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第4章 1 いざ猫族の里へ
愛の告白
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コハクちゃんは里の外へ母親にプレゼントするためのお花を取りにいった際に、何者(奴隷商と結託している盗賊じゃないかとマーズは推測していた)かに眠らされてしまったそうだ。
「綺麗なお花を見つけて、お母さんが喜ぶ姿を思い浮かべていたら背後から近づく人に気づかなくて」
ってことは、盗賊に攫われてしまったコハクちゃんをネコさんが偶然見つけなければ、コハクちゃんはそのまま奴隷になっていたかもしれない。
ネコさん、ナイス!
とりあえず、俺はコハクちゃんがどうしてここにいるのかの事情を説明していく。
憑依されているときの記憶は持っているそうなのだが、全部覚えているわけではなく、断片的にしか思いだせないらしい。
「なるほど。……そんなことに巻き込まれていたんですね、私」
「ええ。ごめんなさいね」
マーズがコハクちゃんを優しく抱きしめる。
「私のせいで、本当にごめんなさい」
「いいえ、むしろ感謝するのは私の方です。だって、ネコさん? って方がいなければ、私はいまごろどうなっていたかわかりませんから」
「コハクちゃん。あなたはなんて健気なの? この慈しみたいと思う感情が母性なのかしら」
「母性……あっ! お母さん! 私、はやく里に帰らないとっ」
コハクちゃんが慌てふためく。
それもそうだ。
コハクちゃんの両親はさぞ心配していることだろう。
というわけで、俺たちはコハクちゃんを猫族の里まで連れていくことにした。
最初は、大勢でいくのはかえって迷惑だろうと思い、俺とミライの二人だけがついていくことになったのだが、マーズが。
「私には、コハクちゃんの家族にすべてを説明する責任があるわ」
それもそうだな、と思いマーズも一緒にいくことになった。
「なぁ、マーズのテレポートでひとっとび、なんてことはできないのか?」
「無理ね。私は猫族の里にいったことがないもの」
そういや、真枝務も言っていたな。
登録してある場所じゃないと無理だと。
「そもそも、私のテレポートだと近距離移動しかできないし、連発だってできない。遠くの街にはいくのは無理ね」
だったら、仕方ない。
万能じゃないんだね、テレポートって。
じゃあここは彦宇木さんに頼るか。
またあのプレミアム馬車に乗れるの、地味に嬉しいなぁ。
そんなこんなで、俺たちはすぐに準備をして馬車乗り場に向かう。
「それじゃあ、俺たちいってくるよ」
馬車乗り場の近くまで見送りにきてくれた聖ちゃんと心出たちに手を振る。
心出は涙を流しながらコハクちゃんに手を振っている――がコハクちゃんはまったく見ていないので心出は早くケモナーやめてほしい。
「……あ、心出くん。ちょっといいかしら」
馬車に乗り込む直前、マーズが心出に歩み寄っていく。
なんだ、いったい?
マーズの顔はものすごく真剣だったので、なにか重要なことなのだろう。
「マーズさん? なんですか?」
心出の返事には戸惑いが詰まっている。
マーズが心出の前で立ち止まると、心出はピンと背を伸ばした。
「私、心出くんにどうしても伝えたいことがあるの」
声音に混じっている不安が、マーズの大人っぽい雰囲気により色っぽさに昇華されている。
……え?
なにこのピンク色の空気。
マーズは頬を朱に染め、めちゃくちゃもじもじしている。
「私が、この子を送り届けて、グランダラに帰ってきたら」
これって……もしかして、愛の告白?
この空気、絶対そうだ!
確かにマーズはネコさんに言ってたもんね。
新たな恋をするって。
それを早速実行しているんだ。
心出のどこに惚れたのかは全然わからないが、人が人を好きになるのに理由なんかいらないし、バカにしてもいけない。
「私が……その、……この街に帰ってきたら…………」
心出も告白だと悟ったようだ。
まんざらでもない表情を浮かべており、唾をごくりと飲み込む音が聞こえてくる。
……いや待て。
お前ケモナーだろ。
一瞬でコハクちゃんからマーズに鞍替えしてんじゃねぇよ。
彼氏彼女が一瞬でシャッフルされる中学生のヤンキー集団か。
「その、……二人きりで、私に…………」
マーズが前のめりになって口を開いた。
「ぜひあの【攻撃吸収】という技を教えてほしいの! あの技は私の欲望そのものなの!」
「そういうことだろうと思ってたよ!」
やっぱりこの氷の大魔法使いはただのドMだったぁ!
ってか心出に惚れる要素なんかひとつもないんだから、当然そうなるよね!
「綺麗なお花を見つけて、お母さんが喜ぶ姿を思い浮かべていたら背後から近づく人に気づかなくて」
ってことは、盗賊に攫われてしまったコハクちゃんをネコさんが偶然見つけなければ、コハクちゃんはそのまま奴隷になっていたかもしれない。
ネコさん、ナイス!
とりあえず、俺はコハクちゃんがどうしてここにいるのかの事情を説明していく。
憑依されているときの記憶は持っているそうなのだが、全部覚えているわけではなく、断片的にしか思いだせないらしい。
「なるほど。……そんなことに巻き込まれていたんですね、私」
「ええ。ごめんなさいね」
マーズがコハクちゃんを優しく抱きしめる。
「私のせいで、本当にごめんなさい」
「いいえ、むしろ感謝するのは私の方です。だって、ネコさん? って方がいなければ、私はいまごろどうなっていたかわかりませんから」
「コハクちゃん。あなたはなんて健気なの? この慈しみたいと思う感情が母性なのかしら」
「母性……あっ! お母さん! 私、はやく里に帰らないとっ」
コハクちゃんが慌てふためく。
それもそうだ。
コハクちゃんの両親はさぞ心配していることだろう。
というわけで、俺たちはコハクちゃんを猫族の里まで連れていくことにした。
最初は、大勢でいくのはかえって迷惑だろうと思い、俺とミライの二人だけがついていくことになったのだが、マーズが。
「私には、コハクちゃんの家族にすべてを説明する責任があるわ」
それもそうだな、と思いマーズも一緒にいくことになった。
「なぁ、マーズのテレポートでひとっとび、なんてことはできないのか?」
「無理ね。私は猫族の里にいったことがないもの」
そういや、真枝務も言っていたな。
登録してある場所じゃないと無理だと。
「そもそも、私のテレポートだと近距離移動しかできないし、連発だってできない。遠くの街にはいくのは無理ね」
だったら、仕方ない。
万能じゃないんだね、テレポートって。
じゃあここは彦宇木さんに頼るか。
またあのプレミアム馬車に乗れるの、地味に嬉しいなぁ。
そんなこんなで、俺たちはすぐに準備をして馬車乗り場に向かう。
「それじゃあ、俺たちいってくるよ」
馬車乗り場の近くまで見送りにきてくれた聖ちゃんと心出たちに手を振る。
心出は涙を流しながらコハクちゃんに手を振っている――がコハクちゃんはまったく見ていないので心出は早くケモナーやめてほしい。
「……あ、心出くん。ちょっといいかしら」
馬車に乗り込む直前、マーズが心出に歩み寄っていく。
なんだ、いったい?
マーズの顔はものすごく真剣だったので、なにか重要なことなのだろう。
「マーズさん? なんですか?」
心出の返事には戸惑いが詰まっている。
マーズが心出の前で立ち止まると、心出はピンと背を伸ばした。
「私、心出くんにどうしても伝えたいことがあるの」
声音に混じっている不安が、マーズの大人っぽい雰囲気により色っぽさに昇華されている。
……え?
なにこのピンク色の空気。
マーズは頬を朱に染め、めちゃくちゃもじもじしている。
「私が、この子を送り届けて、グランダラに帰ってきたら」
これって……もしかして、愛の告白?
この空気、絶対そうだ!
確かにマーズはネコさんに言ってたもんね。
新たな恋をするって。
それを早速実行しているんだ。
心出のどこに惚れたのかは全然わからないが、人が人を好きになるのに理由なんかいらないし、バカにしてもいけない。
「私が……その、……この街に帰ってきたら…………」
心出も告白だと悟ったようだ。
まんざらでもない表情を浮かべており、唾をごくりと飲み込む音が聞こえてくる。
……いや待て。
お前ケモナーだろ。
一瞬でコハクちゃんからマーズに鞍替えしてんじゃねぇよ。
彼氏彼女が一瞬でシャッフルされる中学生のヤンキー集団か。
「その、……二人きりで、私に…………」
マーズが前のめりになって口を開いた。
「ぜひあの【攻撃吸収】という技を教えてほしいの! あの技は私の欲望そのものなの!」
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