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第5章 3 発覚
大臣就任
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俺の家はいま、ホンアちゃんのスキャンダルを知ったホンアちゃんのファンたちに包囲されていた。
もちろん、そのファンたちを取りまとめているのはキシャダ・マシィだ。
さすがに家に押し入ってくるまではしないみたいだが、結構な恐怖だな、これ。
芸能人って、いつもこんな恐怖を味わっているのか。
ちなみに、ホンアちゃんは俺の家で保護してある。
二階の自室の窓をわずかに開けて外の様子をうかがうと、ファンの怒りの声がはっきりと聞こえてきた。
「俺たちは説明を要求する!」
「この写真はどういうことか説明してくれ!」
「俺たちは、ただホンアちゃんを信じたいだけなんだ!」
「どうして、こんなただの引きこもり男なんかに! ――くそう! だったら俺にもチャンスがあったんじゃないか!」
最後の人だけは、ちょっと違うんじゃないだろうか。
あなたには俺の家を取り囲む資格はないと思いますが?
「そうですよ! 誠道さん! 私もあーんについての説明を要求します! ナルチーって誰ですか? どうしたらこんなことできるんですか!!」
「なんでミライはそっち側にいるんだよ!」
ファンに混ざって抗議するミライを見つけ、思わず窓を全開にして顔を出してしまった。
「おい! でてきたぞ!」
「あいつが天性の引きこもり男か!」
「俺たちのホンアちゃんを返せ!」
「やばっ!」
石やらゴミやら投げてきそうな勢いで罵られたので、慌てて窓から顔を引っ込める。
ってミライは本当になにやってんだよ!!
俺を支援する立場なのに、なんで敵に回ってんだ!
明らかにおかしいだろ!
そもそもミライはすべての事情を知ってるだろ!!
どうしたらいいのかわからないまま、俺はリビングに下りて、とりあえず水を飲む。
カーテンが閉め切られているため、この家の空気はひどく重苦しい。
ホンアちゃんはソファの上で膝を抱えて縮こまっており、その隣にはマーズと聖ちゃんが……。
「いやなんで二人がいるんだよ!」
「だってここにいれば、まるで私が罵声を浴びせられているように思えるでしょ? ここはドMのオアシス! 誠道くんったら、こんな天国を作り出すなんて、ドM大臣に任命してあげてもいいわ!」
「私は、ミライさんとの約束通り、ゴブリンタイラントの睾丸を持ってきました」
……。
…………はぁ。
なんか、ため息はついてしまったけど、通常運転のマーズも聖ちゃんが見られて、ちょっと心が落ち着きました。
「でも、二人はよくここまで来られたな。俺の家の周りはファンでごった返してるってのに」
「聖ちゃんと歩いていたら、なぜか男のファンたちは股間を抑えながら道を開けてくれたのよ。モーゼになった気分だったわ」
「睾丸女帝の本領発揮だな!」
「あと私たちが家に入ろうとしたら、他に二人も女がいるのかっ! あんな引きこもりのどこがいいんだっ! って罵られたわ」
「俺のイメージ大暴落じゃねえか!」
「あの睾丸女帝を受け入れられるような心の広い男なら仕方がないか……、という諦めの声もあったわよ」
「受け入れてねぇから!」
マーズにツッコんだあとでがっくりと項垂れていると、聖ちゃんが俺の肩に優しく手を置いて一言。
「こんなことで落ち込まないでください。だって、私は知っていますから」
にこりと笑みを浮かべる聖ちゃん。
おお、俺を励ましてくれるのか。
「元から誠道さんは、大暴落するほどイメージよくないですよね」
まあ、こういう言葉が飛んでくることは薄々わかってはいたけどね。
期待するのは無料でしょ?
「で、そういえばミライさんはどこにいるんですか? 早くゴブリンタイラントの睾丸を渡したいのですが」
聖ちゃんにそう聞かれたので、俺はミライがファンに紛れているので連れて帰ってきてほしいとお願いした。
ほら、だって聖ちゃんには男どもが近づけないからね。
ミライを連れ戻す役割を任せるのには、一番適任で一番安全でしょ?
