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無人島生活 2日目
まずは 自室 → 世界館
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まだ薄暗い明け方だが、すっきりと目が覚めた。どうやら興奮して眠りが浅かったらしい。
二度寝を試みたが、眠れそうにない。あっさりと諦めて、夕べの残り物で軽く朝御飯を食べる。
夕べ食べるつもりだったスーパーのお弁当は、そのまま家の弁当箱に詰め替えた。ら、かかった値段のわりに豪勢な見た目になった。ホクホク。
ふと思い出して、母親の為にカレーの下ごしらえを済ませた。夜勤明けの日は、帰宅は昼過ぎになる。後はカレールーを入れるだけにしておけば、母親の負担も軽くなるだろう。半分だけ、リクエストに答えたつもりだった。
登校まで時間もあることだし、汚れても良い服装に着替えて『扉』に向かった。
△▽△▽△
『扉』を潜ると。約束通りの場所にパー先輩がボクを待っていた。…というより、本当にボクが席を外したのは「瞬間」だったようだ。なんせ返事に振り上げた手が、下ろされないままだったから。
「よう、『お帰り』。何日位 滞在出来たんだ?」
パー先輩のコーヒーからは、まだ湯気がたっていた。
「1日だけでしたけども、幾つかスキルを獲得できました。」
ボクは褒められたい子供そのままに成果を、感じたままに伝えた。
「おめでとう!どうやらコツを掴んだようだね。
『地球』と『水球』では与えられている文化レベルにかなりの差がある。上手く使うといいよ。
家事を手伝うことでレベルを上げるなんて、家族も喜ぶしWin- Win じゃないか。
体力もこれから徐々につくだろうし、君が生きやすいように対人関係を変えていけばいいんじゃないかな?」
笑顔のパー先輩につられて、ボクも笑顔らしきものを浮かべた。歪んだ笑みだろうが仕方がない。下手すりゃ、笑ったのなんて小学校の低学年ぶりじゃなかろうか。
パー先輩に断りをいれて、カウンターに向かった。忘れない内に片付けたい案件がボクにはあるんだから。
「お帰りなさいませ、結城 賢史様。」
…このコンシェルジュは、何時 休憩をするのかな?世界館って以外と厳しいなのかなぁ?
…ま、いっか。
「2つ質問があるのですが、聞いてもいいですか?」
ボクが尋ねると、コンシェルジュは無表情のまま、首をコテンと傾けた。
「何か問題でも?」
「島の名前と、服装登録について…」
コンシェルジュは、ボクの履歴を呼び出すと、『扉』の選択画面を見せてくれた。
「コチラの画面から島の名前が登録 出来ます。今すぐ登録なさいますか?」
「はい!」
カウンターにタッチパネルが現れた。
決めていた名前『ポワソン・クリュ島』を登録する。
「『ポワソン・クリュ島』でございますね?…類似する島名は現在ございません。では、コチラを本日から使用していただけます。
変更は何時でも可能ですが、類似する島名がある場合は登録をご遠慮頂きますので、ご理解のほど宜しくお願い致します。」
選択画面を見れば、無事に島名が確認できた。よっしゃあぁ! 第1段階クリア!
あとは毛玉の名前だぁ!wktkが止まらない。
「次に服装ですが。基本的に『扉』から最後に出られた服装が登録されております。これは攻略の整合性上、変更が不可になっておりまして。衣装変更には現地調達が必須となっております。」
服装チェンジは出来ないのかぁ。ガックシ。現状、調達が出来るのは「腰ミノ」くらいだもんなぁ。もう少し我慢するか。
「何か問題でも?」
再びコテンと首を傾げたコンシェルジュは、落ち込むボクの姿に想うところがあったのだろう。なんとなく、彼?の眉間に皺が寄った…気がした。
「…うーん。無人島生活に学生服は似合わないなぁ、って…。破れても困るし…。」
悩みながら答えるボクに、納得した様子を見せた。
「なるほど。『学生服』が『傷む』ことがご心配なのですね?でしたら大丈夫です。
世界館に帰られた時点で、服装は毎回リセットされますから、元の世界でも『最後に』扉を潜られた状態に戻ります。繊維が持つ疲労度も同じように修復されますから、ご安心下さい。
あぁ、それと。今回は、%♪*〒様の付き添いがありましたので特別に許可しましたが、その腕時計は『文化レベルの差異』に含まれます。スキル『コンパス』を修得後は、同様の腕時計が作れる様になるまでカウンター内でお預かり致します。手帳やペンも同様ですので、ご理解ください。
ご協力のほど、お願いします。」
深々と頭を下げられて、意味もなく慌てる。他人から偉そうにされても、敬われる経験なんぞない。コンシェルジュは仕事柄 誰に対してもそうなんだろうが、ボクの中身が追い付くように努力せねば、だな。
