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紅茶論争〜角砂糖と粉砂糖を添えて〜
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ウィル・オー・ウィスプ
月の笑う夜、ハロウィンの日にだけ開かれる魔物だけのダンスパーティーを主催する魔物
あの世とこの世の仲介人
物静かで理知的、謎めいている
ベフェーナ
イタリアに住む不老長寿の魔女
お姉さん気質で面倒見がいい
ウィルとは数世紀来の親友
オベロン
全ての妖精を束ね、統治する妖精の王
少年のような容貌だが、大人のように狡賢く、享楽的
誤解を招く物言いが多く、そのせいで妻とは喧嘩が絶えないようだ
ティターニア
全ての妖精を支配し、服従させる妖精の女王
プライドが高く、高圧的。オベロンよりも「王」としての威厳がある
オベロンの妻
『』←心の声
+++
妖精界・妖精王の城
オベロン、ティターニア、ウィル、ベフェーナがティータイムをしている
オベロン「我が妻、ティターニア。いいかげん考えを改めたらどうだ?」
ティターニア「その言葉、そっくりそのままお返ししますわ、あなた」
オベロン「紅茶にふさわしい砂糖は粉砂糖だと何度も言っているだろう!量を調節できて、甘さを出すのも渋みを活かすのも自由自在!これほどうってつけのものはないはずだ!」
ティターニア「我が夫にして、妖精の主人・オベロン王。あなたは何もわかっていないわ。紅茶にふさわしい砂糖は角砂糖よ。砂糖の塊とは繁栄や豊かさの証、つまり、この妖精界が繁栄し、豊かであることの証明です。粉砂糖はいつでも均一な甘さにすることは不可能。その点、角砂糖は優れているわ」
オベロン「いやいや、砂糖の塊が繁栄と豊かさの証だというなら、粉砂糖だってそうだろう!粉になっているか四角く固まっているかの差じゃないか!」
ティターニア「見た目の美しさの問題ですわ。粉砂糖なんてまとまりがなくて美しくないもの」
オベロン「何を言う!角砂糖は古すぎて斬新さがないじゃないか!伝統や習慣は大事にすべきもの、しかし、人間のように日々新しいものを取り入れなくては、我々妖精も置いて行かれてしまうぞ!」
ティターニア「…なぜそこで人間が出てくるのです?今の話に関係ないじゃないですか」
オベロン「関係あるさ!なんて言ったって、マリーが紅茶に入れる砂糖は粉砂糖だと言ったのだからね」
ティターニア「…マリー?誰ですか、それは。まさか、あなた……わたくしというものがありながら、また人間の女性にうつつを抜かして…!」
オベロン「うつつなど抜かすものか、失礼な!我が妻はティターニア、そなただけ。マリーはそうだな…もし、彼女にその気があるなら、側室にしてもいいと思っている!」
ティターニア「まぁ……!なんてこと!あなた、ご自分が何をしているかわかっていらっしゃるの!?」
オベロン「ん?人間を妖精に作り替えることくらい、我ら夫婦には造作もないことだろう?何か問題があるか?」
ティターニア「大いにあります!何を考えているのですか!!」
ベフェーナ「………いつまで続くのかしら、この押し問答」
ウィル「ベフェーナ、口に出てますよ」
ベフェーナ「だって、ずっと似たような話題なんだもの、飽きてきたわよ」
ウィル「……それは、まぁ…同感ですけど…」
ベフェーナ「はぁ……妖精王からいきなりティータイムに連れてこられて、しょうもない夫婦喧嘩を聞かされて……なんだか疲れてきたわ…」
ウィル「それは私もですよ。妖精女王から強制連行でティータイムに参加させられ、論点のずれまくってる夫婦喧嘩を聞かされ……正直うんざりしてます」
ベフェーナ「……あの二人、自分が招いた客人のこと、忘れてるんじゃないかしら?」
ウィル「……………あり得そうなのが怖いところです」
オベロン「ええい、このままでは埒があかない!ベフェーナ!そなたはどう思う?」
ベフェーナ「は?何がです?」
オベロン「人間を妖精に作り替え、我が側室にすることだ。ティターニアは反対らしい」
ウィル「紅茶に合う砂糖云々の話はどこへいったのです?」
