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第2話 「日常と今後の目標」
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ここ時雨高校は超大都会東京のはずれにある。東京の高校、と言えばそれは都会感溢れる感じがするがそうではない。校舎は大自然の山々に囲まれ生徒の大半は学生寮から通っているのだ。
例にも漏れずかく言う俺もそうである。
今日も部員達とまるで下山をするかのように登校している。
「未だに慣れないわこれ」
水亜は急な斜面を恐る恐る下りながらそう言う。
「確かに一苦労だよな。何もこんな山に寮を建てなくても」
「拙者は朝からいい運動になるので好きです!」
春樹は軽く走りながら下っていく。奴の原動力はどこから湧き上がってくるのだ。
「そういえば湯雲殿やミクル殿は?今日はいないですが」
例の丸メガネをくいっと目頭に押し込み春樹は言う。
「今日は生徒会の集まりで朝が早いみたいよ~あの2人」
「「せ、生徒会!?」」
俺も全く知らなかった。湯雲さんはともかくミクルが生徒会だと?
俺と春樹は顔を見合わせ水亜に聞こえないように小声で話す。
「私たちみたいなのと生徒会の彼女らが仲良くしてるなんて男子界隈に知れたら...殺されますよ!京太郎殿!」
「そ、そうだな、ミクルも結構男子には人気があるからな...」
男子界隈では湯雲さんの話題でもちきりで『 今日一言話した!』というだけで羨ましがられたりひがまれたりしてしまう。
ミクルはミクルでロリ嗜好の男子界隈には爆発的な人気を誇っているのだ。
俺や春樹が男子の中でも力のある方ならいいのだがお互い友達は少ないし影も薄い。
しかも湯雲さんやミクルが生徒会に所属したとなればさらにまずくなる。
時雨高校生徒会は一種の信仰とも呼べるブランドがあり皆の憧れの象徴なのだ。
今のところ帰宅部と何ら変わらない部活に所属してくれている学校で人気の2人。
そしてその人気に追い詰められそうな俺と春樹。
...だがそれは決して2人が悪い訳では無い。
ここは部長として皆がうまく回る方法を模索しなくてはならない。
...
ならばどうするか?
....
....
答えはひとつだ。
成功とか金はひとまず置いておいて目の前の課題を解決していかなくてはな...。
「企業が新作VRMMOを発表する展示会が夏にあるんだ」
俺は春樹にも水亜にも聞こえるように言う。
「それってWGFのこと?」
水亜は首を傾げ聞く。
「そう。俺達開発部はそこに出場することをとりあえずの目標にしようと思うんだ」
WGFは「World Game Fest 」の略称でメディアからも国民からも、注目度がかなり高いゲームの祭典だ。
つまりそこに学生の団体が出場した、となれば...
「拙者わかりましたぞ!京太郎殿の狙いが!実績を積んで我らが開発部を学校の公式部活にしようということですか!」
「その通り!」
公的な部活になると何がいいのか?
まず一つは学校から支援がでること。
二つめは部室の向上化。
そして三つ目は学校での俺や春樹の評価が上がることだ。WGFに出てメディアに露出すればゲームクリエイター、という通り名が付くはず。となれば湯雲さんと普通に学校でも接していても問題ないはずだ。
世界的なVRMMOの祭典に出場した、となれば学校側も黙っていられない。
確実に公式部活になれる。
「ところでそのWGFに出るためにはどうするの?」
水亜は首を傾げる。
「主催者側が行うVRMMOのコンテストで入賞すればでれる。まぁ入賞するかしないかはとりあえず置いておいてゲームを一つ夏までに完成させよう。それが今の目標だ、というわけで放課後はそれについての会議をみんなでしたい」
「りょーかい。璃咲とミクルにも伝えとくよ」
「拙者も承知しました!」
水亜と春樹が快諾してくれたようで俺はホッとした。ふと思い立って立ち上げた部活だが水亜の協力もあり部員1名という危機からは脱せたしなんとなく目指す方向性も決まってきた。
やはり水亜には頭が上がらないな。
「水亜、ありがとな」
俺は水亜の肩を叩いて言う。
「へっ?....な!いきなりなによ?」
水亜はなにか気に食わないのか顔を赤くしてこっちを凝視する。
「い、いやその、いつもありがとうって...だけなんだけど..」
「ふ、ふんっ...!...か、勝手に言ってなさい!馬鹿。」
「ば、ばかぁ...?」
知り合って10年になるが、未だに水亜はよくわからんやつだ。よく勝手に怒り出す。
「そこいちゃつかない!さて学校につきましたぞ!」
「「いちゃついてないし!」」
俺とミアは春樹に大声で叫ぶ。その刹那、
『 はもるなぁ!』と水亜の飛び蹴りがまた脇腹に炸裂する。二回転くらいして校庭のグラウンドに叩きつけられる。
「ぐはっ...んなアホな..」
いつもに増して威力が半端じゃない。
女の子の敵に蹴られるまくるVRMMOも悪くないかも知れない。
春樹に起こされながらふとそう思う俺であった。
例にも漏れずかく言う俺もそうである。
今日も部員達とまるで下山をするかのように登校している。
「未だに慣れないわこれ」
水亜は急な斜面を恐る恐る下りながらそう言う。
「確かに一苦労だよな。何もこんな山に寮を建てなくても」
「拙者は朝からいい運動になるので好きです!」
春樹は軽く走りながら下っていく。奴の原動力はどこから湧き上がってくるのだ。
「そういえば湯雲殿やミクル殿は?今日はいないですが」
例の丸メガネをくいっと目頭に押し込み春樹は言う。
「今日は生徒会の集まりで朝が早いみたいよ~あの2人」
「「せ、生徒会!?」」
俺も全く知らなかった。湯雲さんはともかくミクルが生徒会だと?
