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第6章 4 運命とミライとゲーム
夜通しプレイで興奮しましょう
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ぐちゃぐちゃのクラーケンを売って、借金返済用のお金を得た日の夜。
旅館の大浴場から戻ってくると、部屋の鍵がかかっていた。
「あれ……って、そうか」
俺が部屋を出るときに。
「私も準備が出来たら大浴場にいきますから、部屋の鍵を持っていってくださいね」
ってミライに言われたんだったな。
「手首についてるのにな。それだけ疲れてるってことだよなぁ」
クラーケンを討伐しにいったせいで、めっちゃ疲れた。
敵だったクラーケンのせいではなく、今日かかわったみんなのせいでね。
クラーケンと戦うはずだったのに、俺が今日戦った相手は人間だったんだから、本当に驚きだよ。
扉の鍵を開けて部屋に入る。
中にミライはいない。
女の子は長風呂だって言うし、まだまだ時間がかかるかな。
「ああ、マジで疲れたぁ……」
畳の上に大の字に寝転んで、深呼吸をする。
風呂上がり独特のぽわぽわした心地よさにつつまれ、途端におぼろげになっていく意識に身を委ねつつ、ふと部屋に併設している露天風呂を見る。
そういや昨日、ミライとあそこで一緒だったんだよなぁ。
もし、あのまま俺がのぼせない世界線があったとしたら、俺はミライとどうなっていたのだろう。
どういうことを話したのだろう。
どういう朝を迎えていたのだろう。
「朝って……なに考えてんだ俺」
恥ずかしさが襲い掛かってくる。
脳裏を埋め尽くそうとしたミライの艶やかな柔肌を、ぶんぶんと頭を振ってかき消した。
「ミライ、恐るべし」
「なにやってるんですか?」
いつの間にか、浴衣を着たミライが部屋に戻ってきていた。
「しかも顔が赤く……まさか私がいない隙に私のことを思ってそういうことを」
「な、なにも考えてないって」
慌てて否定するが、ちょっと図星なのが腹立つんだよなぁ。
「そんなはずありません。だって慌てすぎですし、顔が真っ赤すぎですよ」
「う、うるさい。ってかミライだって顔が赤いじゃないか」
なんとか話を逸らす。
ミライの頬はほわりと赤く染まっていて、妙に色っぽい。
浴衣姿も相まって、とてもきれいだ。
「それは……お風呂上がりですから」
「じゃあ俺もお風呂上がりだから顔が赤いんだ」
「じゃあってなんですか、じゃあって」
ちょっと不服そうなミライが俺の隣に正座したので、俺も体を起こしてあぐらをかく。
「まあいいでしょう。そんなことより、実はですね、私……」
ミライがもったいぶるような間をあけ、上目づかいで俺を見る。
前かがみになって俺の手に上に自らの手を重ねて、ぎゅっと握ってきた。
「おおおおい、いきなりどうした?」
俺は、ミライの手の細さと大胆な行動と少しだけはだけた胸元に、どきっとしてしまう。
ミライはとろけた声でつづけた。
「実は私、お風呂に入っているときも、誠道さんと夜通しプレイすることを考えたら……ちょっと興奮していて」
「はっ!? 俺と、夜通し……興奮って」
ミライの体を下から順に見てしまい、最終的にそのとろんとした目に釘付けになった。
ぷくりとした真っ赤な唇がゆっくり動く。
「はい。私と夜通し興奮しましょう。このリアルマネー人生ゲームで」
「そういうことかよ。期待して損したわ」
ミライが体の後ろから出してきたのは、四角い箱に入ったボードゲームだった。
ま、そういうことだろうと思っていたけどね。
どきっとした気持ちがいま、ぽきっと折れましたよ。
旅館の大浴場から戻ってくると、部屋の鍵がかかっていた。
「あれ……って、そうか」
俺が部屋を出るときに。
「私も準備が出来たら大浴場にいきますから、部屋の鍵を持っていってくださいね」
ってミライに言われたんだったな。
「手首についてるのにな。それだけ疲れてるってことだよなぁ」
クラーケンを討伐しにいったせいで、めっちゃ疲れた。
敵だったクラーケンのせいではなく、今日かかわったみんなのせいでね。
クラーケンと戦うはずだったのに、俺が今日戦った相手は人間だったんだから、本当に驚きだよ。
扉の鍵を開けて部屋に入る。
中にミライはいない。
女の子は長風呂だって言うし、まだまだ時間がかかるかな。
「ああ、マジで疲れたぁ……」
畳の上に大の字に寝転んで、深呼吸をする。
風呂上がり独特のぽわぽわした心地よさにつつまれ、途端におぼろげになっていく意識に身を委ねつつ、ふと部屋に併設している露天風呂を見る。
そういや昨日、ミライとあそこで一緒だったんだよなぁ。
もし、あのまま俺がのぼせない世界線があったとしたら、俺はミライとどうなっていたのだろう。
どういうことを話したのだろう。
どういう朝を迎えていたのだろう。
「朝って……なに考えてんだ俺」
恥ずかしさが襲い掛かってくる。
脳裏を埋め尽くそうとしたミライの艶やかな柔肌を、ぶんぶんと頭を振ってかき消した。
「ミライ、恐るべし」
「なにやってるんですか?」
いつの間にか、浴衣を着たミライが部屋に戻ってきていた。
「しかも顔が赤く……まさか私がいない隙に私のことを思ってそういうことを」
「な、なにも考えてないって」
慌てて否定するが、ちょっと図星なのが腹立つんだよなぁ。
「そんなはずありません。だって慌てすぎですし、顔が真っ赤すぎですよ」
「う、うるさい。ってかミライだって顔が赤いじゃないか」
なんとか話を逸らす。
ミライの頬はほわりと赤く染まっていて、妙に色っぽい。
浴衣姿も相まって、とてもきれいだ。
「それは……お風呂上がりですから」
「じゃあ俺もお風呂上がりだから顔が赤いんだ」
「じゃあってなんですか、じゃあって」
ちょっと不服そうなミライが俺の隣に正座したので、俺も体を起こしてあぐらをかく。
「まあいいでしょう。そんなことより、実はですね、私……」
ミライがもったいぶるような間をあけ、上目づかいで俺を見る。
前かがみになって俺の手に上に自らの手を重ねて、ぎゅっと握ってきた。
「おおおおい、いきなりどうした?」
俺は、ミライの手の細さと大胆な行動と少しだけはだけた胸元に、どきっとしてしまう。
ミライはとろけた声でつづけた。
「実は私、お風呂に入っているときも、誠道さんと夜通しプレイすることを考えたら……ちょっと興奮していて」
「はっ!? 俺と、夜通し……興奮って」
ミライの体を下から順に見てしまい、最終的にそのとろんとした目に釘付けになった。
ぷくりとした真っ赤な唇がゆっくり動く。
「はい。私と夜通し興奮しましょう。このリアルマネー人生ゲームで」
「そういうことかよ。期待して損したわ」
ミライが体の後ろから出してきたのは、四角い箱に入ったボードゲームだった。
ま、そういうことだろうと思っていたけどね。
どきっとした気持ちがいま、ぽきっと折れましたよ。
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