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三. セトの章
61. 淫魔の形勢逆転劇
しおりを挟む地下室の抜け道を昇った先にいたのは、僕の馬だった。
リュシアとのキスに夢中になっていた僕は、ブルルンと嘶く出歯亀で馬の存在に気付き、この場が何処であるかを認識する。
そこは11年前からずっと砂を被っている、壊れた荷馬車の跡地だった。
《王都》に救援を求める為に僕の町から派遣した二組の斥候部隊は、どちらもこの地で蛮族に襲われた。荷馬車は何もない砂漠の目印にされ、囮として使われた。
人がいるのではないかと不用心に近付く者を片っ端から拉致し、「人殺し」という彼らの快楽を満たされるだけに使われたのだ。
抜け道の出入り口は、その荷馬車の中にあった。
長く放置されても穴が砂に埋もれなかったのは、荷馬車が防砂堤の役割を果たしてくれていたからだ。
だからあの日、9歳の僕らが奴らに襲われた時、ここに3人の蛮族が突然現れたのはそういう事だったのだ。隠し通路から飛び出し、虚を付くやり方で人を襲っていたんだろう。
僕とリュシアがいるこの場所と、黒の行商人がグレフを召喚した住居跡地はほんの目と鼻の先だ。
なのに、行商人も三匹のグレフも僕らに気付いていない。
リュシアが施した魔法は完璧に効いている。彼らはマナを追えないし、姿も見えていない。
また、マナの結界域で区切られた戦闘区域とここの境目で、砂漠の様子もガラリと変わっていた。
あっちは変わらず砂嵐が吹き荒れているけれど、ここは静寂そのもの。夜の砂漠の真の美しさがここにはある。
いつまで引っ付いているんだと叱られた僕は、インキュバスの覚醒を自覚している。
誰にも教えてもらっていないのに、その力の使い方が分かっている。
11年間も僕の相棒をしていたのだ。夜は必ずと言っていいほど淫魔は本能を曝け出していたから、今更感もなく手足のようにしっくりと受け入れている。
意外と僕も気が据わっているというか。
粗方のショックは受けたのだ。この数日で、一生分のショックを味わった。これ以上無いってくらい動揺して、哀しくて、気が沈んだ。一難去ってまた一難と繰り広げられる内に、感覚が麻痺しちゃったのかもしれない。
「さっさと行くぞ」
「もう少し余韻に浸っていたかったんだけどね」
「……」
結界域の中では、相変わらずグレフの出す砂嵐と砂流が激しく、暴風で立っているのもやっとの状態である。
バチバチで容赦なく顔に砂が当たって、碌に目も開けられなかった。
隣にいるリュシアを見ると、彼は長いプラチナブロンドの髪を顔に巻いて砂避けにしている。
なるほど、そういう手があったかと思い立ち、上着を脱いでターバンのように頭に巻いた。
服をぐるぐる巻きつけて目元だけ出して口を覆うと、少し息苦しさを感じるものの、あの地下の沈殿した臭い空気より遥かにマシだと思えばどうって事ない。
リュシアの前で浅黒い地肌を露出するのは何となく恥ずかしい気もする。
男同士なのだから上半身を出して破廉恥もクソもあるものかと思うのだけど、この人の前ではどうにも調子が狂うのだ。
「その恰好で、必要以上にニーナに近付くなよ」
「え?どうして?あ、分かった。僕の鍛えられた肌がセクシーだというんだね。それとも嫉妬しちゃったかな?」
「…今のお前は淫魔の力が強い。ニーナがお前に囚われてしまうのが面倒だと言っているんだ」
歯の浮いた台詞がリュシアには通じるとは思っていない。案の定、呆れた声が返ってきた。
その前方にはニーナとテルマ嬢の姿が見える。
二人は岩陰で互いを守り合うように抱きしめ合い、ぎゅっと縮こまっている。
二人とも服がボロボロで、ニーナに至っては白い肌が際どいところまで見えている。彼女によく似合っていたメイド服は見る影もなくなって、辛うじて大事な部分を手で押さえて隠している状態だった。
