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一旦 帰宅
自宅でスキル学習 (飯テロ)
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今日は父親は残業、母親も夜勤。お一人様な普段のボクなら、晩御飯はコンビニ弁当の一択…なんだが。自宅に帰って来て、ふと思い立った。「そうだ、料理をしよう。」と。
ボクしか食べないなら、失敗しても被害は少ない。当分、異世界でキチンとした料理を作れそうもないし。スキル獲得のチャンスは、出来るだけ逃したくはない。
早速、図書室で借りてきた「料理の基礎知識」を取り出した。まずは項目を斜め読みする。
…野菜の種類…栄養素…調味料…切り方…
…あっ、見つけた!簡単レシピ集!
冷凍庫に入っていたマルアジを流水解凍しつつ、蕪とさつま揚げの煮物作り。
蕪は中の筋まで厚く皮をむいて八つ割りに。さつま揚げも一口大に切って鍋に放り込んだ。基礎知識本通りに調味料をいれて煮立たせた後、千切りにした蕪の葉をサックり混ぜて火を止めた。
蕪の皮は細かくみじん切りにして、フライパンにて鰹節と濃いめの麺つゆ(アレンジ)で炒め煮に。蕪の佃煮の完成だ。
解凍したマルアジを、パー先輩の手付きを思い出しながら三枚におろす。
片面は刺身(切断面はガッタガタ笑)
もう片面は包丁で叩き、薬味をくわえてナメロウに。…父親が好きそうなやつだ。
真ん中の骨のところは3つに切って片栗粉をまぶして揚げ焼きにした。骨煎餅…にしては身が多いのはご愛嬌。
ここまで頑張って料理をしてきて、とうとう力尽きたボクは。味噌汁をインスタントにした。一人分だけを作るのがめんどくさかったし。ご飯もレンチンだし。…これは単に炊き忘れだ。悪いか!?
テーブルの上は、見た目だけは豪華だった。品数も我ながら沢山あるし。
ボクは思わず写メって、父親に送った。なんとなく、成果を自慢したかったんだ。…ご飯を炊き忘れたことと、味噌汁がインスタントなのも勿論、付け加えた。
学生服から部屋着に着替えた頃、父親から着信があった。急いで仕事を終わらせるから、ご飯を炊いといて欲しい、と。まだ小一時間かかるから、先に食べておいて、とも。
これが俗に言う「帰るメール」かと苦笑しながら、父親用にマルアジをもう一尾解凍し始めた。
写メを送ってない筈の母親からもメールが来た。「なんで私が居ないときにぷんすこ」だそうだ。聞けば、父親から写メが回って来たらしい。回覧板かよ。
母親には「リクエスト受付中」とメールしたら、「カレー」と返ってきた。小学校の調理実習を思い出しながら「りょ」と返事をした。さすが息子の料理の腕を理解してるな、と思った。保険にレトルトカレーを用意しておけばいっか。
父親の分のマルアジが、姿を変えて食卓にのぼる頃。
ぴこん!『調理レベル(魚)・1』
を頂きました、ご馳走さまです。
▽△▽△▽
結局、父親が帰ってきたのはそれから二時間後だった。ボクが作った煮物は味が薄くて、佃煮は少し焦げ苦かったけど。父親はにこにこしながら完食してくれた。
うっかり数年ぶりに頭を撫でられて、なんだか くすぐったかったのは。ココだけのナイショだ。
洗い物を父親に任せて、雑用を粗方 済ませると。いつも通り、自室に引っ込んだ。
悩んだ末、『扉』の絵は自室のドアの裏側に描いた。誰かが自室のドアを開けても隠れているし、締め切った部屋に遊びに来るような友達もいないし。なかなか良い選択だと思う。
このまま眠くなるまで本を読んで、仮眠しに世界館に行くのが「正しい方法」だとは聞いているけど。パー先輩を待たせてしまうのは申し訳ない。
このまま寝て、目が覚めたら世界館に行こう。ボクは早々に布団へと入った。
ボクしか食べないなら、失敗しても被害は少ない。当分、異世界でキチンとした料理を作れそうもないし。スキル獲得のチャンスは、出来るだけ逃したくはない。
早速、図書室で借りてきた「料理の基礎知識」を取り出した。まずは項目を斜め読みする。
…野菜の種類…栄養素…調味料…切り方…
…あっ、見つけた!簡単レシピ集!
冷凍庫に入っていたマルアジを流水解凍しつつ、蕪とさつま揚げの煮物作り。
蕪は中の筋まで厚く皮をむいて八つ割りに。さつま揚げも一口大に切って鍋に放り込んだ。基礎知識本通りに調味料をいれて煮立たせた後、千切りにした蕪の葉をサックり混ぜて火を止めた。
蕪の皮は細かくみじん切りにして、フライパンにて鰹節と濃いめの麺つゆ(アレンジ)で炒め煮に。蕪の佃煮の完成だ。
解凍したマルアジを、パー先輩の手付きを思い出しながら三枚におろす。
片面は刺身(切断面はガッタガタ笑)
もう片面は包丁で叩き、薬味をくわえてナメロウに。…父親が好きそうなやつだ。
真ん中の骨のところは3つに切って片栗粉をまぶして揚げ焼きにした。骨煎餅…にしては身が多いのはご愛嬌。
ここまで頑張って料理をしてきて、とうとう力尽きたボクは。味噌汁をインスタントにした。一人分だけを作るのがめんどくさかったし。ご飯もレンチンだし。…これは単に炊き忘れだ。悪いか!?
テーブルの上は、見た目だけは豪華だった。品数も我ながら沢山あるし。
ボクは思わず写メって、父親に送った。なんとなく、成果を自慢したかったんだ。…ご飯を炊き忘れたことと、味噌汁がインスタントなのも勿論、付け加えた。
学生服から部屋着に着替えた頃、父親から着信があった。急いで仕事を終わらせるから、ご飯を炊いといて欲しい、と。まだ小一時間かかるから、先に食べておいて、とも。
これが俗に言う「帰るメール」かと苦笑しながら、父親用にマルアジをもう一尾解凍し始めた。
写メを送ってない筈の母親からもメールが来た。「なんで私が居ないときにぷんすこ」だそうだ。聞けば、父親から写メが回って来たらしい。回覧板かよ。
母親には「リクエスト受付中」とメールしたら、「カレー」と返ってきた。小学校の調理実習を思い出しながら「りょ」と返事をした。さすが息子の料理の腕を理解してるな、と思った。保険にレトルトカレーを用意しておけばいっか。
父親の分のマルアジが、姿を変えて食卓にのぼる頃。
ぴこん!『調理レベル(魚)・1』
を頂きました、ご馳走さまです。
▽△▽△▽
結局、父親が帰ってきたのはそれから二時間後だった。ボクが作った煮物は味が薄くて、佃煮は少し焦げ苦かったけど。父親はにこにこしながら完食してくれた。
うっかり数年ぶりに頭を撫でられて、なんだか くすぐったかったのは。ココだけのナイショだ。
洗い物を父親に任せて、雑用を粗方 済ませると。いつも通り、自室に引っ込んだ。
悩んだ末、『扉』の絵は自室のドアの裏側に描いた。誰かが自室のドアを開けても隠れているし、締め切った部屋に遊びに来るような友達もいないし。なかなか良い選択だと思う。
このまま眠くなるまで本を読んで、仮眠しに世界館に行くのが「正しい方法」だとは聞いているけど。パー先輩を待たせてしまうのは申し訳ない。
このまま寝て、目が覚めたら世界館に行こう。ボクは早々に布団へと入った。
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