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第6章 3 クラーケンの倒し方
聖ちゃんも釣ります!
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「なんか勝手に興奮しているところ悪いんだけど、聖ちゃんはどうやってクラーケンを倒すつもりなの?」
睾丸、ぐちゃっと、楽しいなぁ、という恐怖の歌を口ずさみながら木の周りをルンルンとスキップでまわっている聖ちゃんを呼び止める。
ってか本当に俺のは取らせないよ?
「まさか沖まで泳いでいく、なんて言わないよね?」
いくら聖ちゃんが強いと言っても、さすがに勝ち目はないと思う。
海中というクラーケンが圧倒的に有利なフィールドで、しかも泳ぎながら聖剣ジャンヌダルクを振り回すなんて、敗北確定と言っていい。
「海の魔物、しかもクラーケン相手にそんなことしないですよ」
スキップをやめた聖ちゃんは、得意げに鼻を鳴らし。
「この釣り竿でクラーケンを釣るんですよ」
「いや絶対無理でしょ! あのアイドルのホンアちゃんが全力で釣っても釣れなかったんだから!」
さっきあったことを説明してやると、聖ちゃんは、なに言ってるのこの人、と言わんばかりにぽかんと口を開けた。
「……あの、アイドルの『釣る』は全然意味が違うと思うんですけど?」
「いきなりのマジレスやめてくれるかな! ってかそんな細い釣り竿でどうやってクラーケンを釣るんだよ。絶対折れるだろ。釣り糸だって短すぎてあんな沖の方まで届くわけないじゃん」
俺は聖ちゃんの持ってきた釣り竿を指さす。
どこからどう見ても、普通の釣り竿だ。
こんなので釣れるわけがない。
「そこは大丈夫です」
聖ちゃんは持っていた釣り竿を天にかかげた。
なんかさ、陽光に照らされて煌々と輝いている聖ちゃんが、伝説の聖剣を抜いた勇者みたいに見えるんですけど。
……ま、彼女は聖剣ジャンヌダルクという聖剣をすでに持っているんですけどね。
聖ちゃんがごほんと咳払いをする。
「この釣り竿は普通の釣り竿ではありません。竿に使用している部分は、キョダイスゴクカタクテシナヤカナナフシの胴体なので、まず折れる心配はありません。さらに釣り糸はムゲンニノビーテジョーブワームから採取した糸なのでどこまでも無限に伸びます。沖まで軽々と届きますし、引っ張られても千切れることはないです」
キョダイスゴクカタクテシナヤカナナフシ?
ムゲンニノビーテジョーブワーム?
なんかめちゃくちゃ変な名前の生物が二体も出てきたよ。
でも一瞬にして説得されたから、名前はやっぱりわかりやすいものに限るね!
「キョダイスゴクカタクテシナヤカナナフシにムゲンニノビーテジョーブワームを倒したんですか? どっちもかなり強い魔物じゃないですか!」
後ろにいたミライが驚きの声を上げる。
「え? そうなの?」
「はい。どちらもかなり手ごわい魔物です。しかも聖ちゃんの言葉から察するに、クラーケンが出現したという情報を得てから討伐したと思われます。二体とも、普通はそんな短期間で討伐できるような魔物ではないので、本当に聖ちゃんはすごいです!」
ミライが聖ちゃんを手放しで褒めちぎっているのだが、聖ちゃんは嬉しがるどころか、なぜか少しだけ肩を落として落ち込んだ。
「はい。たしかに二体とも私のぐちゃぐちゃにしたい魔物ランキングにランクインしていて、かなり手ごわかったのですが」
「ごめん。話の腰を折るようなことして申しわけないんだけど、ぐちゃぐちゃにしたい魔物ランキングってなに? 言葉通りの意味だとは思うけど、前々から気になってたからいいかげん説明が欲し」
「クラーケンを倒さなければいけないので、キョダイスゴクカタクテシナヤカナナフシもムゲンニノビーテジョーブワームも、素材をゲットするために普通に討伐することになったんです」
あ、無視されちゃった。
どちらも昆虫っぽい名前の魔物だからしょうがないね、むしだけに、なんてね!
「あれは苦渋の決断でした。ぐちゃぐちゃ欲求を我慢することは本当に苦しくて。でもクラーケンの方がぐちゃぐちゃにしたい魔物ランキング上位だったので、本当に、断腸の思いで……」
聖ちゃんは悔しそうにぐっと拳を握ったあと、数々の犠牲を払ってラスボスまでたどり着いた勇者のように、涙を流しながら宣言する。
「だからこそ! 私は絶対にクラーケンを退治しなければいけないのです。私をこの場所に送り出すために犠牲になってくれた、キョダイスゴクカタクテシナヤカナナフシとムゲンニノビーテジョーブワームのためにも」
「犠牲になったじゃなくて『生贄にした』の間違いでは? キョダイスゴクカタクテシナヤカナナフシとムゲンニノビーテジョーブワームを討伐したのは、聖ちゃんの身勝手な欲求のためだよね?」
あと、いいかげんキョダイスゴクカタクテシナヤカナナフシとムゲンニノビーテジョーブワームって呼ぶの大変だし疲れてきたよ!
もうナナフシとワームって略しますね!
なんか一気にしょぼそうな魔物になっちゃったけど、あんな長い名前をつける方が悪いんだからね!
睾丸、ぐちゃっと、楽しいなぁ、という恐怖の歌を口ずさみながら木の周りをルンルンとスキップでまわっている聖ちゃんを呼び止める。
ってか本当に俺のは取らせないよ?
「まさか沖まで泳いでいく、なんて言わないよね?」
いくら聖ちゃんが強いと言っても、さすがに勝ち目はないと思う。
海中というクラーケンが圧倒的に有利なフィールドで、しかも泳ぎながら聖剣ジャンヌダルクを振り回すなんて、敗北確定と言っていい。
「海の魔物、しかもクラーケン相手にそんなことしないですよ」
スキップをやめた聖ちゃんは、得意げに鼻を鳴らし。
「この釣り竿でクラーケンを釣るんですよ」
「いや絶対無理でしょ! あのアイドルのホンアちゃんが全力で釣っても釣れなかったんだから!」
さっきあったことを説明してやると、聖ちゃんは、なに言ってるのこの人、と言わんばかりにぽかんと口を開けた。
「……あの、アイドルの『釣る』は全然意味が違うと思うんですけど?」
「いきなりのマジレスやめてくれるかな! ってかそんな細い釣り竿でどうやってクラーケンを釣るんだよ。絶対折れるだろ。釣り糸だって短すぎてあんな沖の方まで届くわけないじゃん」
俺は聖ちゃんの持ってきた釣り竿を指さす。
どこからどう見ても、普通の釣り竿だ。
こんなので釣れるわけがない。
「そこは大丈夫です」
聖ちゃんは持っていた釣り竿を天にかかげた。
なんかさ、陽光に照らされて煌々と輝いている聖ちゃんが、伝説の聖剣を抜いた勇者みたいに見えるんですけど。
……ま、彼女は聖剣ジャンヌダルクという聖剣をすでに持っているんですけどね。
聖ちゃんがごほんと咳払いをする。
「この釣り竿は普通の釣り竿ではありません。竿に使用している部分は、キョダイスゴクカタクテシナヤカナナフシの胴体なので、まず折れる心配はありません。さらに釣り糸はムゲンニノビーテジョーブワームから採取した糸なのでどこまでも無限に伸びます。沖まで軽々と届きますし、引っ張られても千切れることはないです」
キョダイスゴクカタクテシナヤカナナフシ?
ムゲンニノビーテジョーブワーム?
なんかめちゃくちゃ変な名前の生物が二体も出てきたよ。
でも一瞬にして説得されたから、名前はやっぱりわかりやすいものに限るね!
「キョダイスゴクカタクテシナヤカナナフシにムゲンニノビーテジョーブワームを倒したんですか? どっちもかなり強い魔物じゃないですか!」
後ろにいたミライが驚きの声を上げる。
「え? そうなの?」
「はい。どちらもかなり手ごわい魔物です。しかも聖ちゃんの言葉から察するに、クラーケンが出現したという情報を得てから討伐したと思われます。二体とも、普通はそんな短期間で討伐できるような魔物ではないので、本当に聖ちゃんはすごいです!」
ミライが聖ちゃんを手放しで褒めちぎっているのだが、聖ちゃんは嬉しがるどころか、なぜか少しだけ肩を落として落ち込んだ。
「はい。たしかに二体とも私のぐちゃぐちゃにしたい魔物ランキングにランクインしていて、かなり手ごわかったのですが」
「ごめん。話の腰を折るようなことして申しわけないんだけど、ぐちゃぐちゃにしたい魔物ランキングってなに? 言葉通りの意味だとは思うけど、前々から気になってたからいいかげん説明が欲し」
「クラーケンを倒さなければいけないので、キョダイスゴクカタクテシナヤカナナフシもムゲンニノビーテジョーブワームも、素材をゲットするために普通に討伐することになったんです」
あ、無視されちゃった。
どちらも昆虫っぽい名前の魔物だからしょうがないね、むしだけに、なんてね!
「あれは苦渋の決断でした。ぐちゃぐちゃ欲求を我慢することは本当に苦しくて。でもクラーケンの方がぐちゃぐちゃにしたい魔物ランキング上位だったので、本当に、断腸の思いで……」
聖ちゃんは悔しそうにぐっと拳を握ったあと、数々の犠牲を払ってラスボスまでたどり着いた勇者のように、涙を流しながら宣言する。
「だからこそ! 私は絶対にクラーケンを退治しなければいけないのです。私をこの場所に送り出すために犠牲になってくれた、キョダイスゴクカタクテシナヤカナナフシとムゲンニノビーテジョーブワームのためにも」
「犠牲になったじゃなくて『生贄にした』の間違いでは? キョダイスゴクカタクテシナヤカナナフシとムゲンニノビーテジョーブワームを討伐したのは、聖ちゃんの身勝手な欲求のためだよね?」
あと、いいかげんキョダイスゴクカタクテシナヤカナナフシとムゲンニノビーテジョーブワームって呼ぶの大変だし疲れてきたよ!
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