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第4章 5 私はあなたを選ばない
記憶操作疑惑
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「……そん、な。覚えられてもいないなんて」
心出ががっくりと地面に膝をつく――が、自意識過剰な心出の失恋なんかどうでもいい。
というより、ナイス心出!
形はどうあれ、コハクちゃんの攻撃が止まり、話ができるチャンスができた。
「誠道さんっ」
「ああ、任せろ」
ミライが俺の手を握ってきたので、安心しろとうなずいてみせる。
それから俺は、怯えたような表情を浮かべているコハクちゃんに正面から向き合った。
「コハクちゃん。いまは俺の話を聞いてく」
「いや、覚えられていないのではない! きっとコハクさんは記憶を操作されているんだ!」
立ち上がった心出が俺の体を押しのける。
「その証拠に、俺たちがお母さんを攫ったと思い込んでいる! 俺のことだって忘れている!」
「心出はちょっと黙ってろよ! お前が忘れられてるのはただの事実だから!」
「コハクさん! 記憶操作なんかに負けずに思い出してほしい! 俺のことを! 俺と君がどれだけ互いを必要とし合い、愛し合っていたかを!」
「心出が記憶操作をしようとしてんじゃねぇよ!」
我慢できなくなった俺は、心出の頭をバシッ! っと思い切り叩く。
もうこのストーカー、首根っこを手刀でタッてして気絶させてもいいですか?
まあ俺は手刀できないんだけどさ。
そう思っちゃうくらい、この陰湿妄想癖ストーカー野郎がうざすぎるんだよなぁ。
「……あっ、すまない」
頭を押さえながら心出がつづける。
「ついテンションが上がって変なことを言ってしまった。愛し合っていたじゃなくて、これから俺たちは愛し合う予定なんだ。俺たちはそういう運命の相手なんだ」
「そんな予定もぜってぇねぇよ! もういいかげんストーカーは黙ってくれ!」
「ストー、カー?」
聞こえてきたコハクちゃんの声は、体の中の負の感情をすべて詰め込んだかのように重苦しかった。
「やっぱりあなたたちは私のあとをつけて、殺す機会を狙っていたんですね」
「違うんだコハクちゃん! 心出じゃなくて俺の話を聞いて」
「なにを言っているんだ誠道くん。違わないさ。俺はコハクさんの後を追ってここまで」
「お前はいい加減黙ってろ!」
「ぐはっ……」
思わず心出の首根っこをタッってしたら、なんか手刀が成功しちゃって心出が気絶したんだけど。
でももうなにもかも遅いよ!
心出の暴走のせいで絶望的な勘違いが発生しちゃってるよ!
「許せないっ……お母さんを、私のたった一人の大切なお母さんを……どこへやったぁあああ!」
絶叫したコハクちゃんが後方にジャンプして距離を取り、口を大きく開く。
開かれた口の前に真っ白の魔法陣が浮かび上がり、そこへ煌々と輝く光のエネルギーが集まり、濃縮されていく。
「誠道さんっ、ちょっとヤバいですよ」
「わかってるけど、……くそぉ。【盾孤燃龍】を信じるしか」
「私はあなたたちをっ、信じようと……したのにっ!」
コハクちゃんの目もとがきらりと輝いたように見えた。
「許せない。【離澄虎】ァァッッッ!!」
コハクちゃんが放った光のエネルギーが、俺たちを覆う紅色の盾に激突する。
ガクンッ、という衝撃が盾の内部に広がり、俺は後方にたたらを踏む。
つづけて強烈な白の輝きに包まれ、目を開けていられなくなった。
心出ががっくりと地面に膝をつく――が、自意識過剰な心出の失恋なんかどうでもいい。
というより、ナイス心出!
形はどうあれ、コハクちゃんの攻撃が止まり、話ができるチャンスができた。
「誠道さんっ」
「ああ、任せろ」
ミライが俺の手を握ってきたので、安心しろとうなずいてみせる。
それから俺は、怯えたような表情を浮かべているコハクちゃんに正面から向き合った。
「コハクちゃん。いまは俺の話を聞いてく」
「いや、覚えられていないのではない! きっとコハクさんは記憶を操作されているんだ!」
立ち上がった心出が俺の体を押しのける。
「その証拠に、俺たちがお母さんを攫ったと思い込んでいる! 俺のことだって忘れている!」
「心出はちょっと黙ってろよ! お前が忘れられてるのはただの事実だから!」
「コハクさん! 記憶操作なんかに負けずに思い出してほしい! 俺のことを! 俺と君がどれだけ互いを必要とし合い、愛し合っていたかを!」
「心出が記憶操作をしようとしてんじゃねぇよ!」
我慢できなくなった俺は、心出の頭をバシッ! っと思い切り叩く。
もうこのストーカー、首根っこを手刀でタッてして気絶させてもいいですか?
まあ俺は手刀できないんだけどさ。
そう思っちゃうくらい、この陰湿妄想癖ストーカー野郎がうざすぎるんだよなぁ。
「……あっ、すまない」
頭を押さえながら心出がつづける。
「ついテンションが上がって変なことを言ってしまった。愛し合っていたじゃなくて、これから俺たちは愛し合う予定なんだ。俺たちはそういう運命の相手なんだ」
「そんな予定もぜってぇねぇよ! もういいかげんストーカーは黙ってくれ!」
「ストー、カー?」
聞こえてきたコハクちゃんの声は、体の中の負の感情をすべて詰め込んだかのように重苦しかった。
「やっぱりあなたたちは私のあとをつけて、殺す機会を狙っていたんですね」
「違うんだコハクちゃん! 心出じゃなくて俺の話を聞いて」
「なにを言っているんだ誠道くん。違わないさ。俺はコハクさんの後を追ってここまで」
「お前はいい加減黙ってろ!」
「ぐはっ……」
思わず心出の首根っこをタッってしたら、なんか手刀が成功しちゃって心出が気絶したんだけど。
でももうなにもかも遅いよ!
心出の暴走のせいで絶望的な勘違いが発生しちゃってるよ!
「許せないっ……お母さんを、私のたった一人の大切なお母さんを……どこへやったぁあああ!」
絶叫したコハクちゃんが後方にジャンプして距離を取り、口を大きく開く。
開かれた口の前に真っ白の魔法陣が浮かび上がり、そこへ煌々と輝く光のエネルギーが集まり、濃縮されていく。
「誠道さんっ、ちょっとヤバいですよ」
「わかってるけど、……くそぉ。【盾孤燃龍】を信じるしか」
「私はあなたたちをっ、信じようと……したのにっ!」
コハクちゃんの目もとがきらりと輝いたように見えた。
「許せない。【離澄虎】ァァッッッ!!」
コハクちゃんが放った光のエネルギーが、俺たちを覆う紅色の盾に激突する。
ガクンッ、という衝撃が盾の内部に広がり、俺は後方にたたらを踏む。
つづけて強烈な白の輝きに包まれ、目を開けていられなくなった。
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