怪我をしているのだろうか。肌にいくつも赤い斑点が散って痛々しい。
ニーナとテルマ嬢を襲っていた黒死蝶は、空を飛んでいなかった。
どんよりとした黒色を禍々しく波立たせて、何もない砂漠の砂の上を這いずり回っていた。
蝶が通った道筋に沿ってナメクジのような粘膜が痕を作る。けばけばしく光る毒の鱗粉がねばねばにびっしり付着して、砂は汚染されて変色する。
「マナが重すぎて飛べないようだ」
「だから地べたに這い蹲ってるんだね。これはチャンスだ」
リュシアの張った結界域は強力に作用している。
空の王者だった蝶は飛ぶ力を失い、汚染した砂もマナによって直ぐに浄化されていく。
直接あの毒を被らない限り、あの蝶は無力だ。
ニーナ達を探しているのだろう。蒸発現象による目くらましを食らった蝶は、二人がいる場所とは丸っきり検討違いの砂地をウロウロしている。僕らは蝶に気付かれないように、岩陰へと走った。
「マ、マスター…」
「――っと、セトくんじゃん」
ニーナはすぐに僕らに気付いた。
リュシアの顔を見てほうっと大きく息を吐き、強張っていた肩の力を抜く。
「良かった…マスター、よくご無事で…」
「お前もな、ニーナ。それにテルマもよくやった。言いつけ通り、ニーナを守ってくれたな」
「え?え、えっへん!!危なかったけど、テルマ頑張ったよ!おねえちゃんを守ったよ!!」
リュシアは二人の前にしゃがみ込み、テルマ嬢の頭をまるで犬っころを可愛がるように撫でた。
今にも喉を鳴らして飛び掛からん勢いのテルマ嬢だったが、思った以上に疲弊していて動けていない。
平坦だったリュシアの表情は穏やかだ。少女を撫でる手つきは優しく、こんな顔もできるのかと驚く。
「すみません、私のマナが尽きてしまって、本当に危ない所でした」
蝶の毒蛾攻撃は激しかったそうだ。
疲れ知らずの蝶は絶え間なく広範囲に鱗粉を撒き散らす。徐々に高度を下げていき、その重圧も増してきた。
砂漠に隠れる場所などない。見つけた岩という岩に隠れてやり過ごそうとしても、今度はミミズが邪魔をしてくる。
双方の攻撃を防ぐだけで精一杯で、ついにニーナのマナが尽きた。
人はマナを失い過ぎると命に係わる。
胆力とでもいうのか、僕の場合は【核】が生かしてくれているけど、普通は神経衰弱で死に至る。真霊力は生命力であり、根本のエネルギーなのだ。
それを失ったニーナは、気力だけで意識を保っていた。
精霊のテルマ嬢が自分のマナを彼女に注がなければ、リュシアの助けも間に合わずに死んでいただろう。
守備が疎かになっても、ニーナだけは死なせない。
テルマ嬢はその小さな身体で懸命に守った。毒を中和し、彼女にマナを注ぐ。最低限の守りしか出来なかったから、ニーナが怪我を負う羽目にはなってしまったが。
力を失って喋るのもやっとのニーナに、リュシアは跪いた。
彼女の両手を握り、自らの頬に当てる。額を彼女に合わせ、触れた箇所からマナを送り込む。
「マナの貸し借りは人間には出来ない事なの。自分のマナを人に与える行為は自殺行為。自己防衛本能が働いて、物理的に不可能なのよ」
大事な姉をリュシアに任せ、テルマ嬢は立ち上がる。
「だけどわたしは精霊だから特別。どうしてお兄ちゃんが出来るのかは、全然分かんない」
砂塗れのふわふわ髪を適当に搔き回すから、女性は髪が命なんだよと僕が代わりに砂を払ってあげたら、凄い力で振り払われた。
「なななな!!!」
「痛いな…髪はもっと大事に扱わないと。こんなにふわふわで可愛いのに」
「ななななんであんたがここにいて、なんで裸なのよおおおお!!!」
「え?そりゃあ、砂が目と口に入るから…」
「そういう事を言ってるんじゃないわよ!!え?セトくんだよね!?あれれ?セトくんが何だか凄くカッコいいんだけど!!!」
