魔物集うダンスパーティー

夕霧

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フェアリードクターと魔法石の妖精

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レオン:スコットランドに住む大学1年生。
祖母形見のルチルクォーツの手入れ中に妖精ルチルを目覚めさせてしまう
妖精の存在を認知し、潜在能力を引き出すフェアリードクター(本人は無自覚)

ルチル:レオンの祖母の形見、ルチルクォーツのペンダントから生まれた宝石の妖精
女の子だが一人称は俺、女の子らしく、お淑やかに、がとにかく苦手
甘いものが大好き

+++

ルチル「レオ!レーオ!ちょっと、無視するなよ!」

レオン「うん…ちょっと待ってて」

ルチル「待たない!もうすぐお茶の時間なんだぞ!あと三十分でお茶の時間なんだぞ!」

レオン「三十分もあるんだったら、もう少し静かに待ってて」

ルチル「お菓子も紅茶の準備も何もしてないのに!なんでそんなに呑気でいられるんだ!レオ!」

レオン「ルチル、お願いだから静かにして。こっちは大事なレポートを仕上げている最中なんだ…。僕の進学にとんでもなく影響するから…」

ルチル「そんなことでお茶の時間を遅らせていいと思ってるのか!?このこの!」

レオン「痛くないけど、地味に痛い。…大丈夫だよ。お茶の時間に間に合うようにクッキーは焼いてるから」

ルチル「クッキー!?焼いてるの!?なんだよー!そうならそうと早く言えよな!焦ったじゃないか!」

レオン「…お菓子を用意しろって再三うるさくしてたのはどこの誰だっけ」

『』←心の声

レオン『この落ち着きのない妖精、ルチルと出会ったのは本当に偶然。祖母の形見のアクセサリーからいきなりこいつが飛び出してきた。妖精は、自分のことをルチル、と名乗った。妖精なんて非科学的な…と思ったけれど、目の前で飛び跳ねられたり、渾身のキックを額に食らってしまったら、認めざるを得ない…。ルチルはとにかく甘いものが好きらしく、その日焼いたクッキーを食べさせたら何故か懐かれ、そのまま家に居座られてしまった。それ以来こうして一緒に生活している』


+++


ルチル「クッキーうまー!」

レオン「そりゃよかったね」

ルチル「レオは食べないのか?」

レオン「レポートでそれどころじゃないよ…期末も迫ってるしね…」

ルチル「ふーん、人間って本当に厄介事やめんどくさいことばっか好きだよなー。オレ達妖精みたいにもっと気楽に生きてりゃ良いのに」

レオン「残念だけど、そう単純に出来てないんだよね。厄介事や面倒なことも好きでやってる訳じゃないし」

ルチル「レオンはフェアリードクターなんだから、オレら妖精のことに従事してりゃいいのに」

レオン「だから、僕はフェアリードクターじゃないって何回も言ってるよね?そのフェアリードクターが何かも分からないのに」

ルチル「フェアリードクターはフェアリードクターだって。それ以外に説明しようがないもん」

レオン「…説明しようって気がないよね、それ」

ルチル「だって、フェアリードクターって…オレ人から聞いた話しか知らないし…」

レオン「人から聞いた話って?」

ルチル「まだオレが妖精じゃなくてただの宝石だった時に聞いた話で、妖精の存在を認知できるのはフェアリードクターの人間だけなんだ、って聞いたんだ。オレのことを認知できたから、レオはフェアリードクターだよ!」

レオン「て、言われても…。僕は普通の学生だし。先祖に魔女がいたこともないし、親戚にドルイドがいるわけでもないし…。やっぱりフェアリードクターとは違うと思うんだけど」

ルチル「いーや!レオはフェアリードクターだね!オレの勘がそう告げているんだから!」

レオン「…信用できない勘だな」

ルチル「なんか言ったか?」

レオン「何も言ってないよ。僕は紅茶だけ飲むから、クッキーはルチルが全部食べていいよ」

ルチル「本当に!?やったー!さっすが!フェアリードクターのレオだぜ!」

レオン「もはやフェアリードクターってつけばなんでもいいって思ってない?」

レオン『ルチルの姿は僕以外には見えていない。どんなに目の前で飛び回られても、服をイタズラされても、僕の家族や友人、大学の先生は全く気付かない。ルチルは自分の存在を気づかせようと色んな人間にちょっかいかけてるけど…僕としては気が気じゃないから、やめてほしい』

レオン「ルチル。明日から1週間は学校には来ちゃだめだよ」

ルチル「え?なんでだよ?」

レオン「なんでって…どうしても。学校で他の人や先生たちにイタズラされたらたまらないもの」

ルチル「オレの楽しみを奪うなよ!それにイタズラは妖精の性だぜ!」

レオン「ルチル!いい加減にしてくれよ…」

ルチル「やーだね!「家の中ではイタズラしちゃダメ」って言われたから学校でイタズラしてやるんだ!」

レオン「学校でもしちゃだめだから!」

レオン『結局、僕の制止も虚しく…。ルチルは学校についてきて、いろんな人にイタズラして、でも気づかれずに終わりました。期末まで本当に静かにしててほしい…僕の心が安らがない…。しばらくこの小さい同居人との生活は続きそうだ』

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