ベフェーナ「私が知るわけないでしょ……」
ティターニア「反対に決まっているじゃないですか!あなたの妻はわたくし一人!側室を取るなど、そんな卑しい考え、どこで身につけたのです!?」
オベロン「んん?側室とは親しい女性をそばに置く為の手段ではないのか?」
ウィル「恐れながら妖精王」
オベロン「なんだ?ウィル・オー・ウィスプ」
ウィル「側室とは、一夫多妻制度における妾(めかけ)のことです。妖精王がしようとしていることは第二の妻を娶ると言うことです」
オベロン「…なるほど。妾か…、それはいかんな。我が妻はティターニアただ一人だけと決めている。すまなかった、ティターニア。ひどい思いをさせた」
ティターニア「………わかれば良いのです。次はありませんからね」
オベロン「ああ、もちろんだとも」
ベフェーナ「……一件落着かしら?」
ウィル「恐らく…?」
ティターニア「それで、そのマリーとは一体どこの女性なのです?」
ベフェーナ「……なぜ蒸し返すの」
ウィル「…落着してませんね」
オベロン「ああ、夏至の日に妖精の丘に迷い込んでしまった娘だ。番犬のクー・シーが珍しく懐いたものだから、気になって直接会いに行ったのだ。素直で純朴な娘でな、一目で気に入った。そのまま城へ連れて帰りたかったが、本人が家に帰ることを強く望んだからそのまま帰したのだ」
ウィル「……珍しいですね」
ベフェーナ「ええ、妖精は気に入った人間はすぐ自分の根城に連れて行くのにね」
ティターニア「それで……その娘とはそれ以来会っていないのですよね?」
オベロン「ああ、会っていない。だが、再び妖精の丘へ来た時は我が城に迎え入れようと思っていたところだ!そなたもマリーに会えば気にいるはずだぞ、ティターニア」
ティターニア「…………わかっていないではありませんか!この女ったらし!!」
オベロン「な、なんだ、なぜ怒る!?」
ティターニア「妻はわたくしただ一人だと言っておきながら、別の女性をわたくしたちの城に連れてくるなんて言語道断です!!もうあなたの話など聞きません!」
オベロン「待て待て、ティターニア!予はそなたの話相手としてマリーを迎え入れようと思っていたのだ!」
ティターニア「…………………は?」
ベフェーナ「妖精女王の話相手?」
ウィル「…意味不明ですね」
オベロン「外野は黙っていてくれ!これは夫婦の話し合いだ!」
ベフェーナ「……呼び出したのはそっちのくせに」
ウィル「言うだけ無駄ですよ」
オベロン「ティターニア、そなたは以前、新しい世話係が欲しいと言っていただろう?」
ティターニア「ええ…確かに、側仕えの妖精が一人退職してしまってから、寂しいと思っていましたが…」
ベフェーナ「妖精にも退職って概念があるのね」
ウィル「ベフェーナ、静かに」
オベロン「そこでマリーの話だ。彼女はクー・シーが懐いた特異な娘。妖精相手でも臆せず意思を伝えることのできる娘だ。素直で純朴、その上度胸もある。そなたの側仕えとしてこれほど最良な娘はいないだろう」
ティターニア「オベロン王……あなた……そこまで考えて……」
オベロン「誤解を招くような言い方をしてすまない。だが、予はいつでもそなたを思っていることを忘れないでおくれ」
ティターニア「ええ…あなた、ありがとうございます」
オベロン「なに、愛しい妻のことを思えば当然のこと」
ウィル「ゴホンっ!(咳払い)お取り込み中、大変申し訳ないのですが……」
ベフェーナ「私たちのこと、そろそろ思い出して欲しいんだけど」
ティターニア「あら、ごめんなさい」
オベロン「すまなんだ。こちらの話に夢中でつい忘れておった」
ベフェーナ「……いくら妖精王、女王といえど、ご自身が呼んだ客人の始末くらいはして欲しいものですね?」
ウィル「ベフェーナの意見に同意です」
オベロン「あっはっは!すまんすまん!これも予が妻を心から愛しているからこそ、許してくれ」
ティターニア「まぁ、あなたったら!(照れたように)」
ベフェーナ「はいはい、どうもご馳走様」
ウィル「まぁ、夫婦喧嘩にならなかったようでホッとしました」
ベフェーナ「本当にね。…ところで、そろそろ私たちをティータイムに呼んだ理由を教えて欲しいんだけど?」
