蒼淵の独奏譚 ~どこか壊れた孤高で最強の魔法使いがその一生を終えるまでの独奏物語~

蔵之介

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一. アッシュの章

一章 設定資料

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 ■□■一章 アッシュの章■□■ 
 登場人物+用語地名 覚書集




 ~ヤーゴ村主要人物~

 ◆アッシュ◆
 一章の語り部、主人公。
 20代前半、赤毛の髪と明るい茶色の瞳。三白眼でつり目がち。肩までの長い髪をいつも後ろで一つに結んでいる。長身でヒョロっと痩せていて身軽。
 辺境の村ヤーゴで唯一の食堂を父と営んでいる。
 10年前の災厄の地震で母を目の前で亡くした過去を持つ。
 底抜けに明るく、明け透けない性格で言葉遣いが悪い。田舎者で世間知らずだが、料理人である事に誇りを持っていて、世界中の料理レシピを知りたい夢を密かに持っている。
 産まれた時から一歩も村の外に出たことはなく、共に災厄を乗り越えた村の住人を家族として慕っている。
 冒険心がなく日和見主義で面倒事を嫌っていたが、リュシアとの出会いでその運命を変えられた。
 とある出来事で童貞を捨て同性のリュシアに惚れて以来、彼に付き従うようになる。
 魔法の素質があり、6大属性の得手不得手はない。料理と同様に試行錯誤で新たな魔法を構築し、しばし周りを驚かせるまで成長した。


 ◆アッシュの父◆
 40代、赤髪のがっしりとした体格を持つ。
 ヤーゴ村唯一の食堂を営むが、料理はもっぱら息子のアッシュに任せ、本人は気ままに生きている。
 口が悪く酒豪で、大雑把な性格の持ち主。
 ヤーゴ村をこよなく愛している。
 村の重鎮会の一人で、村の存続と繁栄のためなら我が子の犠牲も厭わない。
 村の地下で人身御供のためにアッシュを生贄を捧げようとした矢先、井戸の爆破の巻き添えとなって死亡。


 ◇コンチータ◇
 ヤーゴ村重鎮会役員で、畑の管理責任者。
 魔女の一人でもある。
 おおらかでよく働き、年がら年中作物の事を考えている中年女性。
 村の地下でグレフが暴走した際、とばっちりに遭って死亡。


 ◇オルガ◇
 語り部。
 ヤーゴ村重鎮会役員で、村の薬師。
 魔女の一人でもある。
 災厄で牧師の夫を喪った未亡人で、常に喪服姿の30代後半の痩せた女性。
 暗くて陰湿だが、生き残るためには自らの身体を差し出す事も厭わない行動派でもある。
 意図的に拉致した旅人の体質を変える薬を盛っていた。
 怒れる神グレフの消えた村で狂った後の生死は不明。


 ◇マリソン◇
 ヤーゴ村重鎮会役員で、村で雑貨屋を経営。
 魔女の一人でもある。
 短気でヒステリー持ちの、感情の起伏が激しい中年女性。
 黒の行商人との連絡役。
 怒れる神グレフの消えた村で憤怒の欲に駆られ、狂った後の生死は不明。


 ◇アマラ◇
 ヤーゴ村重鎮会総帥であり、ヤーゴ村村長の妻。
 魔女の筆頭でもある老婆。
 村に関する事以外は冷たく、機敏に頭が周り、顎で村人を使う。とても厳しく、村長の夫ですら逆らえない。
 実質アマラが村を影で支配しており、アマラこそが村の法律であった。
 村を思う心が強すぎるが故に、他人の犠牲など歯牙にもかけない。
 村の地下でグレフが暴走した時に、逃げ惑う村人達に踏まれて死亡した。


 ◆イグレフ◆
 ヤーゴ村村長。
 アマラの操り人形と化した、冴えない老人。村の男たちと愚痴を言い合う日々を過ごしている。
 村の地下でグレフに喰われて死亡した。


 ーーーーーーーーーー

 ~その他主要人物~

 ◇アグネス◇
 語り部。20代女性。
 行方不明者の調査にヤーゴ村を訪れた、イシュタル教会所属の魔法使い。光の魔法を操る。
 村人に拉致され、グレフに頭をかち割られて大怪我を負う。地下に幽閉された後は薬を盛られ、子を産む道具として同僚の男にレイプされる日々を送る羽目となった。
 イシュタルの教えを固く信じて、教会の聖女セレンディアに身も心も捧げている。
 気が滅法強く、不屈の精神を持ち合わせている。
 地下では自力で脱出するも、グレフに取り囲まれて絶体絶命の時にリュシアに助けられるが、聖女と親しい彼を嫉妬心から嫌っていた。
 現在は教会の重役に取り立てられ、ギルドと教会の橋渡し役に奔走している。


