7 / 170
一. アッシュの章
7. ピコピコフードの旅人
しおりを挟む
つい先程まで、とっておきのクッキーを食べながら4杯目のコーヒーを行儀悪くズルズルと啜っていたむっさいオッサン連中は、村長の息子さんが走ってやってきて何か耳元でボソボソと言った途端、何事も無かったかのように帰っていった。
指示が届いたのだろう。
親父はパアと明るい顔になって「客人がやってくるぞ!」と息巻いた。
フードの野郎の事ではなく、ここでいう『客人』とは、村が最大級にもてなす男女二人のカップルである。
今、渓谷を渡っているらしい。
物見がさっき馬を走らせていたから、すぐに正確な情報か分かるだろう。
あれだけ警戒していたフード野郎は、適当に話を合わせておいて今日中にお暇してもらうように、何と俺と親父に託されてしまった。
まあ、俺らだけでは荷が重いので、さっきのおっさん達が旅人に圧をかけつつ、そいつがこれ以上村をうろつかないように通せんぼ作戦を決行中だ。
流石に何も食わせないのは可哀相なので、俺んとこである程度食わせて食糧持たせて、さっさと出て行ってもらうのが無難なとこだろう。
親父は三か月ぶりの客人に心躍っている。
間に合った、とか言っているが、一体何の話だろう。
そうこうしているうちに、ついにフードの旅人がやってきた。
カランコロンと乾いた音を鳴らすドアから覗く、ピコピコ動く変な飾りが出っ張った妙に長い頭。
その後ろで、フードの野郎を威嚇するように追い詰めてるオッサン達。
「ぶ!!」
ついに吹き出してしまった。
フードと目が合った、ような気がした。
そして忘れもしない一言が、その人物から発せられた。
「そんなに変かな、これ」
これが、俺が彼と初めて出会った瞬間である。
この時の俺は、まさかこの出会いによって人生がまるっと変わっちまうだなんて知る由も無かった。
劇的に変化が訪れるまで、後、数時間――――。
■■■
「いらっしゃい、待ってたぜ」
思わず吹き出した俺に一発ゲンコツを食らわせた親父が、窓にビタリと張り付くおっさん達に目配せしながら言った。
その顔は、完全に上位に立つ悪いもので、底意地悪いなと我が父ながら呆れてしまう。
しかしその旅人は、店の外でガルガル威圧しているおっさん達にも、そして眼下で思いっきりガン付けている親父にも全く目をくれず、スタスタとカウンターまで一直線に歩く。
椅子の前で足を止め、足元まで覆い隠す長いローブをもっそりとめくりあげてそう言ったのだ。
俺に向かって。
「そんなに変かな、これ」
なんて野郎だ、こいつは。
同時に心の奥がゾワっとする感覚。
寒気でも恐怖でもない、もっと高揚した胸の高鳴りとも云うべきか。
そわそわする、こいつすげえ面白いかも知れない。
未知なる料理を創ったり、レシピを考えたりする時に感じる背筋を張るような心地よい緊張感が、俺の心を通り過ぎていく。
フードの旅人は、めくりあげたローブをそのままに、ちょっぴり首を傾げている。
その何とも云えない可愛らしさっつうか、こいつが男か女か分かんねえし、そもそも得体の知れない危険なヤツかもしれないっていうのに、胸が、俺の胸がきゅううんとしてしまったのは何故なのか。
ぐっと胸を押さえて途端に苦しみだした俺の様子をジト目で見ていた親父が、ようやく助け舟を出してくれた。
こいつにガチ無視されてたくせに、親父の肝も大概据わっている。
「おうおう、俺の息子に色目使ってんじゃねえよ、旅人さん。まずはいらっしゃいませだ」
そこでようやく親父の存在に気付いたかのように、旅人はああ、と振り返った。
あくまで足元をめくり上げたまま、クルンと半回転。そいつにつられて、頭のピコピコしている飾りも揺れる。
無垢な少女のようなその仕草。
親父も一瞬言葉を失くした。
なんなんだ、こいつ!!
「ああ。さっきからこの恰好、村の人たちに笑われてるような気がして。お宅の、息子?」
頭だけ振り返って俺を見据えた。
「いや彼が面と向かって吹いたかから、ホントに変なのかなと思って」
変?とまた首を傾げる。
アルパカを意識したんだけどな…ボソボソと奇妙な事を言っている。
ああ、もう変に取り繕うのがバカらしくなった。
自分が怪しまれているだなんて微塵にも思ってなさそうだ。
村人がこいつをジロジロ見ていたのは、単純によそ者だからであり、根掘り葉掘り聞きまくる行動であって、その訳の分からんモチーフのローブじゃねえよ!!胡散臭いのはオマエだ、オマエ~!!!
と、喉まで出掛るが。
親父もそいつもいつのまにか無言で俺をじいと見つめていた。
あ、声に出てたみたい。
「アッシュ、てめえ~~」
「へ?いや、声出てた?あれ、本音筒抜け?」
そうして俺は、今日何度か食らったゲンコツの一番痛いヤツをついに親父から戴いてしまったのである。
■■■
怪我の功名か、俺だけが痛いのは腑に落ちないが、親父の緊張もゲンコツと共に落ちてしまったようだ。
眉間の力が抜け、いつもの陽気なおっさんに戻った親父は、後はお前に任せると何故か外に出て行ってしまった。
窓にへばり付いた他のおっさん達を引っぺがし、ぞろぞろと率いて何処かへ行ってしまう。
この旅人に脅威を感じなかったのかもしれない。
恐らく、明日以降訪れる客人を出迎える準備に入ったのだろうと思う。
上からの指示は、今この店にいる旅人に飯を食わせ、渓谷を越えるだけの食糧を与え、速やかに帰ってもらう事。それより大事な客人を出迎える周到な準備には人手が少なからず要る。
要はこいつにこれ以上の人員と時間は割けない寸法なのだ。そこで俺に白羽の矢が立ったのだろう。
くっそ面倒臭いぜ、全く。
「……で、そんな訳なんすけど、旦那――えっと旦那でいいんだっけ?」
フードの旅人にカウンターを勧め、決して広くない食堂に二人きり、面を突き合わせて言った。
そいつは黙ったまま素直に椅子に座り、俺の差し出した水を飲んでいる。
『旦那』に対して否定が無いので、こいつは男であると分かる。
肯定もされてないんだけど、まあ、いいか。
「旦那、何か食いますか?」
まずは、上の指示通り食事を与える任務からだ。
「ここは辺境の片田舎だけどね、俺、腕には少し自信があるんですよ。残念ながら材料は限られちまうけど、ある程度のモンならできるよ」
フードの旦那がグラスから顔を上げた。
しかしローブは顔の殆どを覆っていて、表情までは窺い知れない。
水はローブの隙間から器用に飲んでいたみたいだ。チビチビとだけど。
「…………」
男は黙ってまた水を飲みだした。
俺の言葉を無視しているのではないようで、便宜上置いてあるだけの日に焼けたメニュー表を見て悩んでいるご様子。
実を言うと、メニューに書いてある料理名はどれも適当で、料理屋ならば形だけでもと親父に頼まれて数年前に遊びで作った代物である。
悩むだけ無駄だし、悪い気がしたのでこちらから提案することにした。
「あー旦那?簡単なものだけど、おすすめの軽食だったらすぐに作れるっすよ、それとコーヒーで手を打ちませんか?」
男がメニューから視線を外した。
「この食堂で食ってくれたら、アンタさんが欲しがってた情報をくれてやりますよって」
どうせ、3か月前に訪れた客人の事なんだろうし、おそらくほかの村人が喋った内容と大差ないだろうが、さっさと帰ってもらうには彼が一番欲しがるものを与えるのが良い対処法だろう。
「構わない」
彼は端的に一言だけそう俺に告げると、また視線をメニュー表に戻し、チビチビと水を飲みだしたのだった。
さて、そうと決まればさっそく調理である。
今の時刻は真昼をちょっと過ぎた頃、いつもならば俺が小川に足を突っ込んで涼しみだす時間帯だ。
軽い朝食で腹が減ったので、俺もついでに食ってしまおう。
鍋に水を張り、乾燥させたパスタを茹でる。
この際、塩を入れるか入れないかで論争する人もいるが、俺は入れない派である。
朝食に使ったベーコンを切り、村で採れた小松菜も一緒に鍋の中に投入。
邪道なやり方だが、時間短縮になるのだし、味は変わらないんだから気にしない。
パスタを茹でている間に、もう一品。
コッペパンの真ん中を切って、中に鳥ガラスープを煮詰めて乾燥させ、粉状にしたコンソメで味付けしたキャベツの千切りを入れる。
キャベツの上に豪快にも太いウインナーソーセージをどかんと置いて、お手製マヨネーズと様々な果実を材料にした濃いソースを掛ける。
オーブンで表面がカリっとするまでちょいと焼く。
仕上げにパセリをパラパラ振り掛け、出来上がり!
