限り会わない…。
まだ辛過ぎるから…。
でも君の幸せを心から願っているよ…。
じゃあ…もう行くね…元気でね…。」
立ち上がろうとするレイの手首を思わず掴んで引っ張っていた。
バランスを崩して再び芝生の上に寝転がるような体勢になった。
気が付くと私はレイにのしかかるように抱き着いていた。
「あ!ごめん!私、何やってんだろ…ごめんなさい…。」
「リーナ…何で君が泣くの?泣かないで…。」
何故か私の頬を涙が流れていた。
「やだ…もうレイと会えないの、嫌だ…。」
泣きながら言うと、レイは笑顔で言った。
「…いつかまた会えるよ。
私がリーナの姿を見ても、平気になったら…。
その頃には君の横には素敵な旦那さんが居て、君によく似た可愛い子供を抱いているんだろうな。
君は笑顔で旦那さんや子供を見つめていて…。
そんな姿を見ても、平気でいられるようになったら、君に会いに行くよ。」
レイにそう言われた時、私の頭に浮かんだのは、私の隣に居るのはレイだった。
私、レイの事が好きなのかも…。
そう思うと、凄くドキドキしてきた。
「さよなら…。」
レイが泣き笑いをしながら私のおでこに口づけし、再び立ち上がろうとした。
私は再びレイにしがみ付き、再び押し倒した。
「リーナ?」
困ったような顔をするレイの両肩に手を置き、咄嗟にレイの唇に口づけをした。
恥ずかしさに心臓が壊れるのではないかと思うくらいにドキドキした。
見るとレイは、目を見開いて固まっていた。
私は、恥ずかしいけど、レイの瞳を見つめながら、2回、3回と口づけをした。
次の瞬間、レイに強く抱きしめられ、レイの方から唇を重ねられていた。
まるで食むような口づけを繰り返され、私の頭は真っ白になった。
もっともっとレイに近づきたくて、ホンの少しの隙間も無くしたくて、レイの髪に両手を差し入れ、離れるのを拒んだ。
「何をやっているんだ!」
怒鳴り声で私たちは我に返った。
ヒュー様だった。
私は我に返ったけど、ヒュー様の方は見もせずにレイの瞳を見つめて言った。
「私…凄い今さらだけど…遅いかもしれないけど…でもレイの事が好きなの…離れたくないの…。」
「リーナ…リーナ!!!」
更に強く抱きしめあう私たちに、ヒュー様が近付いてきた。
「二人とも離れろ!何をやっているんだと言っているだろ!」
ヒュー様の怒鳴り声に、アルやお義兄様たちも駆けつけていた。
フェデリコ義兄様が近付いてきて、私を安心させるように微笑んで言った。
「とにかく二人とも立って…侍女たちの目もあるから。
応接間へ行って話そう?
ヒュー殿も先ずは応接間の方へ行ってもらえるかな?アンドレア、ヒュー殿を案内して。」
フェデリコ義兄様は、私たちを助け起こし、玄関の方へ促した。
「ほら!アルフレッドも中へ戻るよ…。」
そこで私たちは初めてアルが悲しそうな顔を私たちを見つめて立ち尽くしていることに気が付いた。
私が口を開こうとした瞬間、アルは私の言葉を拒むように背を向けて、玄関の方へ歩き出した。
それを胸に抱いて生きていくから…。
私にキスしてくれる?」
「え?!」
正直言って戸惑った…。
レイの誰とも結婚しないという発言にも驚いたし、最後にとか、私との思い出だけ欲しいとか、私はどうしたら良いのかな…。
どうして良いのか困っていると、レイが起き上がった。
「ふっ…ごめん…困らせるつもりは無いんだ…。
いや…ごめん…私の事で困って欲しいのかも…。
リーナは…私の事を好ましく思ってくれているかもしれないけど、それはアルや他の人たちと同じでしょ?
