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猫コスプレをかけた戦い
吉良坂猫爆誕①
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「梨本様にそう言われては引き下がるしかありませんね。最後の指令には一番すごいのを残しておいたのですが」
「ちょっと事情が変わったのよ。今朝びびびっとインスピレーションが湧いて、急遽作っちゃったから」
「帆乃様は幸せですね。あなたみたいな人が近くにいらっしゃるのですから」
「私は面白いから協力してるだけよ。この二人の話を聞いてると想像力が止まらないの」
「面白い……たしかにそうですね」
梨本さんと草飼さんが同じタイミングでほくそ笑んだ。
だからあなたたちは吉良坂さんの親友とメイドですよね?
吉良坂さんをおもちゃにして楽しんでませんかねぇ?
「まあ、とにもかくにも」
草飼さんはコホンと咳払いをしてから、一歩下がった。
「あとは梨本様にお任せします。多少のズレはありますが、あらかた計画通りに進めておきました」
「ええ。ありがとうと言っておくわ」
梨本さんが感謝の言葉を述べると、草飼さんは両手でスカートの裾を軽く持ち上げて会釈し、すたすたと歩いてこの部屋を出ていった。
「さて、と」
扉が閉まるのを見てから、梨本さんが言う。
「ちょっと帆乃。こっちに来て」
「え、うん」
吉良坂さんが立ち上がって、梨本さんの方へ歩いていく。下着姿のまま。無防備なまま。足を動かすたびに動くお尻がまたエロい。
「んで、宮田下くんの方を向いて」
「……これでいいの?」
吉良坂さんが俺の方を向く。
だからね、あなたもう感覚がマヒしてるのかもしれないけど、下着姿なの忘れないで。俺は倫理的にあなたを凝視できないの! なのに凝視してる不思議! いやー人間って面白いなぁ。
「そ。で、ちょっと待ってね」
梨本さんが、持っていたタブレットを操作し始める。
「あ、もう薬の効力は切れてるはずだから、身体は動くようになってるはずよ」
こちらを見もせずに言ったので、それが俺に言われた言葉だと気づくのに五秒ほどかかってしまった。
「……ってか、この薬も梨本さんがかかわってるのかよ」
俺は胡坐をかいて座り、腕を回しながらぼやく。
「機械だけが発明じゃないのよ」
「もしかして梨本さんってマッドサイエンティスト?」
「その言い方は気に食わないわね。発明品にも発明家にも罪はないわ。罪深いのはその発明を悪用しようとする人間の心よ」
「なんかかっこいいこと言ってますけど、梨本さんも発明を悪用してる側では?」
「私の発明品を私がどう使おうが私の勝手でしょ?」
ああこいつ開き直りやがった!
「って、そんなどうでもいいことより」
どうでもよくない!
「できた。これで、こうして、こうっと」
梨本さんがタブレットの画面を人差し指でタップする。
すると、吉良坂さんの身体がびくんと跳ね、「あっ、んんっ」というなまめかしい喘ぎ声を漏らした。
「これで帆乃はあなたの言うことをなんでも聞くようになったわ。ま、使用限界は変わらないから、草飼が使った分を差し引くとあと一回しかないけど」
チョットナニイッテルノイミワカンナイクワシクキカセロ。
「このリングはね、装着して電源を入れた後、最初に視界に入った人間の言うことを聞くようになってるの。だから一旦リセットをかけて、帆乃を自由にさせる権利を譲渡させたってわけ」
あーなるほどそういうことね。完全に理解した。
梨本さんさすがっす!
「そして……最後にこうよ」
梨本さんが吉良坂さんの頭に、猫耳のついたカチューシャを装着する。
あら不思議。
吉良坂さんが四つん這いになったではありませんか。
いや下着姿で四つん這いって、それもうやばいから!
「んにゃーぁ」
さらに猫の鳴きまねまでしたではありませんか。猫がよくやる動作である、丸めた手で頬をすりすりもしている。……あ、今度はお座りした。一番ヤバいよその体勢! 開いた足の間に両腕を伸ばして、手のひらを床にくっつけている。昔グラビア雑誌ではやったM字開脚みたいになってるから!