丁度良く茹であがったパスタと具材の水気を切って、再度フライパンに投入。
村で濾したオリーブオイルとにんにく、塩コショウ、とうがらしでちゃちゃっと炒めたら、ほいこっちも出来上がり!
「はいよ、お待たせしました、アッシュ特製ホットドックとペペロンチーノ、お熱いうちに召し上がれ~!!」
男の前に二品並べ、その横に俺も座る。
「俺も昼飯食っていいすよね。食ってる間、話聞いてやっから」
こうして俺と旅人の男、初対面だというのに二人仲良く並んで昼食になった。
相変わらず、男はローブの隙間から器用にちまちまと口に運んでいて、常ならば今頃一口食った時点で、俺という料理人への賛美が聞けるはずなんだが、この男はちっとも面白くない。
料理を褒めるどころか、何の言葉も発しない。
いい加減、無言で食ってるのが気まずいというか、嫌になったのでこちらから話を振る事にした。
「旦那、あんた、人を探してるんですってね」
「ああ、そうだよ」
男がソーセージに苦戦している。
長い一本モノだからな。ナイフを渡してやると、ありがとうと一言。
「でも、たぶん君からも得られる答えは決まってるだろうから、別にいい」
「は?」
「それに、ある程度分かったから、もういいよ」
「は、なんだそれ。あのカップルが最後に訪れたのがこの店だぞ?彼らが何を話したか知りたかったんじゃないのかよ」
ある程度分かったとは、どういう意味なのだろう。
ついつい客人に対する敬語を忘れて、男に噛み付いてしまう。
「彼らの事はもういいんだ。いや、君の好意を無下にするつもりはない。それよりも気になる事が出来ただけだよ」
「気になること?」
うん、と男はナイフを置く。
パスタは全部食べてくれたみたいだ。味の感想が無いのが実に寂しいんですけど。
そんな俺の気持ちなんぞ露知らず、男は続ける。
「君たちのお望み通り、もうお暇するよ。こんな胡散臭いヤツに言われたくないだろうけど、世話になった」
「ったく、あんたさっきの、めちゃくちゃ気にしてんじゃねえか」
思わず笑ってしまった。
年齢は幾つぐらいなんだろうか。
落ち着いているのに、どこか無邪気。
男の雰囲気は年齢をもローブに隠してしまう。
俺とそんなに違わないようにも見えるし、もっと年寄りにも見える。
そもそも本当に男なのか?ちょっと声が低い女性にも思えてくる、不思議な印象。
そして彼の纏うその雰囲気は、どこかむず痒く懐かしい。
穏やかな空気の流れを彼から感じるのは気のせいなのだろうか。
「悪いな。客人が来るんだ。正直、旦那に構う時間もねえくらいに」
だから、明け透けもなく彼には喋ってしまう。
「あの二人が村の客人、とはね……」
口元に右手を持っていく。親指で顎を掴んで、右手は口元へ。
彼が渓谷で見かけた、二人組の男女の旅人を思い返しているようだ。
「まあ、これ以上聞きたい事がないのなら、本当に早く出ていった方がいいっすよ、マジで。親父ら、今は旦那を捨て置いてるけど、調子乗っていつまでもいると実力行使されちまうぞ?」
「それは、怖いな」
フフと、初めて彼が笑った。
再び、ドキンと鳴る心臓。
顔は見えないけど、ローブの下ではにかんでいると想像したら顔が赤くなってしまった。
はあ、なんだこれなんだこれ。
確かに俺は片田舎の世間知らずな野郎で、村人以外の人間とそんなに話す機会もなければ耐性も持ち合わせていないけれど、初対面も、それも男に!なんでこんなふわふわした変な気持ちになるんだよっ。
