俺と彼女のせいしをかけた戦い(ラブコメ) 〜美少女のご主人様が奴隷の俺を興奮させようとエッチなことばかりしてくるんだが〜

田中ケケ

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猫コスプレをかけた戦い

吉良坂猫爆誕②

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「あら、あなた猫が好きなんじゃなかったかしら?」

 梨本さんが首をかしげると同時に、吉良坂猫も首を傾げた。そのリンクした動き可愛すぎかよ?

「ま、まあ、たしかに」

 そういや今朝、俺が猫をなでているところを梨本さんに見られてたんだったなぁ。

「なんでそんなに微妙な反応なの? わざわざ私が学校休んで発明してあげたのよ? あなたが猫を飼いたいって言うから。帆乃を猫にしてあげたの」
「うん。途中までは理解できたけど、最後の一文だけ全く理解できなかったよ」
「どうして? 私、あなたにご褒美をあげるって言わなかったかしら? 最高でしょ? いまの帆乃はなんでも言うことを聞く、あなたに従順な可愛い猫なのよ」
 
 梨本さんは吉良坂さんの首に鈴のついた赤いリボンをつけてから、おすまし顔で座っている吉良坂さんのあごの下を手でわしゃわしゃなでる。

 吉良坂猫は気持ちよさそうに目を細めて「んにゃーぁ」と鳴いた。

 鈴をシャンシャンさせながら梨本さんの方を向いて、その足に頬をすりすり。

 やばいなにこのエロ可愛い生き物。

 俺もなでたい。

 ってか冷静に考えてニーハイ下着姿の女の子の猫コスプレってことでしょ?

 はしゃがない男なんているの?

 下着姿が嫌いな男はいないし、猫が嫌いな俺もいない!

 つまり性癖ドストライク!

「そんなに羨ましがらなくても大丈夫よ。このエロ可愛い帆乃猫は宮田下くんの言うことをなんでも聞くんだから、好きなだけなでまわしていじくりまわして突きまくってにゃぁにゃぁあんあん鳴かせることもできるわ」
「言い方に悪意がありすぎだから! そんな欲求ないから」

 ごめんなさい。現在進行形で嘘をついてます。

 だってそうだろ?

 いまの俺は俺の好きなものばかりが詰まったガラスケースの中を食い入るようにのぞき込む子供みたいなものだ。うん、テンション上がりまくってて、例えがまったく意味わからないよ!

「へぇ。欲求がない、ねぇ。でもあなたがそうでもこの子はそうじゃないんじゃないかしら? 自由気ままに生きる猫に自制心があると思う?」

 誰だ最初に猫は自由気ままな生き物だなんて偏見をあたえて猫を生きにくくしたのは!

 ありがとうございます!

 そのおかげで梨本さんは自制心をなくすプログラムを組み込んでくれました!

 不敵に笑う梨本さんが吉良坂猫をなでるのをやめると、吉良坂猫は四つん這いのまま、猫がよくするように俺の方におしりを突き出して伸びをした。

 ああ、パンツが限界まで伸びて凹凸がさらにくっきりと……。

 猫ってこんなエロい動作してたんだ!

「帆乃。振り返ってごらん。あなたの愛しの宮田下くんがいるわよ」

 梨本さんがそう語りかけると、吉良坂猫がゆっくりと振り返る。

「んにゃぁ? ……んにゃあ!」

 疑問形に聞こえる鳴き声の後、俺を視界にとらえた吉良坂猫の表情がぱあぁっと明るくなる。

 欲望を抑えきれないと言わんばかりに鈴をシャンシャン鳴らしながら俺に駆け寄ってきて飛びついてきた。

「んちょっと! 吉良坂さん」

 吉良坂猫は胡坐をかいている俺の足の上に跨るように座って、胸のあたりに頬をすりすりさせてくる。

 すごく嬉しそうだ。

 シャンシャンにゃあにゃあシャンシャンにゃあにゃあ。

 俺はもういろんな意味で崩壊しそうです。

 やっぱりこんなのだめだ!

 頑張れ俺の理性!

「ちょっと吉良坂さん。正気に戻って」

 俺は吉良坂さんの頭についているカチューシャを外そうと。

「あ、そのカチューシャを強引に外そうとすると帆乃が死ぬわよ」
「えっ?」
「大丈夫。二時間くらいで効力は切れるから、そのあとなら安全に外せるわよ」

 な、なんだそりゃぁあああ! じゃあ最低でも後二時間はこの状態ってこと? なにそれ最高――最悪じゃん! 俺の理性耐えられるかなぁ!

 そんなことを考えている間にも、吉良坂猫の愛情表現はますます強くなっていく。俺を上目遣いで見つめていたと思ったら、俺の首に腕を回してむぎゅっと抱き着いてきて頬と頬をくっつけてすりすり。ああ、その豊満でえちえちな胸とぷにぷにした頬がもうたまらん……って、今度は頬を舌でぺろぺろ舐めてきたっ! ああ、もうやばい!

 吉良坂猫のスキンシップはとどまることを知らない。

 しかもそれを下着姿でやられているものだからもうエロすぎる!

「さぁ宮田下くん。こんなにも可愛いエロ猫ちゃんがあなたの言うことをなんでも聞いてくれるのよ。……あ、もしかしていま考えていることは、私がいたら言えないようなことだったかしら?」

 にやにやと笑っている梨本さん。吉良坂猫を引きはがしたいのはやまやまだが、頬をぺろぺろされる度にどんどん自制心が吸い取られていく。そりゃそうだよ。こんな猫のコスプレをした女の子を前にして、エッチな妄想をしない男なんているわけがない!

「さぁ、いまの帆乃はなんでも言うことを聞いてくれるのよ」
「お、俺は……」

 もう、限界だ。

 俺はこのエロ可愛い猫になにをしてもらいたい?

 もちろん今身に着けている下着を――そんなことを考え始めたそのとき。

 吉良坂猫が、突然俺の頬をぺろぺろするのをやめて、「ふわぁぁぁ」と可愛らしくあくびをした。

「……あ」

 俺は思い出した。

 そういえば今日吉良坂さんは徹夜で小説の原稿を仕上げてたんだっけ。そんなにも切羽詰まっている状況だったのに、昨日吉良坂さんは俺に長い間つき合って膝枕をしてくれたのだ。

「だったら……」

 俺は、吉良坂猫への命令を決めた。

「吉良坂さん。今日は昨日の恩返しで、俺の足を枕にして好きなだけ寝ていいぞ」

 昨日膝枕してもらったんだから、今日はそのお返しに。
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