画廊に住む魔術師

夕霧

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画廊に住む魔術師~時計の絵画~

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いらっしゃい。画廊は初めてのお客さんかな。
ふむ…どんな店なのか気になった?いいね、その知的好奇心。何事も興味を持てるのは素晴らしい事だ
ここは絵画を売り買いする場所だよ。プロアマ問わず、出来るだけ多くの作品を展示している。まぁ、展示会に近いかもしれない。
そんな感じだから、絵画の購入をせずに、ただ見るだけのお客さんも来る。
まぁお客さんは今のところ君しかいないし、気のすむまで過ごしてくれ。

++

(客が柱時計の絵画の前で足をとめる)

その絵が気になるかい?
柱時計の絵だ。一昔前に友人からネジ巻き式の時計をもらってね、嬉しくて、届いたその日に描いたものなんだ。
残念なことに、その時計はもう動かなくなってしまったけど。

うん?絵の中の時計が動いている、と?
それはそうだろう。絵とはいえ、これは時計だ。時間を刻まないのはおかしい。
…絵の中の時計が動くはずない、と?
それは狭い常識と価値観の話だ。
君の中で「絵の中の時計は動かない」という常識はここでは使えないだけ
この画廊では「絵」であっても時計は刻まれ続け、動いていく、そんな常識が使われている

使われている、という言い方は少し違うな。
通用する、と言ったほうが正しいのかも

(客に向かって)どうしたんだい?気分が悪い?
それならここを去ったほうがいい。

一方向の常識しか通用できないモノがこの画廊に居続けるのはよくない。
ここは現実とそうでない場所の丁度中間だからね。

(客退場)

それにしても…ふふ、私の魂(たま)こめの力で描かれた時計に惹かれるとは…存外、素質のある子かもしれない。
あの子との縁は繋がれた。これからどのように私とあの子の縁は繋がっていくのかな…?

ふふ、楽しみで仕方ないよ
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