殺し屋に拾われました。

さゆまー

文字の大きさ
24 / 24

第22話~居場所

しおりを挟む
心臓がバクバクしてる。
ママに見つかる前に部屋に戻り、ベッドに顔をうずめた。
「私は…ボスに何かされた……?」
しかし、ボスは銃で撃たれ入院中のはずだ。
もしかしてそれも嘘?
レベッカ達までも私を騙してる?
「……もやもや、する」
窓の外を見ると、美しい街並みが広がっていた。
《アリー》のいる場所は、だいぶ高いところにあるようだ。
「部屋の左側は玄関じゃないのか…」
少し不安になる。
それにしてもここはどこだろう?
知ってる街ではない。
私が住んでいたところはこんなにも、明るかっただろうか。
外に出たのはあのときの一度だけだが、道はこんなにも整備されていなくて、建物もこんなにキレイではなかったと思う。
今の時刻は夕方だ。
私がボスの部屋にいたのは確か朝だった。
気を失っていたのは八、九時間程度だろうか?
その間何をされていた?
身なりが変わっていたわけではないし…
部屋にある大きな鏡をまじまじとみた。
そこには片目が閉じた、細い少女がいた。
閉じた目はわずかに赤みを帯びている。
私は超能力者バギーニャ
いつ発動してしまうかわからない。
ウィリアムはあのとき、私の両目が開いたと言っていた。
この目が………
私の左目は、いらない存在の象徴。
そんな目が、どうして開くんだろう。
また、みんなに迷惑をかけてしまう。
やっぱり私はママの元にいるべきだ。
もうあのことはなかったことにするんだ。





「え!?なんでよ!もうここまできたのに!」
「なに?マクシル。うるさくしたら、こいつ起きるよ」
「そんなこと気にしてる場合じゃないわ!むしろ起こして!」
「……そそっかしいなぁ。ほら、変態、起きろ」
「はぅんっ……お尻蹴られると……前のほうにも快感がっ………って、なんだニコラスか…随分強引な起こしかただな……何?僕に快感を提供してくれたのかい?」
「もう…こいつ死んでほしいんだけど、早く用件言って?マクシル」
「なんだって!僕心が折れS」
「このメールを見て。レベッカちゃんからだけど…」
《緊急連絡!ごめん!入国許可が取り消された。 理由はわからない。以上。》
ニコラスは眉をひそめた。
「…どういうことだ?」
マクシルの整った顔には、わずかに汗が光っている。
「どうしましょう…レベッカちゃんから撤退命令は出てないし…カルラちゃんを助けてほしいんでしょうけど…」
「ふふん……やっぱりね」
ウィリアムは余裕の表情だ。
「やっぱりって?」
「…お前何か知ってるのか」
ウィリアムは真面目な顔になる。
「カルラがいるのは国王の城だ」
「「!?」」
二人はわけがわからないという顔だ。
ウィリアムは想像通りの反応だという表情をする。
「いやぁ、僕ったら名推理だよ。聞かせてやるさ。あ、ヘリはそのまま飛んでてね。大丈夫。…たぶんね」
「どういうことだ。早く説明しろ」
「これはね、彼女の母に関係がある。彼女の母は、オリヴァーの元妻『カルラ』の妹だ」
「妹!?彼の奥さん、『カルラ』って名前なのね…」
「これが写真だよ。オリヴァーったら、彼女にそっくりだから、『カルラ』ってつけたんだよ」
「……確かにそっくりだな」
「そ。『カルラだった少女』の境遇を見るに、『カルラ』の妹、すなわち『シルラ』は虐待母だったってわけさ。君達は『カルラだった少女』のことをよく知らないと思うけど。そこで僕は『シルラ』の行方を追った。『カルラだった少女』のいた街にはいなかった。それもそのはず、『シルラ』は国王と再婚して、今はその国王の妻、つまり王妃としてこの国にいるんだからね」
「それってつまり…カルラちゃんは虐待されてて、母親に捨てられていたってこと…?」
「そうだね」
「…」
マクシルは綺麗な形をした眉毛を歪ませている。
ニコラスは俯いたまま何も言わない。
ウィリアムはそんな二人に、パソコンの画面を見せた。
「これ、見て」
そこには、児童虐待やらなんやらのことが書かれていた。
するとニコラスはなにかに気づいたように眉を動かした。
「これって…」
ウィリアムはニコニコしている。
「そうだよ。通報したんだ。彼女がいくら王妃だとしても、虐待は事実。元々住んでいた家は燃えていて証拠は少ない。だけど、大丈夫。その証拠を探すための捜索隊を派遣してあるからね」
ウィリアムは自慢げに鼻を鳴らした。
「しかし…妙だな。全くボスに連絡がつかない。ちょっとマクシル、レベッカに繋いでくれ」
「ええ…でも、ボスのことはレベッカちゃんがどうにかするんじゃ?」
「彼女はさっき『連絡がつかない』と言っていたんだ。…ボスに何かないといいんだけど」
ウィリアムは心配そうに俯いた。
かしらは力がないからね。あたまは切れるけど」
三人は黙り込んでいた。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...