もちろん、そのファンたちを取りまとめているのはキシャダ・マシィだ。
さすがに家に押し入ってくるまではしないみたいだが、結構な恐怖だな、これ。
芸能人って、いつもこんな恐怖を味わっているのか。
ちなみに、ホンアちゃんは俺の家で保護してある。
二階の自室の窓をわずかに開けて外の様子をうかがうと、ファンの怒りの声がはっきりと聞こえてきた。
「俺たちは説明を要求する!」
「この写真はどういうことか説明してくれ!」
「俺たちは、ただホンアちゃんを信じたいだけなんだ!」
「どうして、こんなただの引きこもり男なんかに! ――くそう! だったら俺にもチャンスがあったんじゃないか!」
最後の人だけは、ちょっと違うんじゃないだろうか。
あなたには俺の家を取り囲む資格はないと思いますが?
「そうですよ! 誠道さん! 私もあーんについての説明を要求します! ナルチーって誰ですか? どうしたらこんなことできるんですか!!」
「なんでミライはそっち側にいるんだよ!」
ファンに混ざって抗議するミライを見つけ、思わず窓を全開にして顔を出してしまった。
「おい! でてきたぞ!」
「あいつが天性の引きこもり男か!」
「俺たちのホンアちゃんを返せ!」
「やばっ!」
石やらゴミやら投げてきそうな勢いで罵られたので、慌てて窓から顔を引っ込める。
ってミライは本当になにやってんだよ!!
俺を支援する立場なのに、なんで敵に回ってんだ!
明らかにおかしいだろ!
そもそもミライはすべての事情を知ってるだろ!!
どうしたらいいのかわからないまま、俺はリビングに下りて、とりあえず水を飲む。
カーテンが閉め切られているため、この家の空気はひどく重苦しい。
ホンアちゃんはソファの上で膝を抱えて縮こまっており、その隣にはマーズと聖ちゃんが……。
「いやなんで二人がいるんだよ!」
「だってここにいれば、まるで私が罵声を浴びせられているように思えるでしょ? ここはドMのオアシス! 誠道くんったら、こんな天国を作り出すなんて、ドM大臣に任命してあげてもいいわ!」
「私は、ミライさんとの約束通り、ゴブリンタイラントの睾丸を持ってきました」
……。
…………はぁ。
なんか、ため息はついてしまったけど、通常運転のマーズも聖ちゃんが見られて、ちょっと心が落ち着きました。
「でも、二人はよくここまで来られたな。俺の家の周りはファンでごった返してるってのに」
「聖ちゃんと歩いていたら、なぜか男のファンたちは股間を抑えながら道を開けてくれたのよ。モーゼになった気分だったわ」
「睾丸女帝の本領発揮だな!」
「あと私たちが家に入ろうとしたら、他に二人も女がいるのかっ! あんな引きこもりのどこがいいんだっ! って罵られたわ」
「俺のイメージ大暴落じゃねえか!」
「あの睾丸女帝を受け入れられるような心の広い男なら仕方がないか……、という諦めの声もあったわよ」
「受け入れてねぇから!」
マーズにツッコんだあとでがっくりと項垂れていると、聖ちゃんが俺の肩に優しく手を置いて一言。
「こんなことで落ち込まないでください。だって、私は知っていますから」
にこりと笑みを浮かべる聖ちゃん。
おお、俺を励ましてくれるのか。
「元から誠道さんは、大暴落するほどイメージよくないですよね」
まあ、こういう言葉が飛んでくることは薄々わかってはいたけどね。
期待するのは無料でしょ?
「で、そういえばミライさんはどこにいるんですか? 早くゴブリンタイラントの睾丸を渡したいのですが」
聖ちゃんにそう聞かれたので、俺はミライがファンに紛れているので連れて帰ってきてほしいとお願いした。
ほら、だって聖ちゃんには男どもが近づけないからね。
ミライを連れ戻す役割を任せるのには、一番適任で一番安全でしょ?
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