しまった。インキュバスの力を放出していたのを忘れていた。
精霊とは云え、テルマ嬢は女性だ。
どういう仕組みかは知らないが、テルマ嬢の人格はニーナが思い込みで造ったものらしい。
強すぎる思い込みを20年も拗らせて、それがグレフの核を利用して具現化を果たしたとか何とかで、リュシアがああだこうだと色々やったら人工精霊になったのだと説明されたけど、実のところ、僕に何一つ意味は分かっていない。
ただ、あらゆるものを魅惑状態にする淫魔の技は、精神体の存在でもある精霊にも有効だったと分かっただけ充分である。
散々僕を馬鹿にしていたあのテルマ嬢が、顔を真っ赤にして僕の裸の背をバンバンと叩いてくるのだ。それが堪らなく面白かったし、嬉しかったのだ。
「あの、私も、その…マスターとこんなに近くにいるのに、その、セトの視線が…」
「向こうを見てろ、セト。その力はかなり強いぞ」
「え?あ、ごめん」
見るとニーナも真っ赤な顔をしていた。
「どうしてでしょうか…そんなの有り得ないのに、マスターが、私を救ってくださって、触れてくれてこんなに嬉しいのに…」
うるうると涙で瞳を濡らして、訳が分からないとリュシアに抱き着いている。
「…ニーナ、とりあえず致死に至らん程度のマナを入れたが、動けるか?」
「は、はい!身体が楽になりました。その、ありがとうございます。それで…この事態はどういう事でしょうか」
ニーナは顔を伏せ、僕を気にして立ち上がろうとしない。
ずっとリュシアの胸にべったりくっ付いて、自我を淫魔に握られないようにしている。
衣服が破れているから恥ずかしいのもあるだろうけど、一番は誘惑効果からの解術だ。
何の説明もしていないが、彼女が心底惚れているリュシアが傍にいれば、なんとかその効果が薄れるのが本能で分かるのだろう。
「インキュバスですね…その能力は」
「そっか。君がその答えを導き出したんだったね」
「セトは受け入れたのね、核と自分の運命を…」
「そうだよ。僕はこれからリュシアに付く。これからやろうとする事で、君にも知ってもらいたいと思ってる」
「え…?」
どうにも気に食わなかった。
ニーナが、いくら淫魔に操られまいと必死なのだとしても。
リュシアにこうもベタベタされると、心が穏やかではなくなる。
これもインキュバスの影響なのか。リュシアへの思慕を隠すなんてまどろっこしい事は止めて全世界にアピールしたくて堪らない。
それは誰のものでもない、自分だけのものなのだと彼を独り占めしたくて堪らなくなる。
昨夜の情事を味わいたいと、核が欲している。
僕の脳を支配し、僕自身もリュシアを渇望する。
だから面白くなかった。
リュシアがこの場にいなければ、多分僕はニーナを組み敷いていた。問答無用に彼女を犯し、ニーナの肢体を支配する。淫魔の魅了を最大にして、ニーナの心さえも奪う。
ニーナは獲物ではなく、敵だ。
恋仇という、嫉妬心を露わにした敵。
ニーナを完全に僕のものにすれば、リュシアを慕うものが一人減る。こうやってライバルを減らしていけばいい。
僕はハーレムを作れるし、孤独なリュシアも僕の物。良い事尽くめじゃないかと。
「セトくん?どうしたの!急に黙っちゃって、顔も怖いよ!!!」
「え?ああ、ごめん。大丈夫さ、今のところは…」
「……」
リュシアは掻い摘んで説明した。
結界域のこと、僕の核のこと、これからしようとしている事を。
無駄に時間をかけるわけにはいかない。アッシュの無事はここからでは分からないし、今から三匹のグレフを誘惑しなければならない大仕事がある。
「この辺は、僕の力が蔓延するよ。リュシアへの嫉妬心が、また力を増幅させたのが分かったからね」
「セト…あなたまさか、マスターを…」