赤い顔を見られるのが恥ずかしくて、俺は席を立つ。
空いた皿を回収し厨房へ戻る。
ガシャガシャと敢えて音を出して乱暴に皿を洗う俺の姿を見て、彼がまた笑った気がした。
■■■
それからフードの男は、言葉通りの行動を取った。
俺に何も質問せず、ごちそう様と両手を静かに合わせただけで立ち上がった。
もう村を出るのか聞いたら、こくりと頷くので、慌てて携帯食を用意しようと戸棚をがさごそしてたら断られてしまった。
食糧は持っているのだと言う。
そこで俺は改めて、この男があの険しい渓谷を渡って旅をしていたはずなのに、手ぶらであることに気付く。
男はローブの中にいろいろ入っていると答えたが、一瞬足元をめくり上げた時に見えたその中身は、薄い革の靴と動きやすそうな軽装だけだったのを知っている。
「旦那、聞かせてください。アンタは何者なんです?」
店を出る前、扉に手を掛ける男にそう聞いた。
「俺は、友人の大切な人達を探しにきたただの旅人だよ」
そして男は出て行った。
静かに音を立てず、来た時と同じように、ふわりと立ち去った。
ピコピコと動く変わった形状のローブ頭がいなくなった後、彼の座っていた椅子を触る。
「なんか、変だ、俺」
椅子は冷たい。
彼の体温を残していない。
隣の俺が座っていた椅子は、未だ生暖かいというのに。
不思議な気持ちを抱いたまま、皿を片付け、拭き、カウンターに寄りかかる。
男の事が気にかかるが、俺もやるべき事がある。今から客人に馳走するレシピを考えねばならぬし、材料も雑貨屋に発注するものもあるだろう。
彼の残り香を探してぼうっと呆けている訳にはいかないのだ。
だが……。
カランコロンカランコロン
扉が開き、錆びついて乾いた音しか出せない鐘が鳴る。
「お、アッシュ、うまくやったみたいだな!!」
親父が帰ってきた。
どうせ親父の事だろう、あの旅人が村の外に出るのを遠くで見張っていたのかもしれない。
「音…」
「おとぉ?」
俺が書き出していた馳走用のレシピを手に取り、反復する。俺の言葉は半ば聞き流している。
「あの人が出て行った時、その鐘の音…」
鳴ってなかった。
まるで幽霊を相手していたかのような錯覚を抱く。
彼の姿は現実に存在したし、村人のほぼ全員が彼を見たし彼の声も聴いた。
俺の作った料理も全部食って、村を出て行く様もしっかり親父連中が確認した。
だが、体温も音も残り香すら残っていない。
碌な会話すらしていないのに、また逢いたいと思ってしまう。
料理以外に興味を持つものが、初めてできた。
劇的な変化を身を以て体験させられるのはこれより数時間後の事であったが、既に心は彼に奪われていたのかもしれない。
彼から漂う、あの何とも言えない懐かしい空気をまた吸いたいと叶わぬ願いを抱いたまま――。
指示が届いたのだろう。
親父はパアと明るい顔になって「客人がやってくるぞ!」と息巻いた。
フードの野郎の事ではなく、ここでいう『客人』とは、村が最大級にもてなす男女二人のカップルである。
今、渓谷を渡っているらしい。
物見がさっき馬を走らせていたから、すぐに正確な情報か分かるだろう。
あれだけ警戒していたフード野郎は、適当に話を合わせておいて今日中にお暇してもらうように、何と俺と親父に託されてしまった。
まあ、俺らだけでは荷が重いので、さっきのおっさん達が旅人に圧をかけつつ、そいつがこれ以上村をうろつかないように通せんぼ作戦を決行中だ。
