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個室でこっそりしています
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「ごめん、ごめんなさい。本当にごめんて」
「本当?莱さん、反省してる?」
「し、してます」
地域総合病院の個室にて、ベッドの上で正座し平謝りする莱、そのベッドの上にあぐらをかいてふんぞりかえるのは国一だ。
ことの顛末は、日曜日深夜に遡る。
莱が泣きながら酔っ払っていた頃、ガールズバーの路上で待ち伏せしていた、莱の元彼の卓が、アヤに掴みかかった。それを交わしながらハイヒールを脱ぎ捨て逃げるアヤが、
「あんたはただの客!」
と叫ぶと、
「100万も使わせて、アヤ!待てよ」
卓の声に被せるように、
「その100万はライコウのでしょ!ーーぎゃあぁ!」
と再度叫んだところで、卓に捕まり首を絞められた。『ジュエル』からマスターの依頼で、見守りをしていた店員がアヤが逃げてくるのを見て警察を呼んでいた。
なんとか卓の腕を掴むが全く振り解けず、アヤが首を絞められ意識が朦朧としたところで、パトカーのサイレンが聞こえた。
「あ、あ、アヤ……」
それを聞いて卓は手を振ってアヤをアスファルトに落として逃げ出し、アヤは同じく転んだ店員に
「ラ、ライコウが、あ、危ないかも」
と、咳込みながら告げた。
警察が駆けつけた後のアヤの発言に、警察も迅速に動き、莱のアパートに行く。そこで倒れていた莱を発見し、意識混濁のため救急車で運ばれる次第となったのだ。
急性アルコール中毒の莱は点滴を受けながら意識を取り戻し、警察に人生初の事情聴取を受け、卓がまだ逃げている都合上、個室にて面会謝絶だったのが、月曜日まで。
逃げる金が尽きたのか、実家に戻った卓が殺人未遂で逮捕されたと、店長の源氏名カイルが昼間でも綺麗な顔で莱の所にやってきた。
「元彼の親から100万円、渡されたんだよ。ライコウ、そいつのために借金して『ジュエル』で働いてたんだよねぇ」
茶封筒を開けると、帯がついた新札束。卓のお父さんにはたまに会っていたよね。シェアハウスするって言ってたら、若いうちに色々やれって話してくれたんだ。もう、会うことはないし、会えないけど。
「今日の昼には病院から出るだろ?ライコウ、昼の仕事してから、夜、まだ『ジュエル』で働くのか?」
今の部屋の家賃は7万円。医療事務の給料だけで、暮らせていけないことはないが、引っ越すにも金がかかる。半年以上前から、タカは家賃半分を入れてくれなくなっていたし。
「カイルさん、もう少し働かせてください。『火曜日彼氏』も心配ですので」
というのは表向きで、裏では同棲までして8年越しに振られた分、奴のためなんかの身体を削ってぐちゃぐちゃのボロボロになりたかったのもある。ヤリ専のクラブとかに堕ちてもいいかな、位に思っていたのだから。
莱は浅黒い顔に笑みを作ると流し目でカイルを見上げた。
「つくづく『ライコウはライコウ』だわ。ーーだってさ、よかったね」
カーテンの後ろから、国一が白いシャツに半ズボンで現れた。
「え、え、どうして?」
「火曜日彼氏だもん!莱さん、LINE全然繋がらないし!だから、『ジュエル』に連絡してもらったら、病院って……」
カイルが肩を竦めると、
「俺、ライコウをアパートに送るんだけど。まあ、車を回すのに1時間くらいかかるから、ちびっ子をなだめろよ?大事なお客様の子だし」
と、部屋を出ていく。
待って、待って、ねえ、後生だから。カイルさん、国一くんをどうしろと。
「莱さん、聞いてる?」
「ごめん、ごめんなさい。本当にごめんて」
「本当?莱さん、反省してる?」
「し、してます」
そして地域総合病院の個室にて、ベッドの上で正座し平謝りする莱、そのベッドの上にあぐらをかいてふんぞりかえるのは国一が出来上がる。
「じゃあ、元彼としてないセックスしてくれたら、仲直りしてあげる」
どんな子供だよ、ませてる以前の問題だ。
「ーーここで?」
とりあえず莱は国一に聞いてみる。午前中じゃん、病院じゃん、面会謝絶終わったじゃん。誰か、まあ、看護師さん入ってきたらどうする?いや、カメラの位置は?どう見ても国一は成人前だから、捕まるのは莱だ。卓と同じ繁華街留置所になりますか?