俺と春樹は顔を見合わせ水亜に聞こえないように小声で話す。
「私たちみたいなのと生徒会の彼女らが仲良くしてるなんて男子界隈に知れたら...殺されますよ!京太郎殿!」
「そ、そうだな、ミクルも結構男子には人気があるからな...」
男子界隈では湯雲さんの話題でもちきりで『 今日一言話した!』というだけで羨ましがられたりひがまれたりしてしまう。
ミクルはミクルでロリ嗜好の男子界隈には爆発的な人気を誇っているのだ。
俺や春樹が男子の中でも力のある方ならいいのだがお互い友達は少ないし影も薄い。
しかも湯雲さんやミクルが生徒会に所属したとなればさらにまずくなる。
時雨高校生徒会は一種の信仰とも呼べるブランドがあり皆の憧れの象徴なのだ。
今のところ帰宅部と何ら変わらない部活に所属してくれている学校で人気の2人。
そしてその人気に追い詰められそうな俺と春樹。
...だがそれは決して2人が悪い訳では無い。
ここは部長として皆がうまく回る方法を模索しなくてはならない。
...
ならばどうするか?
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答えはひとつだ。
成功とか金はひとまず置いておいて目の前の課題を解決していかなくてはな...。
「企業が新作VRMMOを発表する展示会が夏にあるんだ」
俺は春樹にも水亜にも聞こえるように言う。
「それってWGFのこと?」
水亜は首を傾げ聞く。
「そう。俺達開発部はそこに出場することをとりあえずの目標にしようと思うんだ」
WGFは「World Game Fest 」の略称でメディアからも国民からも、注目度がかなり高いゲームの祭典だ。
つまりそこに学生の団体が出場した、となれば...
「拙者わかりましたぞ!京太郎殿の狙いが!実績を積んで我らが開発部を学校の公式部活にしようということですか!」
「その通り!」
公的な部活になると何がいいのか?
まず一つは学校から支援がでること。
二つめは部室の向上化。
そして三つ目は学校での俺や春樹の評価が上がることだ。WGFに出てメディアに露出すればゲームクリエイター、という通り名が付くはず。となれば湯雲さんと普通に学校でも接していても問題ないはずだ。
世界的なVRMMOの祭典に出場した、となれば学校側も黙っていられない。
確実に公式部活になれる。
「ところでそのWGFに出るためにはどうするの?」
水亜は首を傾げる。
「主催者側が行うVRMMOのコンテストで入賞すればでれる。まぁ入賞するかしないかはとりあえず置いておいてゲームを一つ夏までに完成させよう。それが今の目標だ、というわけで放課後はそれについての会議をみんなでしたい」
「りょーかい。璃咲とミクルにも伝えとくよ」
「拙者も承知しました!」
水亜と春樹が快諾してくれたようで俺はホッとした。ふと思い立って立ち上げた部活だが水亜の協力もあり部員1名という危機からは脱せたしなんとなく目指す方向性も決まってきた。
やはり水亜には頭が上がらないな。
「水亜、ありがとな」
俺は水亜の肩を叩いて言う。
「へっ?....な!いきなりなによ?」
水亜はなにか気に食わないのか顔を赤くしてこっちを凝視する。
「い、いやその、いつもありがとうって...だけなんだけど..」
「ふ、ふんっ...!...か、勝手に言ってなさい!馬鹿。」
「ば、ばかぁ...?」
知り合って10年になるが、未だに水亜はよくわからんやつだ。よく勝手に怒り出す。
「そこいちゃつかない!さて学校につきましたぞ!」
「「いちゃついてないし!」」
俺とミアは春樹に大声で叫ぶ。その刹那、
『 はもるなぁ!』と水亜の飛び蹴りがまた脇腹に炸裂する。二回転くらいして校庭のグラウンドに叩きつけられる。
「ぐはっ...んなアホな..」
いつもに増して威力が半端じゃない。
女の子の敵に蹴られるまくるVRMMOも悪くないかも知れない。
春樹に起こされながらふとそう思う俺であった。
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