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おっぱいをかけた戦い
変態下くんと変態坂さん【帆乃視点】
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「あのね臨。緊張してトイレで倒れるってどういうこと?」
私はいま、対面に座る臨にこっぴどく責められている。
場所は臨の部屋。
中央にローテーブル、窓際にベッドがあるまでは普通の部屋だが、あとはもう異次元、異世界、魔界、天界。わけのわからない発明品――以前ガラクタと言ったら一週間口を聞いてもらえなかった――がたくさん置いてある。すべて臨が発明したもので、飾っているのは発明品のなかでも傑作集ばかりだそうだ。
「だって臨から連絡受けて、トイレで髪型直した後、扉開けたらそこにいたんだもん」
思い出すだけで顔が熱くなる。
私から言い出したことなのに、臨はちゃんとやってくれたのに、いざ宮田下みやたしたくんを目の前にしたら頭が真っ白になって倒れていた。だってほんとにいきなりだったから! トイレから出るところなんか見られたくなかったし!
「いたんだもん、ってそれ理由になってないから」
臨が酢昆布をかみかみしながら言う。酢昆布は臨の大好物だ。あとはもずく酢と激辛の麻婆豆腐とイチゴミルクも好き。この並びの中にあるイチゴミルクって超ヤバくない可愛すぎないああもう臨大好きっ!
「それに、本当だったら私が宮田下くんをフッた後すぐに屋上に来る予定だったでしょ? なんですぐ来ないのよ」
私、心配でめちゃくちゃ探し回ってたんだけど、と臨は不満げに頬杖をつく。
「だから、いざ告白するってなったらドキドキして、足がなかなか動かなくて」
私は気まずさに耐えかねてローテーブルの木目に視線を落とす。
そう。
今日の計画は私が、三日三晩寝ずに考えた史上最高の作戦だった。
人は誰かにフラれたとき、その寂しさを埋めるためにほかの誰かを求める。失恋直後こそが告白の最大のチャンスだと恋愛ハウツー本で読んだのだ。なので臨に宮田下くんのことを強引にフッてもらい、すぐさまその傷を癒すために私が告白して見事宮田下くんの彼女になるっ! って完璧な作戦だったのに、こんな結末が待っていようなんて。
「ま、こうなることは初めから予想できてたけど。自分の引っ込み思案で奥手な性格を考慮してない時点でお察しではあったのよね」
「ううう、返す言葉がありません」
ほんと、せっかく協力してくれた臨に申しわけない。
「だいたい、私が呼び出して強引にフるってアホみたいな話を聞いた段階で、『あ、また帆乃がバカなこと考えてる。絶対うまくいかない。なんかすごい面白いことになりそう』としか思ってなかったけど」
「え? 面白くなりそうなんて思ってたの?」
「それ以外にこんな作戦に協力する理由がある?」
ひどい言われようだが、結果はご覧の有り様なので言い返せない。
「ってかなんで意識取り戻した後も倒れ続けてたの? 帆乃はなにがやりたかったの?」
「あ、あ、あれはその……人工呼吸とか」
よく漫画やアニメであるラッキー展開が訪れるかなぁ、と期待してました。
「なるほど。そういう名目でキスがしたかったのね。でも残念、いまは感染症予防で人命救助の際に人工呼吸はしなくていいことになってるの」
「え? そうなの?」
「当然よ」
知らなかったぁ!
じゃあ現実ではもうラッキーキッス展開は起こらないのかぁ。
「あのね帆乃。あんたは人工呼吸でキッスをゲット! みたいなこと考えるような変態なんだから」
「ちょっと待って? 私が変態なわけないでしょ」
「寝言は寝てから言いなさい。変態下くんにぴったりの変態坂さんよ」
「そんな、二人の相性が抜群だなんていきなり褒められると」
「は? 褒めてないわ。あんたがド変態だって言ったのよ」
臨はきっぱりと言って、新たな酢昆布をかみかみし始める。
「……私が、ド変態? そんな、ことって」
信じられない。
私は読書が大好きで物静かで清純な乙女だ。
「なんでショック受けてんのよ。変態は変態らしく、おっぱいくらい触らせてやればよかったのよ」
にやりと笑った臨が私の後ろに回って、おっぱいをふにゃふにや揉みしだき始める。
「あっ、ひゃ! ちちちちょっと、りん、やめ……んんっ、ひゃ!」
「すごいわ。こんな大きいのに感度もいいなんて……ちょっとムカついてきたわ」
自分の胸に視線を落とした臨の揉みしだく力が一段と強くなる。だからやめて。もう限界ぃ。ひひゃあん!
「こんなにもすっごくいい武器を持ってるのにほんともったいない。おっぱいさえ揉ませればどんな男もその魅力から逃れられることはできないはずなのに」
「むむ、無理に決まって、ひゃ! りゅりゅるでしょ?」
「どうして? 見せて揉ませるだけ。二秒で完結するわ」
「そんな恥ずかしいことできるわけないでしょ!」
叫び終えると同時に、私は臨の魔の手から逃れベッドの上に避難した。
も、もう。
臨の触り方くすぐったくて変な声出ちゃうからぁ!