「ここで」
「身体の準備ーーぺぺ?」
手元のカバンから出して手に握らされたのは、お馴染みぺぺローション小ボトル。
「お願い」
病院用寝巻きは、紐固定の前開きで、しかもパンツは購買で買うのがだるくて、手洗いして干してある奴だけだ。だから、莱はパンツを履いていない。
自分にはとことん雑な莱は、少し毛の生えた股間の毛を気にしながら、尻の穴にぺぺローションを指でとって拭いつける。
マイボトルなら直入れだが、このボトルは誰のかわからないので、少し指につけてはにちにちと尻の穴を広げて行き、そこまでは太くない国一のペニスが入るくらい緩ませると、国一をベッドボードを背もたれにして足をまっすぐに開かせて座らせた。
綺麗なペニスだなあと思う。オナニーをしていれば利き手にちょっと傾くのに、真っ直ぐだ。
「なに?」
「まあまあ」
そんなペニスの上に膝立ちで跨ると、尻たぶを掴んで広げながら、国一のペニスをアナルに吸い込んでいく。ちゅくちゅくとぺぺローションの音がして、腹の中が気持ちいい。
「あは、入った」
腹合わせで座位のまま、両腕を国一の膝くらいのところで支えにして、片足の膝ををベッドボードに乗せ、更に反対側の膝をベッドボードに乗せると、国一を膝で挟むようにする。
「ほんとは、さ、膝を肩にかけるんだ、よ。奴は腕や肩に負担かけない、から、こんなん、したこと、ないっーーふぁっ、ま、待って」
浮かせている尻に下から突き上げるように動き出す国一に、腕が突っ張りバランスを崩してしまいそうになって、尻の穴をぎゅっと締めた。
「うわ、莱さーーううっ」
腹の中に射精され、ほっとしたのも束の間、莱のペニスを掴んだ国一がゴシゴシと扱き出す。
「や、あっ、ちょーーっ」
卓にも触られたことないのにーーそして、触れるようなキスをされた。
「出ちゃう……っ」
必死で両手で体重を支えつつ、莱は国一の手の中に射精をしてしまった、国一のペニスを締め付けながら。
「ご、ごめっ、手を拭いて」
「うん、たくさん出るんだね」
「ごめん」
片足をなんとか降ろして、莱は慌てて寝巻きで国一の手を拭く。その時に国一のペニスを扱くようにアナルから出して、もう片足もやっと降ろせた。
「莱さん。あのね、俺、初めてのキスも、莱さんとだよ」
まじかーーと、莱は絶対に筋肉痛になりそうな腕で頭を抱え込んだ。
「本当?莱さん、反省してる?」
「し、してます」
地域総合病院の個室にて、ベッドの上で正座し平謝りする莱、そのベッドの上にあぐらをかいてふんぞりかえるのは国一だ。
ことの顛末は、日曜日深夜に遡る。
莱が泣きながら酔っ払っていた頃、ガールズバーの路上で待ち伏せしていた、莱の元彼の卓が、アヤに掴みかかった。それを交わしながらハイヒールを脱ぎ捨て逃げるアヤが、
「あんたはただの客!」
と叫ぶと、
「100万も使わせて、アヤ!待てよ」
卓の声に被せるように、
「その100万はライコウのでしょ!ーーぎゃあぁ!」
と再度叫んだところで、卓に捕まり首を絞められた。『ジュエル』からマスターの依頼で、見守りをしていた店員がアヤが逃げてくるのを見て警察を呼んでいた。
なんとか卓の腕を掴むが全く振り解けず、アヤが首を絞められ意識が朦朧としたところで、パトカーのサイレンが聞こえた。
「あ、あ、アヤ……」
それを聞いて卓は手を振ってアヤをアスファルトに落として逃げ出し、アヤは同じく転んだ店員に
「ラ、ライコウが、あ、危ないかも」
と、咳込みながら告げた。
警察が駆けつけた後のアヤの発言に、警察も迅速に動き、莱のアパートに行く。そこで倒れていた莱を発見し、意識混濁のため救急車で運ばれる次第となったのだ。
急性アルコール中毒の莱は点滴を受けながら意識を取り戻し、警察に人生初の事情聴取を受け、卓がまだ逃げている都合上、個室にて面会謝絶だったのが、月曜日まで。
逃げる金が尽きたのか、実家に戻った卓が殺人未遂で逮捕されたと、店長の源氏名カイルが昼間でも綺麗な顔で莱の所にやってきた。
「元彼の親から100万円、渡されたんだよ。ライコウ、そいつのために借金して『ジュエル』で働いてたんだよねぇ」
茶封筒を開けると、帯がついた新札束。卓のお父さんにはたまに会っていたよね。シェアハウスするって言ってたら、若いうちに色々やれって話してくれたんだ。もう、会うことはないし、会えないけど。
