うちのメイドがウザかわいい! 転生特典ステータスがチートじゃなくて【新偉人(ニート)】だったので最強の引きこもりスローライフを目指します。

田中ケケ

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第4章 1 いざ猫族の里へ

ネコさんの思惑

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「誠道さんが変態なことはさほど重要ではないのでいまはいいとして、猫族の娘さん。まだあなたのお名前をうかがっていませんでしたね」

 おいミライ。

 さほど重要でないこととして処理するなら、なんで俺を貶めるようなことを言ったんだよ。

 ただ俺がこの子に生理的に嫌われただけじゃねぇか。

「……あ、その、私の名前は……あの」

 おどおどしはじめる猫族の女の子。

 ……って待てよ。

 これは、この展開は、きっとこの子も変な名前で、俺がツッコまないといけないヤツだ。

 もうわかってきてるからね、俺。

 学習能力高いから。

 とりあえず、何個か頭の中でツッコみワードを考えておいて。

「…………コハク、です」

「そこはネ・ズミとかだろうが! なんでそんなに可愛らしい素敵な名前なんだよ!」

 なんだか裏切られた気分だよ。

「か、可愛らしい……? はじめて言われましたぁ」

 顔を真っ赤にして恥じらう猫族の女の子――コハクちゃん。

 耳が折れてぺたんと頭にくっついてるのマジ可愛い。

「ですが、お世辞なら結構です。コハクなんて雄しかつけないような名前……雌の私がつけるなんておかしいですよね。ああ、こんな私がこのまま生きていたら世界中のコハクという名を持つ雄たちから串刺しにされてしまいますすみませんその前に自分から消えた方がいいですよね」

「ネガティブすぎだから! そんなことないって。さっきも言ったけど本当に素敵で可愛い素敵な名前だと思うよ」

 なにをそんなに卑屈になっているのだろう。

 もしかして、猫族の間では、コハク=男の名前なのだろうか。

 日本で言う、太郎的なことなのだろうか。

「本当ですか? 私の名前を聞いて、バカにしないんですか?」

 潤んだ瞳で俺を見つめるコハクちゃん。

 そういや、少しでも女性っぽくいたからって、女の部分を強調できるよう露出度高めの格好をしている、って言ってたな。

 そういう理由があったのか。

 だったら、少しでも安心させてやらないと。

「そんなことでバカにするわけないだろ」

 俺は満面の笑みを浮かべ、みんなを振り返る。

 聖ちゃんもマーズもミライも、もちろんとばかりにうなずいてくれた。

「そんな……本当に、私、は……はじめて、で……」

 大粒の涙を流しはじめるコハクちゃん。

 名前を褒められたくらいで大袈裟な……いや、きっと彼女はコハクという名前のせいで、これまで散々な目に遭ってきたのだろう。

 太郎って名前の女の子がいるって考えれば……うん、確実にバカにされるな。

 まだ『田中星の王子様』みたいなキラキラネームをつけられた方がましだな。

「私は、子供のころからずっと同世代の子達にはバカにされてきました。でも、あなたは別なんですね。たしかにそちらの方の言う通り、優しいお方なんですね」

 コハクちゃんはそう言いながら涙を拭っている。

 よかった。

 俺が無害だってわかってもらえたみたいだ。

「そうですよ。誠道さんは優しい変態の引きこもりなんです」

「ミライはどうして素直に肯定してくれないのかなぁ!」

 優しいに変な言葉をつけ足さないで。

「って、そういえばコハクちゃんって、にゃんにゃん言葉話してないよね?」

 ネコさんが語尾に『にゃ』ってつけてたから、てっきり猫族たちは『にゃ』を語尾につけてしゃべるものだとばかり思っていたんだけど。

「……え、私たちはそんな語尾をつけません。猫族だから語尾が『にゃ』だっていうのは、あの、ちょっと、さすがに安直すぎかと」

「そうなのっ?」

 涙をすすりながらコハクちゃんが説明してくれた。

 ……なんか、ちょっと残念。

「そういえば、ネコたんはノリがよかったから、猫になりきっていたのかもね。それで『にゃ』って語尾につけていたのかもね」

 マーズが昔を懐かしむように目を閉じながら説明してくれる。

「もしくは、猫族が語尾に『にゃ』をつけないことを知って落胆する誠道くんをあざ笑いたかったのかもしれないわね」

「もしそうならめちゃくちゃ性格悪いじゃねぇか!」

 そこまでして俺をからかいたかったのかよ!

 我の作戦に、見事に引っかかりおって、このバカめがっ! と得意げに笑うネコさんの姿が目に浮かんできたのもなんかうざいなぁ!
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