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第6章 5 目指せ! 敗北!
なんとしてでも負けないと
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大会のルールはよくあるトーナメント方式だ。
一回も負けなかったやつが優勝となるというシンプルなものだが、この大会特有のルールもあった。
それは最下位もきっちり決めるというもの。
つまり、一回戦で負けたもの同士が戦って、そこでも負けたもの同士が戦って……を繰り返して、一度も勝てなかった男を決めるのだ。
戦いは多い方が盛り上がる、というのが表向きの理由だが、聖ちゃんいわく。
「その男が強者なのか弱者なのかをオリョウが判断するために、参加者に多くの試合をこなしてもらうのです。ただ、一度でも勝ってしまった男は軒並み女奴隷化させられるので、最下位になる以外に道は残されていないと思っていいでしょう」
そのため、俺は絶対に勝ってはいけないのだ。
「あ、でもこの戦い、勝敗がギャンブルの対象になってますので、あからさまに負けるのは絶対にNGです。八百長試合となって、手の甲の魔法陣が爆発します。なんならすでに女奴隷化の術式もこの魔法陣には含まれています」
なるほど。
説明を聞けば聞くほど理不尽すぎるだろ!
ああ、俺はどうしてこんな大会にエントリーしてしまったのだろう。
ハーレムに目がくら……俺の純然たる向上心が憎いよ!
「とりあえず、ノーベル賞主演俳優賞ばりの演技で負ければいいんだよな。ウワァナンカスゴクキンチョウシテキタナァ」
「大根役者もびっくりの演技力ですね。そもそもノーベルではなくアカデミーですし」
ミライに図星をつかれた俺は、なにも言えなくなった。
まあでも、負ければいいだけだからね。
どんな相手にも勝つことは不可能かもしれないが、どんな相手にも負けることは可能だ。
そうやって前向きに考えていかなきゃ、やってられないよ。
「じゃあ、私たちは観客席から見守っていますので、最弱を目指して頑張ってくださいね」
ミライが満面の笑みで俺を鼓舞しようとしてくれているが、最弱を目指して頑張るって、事実なんだけど人から言われてしまうと、なんだか複雑な気分になる。
やっぱり演技でも負けるのは、ちょっと……ね。
「まあ、引きこもりの称号を得ている誠道さんですから、たとえ最弱の称号を持って帰ってきても、ショックを感じなくて済みますもんね」
「ああ、なんかミライのせいでものすごく勝ちたい気分になってきてるよ!」
「なんなら最弱より引きこもりの方がひどいまでありますもんね」
「もう勝ちたくて勝ちたくてたまらないよ!」
一回も負けなかったやつが優勝となるというシンプルなものだが、この大会特有のルールもあった。
それは最下位もきっちり決めるというもの。
つまり、一回戦で負けたもの同士が戦って、そこでも負けたもの同士が戦って……を繰り返して、一度も勝てなかった男を決めるのだ。
戦いは多い方が盛り上がる、というのが表向きの理由だが、聖ちゃんいわく。
「その男が強者なのか弱者なのかをオリョウが判断するために、参加者に多くの試合をこなしてもらうのです。ただ、一度でも勝ってしまった男は軒並み女奴隷化させられるので、最下位になる以外に道は残されていないと思っていいでしょう」
そのため、俺は絶対に勝ってはいけないのだ。
「あ、でもこの戦い、勝敗がギャンブルの対象になってますので、あからさまに負けるのは絶対にNGです。八百長試合となって、手の甲の魔法陣が爆発します。なんならすでに女奴隷化の術式もこの魔法陣には含まれています」
なるほど。
説明を聞けば聞くほど理不尽すぎるだろ!
ああ、俺はどうしてこんな大会にエントリーしてしまったのだろう。
ハーレムに目がくら……俺の純然たる向上心が憎いよ!
「とりあえず、ノーベル賞主演俳優賞ばりの演技で負ければいいんだよな。ウワァナンカスゴクキンチョウシテキタナァ」
「大根役者もびっくりの演技力ですね。そもそもノーベルではなくアカデミーですし」
ミライに図星をつかれた俺は、なにも言えなくなった。
まあでも、負ければいいだけだからね。
どんな相手にも勝つことは不可能かもしれないが、どんな相手にも負けることは可能だ。
そうやって前向きに考えていかなきゃ、やってられないよ。
「じゃあ、私たちは観客席から見守っていますので、最弱を目指して頑張ってくださいね」
ミライが満面の笑みで俺を鼓舞しようとしてくれているが、最弱を目指して頑張るって、事実なんだけど人から言われてしまうと、なんだか複雑な気分になる。
やっぱり演技でも負けるのは、ちょっと……ね。
「まあ、引きこもりの称号を得ている誠道さんですから、たとえ最弱の称号を持って帰ってきても、ショックを感じなくて済みますもんね」
「ああ、なんかミライのせいでものすごく勝ちたい気分になってきてるよ!」
「なんなら最弱より引きこもりの方がひどいまでありますもんね」
「もう勝ちたくて勝ちたくてたまらないよ!」
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