オベロン「うん?予がベフェーナと会話がしたかったからだが?」
ティターニア「わたくしも、ウィルとお話したかったからよ?」
ベフェーナ「…………あ、そう……」
ウィル「………それはどうも、ありがとうございます」
ティターニア「…という冗談は置いておいて」
オベロン「本題はやはり、紅茶に合う砂糖の話だ。先程までの話を聞いて二人はどう思った?意見が聞きたい」
ベフェーナ「………はぁあ!?」
ウィル「結局、そこに話が戻ってくるんですね……」
ティターニア「ウィルもベフェーナもわかっているでしょう?紅茶に合う砂糖は角砂糖よ」
オベロン「いいや、粉砂糖だ!二人とも、ティターニアに遠慮しなくていいのだぞ。正直な意見を言ってくれ」
ウィル「失礼ながら、どちらを選んでもしこりが残りそうなので、聞かなかったことにはできませんか?」
ティターニア「あら、そんなこと許すと思って?」
オベロン「ウィル・オー・ウィスプ、これは妖精界を左右する大事な話だ。聞かなかったことにはさせんよ」
ウィル「……これ、砂糖の話ですよね?なぜそんな壮大な話に……?」
オベロン「妖精王と女王が使う砂糖だぞ?妖精界の全妖精が使う砂糖も同じものになる」
ウィル「…………そんなバカなことあります?」
オベロン「バカなこととはなんだ!これは大事なことだぞ!」
ベフェーナ「…………こんな馬鹿げたことに付き合ってられないわ…。ここはさっさとトンズラして……」
ティターニア「ベフェーナ、魔法で逃げようとしても無駄よ?逃げたとしても、すぐロビングッドフェローに追わせるもの」
ベフェーナ「………見逃してはくれないのね」
ティターニア「当然。さぁ、二人とも答えなさい。紅茶にふさわしいのは角砂糖だと」
オベロン「いいや、粉砂糖だ!二人とも、遠慮せず答えてくれ!」
ウィル「…………勘弁してください…」
ベフェーナ「………もうどうでもいいわ」
ウィル『その時の私たちは知らなかった。その場をうやむやにして帰った後、角砂糖と粉砂糖、どちらがいいかという争いは…妖精界を二分する大きな戦争に発展したということを』
月の笑う夜、ハロウィンの日にだけ開かれる魔物だけのダンスパーティーを主催する魔物
あの世とこの世の仲介人
物静かで理知的、謎めいている
ベフェーナ
イタリアに住む不老長寿の魔女
お姉さん気質で面倒見がいい
ウィルとは数世紀来の親友
オベロン
全ての妖精を束ね、統治する妖精の王
少年のような容貌だが、大人のように狡賢く、享楽的
誤解を招く物言いが多く、そのせいで妻とは喧嘩が絶えないようだ
ティターニア
全ての妖精を支配し、服従させる妖精の女王
プライドが高く、高圧的。オベロンよりも「王」としての威厳がある
オベロンの妻
『』←心の声
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オベロン、ティターニア、ウィル、ベフェーナがティータイムをしている
オベロン「我が妻、ティターニア。いいかげん考えを改めたらどうだ?」
ティターニア「その言葉、そっくりそのままお返ししますわ、あなた」
オベロン「紅茶にふさわしい砂糖は粉砂糖だと何度も言っているだろう!量を調節できて、甘さを出すのも渋みを活かすのも自由自在!これほどうってつけのものはないはずだ!」
ティターニア「我が夫にして、妖精の主人・オベロン王。あなたは何もわかっていないわ。紅茶にふさわしい砂糖は角砂糖よ。砂糖の塊とは繁栄や豊かさの証、つまり、この妖精界が繁栄し、豊かであることの証明です。粉砂糖はいつでも均一な甘さにすることは不可能。その点、角砂糖は優れているわ」
オベロン「いやいや、砂糖の塊が繁栄と豊かさの証だというなら、粉砂糖だってそうだろう!粉になっているか四角く固まっているかの差じゃないか!」
ティターニア「見た目の美しさの問題ですわ。粉砂糖なんてまとまりがなくて美しくないもの」
オベロン「何を言う!角砂糖は古すぎて斬新さがないじゃないか!伝統や習慣は大事にすべきもの、しかし、人間のように日々新しいものを取り入れなくては、我々妖精も置いて行かれてしまうぞ!」
