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三. セトの章
55. 神の召喚 ②
しおりを挟む「でてきなさい、わがсобратьяたちよ!!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ!!
ゴゴゴゴォォォ!!!
砂漠に最も深い亀裂が走り、空いた大きな穴から全長が30メートルはあろうかと思わしき、どでかいミミズがせり上がってきた。
「な、な、な、なっ!」
バサァ!バサァ!バサァ!
バサァ!バサァ!バサァ!
頭上からは、空一面に羽を広げた巨大な漆黒の蝶が鱗粉を撒き散らし、僕らを完全に覆い尽くした。
「で、でかい!!」
ガション!ガション!ガシャン!ガシャン!
ガション!ガション!ガシャン!ガシャン!
そして地上では、鋼鉄の躰を持った黒光りしたサソリが、二階建ての家に相当する長くて鋭い毒尾と、大人数人分もあるいかつい鋏を鳴らしながら、凄まじい勢いでアッシュを追い駆けていた。
「こ、これ…全部、グレフ…?」
「【グレフ】とは、にんげんがよぶ、どうほうの忌み名、ですね。これらにナはありませんでしたが、いつからかわたしたちもそうよぶようになりました。忌み名から、真名へとしんかしたのです」
巨大なワーム、巨大な蝶、巨大な蠍。
砂漠は空も地下も地上も、グレフが支配する。
「これらも全て伝説の魔物だわ…。マスター!!」
巨大な蝶の羽ばたきの圧に吹き飛ばされて地に落ちたテルマ嬢を抱き起し、ニーナは怯えた表情で一つ一つ指を指し示す。
僕らにではなく、唯一無二の戦闘力を備え持つ占い師に教える為に。
「あの蠍はメタルスコーピオン!躰は鋼で矛をも通さず、素早い動きで躰を回転させ、尾で広範囲の敵をなぎ倒します。尾の先は毒針、また鋏はダイヤモンドさえも砕くと言われます!!」
「すっげーヤバい奴じゃねえか!!」
アッシュは身軽だった。痩せた身体は砂に埋もれず、ひょいひょいとメタルスコーピオンの怒涛の攻撃を避けている。
攻撃そのものが大振りで、仕掛ける前に僅かだが隙を見せる。アッシュはその隙を見逃さずに上手く避けていたが、要は体力勝負である。
当たれば最後。鋼鉄に身は砕かれ、立ち上がる事も適わないだろう。
隙を計れなければ終わりという紙一重で、アッシュはグレフと対峙している。
「この蝶は、黒死蝶。死に至らしめるあらゆる毒を鱗粉に持っていると言われます!攻撃そのものは鱗粉を撒き散らすだけですが、毒は感染し、全ての生き物を破壊、死滅させます。そして死体から新たな黒死蝶が羽化し、決して滅びる事はないと恐れられている魔物です!!」
「テルマは人じゃないから、毒も効かないはず。テルマがおねえちゃんの盾になる!!」
地上に落ちたテルマ嬢はニーナの周りに魔法で薄い膜を張り、毒の鱗粉を必死に防いでいた。
しかし毒は巻き上げた砂や地面の砂までをも汚染する。巨大な羽による爆風で物理的な攻撃を仕掛けてくるグレフに、ニーナは何処からか取り出した紙人形で二重に結界を張る。
二人は蝶の攻撃を防ぐだけで手一杯である。
魔法を使うにはマナが必要だ。防御一線で結界を張り続けるのも良いが、マナが枯渇した時点で全てお仕舞い。
ニーナの死は確実なものとなるだろう。
「えぐいね…」
「まほうつかいは人のぎせいはいといませんが、なかまとなるとはなしはべつです。人はじょうにあつい。人のせいしつはもろく、そして、ひせいさんてきです。それはまほうつかいにもいえること!」
「他人はどうであれ、一度懐に入れたものは情をかける。占い師サンも、アッシュ達を見捨てないという事だね」
「ええ、あなたもそうなのですよ」
「……え?」
男が再び僕の喉仏に手のひらを押し当てた時、ミミズの声なき声が嘶いた。
グモモモモオオオオオオォォッォォ!!!
