3 / 4
画廊に住む魔術師~空白の額縁~
しおりを挟む
いらっしゃい。
おや?この前のお客さんじゃないか
もう体調はいいのかい?そう。ならいいのだが…。今日はどういった用向きで?
改めて絵画を見に来た?
そうか。ふふ。
いや、失礼。先日は気分を悪くしていたから、もうここには来ないものだと思っていたんだ。
来てくれて嬉しいよ。
見ての通り、お客さんは今日も君しかいない。じっくりと見ておくれ、そうすれば絵も喜ぶ
(一枚一枚熱心に絵を見る客。絵の飾られていない額縁の前で立ち止まる)
どうかしたかい?
ああ、その額縁か。外し忘れた訳じゃないよ。
この額縁にはしばらく絵を飾らないと決めているんだ。
特別な理由はない。
ただ、どんなにいい絵を飾ってもしっくりこなくてね。
どうしても絵が額縁に負けてしまう。
本来なら額縁が絵を立てるのだけれど、どうもこれはその役目を放棄しているようでね。
放棄、というより拒絶に近いかもしれない。
緻密な彫刻や模様など一切入っていない、どこにでもあるようなフレームなのに、不思議だよ。
さぁ、ここで立ち止まっていないで次の絵を見てくれよ。隣にある作品もとても素晴らしいものだからさ
(客が店から出た後)
この額縁に飾られた絵は絵としての命を食われてしまう。
命を食われた絵は作者から吹き込まれた思念がなくなり、絵に込められた意図がなくなってしまう。
やっぱりあの子、魔法士の素質があるのかもしれないな。
絵に吹き込まれた残留思念だけじゃなく、持ち主の生命エネルギーまで食ってしまう曰く付きの額縁。あれを前にして平然としていられるなんて、魔力があるか、霊力によって守られているか、どちらかだな。
もしあの子に興味があるようなら今度は魔法薬を見せてみようか
ふふ、楽しみが尽きないねぇ
おや?この前のお客さんじゃないか
もう体調はいいのかい?そう。ならいいのだが…。今日はどういった用向きで?
改めて絵画を見に来た?
そうか。ふふ。
いや、失礼。先日は気分を悪くしていたから、もうここには来ないものだと思っていたんだ。
来てくれて嬉しいよ。
見ての通り、お客さんは今日も君しかいない。じっくりと見ておくれ、そうすれば絵も喜ぶ
(一枚一枚熱心に絵を見る客。絵の飾られていない額縁の前で立ち止まる)
どうかしたかい?
ああ、その額縁か。外し忘れた訳じゃないよ。
この額縁にはしばらく絵を飾らないと決めているんだ。
特別な理由はない。
ただ、どんなにいい絵を飾ってもしっくりこなくてね。
どうしても絵が額縁に負けてしまう。
本来なら額縁が絵を立てるのだけれど、どうもこれはその役目を放棄しているようでね。
放棄、というより拒絶に近いかもしれない。
緻密な彫刻や模様など一切入っていない、どこにでもあるようなフレームなのに、不思議だよ。
さぁ、ここで立ち止まっていないで次の絵を見てくれよ。隣にある作品もとても素晴らしいものだからさ
(客が店から出た後)
この額縁に飾られた絵は絵としての命を食われてしまう。
命を食われた絵は作者から吹き込まれた思念がなくなり、絵に込められた意図がなくなってしまう。
やっぱりあの子、魔法士の素質があるのかもしれないな。
絵に吹き込まれた残留思念だけじゃなく、持ち主の生命エネルギーまで食ってしまう曰く付きの額縁。あれを前にして平然としていられるなんて、魔力があるか、霊力によって守られているか、どちらかだな。
もしあの子に興味があるようなら今度は魔法薬を見せてみようか
ふふ、楽しみが尽きないねぇ
0
あなたにおすすめの小説
『お前を愛する事はない』なんて言ってないでしょうね?
あんど もあ
ファンタジー
政略結婚で妻を娶った息子に、母親は穏やかに、だが厳しく訊ねる。
「『お前を愛する事は無い』なんて言ってないでしょうね?」
嫌われたと思って離れたのに
ラム猫
恋愛
私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。
距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。
お姫様は死に、魔女様は目覚めた
悠十
恋愛
とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。
しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。
そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして……
「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」
姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。
「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」
魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……
さようなら、あなたとはもうお別れです
四季
恋愛
十八の誕生日、親から告げられたアセインという青年と婚約した。
幸せになれると思っていた。
そう夢みていたのだ。
しかし、婚約から三ヶ月ほどが経った頃、異変が起こり始める。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
断罪の果てに、ふたり
希臘楽園
ファンタジー
二大公爵家に揺れる王国。王太子は均衡のため、愛する令嬢を断罪する。時は流れ、祖国は統合され―春の光の下、二人は再会する。ーAIに書かせてみた第5弾。今回はラブロマンス寄り。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる