春は君のとなり 〜Tokyo & Seoul 〜

水無瀬 蒼

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これが日本の居酒屋5

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「イジュンは日食のお店、結構行くの?」
「そうだね。結構行ってる方だと思うよ。寿司は数ヶ月に1回だけど。韓国では高いんだ」
「高いって回らないお寿司屋?」
「いや、回転寿司もだよ。それでも結構いい値段するんだよね。日本でも高い?」
「回転寿司で高いって思ったことないな」
「じゃあやっぱり行かなきゃだ」
「回転寿司でいいの?」
「回らない寿司屋が安いならそれがいいけど」
「回らないとこは高いよ」
「やっぱりそうだよね。じゃあ回るところだ」

 イジュンはちょっと残念そうにそう言った。そしてお腹が空いているのか料理をどんどん胃におさめていってる。そして唐揚げを食べて少しなにかを考えているようだ。口に合わなかったのだろうか。韓国の方が美味しいとか?

「やっぱり揚げ物は日本の方が美味しいみたいだ。お弁当屋さんのも特に油っこいと思ったことはなかったけど、なんだろう。なにかが違うんだ。で、日本の方が美味しい」
「油の話しじゃなくて?」
「うん。違うと思う」

 へえ。油云々でなく、か。そういえば某チキンチェーン店は、同じレシピで作っているはずなのに、お店によって味が微妙に違うということを思い出した。そんな問題なのかもしれない。

「でも、そんなに日本食食べられるなら韓国で住んでも問題なさそうだね」
「かもしれない。たまに韓国料理を挟む感じなら日本食も飽きずに食べられる。ところで明日海。お腹が空いてるから、もっと食べたいんだけど」
「いいよ。なにが食べたい?」
「と訊かれても日本語読めないし、なにがあるかわからないから、おまかせしてもいい?」
「わかった。じゃあ適当に頼むね」

 そういって、焼き鳥、ポテトフライ、ポテトサラダ、おでんを注文した。好き嫌いがないというから、気にしなくていいのは楽だ。
 
「なにが出てくるんだろう。楽しみだ」
「明日はどこ行くの?」
「今日スカイツリーに行ったから、今度は東京タワーかな」
「俺、一緒に行った方がいい?」
「もちろん! 明日海が時間あるならぜひ!」

 俺が行った方がいいか訊くとイジュンは嬉しそうに笑った。まぁ、道案内くらいはできるかな? って、東京タワーなんて子供の頃行っただけだから、行き方知らないや。そう思ってスマホで検索する。イジュンが泊まっているのは上野だから、浜松町まで行って、そこからバスかな?

「明日はJRとバスで行こう」

 どこで待ち合わせしたらいいかな? と思ったところでポテトフライとポテトサラダが運ばれてきたので、食べながら話す。

「午前中はどこに行くの?」
「浅草!」
「また浅草行くの?」
「浅草神社っていうところにまだ行ってないんだ。神社って悪いところじゃないよね?」
「神社が悪い?」
「ほら、日本の政治家が参拝したりして、問題になるところ。浅草神社もそんなところなの?」

 ああ靖国神社か。日韓で問題になるから、韓国人のイジュンにとっては良くないところっていうイメージがあるのか。靖国神社だって、韓国人は知らないから反発しているだけだと俺は思っている。

「全然悪いところじゃないよ。というか神社自体悪いところじゃない。神様を祀っているところだから」
「そうなの? 日本の神様は韓国人には悪いとかない?」

 イジュンの発想に俺は笑ってしまった。韓国人に悪いなら、それもう神様じゃないから。そう言うとイジュンは眉を垂らした。まぁ、靖国神社問題があるからそう思ってしまうんだろうな。でも、それを説明すると長くなるから、今は割愛する。

「悪いところじゃなくて、神様がいるなら行きたい」

 神社か。1人で行かせてもいいけど、参拝の仕方もなにもわからないだろうし、そうしたら俺が一緒に行った方がいいかな。

「昼過ぎまで待てるなら、浅草神社も俺が案内するよ。東京タワーは夜になってもいいだろう? 夜景見れるから」
「浅草神社も明日海が案内してくれるの? そしたらそれまではここの市場でも見てるよ」
「そっか。じゃあ浅草待ち合わせにするか?」
「うん」

 と言って明日の待ち合わせを決めたところでおでんと焼き鳥が運ばれてきた。
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