よし。これで残る「宿題」は『水球』生活1本になった。パー先輩と早くアチラに渡りたいな。
二度寝を試みたが、眠れそうにない。あっさりと諦めて、夕べの残り物で軽く朝御飯を食べる。
夕べ食べるつもりだったスーパーのお弁当は、そのまま家の弁当箱に詰め替えた。ら、かかった値段のわりに豪勢な見た目になった。ホクホク。
ふと思い出して、母親の為にカレーの下ごしらえを済ませた。夜勤明けの日は、帰宅は昼過ぎになる。後はカレールーを入れるだけにしておけば、母親の負担も軽くなるだろう。半分だけ、リクエストに答えたつもりだった。
登校まで時間もあることだし、汚れても良い服装に着替えて『扉』に向かった。
△▽△▽△
『扉』を潜ると。約束通りの場所にパー先輩がボクを待っていた。…というより、本当にボクが席を外したのは「瞬間」だったようだ。なんせ返事に振り上げた手が、下ろされないままだったから。
「よう、『お帰り』。何日位 滞在出来たんだ?」
パー先輩のコーヒーからは、まだ湯気がたっていた。
「1日だけでしたけども、幾つかスキルを獲得できました。」
ボクは褒められたい子供そのままに成果を、感じたままに伝えた。
「おめでとう!どうやらコツを掴んだようだね。
『地球』と『水球』では与えられている文化レベルにかなりの差がある。上手く使うといいよ。
家事を手伝うことでレベルを上げるなんて、家族も喜ぶしWin- Win じゃないか。
体力もこれから徐々につくだろうし、君が生きやすいように対人関係を変えていけばいいんじゃないかな?」
笑顔のパー先輩につられて、ボクも笑顔らしきものを浮かべた。歪んだ笑みだろうが仕方がない。下手すりゃ、笑ったのなんて小学校の低学年ぶりじゃなかろうか。
パー先輩に断りをいれて、カウンターに向かった。忘れない内に片付けたい案件がボクにはあるんだから。
「お帰りなさいませ、結城 賢史様。」
…このコンシェルジュは、何時 休憩をするのかな?世界館って以外と厳しいなのかなぁ?
…ま、いっか。
「2つ質問があるのですが、聞いてもいいですか?」
ボクが尋ねると、コンシェルジュは無表情のまま、首をコテンと傾けた。
「何か問題でも?」
「島の名前と、服装登録について…」
コンシェルジュは、ボクの履歴を呼び出すと、『扉』の選択画面を見せてくれた。
「コチラの画面から島の名前が登録 出来ます。今すぐ登録なさいますか?」
「はい!」
カウンターにタッチパネルが現れた。
決めていた名前『ポワソン・クリュ島』を登録する。
「『ポワソン・クリュ島』でございますね?…類似する島名は現在ございません。では、コチラを本日から使用していただけます。
変更は何時でも可能ですが、類似する島名がある場合は登録をご遠慮頂きますので、ご理解のほど宜しくお願い致します。」
選択画面を見れば、無事に島名が確認できた。よっしゃあぁ! 第1段階クリア!
あとは毛玉の名前だぁ!wktkが止まらない。
「次に服装ですが。基本的に『扉』から最後に出られた服装が登録されております。これは攻略の整合性上、変更が不可になっておりまして。衣装変更には現地調達が必須となっております。」
服装チェンジは出来ないのかぁ。ガックシ。現状、調達が出来るのは「腰ミノ」くらいだもんなぁ。もう少し我慢するか。
「何か問題でも?」
再びコテンと首を傾げたコンシェルジュは、落ち込むボクの姿に想うところがあったのだろう。なんとなく、彼?の眉間に皺が寄った…気がした。
「…うーん。無人島生活に学生服は似合わないなぁ、って…。破れても困るし…。」
悩みながら答えるボクに、納得した様子を見せた。
「なるほど。『学生服』が『傷む』ことがご心配なのですね?でしたら大丈夫です。
世界館に帰られた時点で、服装は毎回リセットされますから、元の世界でも『最後に』扉を潜られた状態に戻ります。繊維が持つ疲労度も同じように修復されますから、ご安心下さい。
あぁ、それと。今回は、%♪*〒様の付き添いがありましたので特別に許可しましたが、その腕時計は『文化レベルの差異』に含まれます。スキル『コンパス』を修得後は、同様の腕時計が作れる様になるまでカウンター内でお預かり致します。手帳やペンも同様ですので、ご理解ください。
ご協力のほど、お願いします。」
深々と頭を下げられて、意味もなく慌てる。他人から偉そうにされても、敬われる経験なんぞない。コンシェルジュは仕事柄 誰に対してもそうなんだろうが、ボクの中身が追い付くように努力せねば、だな。
よし。これで残る「宿題」は『水球』生活1本になった。パー先輩と早くアチラに渡りたいな。
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