流石に何も食わせないのは可哀相なので、俺んとこである程度食わせて食糧持たせて、さっさと出て行ってもらうのが無難なとこだろう。
親父は三か月ぶりの客人に心躍っている。
間に合った、とか言っているが、一体何の話だろう。
そうこうしているうちに、ついにフードの旅人がやってきた。
カランコロンと乾いた音を鳴らすドアから覗く、ピコピコ動く変な飾りが出っ張った妙に長い頭。
その後ろで、フードの野郎を威嚇するように追い詰めてるオッサン達。
「ぶ!!」
ついに吹き出してしまった。
フードと目が合った、ような気がした。
そして忘れもしない一言が、その人物から発せられた。
「そんなに変かな、これ」
これが、俺が彼と初めて出会った瞬間である。
この時の俺は、まさかこの出会いによって人生がまるっと変わっちまうだなんて知る由も無かった。
劇的に変化が訪れるまで、後、数時間――――。
■■■
「いらっしゃい、待ってたぜ」
思わず吹き出した俺に一発ゲンコツを食らわせた親父が、窓にビタリと張り付くおっさん達に目配せしながら言った。
その顔は、完全に上位に立つ悪いもので、底意地悪いなと我が父ながら呆れてしまう。
しかしその旅人は、店の外でガルガル威圧しているおっさん達にも、そして眼下で思いっきりガン付けている親父にも全く目をくれず、スタスタとカウンターまで一直線に歩く。
椅子の前で足を止め、足元まで覆い隠す長いローブをもっそりとめくりあげてそう言ったのだ。
俺に向かって。
「そんなに変かな、これ」
なんて野郎だ、こいつは。
同時に心の奥がゾワっとする感覚。
寒気でも恐怖でもない、もっと高揚した胸の高鳴りとも云うべきか。
そわそわする、こいつすげえ面白いかも知れない。
未知なる料理を創ったり、レシピを考えたりする時に感じる背筋を張るような心地よい緊張感が、俺の心を通り過ぎていく。
フードの旅人は、めくりあげたローブをそのままに、ちょっぴり首を傾げている。
その何とも云えない可愛らしさっつうか、こいつが男か女か分かんねえし、そもそも得体の知れない危険なヤツかもしれないっていうのに、胸が、俺の胸がきゅううんとしてしまったのは何故なのか。
ぐっと胸を押さえて途端に苦しみだした俺の様子をジト目で見ていた親父が、ようやく助け舟を出してくれた。
こいつにガチ無視されてたくせに、親父の肝も大概据わっている。
「おうおう、俺の息子に色目使ってんじゃねえよ、旅人さん。まずはいらっしゃいませだ」
そこでようやく親父の存在に気付いたかのように、旅人はああ、と振り返った。
あくまで足元をめくり上げたまま、クルンと半回転。そいつにつられて、頭のピコピコしている飾りも揺れる。
無垢な少女のようなその仕草。
親父も一瞬言葉を失くした。
なんなんだ、こいつ!!
「ああ。さっきからこの恰好、村の人たちに笑われてるような気がして。お宅の、息子?」
頭だけ振り返って俺を見据えた。
「いや彼が面と向かって吹いたかから、ホントに変なのかなと思って」
変?とまた首を傾げる。
アルパカを意識したんだけどな…ボソボソと奇妙な事を言っている。
ああ、もう変に取り繕うのがバカらしくなった。
自分が怪しまれているだなんて微塵にも思ってなさそうだ。
村人がこいつをジロジロ見ていたのは、単純によそ者だからであり、根掘り葉掘り聞きまくる行動であって、その訳の分からんモチーフのローブじゃねえよ!!胡散臭いのはオマエだ、オマエ~!!!