それは、グレフの聲。
「最後のあれは、モンゴリアンデスワーム。環形動物のゴカイの一種であるサンドワームが数万年を経て巨大化したもので、別名砂漠の主とも呼ばれます!常に砂を纏った躰に攻撃は無効化され、一つしかない大きな口で何もかも丸呑みします。体内は砂のみで、やがて窒息するしかありません。自分の意思で地震を起こす事ができ、地中に引き摺り込みます。地上ではトロいものの、砂中では素早く体当たりされた瞬間に四肢がバラバラになるとか。とにかく攻撃無効化で傷一つ付けられない、タフで恐ろしい化け物です!!」
ニーナは歩く魔物辞典か。
本の虫だと自称するのも伊達ではない。
だがその的確な説明も、顕れた三種のグレフには太刀打ちできないと知らしめるものでしかなく、絶望しか生まない結果となってしまったのは皮肉なものである。
「ふふふ、まほうつかいよ、あなたはおわりです。あかげはうまくにげていますが、たいりょくがつきればしぬ」
男は僕の首に手を掛けた状態で、力を入れ始めた。
「な…何をしているのさ!!痛い、いたいいたいっ」
問答無用に力ずく、僕の首を支柱にして、なんと貫通したままの腕を引き抜きに掛かったのである。
「おんなはマナがつきればしぬ。けいやくしゃがしねば、せいれいもしぬ」
ブチブチブチと、聴きたくも無い皮膚の引き千切る音がした。
「いたいいたい!やめて!!君の皮膚が破れてる、すごい事になってるってば!!」
黒の行商人の半身から、ギザギザに肩から外れようとしている腕の付け根から、夥しい鮮血が噴き出してくる。
僕の血ではない。男の血だ。
人ではないはずの男から出てくる血の色は、真っ赤だった。
人間と同じ色の、大量の赤に目眩がする。
どうやっても何をしても、僕を貫通した腕は抜けなかった。
どういうカラクリでくっ付いているのか知らないが、初めから僕と男は一体化していたかのようにぴったりと皮膚が張り付いていた。
占い師の施した魔法の力は強い。どうやっても解呪できないのなら、くっ付いた皮膚を剥がせば良い。
男はそう判断し、無理矢理抜きに掛かったのだ。例え半身が犠牲になろうと、大怪我を負おうとも厭わずに。
「なかまはたよりにならず、むしろ死へのカウントダウンははじまった。そしてあなたのまえには、まほうそのものをむこうかするバケモノがいます。あなたのこうげきは、いっさいききません」
魔法使いをこの場で殺せるのならば、半身くらい安いもの。
魔法使いが死んで結界が解ければ、仲間を呼んで治癒すればまた元通りになる。
男はそう言っているのだ。
「ぐがぁっ!!…ははっ、ようやくぬけましたよ、ははは!!これでおにもつもなくなりました」
肩が、千切れた。
皮膚が伸び切って、血の赤と脂の白が混じり合ったものが僕の顔面に降り注ぐ。
はあはあと大きく息をする黒の行商人はよろけて砂に尻を付き、呆然とする僕を見上げて笑った。
とても大きな口を開けて、人間らしく大笑いした。
僕の腹から出ていた男の腕は、男が千切った途端に白いモヤを出し、しゅうしゅうと音を立てて溶けていく。
腹の異物感を失った僕も自由になれたものの、有利の立場にいる男という保険も消えて、僕は虚無と焦燥を同時に感じて立ち尽くす。
「やはり耐えれんか。これくらいのマナで溶けるなら、《中央》だと一瞬で灰になるかもしれんな。連れていけなくて残念だ。だとしたら、選択肢は二つしか残っていない」
占い師はこんな状況でありながら、平然と言い放った。
「喋るか、死ぬか。さあ、どっちにする」
「ま、まだいうか…このまほうつかいめぇ!!いいでしょう、そんなにしにいそぎたいのなら、さっさところしてさしあげますよ!このやくたたずと、とこしえのすなにうもれて、くるしみながらしになさい!なかまもすぐに、れんごくであえますよ!!」
ドガアアアアアアァァァ!!!
ブワアアアァァァァア!!!
「え?…嘘でしょ、僕も…なの!!??」
ブチギレの男が声の有らん限り叫ぶのと、モンゴリなんちゃらとかいうどでかいミミズの尻尾が砂地を叩き、舞い上げられた土砂流が襲い掛かってきたのはほぼ同時の事だった。
僕の眼下に広がるのは、砂、砂、砂、砂、砂。
占い師も砂を浴びさせられた姿を辛うじて目視出来るだけで、後は砂。
あっと声を上げる前に、足元が抜けた。
「あーーーはっはっはっは!!ついに、ついにまほうつかいをころしましたよ!!あはぁ!!」
黒の行商人の高笑いを頭上に聴きながら、僕は砂の渦に呑み込まれる。
「なんで、僕まで!!」
「あなたもようなしだと、いったでしょう。やくたたずの【核】もろとも、まほうつかいとすなのもずくとかしなさい。さようなら、クズのセト!!」
「だ、だれかっ!助け―――!!」
助けを呼んだとて、誰も来るはずがない。
ギルドの面々は、自分の事だけで必死なのだ。僕を助ける暇なんて、ある筈もない。
それに。
僕は見てしまったのだ。
あの占い師も、敢え無く砂に呑み込まれゆく姿を。
僕より一足先に、モンゴなんちゃらミミズの馬鹿でかい口の中に、吸い込まれていく姿を!
彼女は抵抗すらしなかった。攻撃を無効化する砂に四方を取り囲まれて、どうすることもできなかった。
万事休す。
占い師は――彼女はもう駄目だ。あんなに偉そうに色々喋っていたけど、相手が悪過ぎた。
黒の行商人は妥協しなかった。慢心が負けを導くのだと、魔法使いと戦って負け続けて学習していた。
その当の本人が慢心によって返り討ちに遭うとは、一体誰が予想出来たというのだ。
それに全力の敵に立ち向かうには、人手も足りなさ過ぎた。
せめて騎士団がいれば、他のギルドの連中もいれば、少しは対処の仕様もあったのではないかと思う。
幾らなんでもたった四人で、それも近接相手には真っ向不利な魔法使いがグレフと戦うなんて、無謀の極みである。
この際占い師が男だろうと女だろうと、どっちだっていい。
彼女が“紡ぎの塔”のギルドマスターで、《中央》の治世を取り仕切る中枢の一人だとしても、僕から言わせれば、彼女はただの無愛想で人付き合いが苦手な、とても美しくて過激で儚い花に過ぎなかった。
僕は本気で彼女に惚れていた。
最後にもう一度、彼女の柔らかい唇に噛みつきたかったけれど、もう叶わない。
それだけが心残りになるなんて、僕はどこまで欲に忠実な、愚かな人間なのだろう。
でも、これこそが僕なのだ。
死ぬまで女を想っていられる僕の死に際としては、望ましいんじゃないかと思ってしまった。
砂の濁流に呑まれた僕は、すぐに息が出来なくなって、今度ばかりは流石に死を覚悟した。
大好きな占い師さんと同じ砂で窒息して同じ原因で死ねるなんて、僕は大概幸せ者なのかもしれない。
窒息すると、苦しいというより先に意識が混濁して、最後は何も感じず死ぬものなんだな。
僕は意識を手放した。
人で在りながら人を裏切って甘い汁を吸っていた僕はきっと、輪廻の輪に組み込まれず煉獄へと堕ちるだろう。
その時占い師も一緒だといいのに。
そうしたらいつまでも一生傍にいられるのにね。
………。
…―――――。
こうして僕は、死んだ。
最後まで機能している聴覚が、勝手に周囲の音を拾っている。
「…教えた通りにやるんだ。動きを封じて逃げ回れ」
―――このこえは、だれ。
「いいか、良く聴け。俺の張った結界域は、まだ効いている」
ここちよい、こえ。
「すぐに戻る、こいつを連れて、な。面倒だが、ユリウスとの依頼を果たさねばならん」
こいつとは…ぼくのことかな。
「それまで生きていろ、アッシュ。テルマはニーナを全力で守れ、いいな」
ふふ、いいなあ、かまってもらえて…。
どうせ、ぼくは…。
ぼくは―――…
堕ちる寸前に首元を掴まれたような気がしたけれど、僕はもう何も感知しない。
ひとりになりたくない。
最期の想いを遺して、消える―――――。
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