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二. ニーナの章
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■□■二章 ニーナの章■□■
登場人物+用語地名 覚書集
~グレンヴィル町主要人物~
◇ニーナ◇
二章の語り部、主人公。
25歳。肩までの青髪と、明るい黒の瞳を持つ女性。
港町グレンヴィルの自警団”超新生カモメ団”の一員であり、書記を担う幹部。
神経質なところがあり、うじうじ悩む割にはいつまでも答えを出せない優柔不断な性格をしている。
自称読書家で、書類整理や調べ物が得意であり、魔法は独学で習得している。
災厄が原因で冒険者になれなかった事をいつまでも根に持っていて、日々を惰性で生きていた時に、今回の惨劇に見舞われた。
幼少時代に不注意から実の妹を亡くしているが、その事実を受け入れず、ぬいぐるみを妹に見立てて架空の友達を生み出している。その影響で家族仲が非常に悪い。
思い込みが激しく、また一途で情深い。
リュシアにほぼ一目惚れ。押しかけるようにギルドの仲間入りを果たした。
人工精霊に妹テルマの人格を入れ、それを妹として接している。
魔法は水属性を得意としていたが、リュシアとマナを同化したことにより傀儡を操る術を手に入れる。
現在ギルドでは施設管理の事務長をしていて、引っ込み思案からハツラツとした性格へと変わった。
◇テルマ◇
語り部。ニーナの妹。
人間のテルマは3歳の時に溺死している。
妹の死を認めたくないニーナの思い込みが、熊のぬいぐるみに幻影を持たせ、偶然グレフの核を与えられたことにより具現化を果たした存在。
リュシアによってグレフとの繋がりを断ち切られ、ニーナの強い思いに応えて人工精霊として生まれ変わる。
白いふわふわの長い巻き毛に、紅い瞳。10歳前後の姿を好む。
何にでも興味津々で天真爛漫な上に悪戯好き。自分を生み出した姉ニーナを慕い、彼女のためだけに尽くす。
魔法は詠唱無しで発動でき、空も飛べる。
◆ロルフ団長◆
グレンヴィル自警団”超新生カモメ団”の団長。30代後半。
身体が大きく、腕っぷしが強いのが自慢。筋肉ダルマでおおらかな性格の持ち主。
《中央》のギルドを一方的に嫌う。
元はグレンヴィルの学校の剣術講師で、被災した街を助けるために学校の生徒会のメンバーを集めて自警団を立ち上げた。
その正体は王宮騎士団総帥ユリウス・フレデリクの実の弟であり、裏でギルドと繋がっていた事が判明する。
街の惨劇を免れた後は騎士団へ入団し、街の復興に尽力を尽くしている。
◆アドリアン◆
カモメ団特攻隊長筆頭。24歳。
自警団の切り込み隊長であり、お調子者で軽いながらも憎めない性格をしている。
女の子絡みでよく揉め事を起こしており、その度に幼馴染のコルトから叱られている。
テルマから惨殺された後、死人化し、リュシアによって消滅させられた。
◆コルト◆
カモメ団特攻隊長。24歳。
自警団もう一人の切り込み隊長であり、アドリアンのお目付役。
生真面目な性格で、しっかり者。最近恋人が出来たばかり。
テルマから殺された後、死人化し、ニーナが館を爆破させた時に消滅した。
◆アイン◆
カモメ団参謀。25歳。
嫌みたらしくネチネチとしているが、気は優しくて素直な性格の持ち主。
非力だが、頭は良い。
テルマから殺された後に死人化。館の爆破に巻き込まれて消滅する。
◆ロロ◆
カモメ団実行部隊。23歳。
自警団内で一番の怪力を持ち合わせるが、気が弱く怖がりでいつも人の後ろを歩いている。
知能に問題があり、虐められていたところをアドリアンによって救われた過去を持つ。
テルマに殺害された後、館とともに爆破されて消滅。
◆ギャバン◆
カモメ団幹部。元漁師で、天気や地図を読むのを得意とする30代の男。
寡黙で馴れ合いは苦手であり、好んで動物の世話をする。
細目で常にバンダナを頭に巻き、若い団員らを見守っている。
実はギルド”紡ぎの塔”の古参メンバー。リュシアからロルフの動向を探る命を与えられており、意図的に港町に流れ着いて自警団入りを果たしていた。