ティターニア「…なぜそこで人間が出てくるのです?今の話に関係ないじゃないですか」
オベロン「関係あるさ!なんて言ったって、マリーが紅茶に入れる砂糖は粉砂糖だと言ったのだからね」
ティターニア「…マリー?誰ですか、それは。まさか、あなた……わたくしというものがありながら、また人間の女性にうつつを抜かして…!」
オベロン「うつつなど抜かすものか、失礼な!我が妻はティターニア、そなただけ。マリーはそうだな…もし、彼女にその気があるなら、側室にしてもいいと思っている!」
ティターニア「まぁ……!なんてこと!あなた、ご自分が何をしているかわかっていらっしゃるの!?」
オベロン「ん?人間を妖精に作り替えることくらい、我ら夫婦には造作もないことだろう?何か問題があるか?」
ティターニア「大いにあります!何を考えているのですか!!」
ベフェーナ「………いつまで続くのかしら、この押し問答」
ウィル「ベフェーナ、口に出てますよ」
ベフェーナ「だって、ずっと似たような話題なんだもの、飽きてきたわよ」
ウィル「……それは、まぁ…同感ですけど…」
ベフェーナ「はぁ……妖精王からいきなりティータイムに連れてこられて、しょうもない夫婦喧嘩を聞かされて……なんだか疲れてきたわ…」
ウィル「それは私もですよ。妖精女王から強制連行でティータイムに参加させられ、論点のずれまくってる夫婦喧嘩を聞かされ……正直うんざりしてます」
ベフェーナ「……あの二人、自分が招いた客人のこと、忘れてるんじゃないかしら?」
ウィル「……………あり得そうなのが怖いところです」
オベロン「ええい、このままでは埒があかない!ベフェーナ!そなたはどう思う?」
ベフェーナ「は?何がです?」
オベロン「人間を妖精に作り替え、我が側室にすることだ。ティターニアは反対らしい」
ウィル「紅茶に合う砂糖云々の話はどこへいったのです?」
ベフェーナ「私が知るわけないでしょ……」
ティターニア「反対に決まっているじゃないですか!あなたの妻はわたくし一人!側室を取るなど、そんな卑しい考え、どこで身につけたのです!?」
オベロン「んん?側室とは親しい女性をそばに置く為の手段ではないのか?」
ウィル「恐れながら妖精王」
オベロン「なんだ?ウィル・オー・ウィスプ」
ウィル「側室とは、一夫多妻制度における妾(めかけ)のことです。妖精王がしようとしていることは第二の妻を娶ると言うことです」
オベロン「…なるほど。妾か…、それはいかんな。我が妻はティターニアただ一人だけと決めている。すまなかった、ティターニア。ひどい思いをさせた」
ティターニア「………わかれば良いのです。次はありませんからね」
オベロン「ああ、もちろんだとも」
ベフェーナ「……一件落着かしら?」
ウィル「恐らく…?」
ティターニア「それで、そのマリーとは一体どこの女性なのです?」
ベフェーナ「……なぜ蒸し返すの」
ウィル「…落着してませんね」
オベロン「ああ、夏至の日に妖精の丘に迷い込んでしまった娘だ。番犬のクー・シーが珍しく懐いたものだから、気になって直接会いに行ったのだ。素直で純朴な娘でな、一目で気に入った。そのまま城へ連れて帰りたかったが、本人が家に帰ることを強く望んだからそのまま帰したのだ」
ウィル「……珍しいですね」
ベフェーナ「ええ、妖精は気に入った人間はすぐ自分の根城に連れて行くのにね」
ティターニア「それで……その娘とはそれ以来会っていないのですよね?」
オベロン「ああ、会っていない。だが、再び妖精の丘へ来た時は我が城に迎え入れようと思っていたところだ!そなたもマリーに会えば気にいるはずだぞ、ティターニア」
ティターニア「…………わかっていないではありませんか!この女ったらし!!」
オベロン「な、なんだ、なぜ怒る!?」
ティターニア「妻はわたくしただ一人だと言っておきながら、別の女性をわたくしたちの城に連れてくるなんて言語道断です!!もうあなたの話など聞きません!」
オベロン「待て待て、ティターニア!予はそなたの話相手としてマリーを迎え入れようと思っていたのだ!」
ティターニア「…………………は?」
ベフェーナ「妖精女王の話相手?」