と、喉まで出掛るが。
親父もそいつもいつのまにか無言で俺をじいと見つめていた。
あ、声に出てたみたい。
「アッシュ、てめえ~~」
「へ?いや、声出てた?あれ、本音筒抜け?」
そうして俺は、今日何度か食らったゲンコツの一番痛いヤツをついに親父から戴いてしまったのである。
■■■
怪我の功名か、俺だけが痛いのは腑に落ちないが、親父の緊張もゲンコツと共に落ちてしまったようだ。
眉間の力が抜け、いつもの陽気なおっさんに戻った親父は、後はお前に任せると何故か外に出て行ってしまった。
窓にへばり付いた他のおっさん達を引っぺがし、ぞろぞろと率いて何処かへ行ってしまう。
この旅人に脅威を感じなかったのかもしれない。
恐らく、明日以降訪れる客人を出迎える準備に入ったのだろうと思う。
上からの指示は、今この店にいる旅人に飯を食わせ、渓谷を越えるだけの食糧を与え、速やかに帰ってもらう事。それより大事な客人を出迎える周到な準備には人手が少なからず要る。
要はこいつにこれ以上の人員と時間は割けない寸法なのだ。そこで俺に白羽の矢が立ったのだろう。
くっそ面倒臭いぜ、全く。
「……で、そんな訳なんすけど、旦那――えっと旦那でいいんだっけ?」
フードの旅人にカウンターを勧め、決して広くない食堂に二人きり、面を突き合わせて言った。
そいつは黙ったまま素直に椅子に座り、俺の差し出した水を飲んでいる。
『旦那』に対して否定が無いので、こいつは男であると分かる。
肯定もされてないんだけど、まあ、いいか。
「旦那、何か食いますか?」
まずは、上の指示通り食事を与える任務からだ。
「ここは辺境の片田舎だけどね、俺、腕には少し自信があるんですよ。残念ながら材料は限られちまうけど、ある程度のモンならできるよ」
フードの旦那がグラスから顔を上げた。
しかしローブは顔の殆どを覆っていて、表情までは窺い知れない。
水はローブの隙間から器用に飲んでいたみたいだ。チビチビとだけど。
「…………」
男は黙ってまた水を飲みだした。
俺の言葉を無視しているのではないようで、便宜上置いてあるだけの日に焼けたメニュー表を見て悩んでいるご様子。
実を言うと、メニューに書いてある料理名はどれも適当で、料理屋ならば形だけでもと親父に頼まれて数年前に遊びで作った代物である。
悩むだけ無駄だし、悪い気がしたのでこちらから提案することにした。
「あー旦那?簡単なものだけど、おすすめの軽食だったらすぐに作れるっすよ、それとコーヒーで手を打ちませんか?」
男がメニューから視線を外した。
「この食堂で食ってくれたら、アンタさんが欲しがってた情報をくれてやりますよって」
どうせ、3か月前に訪れた客人の事なんだろうし、おそらくほかの村人が喋った内容と大差ないだろうが、さっさと帰ってもらうには彼が一番欲しがるものを与えるのが良い対処法だろう。
「構わない」
彼は端的に一言だけそう俺に告げると、また視線をメニュー表に戻し、チビチビと水を飲みだしたのだった。
さて、そうと決まればさっそく調理である。
今の時刻は真昼をちょっと過ぎた頃、いつもならば俺が小川に足を突っ込んで涼しみだす時間帯だ。
軽い朝食で腹が減ったので、俺もついでに食ってしまおう。
鍋に水を張り、乾燥させたパスタを茹でる。
この際、塩を入れるか入れないかで論争する人もいるが、俺は入れない派である。
朝食に使ったベーコンを切り、村で採れた小松菜も一緒に鍋の中に投入。
邪道なやり方だが、時間短縮になるのだし、味は変わらないんだから気にしない。
パスタを茹でている間に、もう一品。
コッペパンの真ん中を切って、中に鳥ガラスープを煮詰めて乾燥させ、粉状にしたコンソメで味付けしたキャベツの千切りを入れる。
キャベツの上に豪快にも太いウインナーソーセージをどかんと置いて、お手製マヨネーズと様々な果実を材料にした濃いソースを掛ける。
オーブンで表面がカリっとするまでちょいと焼く。
仕上げにパセリをパラパラ振り掛け、出来上がり!
丁度良く茹であがったパスタと具材の水気を切って、再度フライパンに投入。
村で濾したオリーブオイルとにんにく、塩コショウ、とうがらしでちゃちゃっと炒めたら、ほいこっちも出来上がり!
