翅のないおっさんはただのおっさんです。大切に労ってあげましょう(笑)

ゼロ

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要ちゃんを居間の方へ案内すると、そういえばお茶出してなかった事に気付いた。慌ててドリンク何が良いかと聞くと、全員紅茶希望だった。しかも全員ストレートティーだった。

「あら、皆、紅茶でいいの?」

もう一度確認すると紅茶が良いとのことだった。皆そんなに紅茶好きだったかしら?しろちゃん先生はほうじ茶オンリーだったはずだし、要ちゃんはチョコレートドリンク……というよりチョコレート信者だし、おっさんはオレンジジュースが好きだったような……。

「さくさく、紅茶入れるの凄く上手。」

「酒とほうじ茶しか飲まねえ俺を紅茶も飲めるようにしたすげえ腕前。」

「しかも中々入れてくれないレア品だもんねぇ。」

あら、そんな嬉しいこと言ってくれちゃってねぇ。それじゃあ最高に美味しい一杯を皆にご馳走しなくっちゃねぇ……っていやいや、中々入れてくれないとは失礼な話ね。それぞれ好みのドリンク入れてたつもりよ!!………………あ。そういえば、いつもは複数の人もてなすことあまりないから何も聞かずにしろちゃん先生にはほうじ茶、要ちゃんにはチョコレートドリンク、おっさんにはオレンジジュース入れてたわね(汗)。今度から気を付けないといけないわね。

「……はい、どうぞ召し上がれ。」

入れた温かい紅茶のお供には冷蔵庫に常備品として入っていたアルファベッドチョコを数個皿に盛付けて紅茶の隣に置いた。

「チョコ!」

すぐにチョコに食い付いたのは勿論要ちゃんだった。ちなみに皿の上のチョコは山盛りにされている。

「え!ずるーい!おっさんもチョコもっと欲しい!」

……おっさん、その言葉後で後悔するわよ(苦笑)。

おっさんとしろちゃん先生はワタシのその言葉に不思議そうにしていたが後でどうしてか理解することになる。冷蔵庫にチョコレートの大袋を取りに戻り、要ちゃんの横に待機した。

「おかわり!」
皿を差し出す要ちゃんと先程と同じ量盛り付けるワタシ……。この時点ではまだ二人とも不思議そうな顔のままだったが次第に顔が青くなっていった。

「おかわり!」

「はい、どうぞ。これでラストよ」

「ありがとさくさく」

その量アルファベッドチョコ大袋約10袋分(但し二人に出した3粒ずつのチョコレートを除く)をものの数分もしない内に全て平らげてしまった。その横で砂糖なしのストレートティーを一気に飲み干す二人を横に新しい紅茶を入れ直してたっぷり注いだ。二人は感謝の言葉を伝えると青い顔のまま一口紅茶を飲み、皿に入っている3粒のチョコレートを要ちゃんに差し出した。それを有り難く頂戴した要ちゃんはアルファベッドチョコ大袋約10袋ではなく10袋全部平らげたわけだ。

「二人とも後悔したでしょ?」

「あぁ……うぷっ!」

「おっさん、ビックリしちゃったぞぉ……胃袋宇宙に繋がってるかと思ったぁ……。冷蔵庫の中のチョコ食べるの禁止って紙が小さく貼られている理由ようやく理解できたぞぉ。」

「確かに……。ブラックホールにでも繋がってるんじゃないかと思ったな。」

二人ともこんなことで意気投合しなくても……(苦笑)。

ちなみに要ちゃんの手土産のスナック菓子が沢山入った白い大きな袋の中身は全部チョコ系のスナック菓子である。実は手土産というよりはアルファベッドチョコのお礼の前渡しというのがが本当である。さすがチョコ信者なだけあって毎回美味しいスナック菓子を選んでくるのだ。

「……あら、そういえば、要ちゃん今年のバレンタインデーいつもので良い?それとも何か欲しいのあればそれにするわよ?」

「いつもと同じが良い。質より量を希望する。」

「ん?プレゼントする側そっちで、受け取る側がこっちなのか?」

「ウチ、その日だけ男の子」

「「いやいやいや、なんでやねん」」

二人とも突っ込み入れた。何故か関西弁である。

「あら、その日だけ要ちゃんズボンちゃんと履いてるのよ」

「「そういうことじゃねーよ(じゃないと思うぞぉ)!……というかズボン何処から調達してっ……。」」

それは二人の心からの叫びであった。要ちゃんの頭を撫でつつその質問に答えたのはワタシである。

「あら、それはワタシのよ。」

「「え"っ!…………」」


その顔にはお前ズボン持ってたのかって書いてあった。失礼しちゃうわ。ワタシだってズボン履くのよ?ただ、のズボンは履かないだけよ?正直制服のズボンってだけでズボンが嫌なのよね。制服のズボンって自分は男だっていう象徴のように思えて嫌なのよねぇ。最近制服で女の子がズボン選べる学校もあるみたいだけどそれでも……。

……ワタシは制服のズボンは嫌だけど、入学前に最初はスカート履いて登校させて貰えるかまだ分からなかったからズボンも作っておいたのよね。結局、許可が下りたし、使わず舞い込んであったのを、バレンタインデーに私服のズボン履いて男の子の格好してチョコ貰いまくるぞーって叫んでた要ちゃんにプレゼントしたのよ。チョコ貰いたい放題って言って大喜びよ。

「…………おっさん、バレンタインデーの日だけは学校近付かないぞぉ(チョコは暫く見たくないもんねぇ)。」

「…………あ~、そういえばあと少しでバレンタインデーだったか。……チョコの恐怖再び……。」

……あら、学校に近付かないのは有難いけど、チョコ要らないのね。しろちゃん先生もチョコ欲しくないってこどで良い?

「いる!朔斗ちゃんからのチョコ欲しい!」

「……チョコじゃなくて煎餅欲しい」

二人とも素直でよろしい……ってしろちゃん先生チョコじゃないのね。煎餅なのね(苦笑)。もうそれ、バレンタインデーちゃうやーん!

……おっといけないいけない。落ち着けワタシ!!



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