この力に当てられたら、もうニーナは完全に僕のものだ。僕が意図せずとも、力業で性欲を喰らい尽くす。
如何にリュシアが傍にいようが、僕に身体を明け渡す。心の奥底で僕を拒否しているのに、リュシアに公開プレイを見せながら僕を求め、狂い善がるのだ。
だからそうなる前に、僕から少しでも離れた方がいい。
「テルマはセトを補佐しろ」
「ええええ!!??」
「俺より重くて大変だろうが、それぞれのグレフの近くまで運んでやってくれ」
「ええええーー!!ガタイ、ガッタいよ!!アッシュくんよりでかいじゃん!」
「背丈は同じくらいだよ。アッシュは痩せてるけど、僕はこの通り鍛えているからね」
「だから嫌だって言ってんじゃん!!」
「恵体の大男よりはマシだと思うけどね。それに文句を言ってる場合じゃないんじゃない?」
あくまでニーナは応急処置なのだ。マナは基本的に自然治癒しか回復方法がないのだから、早く休ませた方がいい。
リュシアの結界域のお陰で僕らが見えていないだけで、グレフの脅威が去ったわけではないのだ。
「テルマ、私からもお願いするわ。マスターがセトを信じてる。だったら私もテルマも力を尽くすべきだわ」
「おねえちゃん…」
「それと、後で説明してくださいね、マスター」
「……」
「わ、わかったわよ!ったく、みんな頼りにならないんだからぁ!テルマがお空を飛べるのは、ギルドの宝よ!!」
文句をタラタラ言いながらも、テルマ嬢はニーナに弱い。眉を下げて懇願されると、彼女はもう逆らえない。
「ちゃんと服は着てよね!精霊を誑かすなんて、あんたどーかしてるわ、それ」
「…元来精霊に男も女もないんだが、お前の精神にすっかり当てられたな」
「助けに来てくださったのに申し訳ないのですが、私としては一刻も早くセトから離れたい気分です」
僕の淫魔は、人の性欲を糧に魅了の術を掛ける。
ニーナがその力の影響を受けているという事は、それだけ彼女に性欲なるものがあるという証拠だ。
神経質そうでお高くて、男性慣れしていない潔癖さを備えているニーナにも、男に抱かれて快楽を得たいと思う淫乱な心があると思うだけでゾクゾクする。
それがリュシアではなく、僕に向けられているのが堪らなく嬉しかった。
リュシアに一方的に負けて自信を失っていた男としての矜持を、取り戻した気分である。
こうして僕らは別行動に移る。
作戦通り、グレフを共倒れとする為に。
精霊に術が効くのだから、間違いなくグレフにも掛かる。その自信が力を強くする。
リュシアとニーナは僕たちから離れ、こちらからは見当たらないアッシュを探しに行った。
テルマ嬢は岩陰に隠れてもらっている。蝶はここにいるし、彼女の助けはこの後の話だ。
それよりなによりテルマ嬢本人もマナを激しく消耗していた。結界域からマナを取り込めば回復になるというので、今は休んで貰うに越したことはない。
そして僕は、黒死蝶の真ん前にいる。
ガクブルと震える膝を叱咤して、一人でグレフに立ち向かう勇気を絞り出している。
誘惑するとは豪語したけれど、戦う力は無いし、やっぱりグレフは怖い。
今までグレフは僕の町を素通りし、僕らを決して攻撃してこないから甘く見ていたところは確かにあった。こうして間近に対峙してみると、その威圧感と恐怖に圧し潰されそうなのが分かる。こんな気持ちで無力な人間は一心に立ち向かっていたのだと考えると、裏切っていた癖に人としての仲間意識が湧いてくる。
僕の元々も核の正体はグレフだ。彼らにとっては同胞でもある僕を攻撃してくる事はないだろうとリュシアは見ている。
僕もそれを信じるのみだ。
「さて…いきますかね」
顔を叩いて気合を入れ直し、僕は蝶へと擦り寄っていくのである。
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