私だけを思ってくれているわけではない…あ!何も言わないで!分かっているから…。
でも私はどうしようもないくらいに君の事が好きで、だから君の事を完全に過去の事にしたくて君から離れたんだ。
この国へも来るべきだは無かったな…。
まさか君に会うとは思わなかったんだ。」
「…。」
「…でも…これが本当に最後!もう君には会わないよ…。
完全に会わないというのは無理かもしれないけど、でももう出来る限り会わない…。
まだ辛過ぎるから…。
でも君の幸せを心から願っているよ…。
じゃあ…もう行くね…元気でね…。」
立ち上がろうとするレイの手首を思わず掴んで引っ張っていた。
バランスを崩して再び芝生の上に寝転がるような体勢になった。
気が付くと私はレイにのしかかるように抱き着いていた。
「あ!ごめん!私、何やってんだろ…ごめんなさい…。」
「リーナ…何で君が泣くの?泣かないで…。」
何故か私の頬を涙が流れていた。
「やだ…もうレイと会えないの、嫌だ…。」
泣きながら言うと、レイは笑顔で言った。
「…いつかまた会えるよ。
私がリーナの姿を見ても、平気になったら…。
その頃には君の横には素敵な旦那さんが居て、君によく似た可愛い子供を抱いているんだろうな。
君は笑顔で旦那さんや子供を見つめていて…。
そんな姿を見ても、平気でいられるようになったら、君に会いに行くよ。」
レイにそう言われた時、私の頭に浮かんだのは、私の隣に居るのはレイだった。
私、レイの事が好きなのかも…。
そう思うと、凄くドキドキしてきた。
「さよなら…。」
レイが泣き笑いをしながら私のおでこに口づけし、再び立ち上がろうとした。
私は再びレイにしがみ付き、再び押し倒した。
「リーナ?」
困ったような顔をするレイの両肩に手を置き、咄嗟にレイの唇に口づけをした。
恥ずかしさに心臓が壊れるのではないかと思うくらいにドキドキした。
見るとレイは、目を見開いて固まっていた。
私は、恥ずかしいけど、レイの瞳を見つめながら、2回、3回と口づけをした。
次の瞬間、レイに強く抱きしめられ、レイの方から唇を重ねられていた。
まるで食むような口づけを繰り返され、私の頭は真っ白になった。
もっともっとレイに近づきたくて、ホンの少しの隙間も無くしたくて、レイの髪に両手を差し入れ、離れるのを拒んだ。
「何をやっているんだ!」
怒鳴り声で私たちは我に返った。
ヒュー様だった。
私は我に返ったけど、ヒュー様の方は見もせずにレイの瞳を見つめて言った。
「私…凄い今さらだけど…遅いかもしれないけど…でもレイの事が好きなの…離れたくないの…。」
「リーナ…リーナ!!!」
更に強く抱きしめあう私たちに、ヒュー様が近付いてきた。
「二人とも離れろ!何をやっているんだと言っているだろ!」
ヒュー様の怒鳴り声に、アルやお義兄様たちも駆けつけていた。
フェデリコ義兄様が近付いてきて、私を安心させるように微笑んで言った。
「とにかく二人とも立って…侍女たちの目もあるから。
応接間へ行って話そう?
ヒュー殿も先ずは応接間の方へ行ってもらえるかな?アンドレア、ヒュー殿を案内して。」
フェデリコ義兄様は、私たちを助け起こし、玄関の方へ促した。
「ほら!アルフレッドも中へ戻るよ…。」
そこで私たちは初めてアルが悲しそうな顔を私たちを見つめて立ち尽くしていることに気が付いた。
私が口を開こうとした瞬間、アルは私の言葉を拒むように背を向けて、玄関の方へ歩き出した。
471
あなたにおすすめの小説
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います
りまり
恋愛
私の名前はアリスと言います。
伯爵家の娘ですが、今度妹ができるそうです。
母を亡くしてはや五年私も十歳になりましたし、いい加減お父様にもと思った時に後妻さんがいらっしゃったのです。
その方にも九歳になる娘がいるのですがとてもかわいいのです。
でもその方たちの名前を聞いた時ショックでした。
毎日見る夢に出てくる方だったのです。
私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
教養が足りない、ですって
たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリーゼは、公爵家の長男アレクシスとの婚約披露宴で突然婚約破棄される。理由は「教養が足りず、公爵夫人として恥ずかしい」。社交界の人々の嘲笑の中、エリーゼは静かに会場を去る。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。
パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、
クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。
「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。
完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、
“何も持たずに”去ったその先にあったものとは。
これは誰かのために生きることをやめ、
「私自身の幸せ」を選びなおした、
ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。
兄のお嫁さんに嫌がらせをされるので、全てを暴露しようと思います
きんもくせい
恋愛
リルベール侯爵家に嫁いできた子爵令嬢、ナタリーは、最初は純朴そうな少女だった。積極的に雑事をこなし、兄と仲睦まじく話す彼女は、徐々に家族に受け入れられ、気に入られていく。しかし、主人公のソフィアに対しては冷たく、嫌がらせばかりをしてくる。初めは些細なものだったが、それらのいじめは日々悪化していき、痺れを切らしたソフィアは、両家の食事会で……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる