うちのメイドがウザかわいい! 転生特典ステータスがチートじゃなくて【新偉人(ニート)】だったので最強の引きこもりスローライフを目指します。

田中ケケ

文字の大きさ
240 / 360
第5章 2 背徳快感爆走中!

浮気を目撃、奪われて

しおりを挟む
「おっ、噂をすれば。ちょうどきましたね。私のファンたちです」

 ピンクの法被にハチマキ姿の客が四人、来店する。

 その中の一人は、ホンアちゃんファンクラブの会長、キシャダ・マシイだ。

 幸運なことに、彼らは入り口に一番近い席に案内された。

 俺たちとキシャダグループ以外に他の客はいないが、距離があるので、俺たちが目立つようなことをしなければ、まずばれることはない。

 ひそひそ声なら会話も届かないだろう。

 彼らも、ここに自分たちが崇拝するアイドルがいるなんて思ってもいないんだろうなぁ。

「ちっ、もっと近くに案内すればいいのに。背徳感増幅なのに」

「おい舌打ちしただろふざけんな」

「ねぇナルチー。せっかくだから席を移動しませんか?」

「なにがせっかくだよふざけんな」

 俺が強めに否定すると、ホンアちゃんは唇を尖らせて上目遣いで拗ねたように。

「はぁ、本当にナルチーはいくじなしですね。私がこんなに勇気を出して誘ってるのに。ちょっとは男を見せてくださいよ」

「やたらもじもじしながら言うんじゃねぇよ。別の意味に聞こえるじゃねぇか」

「……ナルチーのけち」

 ホンアちゃんが頬杖をつく。

 その後ろでは、コハクちゃんがキシャダたちのところにサービスの水を持っていっていた。

 四つのコップをキシャダたちの前に置いたあと、キシャダがコハクちゃんに話しかける。

 うまく聞き取れなかったが、キシャダの鼻の下が伸び切っていたので……まさかセクハラされてるんじゃないだろうな。

 キシャダが話し終えると、今度はコハクちゃんが、俺たちの所まで聞こえるような大きな声で。

「おいしくなーれ、もえもえきゅん!」

「「「「もえもえ、きゅん!」」」」

 メイド喫茶のメイドがやるように両手でハートを作って、いま提供したお水に向けてラブラブビームを発射させたコハクちゃん。

 キシャダたちもテンションマックスでその言葉を繰り返す。

「な、なにやってんだよコハクちゃんはっ」

 思わずツッコんでしまって、しまったと慌てて口を押さえる。

 ……気づかれていないみたいだ。

 キシャダたちは、コハクちゃんのラブラブビームを受けた水を飲んで、さらに鼻の下を伸ばしていた。

 俺たちなんて眼中にないのだろう。

 コハクちゃんはコハクちゃんで、顔を真っ赤に染めて、ぺこりと頭を下げると俺たちの方に歩いてきた。

「すみません。ちょっとうるさくしてしまって」

「いや、いいけど……なに、ここってそういう萌えを提供する店になったの?」

 そう言いつつちらっとキシャダたちを見ると、彼らは満面の笑みで萌え萌え水をじっくりと味わっている所だった。

 俺たちに気づく様子もない。

 萌え萌え水を恍惚の表情で見つめ、ワインのテイスティング中かのように、ゆっくりじっくり味わいつづけている。

「そういうもえ? なにを言っているんですか? この店が提供するのはもえ、ではなく食べ物ですよ?」

 きょとんと首を傾げるコハクちゃん。

「じゃあなんでさっき『もえもえきゅん』なんてやってたんだよ?」

「だって、あの方たちは常連客だからです。なにかお礼を……と思って聞いたら、さっき私がやったことをやってくれと言われて……ああっ、私はあの方々に必要とされてるんですねっ!」

「いますぐやめなさい。でも、試しに本当においしくなるかもしれないから、俺の水にも、『もえもえきゅん』ってやってみて!」

「え、わ、わかりま」

「ちっ」

 コハクちゃんが手でハートを作ろうとしたとき、ホンアちゃんが不満げに舌打ちをした。

 その舌打ちにビビったのか、コハクちゃんの動きが止まる。

 ホンアちゃんの悪態は止まらない。

「あのクソファンどもが。他の女に対していつまでも鼻の下を伸ばしやがって。ファンの分際で私を裏切りやがって。あのキシャダとかいうやつ、絶対許さないからな」

「一番ファンを裏切ってるやつがそのセリフ言うなよ!」

 あとよくもコハクちゃんのもえもえきゅんタイムを遮ってくれたなぁ!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった

仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。 この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。 ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。 少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。 更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。 そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。 少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。 どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。 少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。 冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。 すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く… 果たして、その可能性とは⁉ HOTランキングは、最高は2位でした。 皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°. でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

処理中です...