ウィル「…意味不明ですね」
オベロン「外野は黙っていてくれ!これは夫婦の話し合いだ!」
ベフェーナ「……呼び出したのはそっちのくせに」
ウィル「言うだけ無駄ですよ」
オベロン「ティターニア、そなたは以前、新しい世話係が欲しいと言っていただろう?」
ティターニア「ええ…確かに、側仕えの妖精が一人退職してしまってから、寂しいと思っていましたが…」
ベフェーナ「妖精にも退職って概念があるのね」
ウィル「ベフェーナ、静かに」
オベロン「そこでマリーの話だ。彼女はクー・シーが懐いた特異な娘。妖精相手でも臆せず意思を伝えることのできる娘だ。素直で純朴、その上度胸もある。そなたの側仕えとしてこれほど最良な娘はいないだろう」
ティターニア「オベロン王……あなた……そこまで考えて……」
オベロン「誤解を招くような言い方をしてすまない。だが、予はいつでもそなたを思っていることを忘れないでおくれ」
ティターニア「ええ…あなた、ありがとうございます」
オベロン「なに、愛しい妻のことを思えば当然のこと」
ウィル「ゴホンっ!(咳払い)お取り込み中、大変申し訳ないのですが……」
ベフェーナ「私たちのこと、そろそろ思い出して欲しいんだけど」
ティターニア「あら、ごめんなさい」
オベロン「すまなんだ。こちらの話に夢中でつい忘れておった」
ベフェーナ「……いくら妖精王、女王といえど、ご自身が呼んだ客人の始末くらいはして欲しいものですね?」
ウィル「ベフェーナの意見に同意です」
オベロン「あっはっは!すまんすまん!これも予が妻を心から愛しているからこそ、許してくれ」
ティターニア「まぁ、あなたったら!(照れたように)」
ベフェーナ「はいはい、どうもご馳走様」
ウィル「まぁ、夫婦喧嘩にならなかったようでホッとしました」
ベフェーナ「本当にね。…ところで、そろそろ私たちをティータイムに呼んだ理由を教えて欲しいんだけど?」
オベロン「うん?予がベフェーナと会話がしたかったからだが?」
ティターニア「わたくしも、ウィルとお話したかったからよ?」
ベフェーナ「…………あ、そう……」
ウィル「………それはどうも、ありがとうございます」
ティターニア「…という冗談は置いておいて」
オベロン「本題はやはり、紅茶に合う砂糖の話だ。先程までの話を聞いて二人はどう思った?意見が聞きたい」
ベフェーナ「………はぁあ!?」
ウィル「結局、そこに話が戻ってくるんですね……」
ティターニア「ウィルもベフェーナもわかっているでしょう?紅茶に合う砂糖は角砂糖よ」
オベロン「いいや、粉砂糖だ!二人とも、ティターニアに遠慮しなくていいのだぞ。正直な意見を言ってくれ」
ウィル「失礼ながら、どちらを選んでもしこりが残りそうなので、聞かなかったことにはできませんか?」
ティターニア「あら、そんなこと許すと思って?」
オベロン「ウィル・オー・ウィスプ、これは妖精界を左右する大事な話だ。聞かなかったことにはさせんよ」
ウィル「……これ、砂糖の話ですよね?なぜそんな壮大な話に……?」
オベロン「妖精王と女王が使う砂糖だぞ?妖精界の全妖精が使う砂糖も同じものになる」
ウィル「…………そんなバカなことあります?」
オベロン「バカなこととはなんだ!これは大事なことだぞ!」
ベフェーナ「…………こんな馬鹿げたことに付き合ってられないわ…。ここはさっさとトンズラして……」
ティターニア「ベフェーナ、魔法で逃げようとしても無駄よ?逃げたとしても、すぐロビングッドフェローに追わせるもの」
ベフェーナ「………見逃してはくれないのね」
ティターニア「当然。さぁ、二人とも答えなさい。紅茶にふさわしいのは角砂糖だと」
オベロン「いいや、粉砂糖だ!二人とも、遠慮せず答えてくれ!」
ウィル「…………勘弁してください…」
ベフェーナ「………もうどうでもいいわ」
ウィル『その時の私たちは知らなかった。その場をうやむやにして帰った後、角砂糖と粉砂糖、どちらがいいかという争いは…妖精界を二分する大きな戦争に発展したということを』
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