「はいよ、お待たせしました、アッシュ特製ホットドックとペペロンチーノ、お熱いうちに召し上がれ~!!」
男の前に二品並べ、その横に俺も座る。
「俺も昼飯食っていいすよね。食ってる間、話聞いてやっから」
こうして俺と旅人の男、初対面だというのに二人仲良く並んで昼食になった。
相変わらず、男はローブの隙間から器用にちまちまと口に運んでいて、常ならば今頃一口食った時点で、俺という料理人への賛美が聞けるはずなんだが、この男はちっとも面白くない。
料理を褒めるどころか、何の言葉も発しない。
いい加減、無言で食ってるのが気まずいというか、嫌になったのでこちらから話を振る事にした。
「旦那、あんた、人を探してるんですってね」
「ああ、そうだよ」
男がソーセージに苦戦している。
長い一本モノだからな。ナイフを渡してやると、ありがとうと一言。
「でも、たぶん君からも得られる答えは決まってるだろうから、別にいい」
「は?」
「それに、ある程度分かったから、もういいよ」
「は、なんだそれ。あのカップルが最後に訪れたのがこの店だぞ?彼らが何を話したか知りたかったんじゃないのかよ」
ある程度分かったとは、どういう意味なのだろう。
ついつい客人に対する敬語を忘れて、男に噛み付いてしまう。
「彼らの事はもういいんだ。いや、君の好意を無下にするつもりはない。それよりも気になる事が出来ただけだよ」
「気になること?」
うん、と男はナイフを置く。
パスタは全部食べてくれたみたいだ。味の感想が無いのが実に寂しいんですけど。
そんな俺の気持ちなんぞ露知らず、男は続ける。
「君たちのお望み通り、もうお暇するよ。こんな胡散臭いヤツに言われたくないだろうけど、世話になった」
「ったく、あんたさっきの、めちゃくちゃ気にしてんじゃねえか」
思わず笑ってしまった。
年齢は幾つぐらいなんだろうか。
落ち着いているのに、どこか無邪気。
男の雰囲気は年齢をもローブに隠してしまう。
俺とそんなに違わないようにも見えるし、もっと年寄りにも見える。
そもそも本当に男なのか?ちょっと声が低い女性にも思えてくる、不思議な印象。
そして彼の纏うその雰囲気は、どこかむず痒く懐かしい。
穏やかな空気の流れを彼から感じるのは気のせいなのだろうか。
「悪いな。客人が来るんだ。正直、旦那に構う時間もねえくらいに」
だから、明け透けもなく彼には喋ってしまう。
「あの二人が村の客人、とはね……」
口元に右手を持っていく。親指で顎を掴んで、右手は口元へ。
彼が渓谷で見かけた、二人組の男女の旅人を思い返しているようだ。
「まあ、これ以上聞きたい事がないのなら、本当に早く出ていった方がいいっすよ、マジで。親父ら、今は旦那を捨て置いてるけど、調子乗っていつまでもいると実力行使されちまうぞ?」
「それは、怖いな」
フフと、初めて彼が笑った。
再び、ドキンと鳴る心臓。
顔は見えないけど、ローブの下ではにかんでいると想像したら顔が赤くなってしまった。
はあ、なんだこれなんだこれ。
確かに俺は片田舎の世間知らずな野郎で、村人以外の人間とそんなに話す機会もなければ耐性も持ち合わせていないけれど、初対面も、それも男に!なんでこんなふわふわした変な気持ちになるんだよっ。
赤い顔を見られるのが恥ずかしくて、俺は席を立つ。
空いた皿を回収し厨房へ戻る。
ガシャガシャと敢えて音を出して乱暴に皿を洗う俺の姿を見て、彼がまた笑った気がした。
■■■
それからフードの男は、言葉通りの行動を取った。
俺に何も質問せず、ごちそう様と両手を静かに合わせただけで立ち上がった。
もう村を出るのか聞いたら、こくりと頷くので、慌てて携帯食を用意しようと戸棚をがさごそしてたら断られてしまった。
食糧は持っているのだと言う。
そこで俺は改めて、この男があの険しい渓谷を渡って旅をしていたはずなのに、手ぶらであることに気付く。
男はローブの中にいろいろ入っていると答えたが、一瞬足元をめくり上げた時に見えたその中身は、薄い革の靴と動きやすそうな軽装だけだったのを知っている。
「旦那、聞かせてください。アンタは何者なんです?」
店を出る前、扉に手を掛ける男にそう聞いた。
「俺は、友人の大切な人達を探しにきたただの旅人だよ」
そして男は出て行った。
静かに音を立てず、来た時と同じように、ふわりと立ち去った。
ピコピコと動く変わった形状のローブ頭がいなくなった後、彼の座っていた椅子を触る。
「なんか、変だ、俺」
椅子は冷たい。
彼の体温を残していない。
隣の俺が座っていた椅子は、未だ生暖かいというのに。
不思議な気持ちを抱いたまま、皿を片付け、拭き、カウンターに寄りかかる。
男の事が気にかかるが、俺もやるべき事がある。今から客人に馳走するレシピを考えねばならぬし、材料も雑貨屋に発注するものもあるだろう。
彼の残り香を探してぼうっと呆けている訳にはいかないのだ。
だが……。
カランコロンカランコロン
扉が開き、錆びついて乾いた音しか出せない鐘が鳴る。
「お、アッシュ、うまくやったみたいだな!!」
親父が帰ってきた。
どうせ親父の事だろう、あの旅人が村の外に出るのを遠くで見張っていたのかもしれない。
「音…」
