うちのメイドがウザかわいい! 転生特典ステータスがチートじゃなくて【新偉人(ニート)】だったので最強の引きこもりスローライフを目指します。

田中ケケ

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第5章 2 背徳快感爆走中!

察してほしいの

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 さて、ライブがなくなってこれからどうするか。

 用事もないし、家で経験値上げをしてから、のんびり過ごすか。 

 グランダラのメインストリートを歩きながら、このあとの予定をぼんやりと立てていると。

「石川くん、こっち」

 どこかから名前を呼ばれたと思ったら、誰かに腕を引っ張られていた。

 そいつはフードを深くかぶっていて、顔が見えない。

 建物と建物の隙間の薄汚い路地に、強引に連れていかれる。

「ちょっと、いきなりなんですか」

 不快さをそのまま声にすると、

「やだなー、彼女が彼氏を路地につれこんだけじゃないですかー」

 そいつが振り返って、フードをはらりと取った。

 押さえつけられていた水色のアホ毛がぴょこりと揺れる。

「お前は、ホンアちゃん?」

「どうもー。ぷりちーアイドルのホンアちゃんでーす」

 そいつはダブルピースをしながら、小さな声で自己紹介をする。

 眼鏡で簡単な変装をしているが、間違いなくホンアちゃんだ。

「は、いや、なんで? だっていまさっき体調不良って聞いて」

「いやだなぁ。あんなの嘘ですよ、う・そ」

 舌をぺろっと出して可愛さアピールするホンアちゃん。

「いやいや、だから、え? なんで嘘?」

「体調不良と称してライブを休んでいるのに、実は彼氏と密会デートをしている。たまらない背徳感ですなぁ!」

 鼻息荒く語るホンアちゃん。

 ……はぁ、そういうことですか。

 そしてマーズが最後に残した意味深な言葉も、……はぁ、そういうことですか。

 やっぱりマーズはドMの鏡だよ。

「ではさっそく、デートにいきましょうか。ナルチーくん」

 にこっと笑ったホンアちゃんが、改めてフードを深くかぶり直す。

「え、ちょっと待てよ。デート? ってかナルチーくんって?」

「誠道にプリチーを合わせてナルチーです。おかしいですか?」

 ほぉ、なるほどね。

「ってそういうことじゃなくて、なんでいきなり変なあだ名を」

「本当の名前で呼び合っていたら、せっかくメガネにフードで変装しているのにバレちゃうじゃないですか。だから、これから私は石川くんのことをナルチーくん、ナルチーくんは私のことをプルチンちゃんと」

「却下だ! そんなあだ名で呼ぶわけないだろ!」

「どうしてですか? ……あ、もしかして、ホンアと呼ぶことで、私とつき合っていることを街のみんなに匂わせたいんですか? それ、スキャンダルをくらうより嫌われますよ? 縦読み信者なんですか?」

「違うわ! プルチンって呼びたくないだけだよ。際どいだろうが!」

 あとちょっとで下ネタなんだよ!

 聞き間違えられたら俺が変態みたいに思われるだろうが!

「どうして呼びたくないんですか? ぷりちーとホンアを合わせてプルチン。ナルチーと同じ名づけ方です」

「もしその方法で名づけるならプリチンだろうが!」

 プリチンもそれはそれでやばいけどな!

 どうやばいかは詳しく説明しないから、あとはなんとなく語感で察してくれ。
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