 ◆元冒険者の男◆
 桃源郷を目指してヤーゴ村に妻と旅してきた犠牲者の一人。
 妻をグレフに殺され、自暴自棄になっていたが、アグネスらと行動を共にして脱出に成功する。
 後に剣使いとして騎士団に身を寄せる事となり、現在は任務で小さな町に派遣されている。


 ◆リュシア◆
 ヤーゴ村行方不明事件を解決するために《中央アムルマハ》から単身乗り込んできた、アルパカ模様のローブを着込んだ怪しい男。
 グレフの影響に完全に呑まれなかったアッシュに近づき、村を引っ掻き回して散々翻弄させ、わざと拉致され敵の本拠地に入り込み、最後は強大な魔法でグレフを葬り去った。
 その正体は《中央》四大ギルド”紡ぎの塔”ギルドマスター本人である。
 絶世の美貌を持ち合わせ、見た目は20代前半。プラチナブロンドの髪と深い蒼の瞳を持つ。
 必要があれば女装し、成り行きでセックスするのも厭わない。無口で無愛想で無神経と、かなり人格が破綻しているが、どこか危ういところもあり、対するものの庇護欲を掻き立てる。
 奇抜なローブは目立つ顔を隠す意味合いもあるが、ただの趣味。


 ◆ロン◆
 リュシアの部下であり、影。
 全身黒づくめのリュシアの護衛人。いつもリュシアの影の中に潜んでいる。
 彼の命令がなければ、一切動かない男。
 本名はロベルト。


 ◇セレンディア◇
 名前だけ登場。
 イシュタル神殿総本山を総括する女神の聖女。
 アグネスの崇拝対象者。


 ーーーーーーーーーー


 ~敵~

 ◆怒れる神グレフ
 10年前、突如この世界に堕ちてきた異形のもの。
 魔族を滅亡させ、王都を乗っ取り、あらゆる手段で人間世界を侵略しようとしている人類の敵。
 意思疎通は適わず、目的も不明。
 白いモヤのようなものから様々な形状に変幻し、分身を生み出す能力がある上にタフで力も強い。
 人々は畏怖の念を込めて、いつしかグレフと呼ぶようになった。
 不死身と思われていたが、ギルドの活躍により殺す事が可能となる。
 体内に核と呼ばれる急所が隠されてあり、それを壊すと消滅することが今回の一件で判明した。


 ◆黒の行商人◆
 孤立したヤーゴ村に現れ、支援する謎の中年男。
 ヤーゴ村での計画が破綻する寸前に、逃げ出した。


 ◆ケルベロス◆
 ヤーゴ村を支配していたグレフのボス。
 首が三つある大狼の魔物の形状をしている。
 素早く、炎を吐いて攻撃してくるが、アッシュとリュシアによって退治された。


 ◆御神木◆
 地震で疲弊したヤーゴ村が女神信仰を止めて、新たな神として崇めた聖なる木。
 グレフが擬態したもので、トウモロコシ畑に誘い込まれた旅人を物理的に攻撃して動けなくする役目を担っていた。
 リュシアによって破壊される。


 ◆豚の大群◆
 ヤーゴ村の地下で、拉致した旅人の監視役のグレフ。
 旅人が役に立たなくなると、食って殺していた。
 リュシアによって全滅させられる。


 ーーーーーーーーーー


 ~地名~

 ◆ヤーゴ村◆
 惨劇の舞台、アッシュの故郷。
 《中央都市》の南に位置し、渓谷を越えた先にある何の取り柄もない辺境の限界集落。
 以前はトウモロコシ栽培で生計を立てていた。
 災厄の地震で孤立し、食料不足で死に絶えようとした時に、黒の行商人の援助により立ち直る。
 村ぐるみで旅人を誘致し、拉致して生贄としてグレフに捧げる事で豊穣を手に入れていた。
 村ではマナをエネルギーとしない作物を作っており、それを知らずして食料にしていた村人全員がグレフの言いなりとなっている。
 リュシアとアッシュによって壊滅状態となった後、現在は放置されている。


 ◆《中央》アムルマハ◆
 別名、湖の都。
 災厄を生き延びた人々が集まる最大の歓楽都市。
 ギルドという組織を作ってグレフに抵抗している。


 ◆《王都》ダンクール◆
 大陸最北部に位置する人間世界の首都。
 グレフによって侵略されており、詳細は不明。


 ◆ギルド”紡ぎの塔”◆
 中央四大ギルドの一つ。
 ギルドマスター・リュシアを筆頭に、魔法使いで構成された組織。
 のちにアッシュはギルド内の食堂で働くようになった。


 ◇イシュタル教会◇
 《中央》の都アルムマハに総本山を構える、世界共通の最大宗教。
 世界の98パーセントはイシュタル教信者である。
 世界のマナの優劣を魔族と競い合い、永遠の発展と輪廻を説く創造神イシュタリアを祀っている。




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