夏のクリームソーダ

ゆき

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実は私 平石美夏 は簿記2級を持っています。


今の仕事に就くにはこの資格がないと選考に進む
ことが難しくて専門生の秋に死ぬ気で取りにいった。


ポピュラーでもなくマイナーでもなさそうな簿記の文字を
こんなところでお目にかかれるとは思わなくてちょっと
嬉しい気持ちになった。


あの人も秋の試験に向けて勉強してるのかなあと
思いながらInstagramのストーリーにお洒落な
メロンクリームソーダを載せた。


平日の朝は思ったよりみんなストーリーを見てくれて

朝からお洒落だね!とか出勤前の朝ごはん?とか
仲のよかった友達からDMがぽんぽんきた。

すぐ返信する気にはなれず画面が光るのを横目に
メロンクリームソーダの1口目をいただいた。


自分の中で簿記好青年の話題はSNS徘徊によって
すぐ終わってしまったがしばらくして


「ごちそうさまでした」


と明るい声がイヤホンの外側から聞こえた。



午前9時20分

歩いた方面的におそらく駅の方だった。
これから予定があるんだろう。


そうちょっと羨ましく思いながらアイスクリーム
の上に乗っていたさくらんぼを口に運んだ。


種…。


実だけを器用に外し種だけ舌の上で転がしていたとき
なぜだか1年前に別れた元カレのことを思い出した。






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