惨劇後も《中央》に戻らず、ロルフとともに復興に尽くしている。
◆エーベル◆
カモメ団員。
奇抜で派手な服装を好む、今時の10代の少年。
有能だが礼儀知らずで、いまいち重宝されていない。
テルマに殺されたのちに死人化し、館の団長室にいるところをリュシアによって真っ二つにされた。
◇ニーナの母◇
災厄前は聡明で明るく、料理上手でイベント事が好きだったが、今は見る影もなく陰気臭い。
下の娘が死んで上の娘は狂い、義母が認知症を患って夫が何もかも放り出して逃げた時から、無気力で生きていた。
現在は《中央》に移住し、穏やかに過ごしている。
◇ニーナの祖母◇
災厄後に認知症を患って、毎日クッキーを焼き続けている。
家族を認識してしているが、昔の楽しかった時代で時が止まっている為、話しが通じない。
現在は《中央》の施設で余生をのんびりと過ごしている。
◇苔氏◇
リンドグレンの貿易都市跡地で、主に苔を採取して薬を調合し、売り捌いている逞しい商売人。
話し方が独特で、顔が広い。
ーーーーーーーーーー
~その他主要人物~
◆リュシア◆
リンドグレンの廃都に現れる異形のグレフを調べるために、《中央》からやってきたギルド”紡ぎの塔”のギルドマスター。
ピンクの牛をモチーフとした妙なローブを着て現れ、死人に襲われるニーナらを救う。
成り行きで立ち寄った港町で、此度の惨劇と対峙することになる。
凄まじい魔法を放つが運動能力は並み程度。口も悪くカモメ団とトラブルを引き起こすが、実はわざと挑発している。
邪魔するものは女であろうと容赦せず、平気で人を殺そうとする人格破綻者。
美貌の素顔を曝け出してニーナに惚れられるも、全く気にしていない。
ニーナを生き返らせ、テルマを精霊化する手助けをした。
気に入っていたピンクの牛のローブもサメの着ぐるみも、グレフとの戦闘で破れて使い物にならなくなってしまった事を後悔している。
◆アッシュ◆
”紡ぎの塔”所属ギルド員、料理長
リュシアについてグレンヴィルの惨劇を垣間見る。
ニーナらの手助けをし、自らも奔走する。
日和見主義からお節介へとシフトした。
料理を振舞ったり率先して炊き出しを行ったりと、町の為に働く事を手間と思わない。その人好きのする性格が、団員や町人と打ち解けるきっかけにも繋がっている。
リュシアの良き理解者になろうと頑張っているが、他人への嫉妬心からリュシア本人にしばしば当たることもあり、未熟さを痛感している。
食べ物の中に魔法効果を入れた魔法道具を作ったりと、試行錯誤が実を結んでいる。最近は治癒魔法に凝っているようだ。
◆ロン◆
”紡ぎの塔”所属ギルド員、リュシアの影。
リュシアに付き従う物静かな隠密人。彼の命令であれば、なんでもする影の立役者。
◆ユリウス・フレデリク◆
王宮騎士団 騎士団長総帥 騎士団ギルドマスター
40代男性、長身で筋肉質な体格。カモメ団長ロルフの実の兄で、ブラコン。
美しいものをこよなく愛し、リュシアに執着している。
派手好きでもあり、自らの甲冑は全身が金。兜には孔雀の羽を付けている。
災厄時はたまたま《中央》に遠征していた為、グレフによる《王都》の占拠を免れる。いち早く軍を立て直し、ギルドの前身となる軍組織を作って世界の復興に尽力した。
有能で頭が切れ発言力もあり、《王都》では評議会すら黙らせる。また統率力に優れ、力も右に出るものはおらず、まさにパーフェクトな人物である。
得物は大剣。王を救うことに固執しているが、また大局も見ている。
独特な語尾で喋る。
この惨劇の後、弟ロルフを師団長に据え、町の後継人として騎士を多く配置して復興に勤しんだ。
ーーーーーーーーーー
~敵~
◆怒れる神◆
10年前に空から堕ちてきた異形の神と畏れられる呼ばれる人類の敵。
遭遇すると死は必至だが、不用意に近付かなければ攻撃してこない。
グレフそのものに意思はなく、何者かの声によって従っていることが分かる。
◆黒の行商人◆
グレフの核をばら撒いた、今回の惨劇の仕掛け人。
人の良さそうな中年男性で、舌足らずで間延びした口調で喋る。
テルマが核により覚醒するその晩に消えた。
◆死人◆
グレフの核が人間の死骸を依り代として再び動き出したもの。
リンドグレン廃都の墓地に現れ、人間を襲う。動きは鈍いがひとたび体液に接触すると感染し、生きながらにして身体が腐って死人化する。
テルマに殺されたカモメ団の9割が死人化して館の爆破とともに消滅。またニーナ自身も感染したが、リュシアの「マナの浄化」により助かった。
◆蛇◆
海に現れたグレフ。
グレフにとって邪魔者のリュシアを殺す為に大量投入されたが、全て返り討ちとなっている。
◇スキュラ◇
上半身に人間の女性体、下半身に触手を持つ、神話の魔物をグレフが模したもの。
雄と交わりグレフの核を産み出していた。
リュシアによって殺される。
核は《中央》に持ち帰られ、受信機として再利用されている。
◆マーリン◆
上半身に人間の男性体、下半身に魚の尾を持つ、神話の魔物をグレフが模したもの。
雌と交わることしか頭になく、雌と見れば擬似精液を撒き散らして交尾しようとする。
ニーナとテルマによってトドメを刺される。
擬似精液はグレフ研究のサンプルとして採取された。
◇くまちゃん◇
ニーナが幼い頃、祖母に貰った熊のぬいぐるみ。
約20年間、死んだ妹の代わりを務めてきたタルパの器。
強い思い込みによる蓄積されたマナがグレフの核によって具現化し、人間を殺戮する命令と、ニーナの解放されたい願いを湾曲して捉えて暴走し、カモメ団の団員を皆殺しにした。
リュシアによって破壊された後、人格のみ助け出されて精霊化を果たす。
ーーーーーーーーーー
~地名その他~
◆港町グレンヴィル◆
《中央》の東に位置する小さな港町。
貿易都市リンドグレンに従属し、養殖業で生計を立てていた。夏は貴族の避暑地として利用される。
災厄後、潮の流れの変化により港は閉鎖。養殖は廃業となり、代わりに町の若者を中心に構成される自警団が町の復興を助けた。
自警団の分配のみで生活している住民が多く、他力本願主義が多数を占める。
カモメ団が消滅した現在は、騎士団が後継人として町の運営に介入している。
◆超新生カモメ団◆
グレンヴィル町の自警団。通称「カモメ団」
ロルフ団長を筆頭に、町の若者150人で構成される。
災厄後、復興に喘ぐ町を助ける為に、ロルフが学校の生徒会役員を誘って自警団を結成したのが始まりである。
廃都で廃品を集めて換金したり、力仕事や赤ん坊のお守まで依頼があれば何でもしていた。
テルマの暴走により壊滅し、その本拠地は死人と一緒に爆破された。
◆リンドグレン貿易都市◆
大陸三大都市の一つ。
世界中と交易し、随一の港を持つ。取引相手には人間の宿敵である魔族も含まれていた。
大いに栄えていたが、災厄の影響により都市の半分以上が海に沈む。廃都と化した跡地には、火事場泥棒の姿が今も絶えない。
◆湖の都アムルマハ◆
別名、歓楽都市ともいう。
災厄から唯一残った大都市であり、ギルドの本拠地と教会の総本山を備える。
商業が活発で、多くの人がそこで暮らす。
◆王都ダンクール◆
王の座する首都。
現在はグレフに占拠されており、詳細は不明。
◆紡ぎの塔◆
ギルドマスターリュシアを筆頭に、主に魔法使いで構成される4大ギルドの一つ。
中央都市のみならず、世界中の商業施設を管理しようと奮闘中。
◆王宮騎士団◆
ギルドマスターユリウスフレデリクを総帥に据え、騎士で構成される筆頭ギルド。
主に治安、護衛を任務とし、人々から敬われている。
騎士団長の弟ロルフを護る為、グレンヴィルの町を密かに警護する任を下されていた。
◆4大ギルド◆
ユリウスの”王宮騎士団”、魔法使いリュシアの”紡ぎの塔”の他に、人外族で構成されるエルフギルド、盗賊ギルドが存在する。
さらにギルドの冠はつけていないが、イシュタル教会がこの連合に加わる。
中央の治世を担い、グレフに立ち向かう組織軍として奮迅している。
登場人物+用語地名 覚書集
~グレンヴィル町主要人物~
◇ニーナ◇
二章の語り部、主人公。
25歳。肩までの青髪と、明るい黒の瞳を持つ女性。
港町グレンヴィルの自警団”超新生カモメ団”の一員であり、書記を担う幹部。
神経質なところがあり、うじうじ悩む割にはいつまでも答えを出せない優柔不断な性格をしている。
自称読書家で、書類整理や調べ物が得意であり、魔法は独学で習得している。
災厄が原因で冒険者になれなかった事をいつまでも根に持っていて、日々を惰性で生きていた時に、今回の惨劇に見舞われた。
幼少時代に不注意から実の妹を亡くしているが、その事実を受け入れず、ぬいぐるみを妹に見立てて架空の友達を生み出している。その影響で家族仲が非常に悪い。
思い込みが激しく、また一途で情深い。
リュシアにほぼ一目惚れ。押しかけるようにギルドの仲間入りを果たした。
人工精霊に妹テルマの人格を入れ、それを妹として接している。
魔法は水属性を得意としていたが、リュシアとマナを同化したことにより傀儡を操る術を手に入れる。
現在ギルドでは施設管理の事務長をしていて、引っ込み思案からハツラツとした性格へと変わった。
◇テルマ◇
語り部。ニーナの妹。
人間のテルマは3歳の時に溺死している。
妹の死を認めたくないニーナの思い込みが、熊のぬいぐるみに幻影を持たせ、偶然グレフの核を与えられたことにより具現化を果たした存在。
リュシアによってグレフとの繋がりを断ち切られ、ニーナの強い思いに応えて人工精霊として生まれ変わる。
白いふわふわの長い巻き毛に、紅い瞳。10歳前後の姿を好む。
何にでも興味津々で天真爛漫な上に悪戯好き。自分を生み出した姉ニーナを慕い、彼女のためだけに尽くす。
魔法は詠唱無しで発動でき、空も飛べる。
◆ロルフ団長◆
グレンヴィル自警団”超新生カモメ団”の団長。30代後半。
身体が大きく、腕っぷしが強いのが自慢。筋肉ダルマでおおらかな性格の持ち主。
《中央》のギルドを一方的に嫌う。
元はグレンヴィルの学校の剣術講師で、被災した街を助けるために学校の生徒会のメンバーを集めて自警団を立ち上げた。
その正体は王宮騎士団総帥ユリウス・フレデリクの実の弟であり、裏でギルドと繋がっていた事が判明する。
街の惨劇を免れた後は騎士団へ入団し、街の復興に尽力を尽くしている。
◆アドリアン◆
カモメ団特攻隊長筆頭。24歳。
自警団の切り込み隊長であり、お調子者で軽いながらも憎めない性格をしている。
女の子絡みでよく揉め事を起こしており、その度に幼馴染のコルトから叱られている。
テルマから惨殺された後、死人化し、リュシアによって消滅させられた。
◆コルト◆
カモメ団特攻隊長。24歳。
自警団もう一人の切り込み隊長であり、アドリアンのお目付役。
生真面目な性格で、しっかり者。最近恋人が出来たばかり。
テルマから殺された後、死人化し、ニーナが館を爆破させた時に消滅した。
◆アイン◆
カモメ団参謀。25歳。
嫌みたらしくネチネチとしているが、気は優しくて素直な性格の持ち主。
非力だが、頭は良い。
テルマから殺された後に死人化。館の爆破に巻き込まれて消滅する。
◆ロロ◆
カモメ団実行部隊。23歳。
自警団内で一番の怪力を持ち合わせるが、気が弱く怖がりでいつも人の後ろを歩いている。
知能に問題があり、虐められていたところをアドリアンによって救われた過去を持つ。
テルマに殺害された後、館とともに爆破されて消滅。
◆ギャバン◆
カモメ団幹部。元漁師で、天気や地図を読むのを得意とする30代の男。
寡黙で馴れ合いは苦手であり、好んで動物の世話をする。
細目で常にバンダナを頭に巻き、若い団員らを見守っている。
実はギルド”紡ぎの塔”の古参メンバー。リュシアからロルフの動向を探る命を与えられており、意図的に港町に流れ着いて自警団入りを果たしていた。
惨劇後も《中央》に戻らず、ロルフとともに復興に尽くしている。
◆エーベル◆
カモメ団員。
奇抜で派手な服装を好む、今時の10代の少年。
有能だが礼儀知らずで、いまいち重宝されていない。
テルマに殺されたのちに死人化し、館の団長室にいるところをリュシアによって真っ二つにされた。
◇ニーナの母◇
災厄前は聡明で明るく、料理上手でイベント事が好きだったが、今は見る影もなく陰気臭い。
下の娘が死んで上の娘は狂い、義母が認知症を患って夫が何もかも放り出して逃げた時から、無気力で生きていた。
現在は《中央》に移住し、穏やかに過ごしている。
◇ニーナの祖母◇
災厄後に認知症を患って、毎日クッキーを焼き続けている。
家族を認識してしているが、昔の楽しかった時代で時が止まっている為、話しが通じない。
現在は《中央》の施設で余生をのんびりと過ごしている。
◇苔氏◇
リンドグレンの貿易都市跡地で、主に苔を採取して薬を調合し、売り捌いている逞しい商売人。
話し方が独特で、顔が広い。
ーーーーーーーーーー
~その他主要人物~
◆リュシア◆
リンドグレンの廃都に現れる異形のグレフを調べるために、《中央》からやってきたギルド”紡ぎの塔”のギルドマスター。
ピンクの牛をモチーフとした妙なローブを着て現れ、死人に襲われるニーナらを救う。
成り行きで立ち寄った港町で、此度の惨劇と対峙することになる。
凄まじい魔法を放つが運動能力は並み程度。口も悪くカモメ団とトラブルを引き起こすが、実はわざと挑発している。
邪魔するものは女であろうと容赦せず、平気で人を殺そうとする人格破綻者。
美貌の素顔を曝け出してニーナに惚れられるも、全く気にしていない。
ニーナを生き返らせ、テルマを精霊化する手助けをした。
気に入っていたピンクの牛のローブもサメの着ぐるみも、グレフとの戦闘で破れて使い物にならなくなってしまった事を後悔している。
◆アッシュ◆
”紡ぎの塔”所属ギルド員、料理長
リュシアについてグレンヴィルの惨劇を垣間見る。
ニーナらの手助けをし、自らも奔走する。
日和見主義からお節介へとシフトした。
料理を振舞ったり率先して炊き出しを行ったりと、町の為に働く事を手間と思わない。その人好きのする性格が、団員や町人と打ち解けるきっかけにも繋がっている。
リュシアの良き理解者になろうと頑張っているが、他人への嫉妬心からリュシア本人にしばしば当たることもあり、未熟さを痛感している。
食べ物の中に魔法効果を入れた魔法道具を作ったりと、試行錯誤が実を結んでいる。最近は治癒魔法に凝っているようだ。
◆ロン◆
”紡ぎの塔”所属ギルド員、リュシアの影。
リュシアに付き従う物静かな隠密人。彼の命令であれば、なんでもする影の立役者。
◆ユリウス・フレデリク◆
王宮騎士団 騎士団長総帥 騎士団ギルドマスター
40代男性、長身で筋肉質な体格。カモメ団長ロルフの実の兄で、ブラコン。
美しいものをこよなく愛し、リュシアに執着している。
派手好きでもあり、自らの甲冑は全身が金。兜には孔雀の羽を付けている。
災厄時はたまたま《中央》に遠征していた為、グレフによる《王都》の占拠を免れる。いち早く軍を立て直し、ギルドの前身となる軍組織を作って世界の復興に尽力した。
有能で頭が切れ発言力もあり、《王都》では評議会すら黙らせる。また統率力に優れ、力も右に出るものはおらず、まさにパーフェクトな人物である。
得物は大剣。王を救うことに固執しているが、また大局も見ている。
独特な語尾で喋る。
この惨劇の後、弟ロルフを師団長に据え、町の後継人として騎士を多く配置して復興に勤しんだ。
ーーーーーーーーーー
~敵~
◆怒れる神◆
10年前に空から堕ちてきた異形の神と畏れられる呼ばれる人類の敵。
遭遇すると死は必至だが、不用意に近付かなければ攻撃してこない。
グレフそのものに意思はなく、何者かの声によって従っていることが分かる。
◆黒の行商人◆
グレフの核をばら撒いた、今回の惨劇の仕掛け人。
人の良さそうな中年男性で、舌足らずで間延びした口調で喋る。
テルマが核により覚醒するその晩に消えた。
◆死人◆
グレフの核が人間の死骸を依り代として再び動き出したもの。
リンドグレン廃都の墓地に現れ、人間を襲う。動きは鈍いがひとたび体液に接触すると感染し、生きながらにして身体が腐って死人化する。
テルマに殺されたカモメ団の9割が死人化して館の爆破とともに消滅。またニーナ自身も感染したが、リュシアの「マナの浄化」により助かった。
◆蛇◆
海に現れたグレフ。
グレフにとって邪魔者のリュシアを殺す為に大量投入されたが、全て返り討ちとなっている。
◇スキュラ◇
上半身に人間の女性体、下半身に触手を持つ、神話の魔物をグレフが模したもの。
雄と交わりグレフの核を産み出していた。
リュシアによって殺される。
核は《中央》に持ち帰られ、受信機として再利用されている。
◆マーリン◆
上半身に人間の男性体、下半身に魚の尾を持つ、神話の魔物をグレフが模したもの。
雌と交わることしか頭になく、雌と見れば擬似精液を撒き散らして交尾しようとする。
ニーナとテルマによってトドメを刺される。
擬似精液はグレフ研究のサンプルとして採取された。
◇くまちゃん◇
ニーナが幼い頃、祖母に貰った熊のぬいぐるみ。
約20年間、死んだ妹の代わりを務めてきたタルパの器。
強い思い込みによる蓄積されたマナがグレフの核によって具現化し、人間を殺戮する命令と、ニーナの解放されたい願いを湾曲して捉えて暴走し、カモメ団の団員を皆殺しにした。
リュシアによって破壊された後、人格のみ助け出されて精霊化を果たす。
ーーーーーーーーーー
~地名その他~
◆港町グレンヴィル◆
《中央》の東に位置する小さな港町。
貿易都市リンドグレンに従属し、養殖業で生計を立てていた。夏は貴族の避暑地として利用される。
災厄後、潮の流れの変化により港は閉鎖。養殖は廃業となり、代わりに町の若者を中心に構成される自警団が町の復興を助けた。
自警団の分配のみで生活している住民が多く、他力本願主義が多数を占める。
カモメ団が消滅した現在は、騎士団が後継人として町の運営に介入している。
◆超新生カモメ団◆
グレンヴィル町の自警団。通称「カモメ団」
ロルフ団長を筆頭に、町の若者150人で構成される。
災厄後、復興に喘ぐ町を助ける為に、ロルフが学校の生徒会役員を誘って自警団を結成したのが始まりである。
廃都で廃品を集めて換金したり、力仕事や赤ん坊のお守まで依頼があれば何でもしていた。
テルマの暴走により壊滅し、その本拠地は死人と一緒に爆破された。
◆リンドグレン貿易都市◆
大陸三大都市の一つ。
世界中と交易し、随一の港を持つ。取引相手には人間の宿敵である魔族も含まれていた。
大いに栄えていたが、災厄の影響により都市の半分以上が海に沈む。廃都と化した跡地には、火事場泥棒の姿が今も絶えない。
◆湖の都アムルマハ◆
別名、歓楽都市ともいう。
災厄から唯一残った大都市であり、ギルドの本拠地と教会の総本山を備える。
商業が活発で、多くの人がそこで暮らす。
◆王都ダンクール◆
王の座する首都。
現在はグレフに占拠されており、詳細は不明。
◆紡ぎの塔◆
ギルドマスターリュシアを筆頭に、主に魔法使いで構成される4大ギルドの一つ。
中央都市のみならず、世界中の商業施設を管理しようと奮闘中。
◆王宮騎士団◆
ギルドマスターユリウスフレデリクを総帥に据え、騎士で構成される筆頭ギルド。
主に治安、護衛を任務とし、人々から敬われている。
騎士団長の弟ロルフを護る為、グレンヴィルの町を密かに警護する任を下されていた。
◆4大ギルド◆
ユリウスの”王宮騎士団”、魔法使いリュシアの”紡ぎの塔”の他に、人外族で構成されるエルフギルド、盗賊ギルドが存在する。
さらにギルドの冠はつけていないが、イシュタル教会がこの連合に加わる。
中央の治世を担い、グレフに立ち向かう組織軍として奮迅している。
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しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
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土曜日以外は毎日投稿してます。
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そんな常識いりませんっ。
私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。
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