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庶民街の灯り6
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ライナさんは市場の真ん中らへんのスペースにいた。うわ、ここに迷わずに歩けるレオニスさんはすごいな。最近は来れていなかったというけれど、以前はそれなりに来ていたんだろうなと思う。庶民救済というのは口先だけでなく、きちんと庶民を見てのことなのだと思うと尊敬する。
市場の真ん中あたりは香辛料を売っているお店があるので、香辛料の匂いがした。するとレオニスさんは足を止めた。
「ライナ」
「アーゼンハイツ伯爵さま!」
声をかけられた女性は条件反射のようにピシッと立ち上がった。
「今日はなにか入り用ですか? 伯爵さま自らが足を運ぶなんて」
「いや、久しぶりに市場を見ようと思ってな。それとタクヤがライナに礼を言いたいと言うので来た」
「タクヤ、様?」
「ああ。少し前から私の屋敷に滞在している者だ。なんでも味噌を作ってくれたと聞くが」
「味噌? 大豆から作ったものですか? あれは味噌というものなんですね」
「あれがないと私が味噌スープを飲むことができないのだ。だから私からも礼を言う」
「あ、あの。俺、拓也といいます。味噌を作って頂いてありがとうございました!」
「いいのよ、いいの。そう。あれでスープを作るのね」
「味噌スープは美味しいぞ。1度飲んでみるといい。優しい味がしている」
「そうなんですね。レシピを教えて欲しいわ」
レシピを知りたいというライナさんにわかめの味噌汁のレシピを書いて渡した。いや、味噌汁って簡単だからレシピって言うほどの物でもないけれど、初めてだとどれくらいの味噌を使えばいいのかわからないだろうからな。これで、この王都で味噌汁は流行るだろうか。簡単で美味しいからいい。
「で、どうだ。最近は」
「そうですね。物価高騰で買い控えが増えているみたいです。うちはなくては困るものを売っているからそれほど感じませんけれど、それでもいつもよりは若干減ってます」
売上が少し落ちているというライナさんの顔は疲れて感じた。物価高騰となると、決まった額の中でやりくりするから、減らせるものは減らすからな。日本も物価高騰で大変だけど、ここでも同じことが起きているんだな。やっぱり庶民というのは世界が違っても同じものらしい。
「そうか。物価高騰もなんとか落ち着けばいいのだが。今はどれくらいあがっている?」
「全体的に今までより50円程度あがってます」
「50円は高いな」
「はい。物価が上がる分、賃金が上がればいいんですけど、それもないので、そうするとどうしても買い控えになってしまうんですよね」
「そうか。賃金か。賃金が上がれば買い控えも落ち着くか」
「だと思います」
「意見に礼を言う。ああ、味噌を作ってくれた礼だ。これを受け取ってくれ」
そう言ってレオニスさんは金貨1枚をライナさんに渡した。
「そんな! 味噌のお金はすでにお屋敷から頂いていますので」
「味噌スープは私の好物なのでな。それをわざわざ作ってくれたのだからこれくらいは当たり前だろう。気持ちとして受け取ってくれ」
ライナさんは申し訳ないという顔をしながらも、それではと言って有難そうに金貨を受け取った。
「あの。また味噌を作って貰うこともあると思うので、そのときはまたお願いします」
俺はそう言って頭をさげた。味噌は味噌汁以外にも料理にも使うことがあるし、和食には欠かせない調味料だからだ。
「いつでも言って。いつでも作るから。それに味噌スープも作ってみるわ」
そう言ってライナさんは笑った。ああ、やっと笑った。レオニスさんがいるから緊張しているのはあると思うけれど、笑顔がないのが気になっていた。
「ライナ。もし暮らしでなにかあったら屋敷にくるといい。私がいなくてもニコラスが話しを聞くし、私がいるときは私が直接聞く」
「ありがとうございます。そうさせていただきます」
ああ。この人はこうやって庶民の話をきちんと聞こうとするから、きっと庶民からは慕われているだろう。
