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第2章 1 なにか忘れてるような
下着姿の痴女
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俺は、俺を氷漬けにしてスケートリンクのオブジェにでもしそうな勢いのミライに、女神リスズが残した手紙を見せた。
「なるほど。そういうことでしたか。すみません」
ようやくことの次第を理解してくれたようだ。
これで一安心。
「しかし、よく見るとイツモフさんは美人ですから……先手を打っておかねば」
つづけて呟かれた言葉の意味はよくわからなかったが、まあいいや。
こほんと咳払いしたミライが、部屋の扉の前から横にずれる。
「とりあえず、誠道さんはこの部屋から出ていってください」
「なんでだよ! ここは俺の部屋だぞ!」
一緒に世界一の引きこもりを目指すんじゃなかったのか!
そんな引きこもりを部屋から追い出すって、支援メイドの発言じゃねぇぞ!
もしかしてまだ心の内では怒ってる?
その証拠に、目がぎろりと光ったし。
「なにをおっしゃっているんですか? イツモフさんを起こして服を着てもらうので、その間は出ていってください」
「……あ、ですよねー」
「それともなんですか? 誠道さんがイツモフさんを着替えさせたいと? イツモフさんが下着姿で寝ているのをいいことに、まるで彼女がフィギュアかのように、いろんなところを観察したいと?」
「するわけねぇだろ!」
「ですが誠道さんは、美少女フィギュアを買うと一番に、そのスカートの中を覗き込んでパンツを見るような人ですから。ただの塗装なのに」
「なんでそんなことまで知ってんだよ! ってそんなことやってねぇわ!」
ほ、ほんとだよ?
たまたま棚の高いところに陳列していたから見上げる形になって、不可抗力で見えていただけだよ?
不良品かどうか確認するために、細部まで丁寧に点検していただけだよ?
「ソ、ソウダッタンデスネ。ワカリマシタ」
「絶対わかってないだろ!」
「とりあえず、早く部屋から出てください」
「……ですよねー」
俺はミライの指示通り、部屋から出ようとした。まさにその時。
「ん、わた、し、あれ?」
マジメンタリストこと、イツモフ・ザケテイルさんが目を覚ました。
上半身を起こしたときに、金色の髪の毛がはらりと揺れる。
「ここ、は、あれ、私たしか……ミライさんが…………あっ! ミライさんが攫われて!」
イツモフさんは布団を跳ね除けながらベッドから飛び降りたが、足がもつれて尻餅をつく形で床に倒れてしまった。
俺たちにはまだ気がついていないようだ。
黒の下着と凹凸のはっきりしたスタイルのよい蒼白の体が、窓から差し込む日差しに照らされて綺麗に輝いていた。
……うん。要するにただの下着姿の痴女だな。
「いててて……ってそんな場合では! ミライさんが攫われたのに……なのに私は……私は……」
拳をぎゅっと握りしめて悔しそうに顔を歪めるイツモフさん。
いや、いいから冷静に、落ち着いて。
ミライはあなたの前にいますよ。
でも、ミライのためにここまで悔しがってくれるのはすごく嬉しい。
なお、彼女は下着姿の痴女です。
「あの」
自分の世界に入り込んでいるイツモフさんに、ミライが声をかける。
「私ならここに」
「ああ、どうしたらいいの! そうだ! ここはお得意のポジティブシンキングで……」
ミライの声はどうやら焦っているイツモフさんに届いていないようだ。
胸の下で腕を組んで首を捻り、ポジティブシンキングに集中している。
なお彼女は、おっぱいの大きさを強調させている下着姿のただの痴女です。
「よし! ひらめいた!」
自慢げに目を見開かれても、彼女はやっぱり下着姿の痴女です。
この状況から、攫われたミライさんを誠道さんが勇敢にも助けにいったのだと思われる。
↓
つまり私はこの家にひとりきり。
↓
金目の物を盗んで逃げれば、そのお金が私のものに?
「おいふざけんな! こいつやっぱただの金の亡者じゃねぇか!」
感動を返してください。
もはや下着姿とか関係ねぇぞ!
イツモフさんの目はキラキラと輝くドルマークだ。
この世界の単位はリスズだけどね。
「誠道さん」
ミライが俺の肩に手を置く。彼女の顔は真剣で、俺を諭すように。
「人のポジティブシンキングを否定してはいけないと、昨日教わったばかりですよね?」
「ミライさんは指摘するとこ絶対間違ってるからね!」
いま俺たちが不在の間に金を盗まれようとしてたんですよ?
「ミライさんの言う通りですよ。ぬすみちくん」
「誰がぬすみちだ!! このヌステイル!」
「ヌステイルとはなんだヌステイルとは! せめてもっと格好よくしてください。ヌスティールと呼んでください」
「もっとヤバくなってるからねそれ」
盗むとスティールが合わさって……絶対それ事前に用意してただろ!
なおヌスティールさんは下着姿の痴女泥棒です。
「なるほど。そういうことでしたか。すみません」
ようやくことの次第を理解してくれたようだ。
これで一安心。
「しかし、よく見るとイツモフさんは美人ですから……先手を打っておかねば」
つづけて呟かれた言葉の意味はよくわからなかったが、まあいいや。
こほんと咳払いしたミライが、部屋の扉の前から横にずれる。
「とりあえず、誠道さんはこの部屋から出ていってください」
「なんでだよ! ここは俺の部屋だぞ!」
一緒に世界一の引きこもりを目指すんじゃなかったのか!
そんな引きこもりを部屋から追い出すって、支援メイドの発言じゃねぇぞ!
もしかしてまだ心の内では怒ってる?
その証拠に、目がぎろりと光ったし。
「なにをおっしゃっているんですか? イツモフさんを起こして服を着てもらうので、その間は出ていってください」
「……あ、ですよねー」
「それともなんですか? 誠道さんがイツモフさんを着替えさせたいと? イツモフさんが下着姿で寝ているのをいいことに、まるで彼女がフィギュアかのように、いろんなところを観察したいと?」
「するわけねぇだろ!」
「ですが誠道さんは、美少女フィギュアを買うと一番に、そのスカートの中を覗き込んでパンツを見るような人ですから。ただの塗装なのに」
「なんでそんなことまで知ってんだよ! ってそんなことやってねぇわ!」
ほ、ほんとだよ?
たまたま棚の高いところに陳列していたから見上げる形になって、不可抗力で見えていただけだよ?
不良品かどうか確認するために、細部まで丁寧に点検していただけだよ?
「ソ、ソウダッタンデスネ。ワカリマシタ」
「絶対わかってないだろ!」
「とりあえず、早く部屋から出てください」
「……ですよねー」
俺はミライの指示通り、部屋から出ようとした。まさにその時。
「ん、わた、し、あれ?」
マジメンタリストこと、イツモフ・ザケテイルさんが目を覚ました。
上半身を起こしたときに、金色の髪の毛がはらりと揺れる。
「ここ、は、あれ、私たしか……ミライさんが…………あっ! ミライさんが攫われて!」
イツモフさんは布団を跳ね除けながらベッドから飛び降りたが、足がもつれて尻餅をつく形で床に倒れてしまった。
俺たちにはまだ気がついていないようだ。
黒の下着と凹凸のはっきりしたスタイルのよい蒼白の体が、窓から差し込む日差しに照らされて綺麗に輝いていた。
……うん。要するにただの下着姿の痴女だな。
「いててて……ってそんな場合では! ミライさんが攫われたのに……なのに私は……私は……」
拳をぎゅっと握りしめて悔しそうに顔を歪めるイツモフさん。
いや、いいから冷静に、落ち着いて。
ミライはあなたの前にいますよ。
でも、ミライのためにここまで悔しがってくれるのはすごく嬉しい。
なお、彼女は下着姿の痴女です。
「あの」
自分の世界に入り込んでいるイツモフさんに、ミライが声をかける。
「私ならここに」
「ああ、どうしたらいいの! そうだ! ここはお得意のポジティブシンキングで……」
ミライの声はどうやら焦っているイツモフさんに届いていないようだ。
胸の下で腕を組んで首を捻り、ポジティブシンキングに集中している。
なお彼女は、おっぱいの大きさを強調させている下着姿のただの痴女です。
「よし! ひらめいた!」
自慢げに目を見開かれても、彼女はやっぱり下着姿の痴女です。
この状況から、攫われたミライさんを誠道さんが勇敢にも助けにいったのだと思われる。
↓
つまり私はこの家にひとりきり。
↓
金目の物を盗んで逃げれば、そのお金が私のものに?
「おいふざけんな! こいつやっぱただの金の亡者じゃねぇか!」
感動を返してください。
もはや下着姿とか関係ねぇぞ!
イツモフさんの目はキラキラと輝くドルマークだ。
この世界の単位はリスズだけどね。
「誠道さん」
ミライが俺の肩に手を置く。彼女の顔は真剣で、俺を諭すように。
「人のポジティブシンキングを否定してはいけないと、昨日教わったばかりですよね?」
「ミライさんは指摘するとこ絶対間違ってるからね!」
いま俺たちが不在の間に金を盗まれようとしてたんですよ?
「ミライさんの言う通りですよ。ぬすみちくん」
「誰がぬすみちだ!! このヌステイル!」
「ヌステイルとはなんだヌステイルとは! せめてもっと格好よくしてください。ヌスティールと呼んでください」
「もっとヤバくなってるからねそれ」
盗むとスティールが合わさって……絶対それ事前に用意してただろ!
なおヌスティールさんは下着姿の痴女泥棒です。
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