魔物集うダンスパーティー

夕霧

文字の大きさ
5 / 8

魔物集うダンスパーティー~二人のアフタヌーン~

しおりを挟む
リディア・ホワイト
ウィル・オー・ウィスプ主催のダンスパーティーに招かれたエルフ
明るく前向きな性格で惚れっぽい
パーティーで出会ったビクターと恋仲になり、毎週日曜の二人きりのアフタヌーンを楽しんでいる

ビクター・ブラウン
ウィル・オー・ウィプス主催のダンスパーティーに招待されたヴァンパイア
紳士的で理知的、人を困らせない程度に驚かせることが好き
パーティーで出会ったリディアに一目惚れした

+++

スコットランド・リディアの家

リディア「冷蔵庫に入れてから結構経ったし…そろそろいいかな…?」
(冷蔵庫からティラミスを取り出す)

リディア「よかった!いい感じに固まっている!あとはここにココアパウダーを振って……よし、完璧!」
(コンコン、と窓をノックする音)

リディア「え?今の音は…?」
(リディア、不審に思ってキッチンの窓に近づく。開けるとそこにはビクターの姿があった)

ビクター「ご機嫌よう、レディ・リディア」

リディア「まぁ!ビクター様!」

ビクター「ふふっ、驚きましたか?」

リディア「驚きました…窓の外にいらっしゃるなんて想定外です」

ビクター「貴女をビックリさせようと思って…大成功ですね」

リディア「もう…ビックリしてボウルを投げつけるところでしたよ?」

ビクター「それは…痛そうなのでやめてくださいね」

リディア「冗談です。ところで何故窓に?玄関にいてくだされば開けましたのに」

ビクター「実は伝え忘れたことがありまして…玄関でわたしを招く時に「いらっしゃい」と言ってくれますか?」

リディア「構いませんが…何故ですか?」

ビクター「わたしは魔物。妖精の住む家に上がるには簡易的ではありますが「許可」が必要なのです」

リディア「なるほど。そう言うことでしたか。ビクター様は玄関に回ってくださいね。すぐに開けますから」
(家の中に通されるビクター)

リディア「「いらっしゃいませ」ビクター様」

ビクター「ありがとう、レディ」

(リディア、ビクターを客間に通す)

ビクター「レディ、これをどうぞ」

リディア「紙袋?中を見ても?」

ビクター「どうぞ」

リディア「わぁ!ロールケーキ!」

ビクター「今日のアフタヌーンにピッタリかと思いまして。ロンドンの人気のお店で買いました」

リディア「ロンドンの人気のお店?私の知っているところでしょうか?」

ビクター「紙袋に書いてあります。名前くらいは聞いたことあるかもしれませんね」

リディア「パティスリー・ホーン!ここって、妖精の方が開いているって噂のお菓子屋さんですよね?ロンドンでも屈指の人気を誇るってニュースで見ました。並んだんじゃないですか?」

ビクター「実は、前もって予約しておいたんです。季節限定のロールケーキは売れ行きがいいので予約がオススメだと店長さんが。以前、ロールケーキが一番好きだとおっしゃっていましたよね」

リディア「覚えていらっしゃったんですか?」

ビクター「もちろん、可愛い恋人のことですからね」

リディア「あ、ありがとうございます…」(照れる)

ビクター「それから、ケーキに合いそうな茶葉も持ってきたんです。キッチンをお借りしても?」

リディア「いえ!お茶なら私が淹れます!ビクター様は待っていてください!それに、今キッチンが散らかっていて…」

ビクター「おや。何か作業をしていたんですか?」

リディア「アフタヌーンに出すお菓子の用意を…あとは切り分けるだけなので、待っていてもらえませんか?」

ビクター「分かりました。そう言うことならお待ちしていますね」
(キッチンに戻って十分後、リディアが切り分けたロールケーキとティラミスを運んで持ってくる)

リディア「お待たせしました」

ビクター「ああ、ティラミスですね。とても美味しそうです。これは貴女が?」

リディア「はい。あまりうまくはありませんが、お菓子作りが好きで…以前、ビクター様がコーヒーがお好きだとおっしゃっていたので、ティラミスなら喜んでもらえるかなと…」

ビクター「覚えていてくださったんですね。ティラミスはわたしの好きなお菓子なんです。まさか、貴女の手作りが食べられるなんて…とても嬉しいです」

リディア「そんな…大したものじゃありませんよ。どうぞ、召し上がってください」

ビクター「では、お言葉に甘えて」
(ビクター、ティラミスを食べる)

ビクター「マスカルポーネがとてもクリーミーで美味しいです。甘さも控えめで、紅茶によく合いますね」

リディア「ビクター様に喜んでもらえて嬉しいです」

ビクター「レディ、一つお願いが。わたしのことは敬称をつけず、ビクターとお呼びください」

リディア「え?いいのですか?」

ビクター「はい。わたしたちはもう、恋人と言う関係でしょう?そこに壁や隔たりを作りたくないのです」

リディア「分かりました。ビクター、ですね」

ビクター「はい」

リディア「ビクターもわたしのことは、ただのリディアと呼んでください。その方が、ずっと恋人っぽいと思うし…」
(照れながら)

ビクター「承知しました、リディア」

リディア「私もロールケーキ、いただきます。(一口食べて)ん~!りんごが甘くてとても美味しいです!」

ビクター「そう言ってもらえると予約した甲斐がありました」

リディア「そうだ。今度のアフタヌーンはどこでしますか?」

ビクター「そうですねぇ…ロンドンにあるパティスリー・ホーンに行ってみますか?アフタヌーン限定スイーツも置いているんですよ」

リディア「まぁ!それはぜひ行ってみたいです!」

ビクター「では、次の日曜日に迎えにきますね。それからロンドンへ行きましょう」

リディア「はい!楽しみにしています!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

お姫様は死に、魔女様は目覚めた

悠十
恋愛
 とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。  しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。  そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして…… 「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」  姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。 「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」  魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

愛する義兄に憎まれています

ミカン♬
恋愛
自分と婚約予定の義兄が子爵令嬢の恋人を両親に紹介すると聞いたフィーナは、悲しくて辛くて、やがて心は闇に染まっていった。 義兄はフィーナと結婚して侯爵家を継ぐはずだった、なのにフィーナも両親も裏切って真実の愛を貫くと言う。 許せない!そんなフィーナがとった行動は愛する義兄に憎まれるものだった。 2023/12/27 ミモザと義兄の閑話を投稿しました。 ふわっと設定でサクっと終わります。 他サイトにも投稿。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

処理中です...