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第3章 4 決意と謝罪の性感帯
絶体絶命
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氷の巨兵を倒した聖ちゃんと心出たちも、倒れたままのネコさんを呆然と見ている。
「……あっ、…………いや、そんな、避けられる、はずで」
マーズは頭を抱えて項垂れていたが。
「……違う。あいつはネコたんじゃない。ネコたんを、私の最愛の人を騙るなんて、私たちに対する冒涜だ……」
こめかみを抑えながら乾いた笑い声を垂れ流すマーズ。
ただ、彼女の虚な瞳はずっと倒れているネコさんに向けられている。
「そうだ、私は……ネコたんはもう死んだんだから」
マーズはネコさんを睨みつけながら、ぽろりと涙を流した。
「次は……お前だ、石川誠道。私はドSのマーズ。だから、ドMのお前は私にひれ伏せ。私を愛するネコたんはもういないのだから!」
「おい、マーズ」
俺は自分を抑えられなかった。
ネコさんの強い思いに感化され、ネコさんの思いを一向に受け取ろうとしないマーズに腹が立った。
「あんたは姿形が変わったくらいで最愛の人を見失うのかよ! あんたの愛はそんなもんかよ! いまのあんたの方が、あんたたちの過去を、あんたたちの愛を冒涜してる!」
「うるさいうるさいうるさい!」
彼女の怒鳴り声と同時に、俺たちの頭上に水色の巨大な魔法陣が出現する。
「みんな押し潰されればいいのよ! 【氷の終焉殺劇】」
その魔法陣から超巨大な氷が現れる。
しかも吊り天井の罠みたいに、真下にいる俺たちを串刺しにするための氷柱が無数についている。
マズい。
こんなのくらったらみんな死んでしまう。
逃げ場もない。
ってかマーズだって死ぬだろこれ――いや、相手はリッチーだから死なないのか。
「リッチーだからこその攻撃かよ」
残された道はただひとつ。
あの超巨大な氷を消滅させるしかない。
「くそがぁ! 【炎舞龍夢】ッ! 【炎舞龍夢】ッ! 【炎舞龍夢】ッ!」
俺は炎龍を超巨大な氷に向けて放ちつづける。
炎龍は次々に巨大氷とぶつかり、徐々に超巨大な氷を砕き溶かしていく。
こんなところで死んでたまるかよ。
ミライを死なせてたまるかよ。
みんなを死なせてたまるかよ。
「うおおおおおぁぁあああ! 【炎舞龍夢】ッッ!」
そして。
「…………やっ、た」
巨大な氷は俺たちを押しつぶすことなく、完全に消滅した。
聖ちゃんたちが歓声をあげる。
持てる力をすべて出し尽くした俺は、ミライの隣にどさっと倒れた。
「やった、ミライ……」
俺は隣で眠るミライの手を握る――が。
「うそ、だろ」
俺たちの目の前に、超巨大なアイスゴーレムが立っていた。
「……もう、俺は」
【無敵の人間】状態も保てていない。
というより指の一本も動かせない。
アイスゴーレムがその巨大な足をあげる。
……くそ。
踏みつけられるのはご褒美ってか。
ドMじゃないけど。
俺は最後の力を振り絞って、意味はないかもしれないけど、ミライの上に覆い被さった。
「ミライ……死ぬな」
アイスゴーレムの足が下りてきて、俺たちは踏み潰され――
「させません」
「……っ。聖、ちゃん」
顔を上げると、聖ちゃんが聖剣ジャンヌダルクで、アイスゴーレムの足を押しとどめていた。
「引きこもりの誠道さんに守られただけとあっては、【愉悦の睾丸女帝】の名が廃れますからっ……」
聖ちゃんの両足はプルプルと震えている。
無理をしているのは明らかだ。
「あと、できればこのお礼として誠道さんの睾丸を」
「それはいやだ」
ああ、聖ちゃんはやっぱりこんな状況でもぶれないですねぇ。
「……あっ、…………いや、そんな、避けられる、はずで」
マーズは頭を抱えて項垂れていたが。
「……違う。あいつはネコたんじゃない。ネコたんを、私の最愛の人を騙るなんて、私たちに対する冒涜だ……」
こめかみを抑えながら乾いた笑い声を垂れ流すマーズ。
ただ、彼女の虚な瞳はずっと倒れているネコさんに向けられている。
「そうだ、私は……ネコたんはもう死んだんだから」
マーズはネコさんを睨みつけながら、ぽろりと涙を流した。
「次は……お前だ、石川誠道。私はドSのマーズ。だから、ドMのお前は私にひれ伏せ。私を愛するネコたんはもういないのだから!」
「おい、マーズ」
俺は自分を抑えられなかった。
ネコさんの強い思いに感化され、ネコさんの思いを一向に受け取ろうとしないマーズに腹が立った。
「あんたは姿形が変わったくらいで最愛の人を見失うのかよ! あんたの愛はそんなもんかよ! いまのあんたの方が、あんたたちの過去を、あんたたちの愛を冒涜してる!」
「うるさいうるさいうるさい!」
彼女の怒鳴り声と同時に、俺たちの頭上に水色の巨大な魔法陣が出現する。
「みんな押し潰されればいいのよ! 【氷の終焉殺劇】」
その魔法陣から超巨大な氷が現れる。
しかも吊り天井の罠みたいに、真下にいる俺たちを串刺しにするための氷柱が無数についている。
マズい。
こんなのくらったらみんな死んでしまう。
逃げ場もない。
ってかマーズだって死ぬだろこれ――いや、相手はリッチーだから死なないのか。
「リッチーだからこその攻撃かよ」
残された道はただひとつ。
あの超巨大な氷を消滅させるしかない。
「くそがぁ! 【炎舞龍夢】ッ! 【炎舞龍夢】ッ! 【炎舞龍夢】ッ!」
俺は炎龍を超巨大な氷に向けて放ちつづける。
炎龍は次々に巨大氷とぶつかり、徐々に超巨大な氷を砕き溶かしていく。
こんなところで死んでたまるかよ。
ミライを死なせてたまるかよ。
みんなを死なせてたまるかよ。
「うおおおおおぁぁあああ! 【炎舞龍夢】ッッ!」
そして。
「…………やっ、た」
巨大な氷は俺たちを押しつぶすことなく、完全に消滅した。
聖ちゃんたちが歓声をあげる。
持てる力をすべて出し尽くした俺は、ミライの隣にどさっと倒れた。
「やった、ミライ……」
俺は隣で眠るミライの手を握る――が。
「うそ、だろ」
俺たちの目の前に、超巨大なアイスゴーレムが立っていた。
「……もう、俺は」
【無敵の人間】状態も保てていない。
というより指の一本も動かせない。
アイスゴーレムがその巨大な足をあげる。
……くそ。
踏みつけられるのはご褒美ってか。
ドMじゃないけど。
俺は最後の力を振り絞って、意味はないかもしれないけど、ミライの上に覆い被さった。
「ミライ……死ぬな」
アイスゴーレムの足が下りてきて、俺たちは踏み潰され――
「させません」
「……っ。聖、ちゃん」
顔を上げると、聖ちゃんが聖剣ジャンヌダルクで、アイスゴーレムの足を押しとどめていた。
「引きこもりの誠道さんに守られただけとあっては、【愉悦の睾丸女帝】の名が廃れますからっ……」
聖ちゃんの両足はプルプルと震えている。
無理をしているのは明らかだ。
「あと、できればこのお礼として誠道さんの睾丸を」
「それはいやだ」
ああ、聖ちゃんはやっぱりこんな状況でもぶれないですねぇ。
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