「今日の昼には病院から出るだろ?ライコウ、昼の仕事してから、夜、まだ『ジュエル』で働くのか?」
今の部屋の家賃は7万円。医療事務の給料だけで、暮らせていけないことはないが、引っ越すにも金がかかる。半年以上前から、タカは家賃半分を入れてくれなくなっていたし。
「カイルさん、もう少し働かせてください。『火曜日彼氏』も心配ですので」
というのは表向きで、裏では同棲までして8年越しに振られた分、奴のためなんかの身体を削ってぐちゃぐちゃのボロボロになりたかったのもある。ヤリ専のクラブとかに堕ちてもいいかな、位に思っていたのだから。
莱は浅黒い顔に笑みを作ると流し目でカイルを見上げた。
「つくづく『ライコウはライコウ』だわ。ーーだってさ、よかったね」
カーテンの後ろから、国一が白いシャツに半ズボンで現れた。
「え、え、どうして?」
「火曜日彼氏だもん!莱さん、LINE全然繋がらないし!だから、『ジュエル』に連絡してもらったら、病院って……」
カイルが肩を竦めると、
「俺、ライコウをアパートに送るんだけど。まあ、車を回すのに1時間くらいかかるから、ちびっ子をなだめろよ?大事なお客様の子だし」
と、部屋を出ていく。
待って、待って、ねえ、後生だから。カイルさん、国一くんをどうしろと。
「莱さん、聞いてる?」
「ごめん、ごめんなさい。本当にごめんて」
「本当?莱さん、反省してる?」
「し、してます」
そして地域総合病院の個室にて、ベッドの上で正座し平謝りする莱、そのベッドの上にあぐらをかいてふんぞりかえるのは国一が出来上がる。
「じゃあ、元彼としてないセックスしてくれたら、仲直りしてあげる」
どんな子供だよ、ませてる以前の問題だ。
「ーーここで?」
とりあえず莱は国一に聞いてみる。午前中じゃん、病院じゃん、面会謝絶終わったじゃん。誰か、まあ、看護師さん入ってきたらどうする?いや、カメラの位置は?どう見ても国一は成人前だから、捕まるのは莱だ。卓と同じ繁華街留置所になりますか?
「ここで」
「身体の準備ーーぺぺ?」
手元のカバンから出して手に握らされたのは、お馴染みぺぺローション小ボトル。
「お願い」
病院用寝巻きは、紐固定の前開きで、しかもパンツは購買で買うのがだるくて、手洗いして干してある奴だけだ。だから、莱はパンツを履いていない。
自分にはとことん雑な莱は、少し毛の生えた股間の毛を気にしながら、尻の穴にぺぺローションを指でとって拭いつける。
マイボトルなら直入れだが、このボトルは誰のかわからないので、少し指につけてはにちにちと尻の穴を広げて行き、そこまでは太くない国一のペニスが入るくらい緩ませると、国一をベッドボードを背もたれにして足をまっすぐに開かせて座らせた。
綺麗なペニスだなあと思う。オナニーをしていれば利き手にちょっと傾くのに、真っ直ぐだ。
「なに?」
「まあまあ」
そんなペニスの上に膝立ちで跨ると、尻たぶを掴んで広げながら、国一のペニスをアナルに吸い込んでいく。ちゅくちゅくとぺぺローションの音がして、腹の中が気持ちいい。
「あは、入った」
腹合わせで座位のまま、両腕を国一の膝くらいのところで支えにして、片足の膝ををベッドボードに乗せ、更に反対側の膝をベッドボードに乗せると、国一を膝で挟むようにする。
「ほんとは、さ、膝を肩にかけるんだ、よ。奴は腕や肩に負担かけない、から、こんなん、したこと、ないっーーふぁっ、ま、待って」
浮かせている尻に下から突き上げるように動き出す国一に、腕が突っ張りバランスを崩してしまいそうになって、尻の穴をぎゅっと締めた。
「うわ、莱さーーううっ」
腹の中に射精され、ほっとしたのも束の間、莱のペニスを掴んだ国一がゴシゴシと扱き出す。
「や、あっ、ちょーーっ」
卓にも触られたことないのにーーそして、触れるようなキスをされた。
「出ちゃう……っ」
必死で両手で体重を支えつつ、莱は国一の手の中に射精をしてしまった、国一のペニスを締め付けながら。
「ご、ごめっ、手を拭いて」
「うん、たくさん出るんだね」
「ごめん」
片足をなんとか降ろして、莱は慌てて寝巻きで国一の手を拭く。その時に国一のペニスを扱くようにアナルから出して、もう片足もやっと降ろせた。
「莱さん。あのね、俺、初めてのキスも、莱さんとだよ」
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