「おとぉ?」
俺が書き出していた馳走用のレシピを手に取り、反復する。俺の言葉は半ば聞き流している。
「あの人が出て行った時、その鐘の音…」
鳴ってなかった。
まるで幽霊を相手していたかのような錯覚を抱く。
彼の姿は現実に存在したし、村人のほぼ全員が彼を見たし彼の声も聴いた。
俺の作った料理も全部食って、村を出て行く様もしっかり親父連中が確認した。
だが、体温も音も残り香すら残っていない。
碌な会話すらしていないのに、また逢いたいと思ってしまう。
料理以外に興味を持つものが、初めてできた。
劇的な変化を身を以て体験させられるのはこれより数時間後の事であったが、既に心は彼に奪われていたのかもしれない。
彼から漂う、あの何とも言えない懐かしい空気をまた吸いたいと叶わぬ願いを抱いたまま――。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
没落港の整備士男爵 ~「構造解析」スキルで古代設備を修理(レストア)したら、大陸一の物流拠点になり、王家も公爵家も頭が上がらなくなった件~
namisan
ファンタジー
大陸の南西端に位置するベルナ子爵領。
かつては貿易で栄えたこの港町も、今は見る影もない。
海底には土砂が堆積して大型船は入港できず、倉庫街は老朽化し、特産品もない。借金まみれの父と、諦めきった家臣たち。そこにあるのは、緩やかな「死」だけだった。
そんな没落寸前の領地の嫡男、アレン(16歳)に転生した主人公には、前世の記憶があった。
それは、日本で港湾管理者兼エンジニアとして働き、現場で散った「整備士」としての知識。
そして、彼にはもう一つ、この世界で目覚めた特異な能力があった。
対象の構造や欠陥、魔力の流れが設計図のように視えるスキル――【構造解析】。
「壊れているなら、直せばいい。詰まっているなら、通せばいい」
アレンは錆びついた古代の「浚渫(しゅんせつ)ゴーレム」を修理して港を深く掘り直し、魔導冷却庫を「熱交換の最適化」で復活させて、腐るだけだった魚を「最高級の輸出品」へと変えていく。
ドケチな家令ガルシアと予算を巡って戦い、荒くれ者の港湾長ゲンと共に泥にまみれ、没落商会の女主人メリッサと手を組んで販路を開拓する。
やがてその港には、陸・海・空の物流革命が巻き起こる。
揺れない「サスペンション馬車」が貴族の移動を変え、「鮮度抜群の魚介グルメ」が王族の胃袋を掴み、気性の荒いワイバーンを手懐けた「空輸便」が世界を結ぶ。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました
まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。
その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。
理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。
……笑えない。
人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。
だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!?
気づけば――
記憶喪失の魔王の娘
迫害された獣人一家
古代魔法を使うエルフの美少女
天然ドジな女神
理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ
などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕!
ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに……
魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。
「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」
これは、追放された“地味なおっさん”が、
異種族たちとスローライフしながら、
世界を救ってしまう(予定)のお話である。
【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-
ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。
困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。
はい、ご注文は?
調味料、それとも武器ですか?
カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。
村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。
いずれは世界へ通じる道を繋げるために。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる