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第5章 2 背徳快感爆走中!
担保の宿命
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ホンアちゃんの彼氏役を引き受けてからというもの、俺は自分のプライベートな時間をほとんど奪われてしまっていた。
毎日のように開催されるホンアちゃんのライブに行かなければいけないからだ。
しかもその理由は、『ファンみんなにしてると見せかけて実は俺だけにウィンクをしている』という背徳感をホンアちゃんが感じるため。
本当にしょうもないし、俺に利益は一切ない。
そして、夜には俺の家にホンアちゃんがやってきて、彼氏役として一緒の時を過ごさなければいけない。
その時に多少なりともイチャイチャできれば俺にも利益がある……いやこいつは男だった……でもかわいいからまあいいか……なのだが。
「ああ、ファンに隠れてこんなクズの引きこもりの彼氏の家に入り浸るなんて……背徳感が天元突破中だわっっ!」
別に彼氏彼女みたいにいちゃいちゃしたり話したりすることはなく、ホンアちゃんが背徳感とかなんとか叫びながら興奮しているのを眺めるだけ。
なにこれ?
こんなの彼氏じゃないよね……あれ、待てよ?
毎日のように強制的に外出させられているからこれで俺も晴れて引きこもり卒業なんじゃないの?
こんなことなら普通に引きこもったままでいてぇよ!
ミライの借金返済、つまりお金のために俺のプライベートな時間だけが削らされている。
本当に、こんなのただの奴隷だよ。
ミライとホンアちゃんのために、いいようにこき使われているだけ。
そんなこんなで、今日も俺はホンアちゃんのライブに参戦しなければいけない。
非常に憂鬱だ。
連日のライブイベントで体は疲労困憊だが、俺は奴隷だからね。
深い深いため息をついたあと、リビングのソファから立ち上がって、出かける準備をする。
「あの、誠道さん」
まったく、なんで俺がこんな目に遭わなければいけないんだ。
本当にめんどくさいなぁ。
どうしてこんなことになってしまったのだろう。
「なにをひとりでぐちぐち語っているのか知りませんが」
でも、俺は彼氏役だからなぁ。
担保になっちゃったからなぁ。
仕方ないね。
お金のためだもん。
「『ホンアちゃん命』と書かれたピンクの法被に、同じく『ホンアちゃん命』ハチマキ姿では説得力がありませんよ」
「なにを言ってる? これは擬態だ。一般のファンに紛れ込むために仕方なく着ているんだよ」
「昨日の夜、明日が楽しみで眠れないなぁって言ってませんでした?」
「そ、そんなはずないだろう。それに、ホンアちゃんは本当は男だぞ。ファンになるわけないじゃないか」
「ここのところ毎日のように、寝ているときに『だが男だ、でも俺は、いや世の中みなユニセックス時代の到来が』ってうなされていますよ」
「そんなはずはない! ってか俺の部屋に勝手に入ってくんなよ!」
「じゃあどうして毎日のようにライブにいくんですか?」
「だから、俺は担保だから仕方なくだな」
「ホンアさんは三日に一回程度でって言ってませんでした? 最近ホンアさん、ライブに毎回やってくる誠道さんに『そんな毎日くなくても……』って引いてますよね」
「ミライはツンデレって言葉を知らないのか? そもそも俺が毎回参戦するのは当然の義務なんだよ。俺はホンアちゃんの背徳感を満たさなければいけないんだから。だって担保なんだもの」
「誠道さんって、最近私より担保って言葉を都合よく利用してませんか?」
呆れたように首を傾げるミライ。
ったく、最近のミライはどうかしている。
俺のどこをどう見たらそんな変なことが言えるのか。
体中の穴という穴から面倒くさいオーラが出まくってるだろうが。
「……って、もうこんな時間だ。ホンアちゃんのライブがはじまる! 面倒くさいけど、可及的速やかにライブ会場にいって最前列を確保し、ホンアちゃんからの俺だけに向けられるウインクをゲットしてときめかなければ! 面倒だけど、俺は担保だからな」
「面倒くさいけど可及的速やかにって、そういうタイプのツンデレはただ面倒くさいだけですよ」
急ぐ俺を見るミライは、これ以上呆れてものが言えないとでも言わんばかりに、こめかみを抑えていうなだれていた。
「いや俺からしたら、ご主人様を担保にするミライに呆れて物が言えないからね」
っと、そんなことよりライブライブっと。
「ホンアちゃーん、まっててねぇぇええええ!!!!」
毎日のように開催されるホンアちゃんのライブに行かなければいけないからだ。
しかもその理由は、『ファンみんなにしてると見せかけて実は俺だけにウィンクをしている』という背徳感をホンアちゃんが感じるため。
本当にしょうもないし、俺に利益は一切ない。
そして、夜には俺の家にホンアちゃんがやってきて、彼氏役として一緒の時を過ごさなければいけない。
その時に多少なりともイチャイチャできれば俺にも利益がある……いやこいつは男だった……でもかわいいからまあいいか……なのだが。
「ああ、ファンに隠れてこんなクズの引きこもりの彼氏の家に入り浸るなんて……背徳感が天元突破中だわっっ!」
別に彼氏彼女みたいにいちゃいちゃしたり話したりすることはなく、ホンアちゃんが背徳感とかなんとか叫びながら興奮しているのを眺めるだけ。
なにこれ?
こんなの彼氏じゃないよね……あれ、待てよ?
毎日のように強制的に外出させられているからこれで俺も晴れて引きこもり卒業なんじゃないの?
こんなことなら普通に引きこもったままでいてぇよ!
ミライの借金返済、つまりお金のために俺のプライベートな時間だけが削らされている。
本当に、こんなのただの奴隷だよ。
ミライとホンアちゃんのために、いいようにこき使われているだけ。
そんなこんなで、今日も俺はホンアちゃんのライブに参戦しなければいけない。
非常に憂鬱だ。
連日のライブイベントで体は疲労困憊だが、俺は奴隷だからね。
深い深いため息をついたあと、リビングのソファから立ち上がって、出かける準備をする。
「あの、誠道さん」
まったく、なんで俺がこんな目に遭わなければいけないんだ。
本当にめんどくさいなぁ。
どうしてこんなことになってしまったのだろう。
「なにをひとりでぐちぐち語っているのか知りませんが」
でも、俺は彼氏役だからなぁ。
担保になっちゃったからなぁ。
仕方ないね。
お金のためだもん。
「『ホンアちゃん命』と書かれたピンクの法被に、同じく『ホンアちゃん命』ハチマキ姿では説得力がありませんよ」
「なにを言ってる? これは擬態だ。一般のファンに紛れ込むために仕方なく着ているんだよ」
「昨日の夜、明日が楽しみで眠れないなぁって言ってませんでした?」
「そ、そんなはずないだろう。それに、ホンアちゃんは本当は男だぞ。ファンになるわけないじゃないか」
「ここのところ毎日のように、寝ているときに『だが男だ、でも俺は、いや世の中みなユニセックス時代の到来が』ってうなされていますよ」
「そんなはずはない! ってか俺の部屋に勝手に入ってくんなよ!」
「じゃあどうして毎日のようにライブにいくんですか?」
「だから、俺は担保だから仕方なくだな」
「ホンアさんは三日に一回程度でって言ってませんでした? 最近ホンアさん、ライブに毎回やってくる誠道さんに『そんな毎日くなくても……』って引いてますよね」
「ミライはツンデレって言葉を知らないのか? そもそも俺が毎回参戦するのは当然の義務なんだよ。俺はホンアちゃんの背徳感を満たさなければいけないんだから。だって担保なんだもの」
「誠道さんって、最近私より担保って言葉を都合よく利用してませんか?」
呆れたように首を傾げるミライ。
ったく、最近のミライはどうかしている。
俺のどこをどう見たらそんな変なことが言えるのか。
体中の穴という穴から面倒くさいオーラが出まくってるだろうが。
「……って、もうこんな時間だ。ホンアちゃんのライブがはじまる! 面倒くさいけど、可及的速やかにライブ会場にいって最前列を確保し、ホンアちゃんからの俺だけに向けられるウインクをゲットしてときめかなければ! 面倒だけど、俺は担保だからな」
「面倒くさいけど可及的速やかにって、そういうタイプのツンデレはただ面倒くさいだけですよ」
急ぐ俺を見るミライは、これ以上呆れてものが言えないとでも言わんばかりに、こめかみを抑えていうなだれていた。
「いや俺からしたら、ご主人様を担保にするミライに呆れて物が言えないからね」
っと、そんなことよりライブライブっと。
「ホンアちゃーん、まっててねぇぇええええ!!!!」
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