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キセル屋と猿の三助
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キセル屋
キセルを作って売っているうさぎ。
キセルの他にブレンドの刻み煙草、香炉、お香を作っている。
キセルの掃除や修繕も彼の仕事。
人望が厚く、世話焼き。
べらんめぇ調で喋り、喧嘩っ早い江戸っ子。
猿の三助
地獄谷で風呂屋を営む猿。
気前がよく、明るい性格。
三助として風呂屋を訪れる客を癒すことを生き甲斐にしている。
裁縫の腕がピカイチで、お手製の巾着袋なども販売している。
+++
三助「いらっしゃい!なんだ、キセル屋じゃないか!久々だねぇ!」
キセル屋「やぁ、猿の三助!よろしく頼むよ!あちこち固くなっちまって…」
三助「はははっ!その様子なら、商売はうまくいっているようだね!ほら、そこ座んな!」
キセル屋「ありがとよ。そうだ、お前さんに発案してもらった香炉なんだがね、中々売れ行きがよくて助かってるぜ」
三助「ほぉ!そりゃ良かった!俺ぁ助言しただけだがね。よぅし、今日はいつも以上に腕を振るってやるかね!」
キセル屋「いてててて!加減はしとくれ!くぅー!きくねー!」
三助「こりゃ随分と固いな。また無理したんじゃないかい?」
キセル屋「そりゃ、新しい客を増やすために荷車引いてあちこち行ってるからな」
三助「そりゃ固くなるのも無理ないわな。でもま、重症になる前に来てくれて良かったぜ」
キセル屋「あ?何がだい?」
三助「お前さんの肩だよ。筋が張り詰めて、周りの肉も張ってる。もう少し無理してたら動かなくなるところだったぜ?」
キセル屋「あはは…そうだったのか…どうりで痛いわけだ」
三助「キセル屋、俺らは妖だから多少の無理はできるさ。けどな、元は動物だったもんだ。あんまり無理してると、俺の施術を受けることになるぞ?」
キセル屋「うっ…そいつは勘弁だ。お前さんの施術は痛いって評判じゃないか」
三助「その分、治りがいいと言われてるんだぜ?なんならこのまま施術に入ろうか?」
キセル屋「いや……遠慮しとく」
+++
キセル屋「よぉ、三助!」
三助「おお、キセル屋!待ってたぜ」
キセル屋「一体全体何があったんだい?お前さんからあっしを呼び出すなんて、珍しいじゃないか」
三助「ああ、実はな。新しい商売を始めようと思うんだ」
キセル屋「新しい商売?」
三助「ああ。キセル屋も知っての通り、俺は縫い物が趣味で手製の巾着袋を作って売ってるだろ?」
キセル屋「ああ、女性客に人気だって言ってたな」
三助「風呂道具一式入れる巾着だから結構な大きさだ。だがな、大きいものを作っていると、今度は小さいものも作りたくなってね…。小さめの巾着袋を大量に作ってしまったんだ」
キセル屋「なるほど?そいつをあっしに売ろうってことかい?」
三助「ああ。香り袋として使えるんじゃないかと思ってね」
キセル屋「まぁ、待て。買い取るかどうかは実物を見てからだ」
三助「もちろんそのつもりさ。さ、どうぞ見ておくんなよ」
キセル屋「ふむふむ……」
三助「どうだい?香り袋に使えそうか?」
キセル屋「そうだな、生地の厚さも申し分ないし、巾着の柄もさまざまで飽きがない。いいじゃねぇか。ぜひ買い取らせてもらいたい」
三助「助かるよ、キセル屋。持て余してたから困ってたんだ」
キセル屋「へへ、あっしもいいものが手に入って助かったぜ」
三助「代金は安くしとくよ。小さい巾着は大きめの巾着の歯切れで作ったものだからね」
キセル屋「そいつはありがたい!今後ともいい商売していこうぜ、三助」
三助「ああ、よろしく頼むよ、キセル屋」