「この猫耳カチューシャを装着してる人はね、自分のことを猫だと思い込んでしまうのよ」
なるほどそういうことね完全に理解した。理解できないけど理解した。
つまり吉良坂さんはいま猫ってことね。
「……でも、なんでそんなことを?」
「ちょっと事情が変わったのよ。今朝びびびっとインスピレーションが湧いて、急遽作っちゃったから」
「帆乃様は幸せですね。あなたみたいな人が近くにいらっしゃるのですから」
「私は面白いから協力してるだけよ。この二人の話を聞いてると想像力が止まらないの」
「面白い……たしかにそうですね」
梨本さんと草飼さんが同じタイミングでほくそ笑んだ。
だからあなたたちは吉良坂さんの親友とメイドですよね?
吉良坂さんをおもちゃにして楽しんでませんかねぇ?
「まあ、とにもかくにも」
草飼さんはコホンと咳払いをしてから、一歩下がった。
「あとは梨本様にお任せします。多少のズレはありますが、あらかた計画通りに進めておきました」
「ええ。ありがとうと言っておくわ」
梨本さんが感謝の言葉を述べると、草飼さんは両手でスカートの裾を軽く持ち上げて会釈し、すたすたと歩いてこの部屋を出ていった。
「さて、と」
扉が閉まるのを見てから、梨本さんが言う。
「ちょっと帆乃。こっちに来て」
「え、うん」
吉良坂さんが立ち上がって、梨本さんの方へ歩いていく。下着姿のまま。無防備なまま。足を動かすたびに動くお尻がまたエロい。
「んで、宮田下くんの方を向いて」
「……これでいいの?」
吉良坂さんが俺の方を向く。
だからね、あなたもう感覚がマヒしてるのかもしれないけど、下着姿なの忘れないで。俺は倫理的にあなたを凝視できないの! なのに凝視してる不思議! いやー人間って面白いなぁ。
「そ。で、ちょっと待ってね」
梨本さんが、持っていたタブレットを操作し始める。
「あ、もう薬の効力は切れてるはずだから、身体は動くようになってるはずよ」
こちらを見もせずに言ったので、それが俺に言われた言葉だと気づくのに五秒ほどかかってしまった。
「……ってか、この薬も梨本さんがかかわってるのかよ」
俺は胡坐をかいて座り、腕を回しながらぼやく。
「機械だけが発明じゃないのよ」
「もしかして梨本さんってマッドサイエンティスト?」
「その言い方は気に食わないわね。発明品にも発明家にも罪はないわ。罪深いのはその発明を悪用しようとする人間の心よ」
「なんかかっこいいこと言ってますけど、梨本さんも発明を悪用してる側では?」
「私の発明品を私がどう使おうが私の勝手でしょ?」
ああこいつ開き直りやがった!
「って、そんなどうでもいいことより」
どうでもよくない!
「できた。これで、こうして、こうっと」
梨本さんがタブレットの画面を人差し指でタップする。
すると、吉良坂さんの身体がびくんと跳ね、「あっ、んんっ」というなまめかしい喘ぎ声を漏らした。
「これで帆乃はあなたの言うことをなんでも聞くようになったわ。ま、使用限界は変わらないから、草飼が使った分を差し引くとあと一回しかないけど」
チョットナニイッテルノイミワカンナイクワシクキカセロ。
「このリングはね、装着して電源を入れた後、最初に視界に入った人間の言うことを聞くようになってるの。だから一旦リセットをかけて、帆乃を自由にさせる権利を譲渡させたってわけ」
あーなるほどそういうことね。完全に理解した。
梨本さんさすがっす!
「そして……最後にこうよ」
梨本さんが吉良坂さんの頭に、猫耳のついたカチューシャを装着する。
あら不思議。
吉良坂さんが四つん這いになったではありませんか。
いや下着姿で四つん這いって、それもうやばいから!
「んにゃーぁ」
さらに猫の鳴きまねまでしたではありませんか。猫がよくやる動作である、丸めた手で頬をすりすりもしている。……あ、今度はお座りした。一番ヤバいよその体勢! 開いた足の間に両腕を伸ばして、手のひらを床にくっつけている。昔グラビア雑誌ではやったM字開脚みたいになってるから!
「この猫耳カチューシャを装着してる人はね、自分のことを猫だと思い込んでしまうのよ」
なるほどそういうことね完全に理解した。理解できないけど理解した。
つまり吉良坂さんはいま猫ってことね。
「……でも、なんでそんなことを?」
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