私はいま、対面に座る臨にこっぴどく責められている。
場所は臨の部屋。
中央にローテーブル、窓際にベッドがあるまでは普通の部屋だが、あとはもう異次元、異世界、魔界、天界。わけのわからない発明品――以前ガラクタと言ったら一週間口を聞いてもらえなかった――がたくさん置いてある。すべて臨が発明したもので、飾っているのは発明品のなかでも傑作集ばかりだそうだ。
「だって臨から連絡受けて、トイレで髪型直した後、扉開けたらそこにいたんだもん」
思い出すだけで顔が熱くなる。
私から言い出したことなのに、臨はちゃんとやってくれたのに、いざ宮田下みやたしたくんを目の前にしたら頭が真っ白になって倒れていた。だってほんとにいきなりだったから! トイレから出るところなんか見られたくなかったし!
「いたんだもん、ってそれ理由になってないから」
臨が酢昆布をかみかみしながら言う。酢昆布は臨の大好物だ。あとはもずく酢と激辛の麻婆豆腐とイチゴミルクも好き。この並びの中にあるイチゴミルクって超ヤバくない可愛すぎないああもう臨大好きっ!
「それに、本当だったら私が宮田下くんをフッた後すぐに屋上に来る予定だったでしょ? なんですぐ来ないのよ」
私、心配でめちゃくちゃ探し回ってたんだけど、と臨は不満げに頬杖をつく。
「だから、いざ告白するってなったらドキドキして、足がなかなか動かなくて」
私は気まずさに耐えかねてローテーブルの木目に視線を落とす。
そう。
今日の計画は私が、三日三晩寝ずに考えた史上最高の作戦だった。
人は誰かにフラれたとき、その寂しさを埋めるためにほかの誰かを求める。失恋直後こそが告白の最大のチャンスだと恋愛ハウツー本で読んだのだ。なので臨に宮田下くんのことを強引にフッてもらい、すぐさまその傷を癒すために私が告白して見事宮田下くんの彼女になるっ! って完璧な作戦だったのに、こんな結末が待っていようなんて。
「ま、こうなることは初めから予想できてたけど。自分の引っ込み思案で奥手な性格を考慮してない時点でお察しではあったのよね」
「ううう、返す言葉がありません」
ほんと、せっかく協力してくれた臨に申しわけない。
「だいたい、私が呼び出して強引にフるってアホみたいな話を聞いた段階で、『あ、また帆乃がバカなこと考えてる。絶対うまくいかない。なんかすごい面白いことになりそう』としか思ってなかったけど」
「え? 面白くなりそうなんて思ってたの?」
「それ以外にこんな作戦に協力する理由がある?」
ひどい言われようだが、結果はご覧の有り様なので言い返せない。
「ってかなんで意識取り戻した後も倒れ続けてたの? 帆乃はなにがやりたかったの?」
「あ、あ、あれはその……人工呼吸とか」
よく漫画やアニメであるラッキー展開が訪れるかなぁ、と期待してました。
「なるほど。そういう名目でキスがしたかったのね。でも残念、いまは感染症予防で人命救助の際に人工呼吸はしなくていいことになってるの」
「え? そうなの?」
「当然よ」
知らなかったぁ!
じゃあ現実ではもうラッキーキッス展開は起こらないのかぁ。
「あのね帆乃。あんたは人工呼吸でキッスをゲット! みたいなこと考えるような変態なんだから」
「ちょっと待って? 私が変態なわけないでしょ」
「寝言は寝てから言いなさい。変態下くんにぴったりの変態坂さんよ」
「そんな、二人の相性が抜群だなんていきなり褒められると」
「は? 褒めてないわ。あんたがド変態だって言ったのよ」
臨はきっぱりと言って、新たな酢昆布をかみかみし始める。
「……私が、ド変態? そんな、ことって」
信じられない。
私は読書が大好きで物静かで清純な乙女だ。
「なんでショック受けてんのよ。変態は変態らしく、おっぱいくらい触らせてやればよかったのよ」
にやりと笑った臨が私の後ろに回って、おっぱいをふにゃふにや揉みしだき始める。
「あっ、ひゃ! ちちちちょっと、りん、やめ……んんっ、ひゃ!」
「すごいわ。こんな大きいのに感度もいいなんて……ちょっとムカついてきたわ」
自分の胸に視線を落とした臨の揉みしだく力が一段と強くなる。だからやめて。もう限界ぃ。ひひゃあん!
「こんなにもすっごくいい武器を持ってるのにほんともったいない。おっぱいさえ揉ませればどんな男もその魅力から逃れられることはできないはずなのに」
「むむ、無理に決まって、ひゃ! りゅりゅるでしょ?」
「どうして? 見せて揉ませるだけ。二秒で完結するわ」
「そんな恥ずかしいことできるわけないでしょ!」
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も、もう。
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