キセルを作って売っているうさぎ。
キセルの他にブレンドの刻み煙草、香炉、お香を作っている。
キセルの掃除や修繕も彼の仕事。
人望が厚く、世話焼き。
べらんめぇ調で喋り、喧嘩っ早い江戸っ子。
猿の三助
地獄谷で風呂屋を営む猿。
気前がよく、明るい性格。
三助として風呂屋を訪れる客を癒すことを生き甲斐にしている。
裁縫の腕がピカイチで、お手製の巾着袋なども販売している。
+++
三助「いらっしゃい!なんだ、キセル屋じゃないか!久々だねぇ!」
キセル屋「やぁ、猿の三助!よろしく頼むよ!あちこち固くなっちまって…」
三助「はははっ!その様子なら、商売はうまくいっているようだね!ほら、そこ座んな!」
キセル屋「ありがとよ。そうだ、お前さんに発案してもらった香炉なんだがね、中々売れ行きがよくて助かってるぜ」
三助「ほぉ!そりゃ良かった!俺ぁ助言しただけだがね。よぅし、今日はいつも以上に腕を振るってやるかね!」
キセル屋「いてててて!加減はしとくれ!くぅー!きくねー!」
三助「こりゃ随分と固いな。また無理したんじゃないかい?」
キセル屋「そりゃ、新しい客を増やすために荷車引いてあちこち行ってるからな」
三助「そりゃ固くなるのも無理ないわな。でもま、重症になる前に来てくれて良かったぜ」
キセル屋「あ?何がだい?」
三助「お前さんの肩だよ。筋が張り詰めて、周りの肉も張ってる。もう少し無理してたら動かなくなるところだったぜ?」
キセル屋「あはは…そうだったのか…どうりで痛いわけだ」
三助「キセル屋、俺らは妖だから多少の無理はできるさ。けどな、元は動物だったもんだ。あんまり無理してると、俺の施術を受けることになるぞ?」
キセル屋「うっ…そいつは勘弁だ。お前さんの施術は痛いって評判じゃないか」
三助「その分、治りがいいと言われてるんだぜ?なんならこのまま施術に入ろうか?」
キセル屋「いや……遠慮しとく」
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キセル屋「よぉ、三助!」
三助「おお、キセル屋!待ってたぜ」
キセル屋「一体全体何があったんだい?お前さんからあっしを呼び出すなんて、珍しいじゃないか」
三助「ああ、実はな。新しい商売を始めようと思うんだ」
キセル屋「新しい商売?」
三助「ああ。キセル屋も知っての通り、俺は縫い物が趣味で手製の巾着袋を作って売ってるだろ?」
キセル屋「ああ、女性客に人気だって言ってたな」
三助「風呂道具一式入れる巾着だから結構な大きさだ。だがな、大きいものを作っていると、今度は小さいものも作りたくなってね…。小さめの巾着袋を大量に作ってしまったんだ」
キセル屋「なるほど?そいつをあっしに売ろうってことかい?」
三助「ああ。香り袋として使えるんじゃないかと思ってね」
キセル屋「まぁ、待て。買い取るかどうかは実物を見てからだ」
三助「もちろんそのつもりさ。さ、どうぞ見ておくんなよ」
キセル屋「ふむふむ……」
三助「どうだい?香り袋に使えそうか?」
キセル屋「そうだな、生地の厚さも申し分ないし、巾着の柄もさまざまで飽きがない。いいじゃねぇか。ぜひ買い取らせてもらいたい」
三助「助かるよ、キセル屋。持て余してたから困ってたんだ」
キセル屋「へへ、あっしもいいものが手に入って助かったぜ」
三助「代金は安くしとくよ。小さい巾着は大きめの巾着の歯切れで作ったものだからね」
キセル屋「そいつはありがたい!今後ともいい商売していこうぜ、三助」
三助「ああ、よろしく頼むよ、キセル屋」
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