「タクヤ。市場をもう少し歩いてみるか?」
「はい。少し見たいです」
「では、また来る」
「ありがとうございました」
レオニスさんはライナさんのスペースから離れて、辺りを見て歩いた。
市場の真ん中あたりは香辛料を売っているお店があるので、香辛料の匂いがした。するとレオニスさんは足を止めた。
「ライナ」
「アーゼンハイツ伯爵さま!」
声をかけられた女性は条件反射のようにピシッと立ち上がった。
「今日はなにか入り用ですか? 伯爵さま自らが足を運ぶなんて」
「いや、久しぶりに市場を見ようと思ってな。それとタクヤがライナに礼を言いたいと言うので来た」
「タクヤ、様?」
「ああ。少し前から私の屋敷に滞在している者だ。なんでも味噌を作ってくれたと聞くが」
「味噌? 大豆から作ったものですか? あれは味噌というものなんですね」
「あれがないと私が味噌スープを飲むことができないのだ。だから私からも礼を言う」
「あ、あの。俺、拓也といいます。味噌を作って頂いてありがとうございました!」
「いいのよ、いいの。そう。あれでスープを作るのね」
「味噌スープは美味しいぞ。1度飲んでみるといい。優しい味がしている」
「そうなんですね。レシピを教えて欲しいわ」
レシピを知りたいというライナさんにわかめの味噌汁のレシピを書いて渡した。いや、味噌汁って簡単だからレシピって言うほどの物でもないけれど、初めてだとどれくらいの味噌を使えばいいのかわからないだろうからな。これで、この王都で味噌汁は流行るだろうか。簡単で美味しいからいい。
「で、どうだ。最近は」
「そうですね。物価高騰で買い控えが増えているみたいです。うちはなくては困るものを売っているからそれほど感じませんけれど、それでもいつもよりは若干減ってます」
売上が少し落ちているというライナさんの顔は疲れて感じた。物価高騰となると、決まった額の中でやりくりするから、減らせるものは減らすからな。日本も物価高騰で大変だけど、ここでも同じことが起きているんだな。やっぱり庶民というのは世界が違っても同じものらしい。
「そうか。物価高騰もなんとか落ち着けばいいのだが。今はどれくらいあがっている?」
「全体的に今までより50円程度あがってます」
「50円は高いな」
「はい。物価が上がる分、賃金が上がればいいんですけど、それもないので、そうするとどうしても買い控えになってしまうんですよね」
「そうか。賃金か。賃金が上がれば買い控えも落ち着くか」
「だと思います」
「意見に礼を言う。ああ、味噌を作ってくれた礼だ。これを受け取ってくれ」
そう言ってレオニスさんは金貨1枚をライナさんに渡した。
「そんな! 味噌のお金はすでにお屋敷から頂いていますので」
「味噌スープは私の好物なのでな。それをわざわざ作ってくれたのだからこれくらいは当たり前だろう。気持ちとして受け取ってくれ」
ライナさんは申し訳ないという顔をしながらも、それではと言って有難そうに金貨を受け取った。
「あの。また味噌を作って貰うこともあると思うので、そのときはまたお願いします」
俺はそう言って頭をさげた。味噌は味噌汁以外にも料理にも使うことがあるし、和食には欠かせない調味料だからだ。
「いつでも言って。いつでも作るから。それに味噌スープも作ってみるわ」
そう言ってライナさんは笑った。ああ、やっと笑った。レオニスさんがいるから緊張しているのはあると思うけれど、笑顔がないのが気になっていた。
「ライナ。もし暮らしでなにかあったら屋敷にくるといい。私がいなくてもニコラスが話しを聞くし、私がいるときは私が直接聞く」
「ありがとうございます。そうさせていただきます」
ああ。この人はこうやって庶民の話をきちんと聞こうとするから、きっと庶民からは慕われているだろう。
「タクヤ。市場をもう少し歩いてみるか?」
「はい。少し見たいです」
「では、また来る」
「ありがとうございました」
レオニスさんはライナさんのスペースから離れて、辺りを見て歩いた。
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