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第22話~居場所
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心臓がバクバクしてる。
ママに見つかる前に部屋に戻り、ベッドに顔をうずめた。
「私は…ボスに何かされた……?」
しかし、ボスは銃で撃たれ入院中のはずだ。
もしかしてそれも嘘?
レベッカ達までも私を騙してる?
「……もやもや、する」
窓の外を見ると、美しい街並みが広がっていた。
《アリー》のいる場所は、だいぶ高いところにあるようだ。
「部屋の左側は玄関じゃないのか…」
少し不安になる。
それにしてもここはどこだろう?
知ってる街ではない。
私が住んでいたところはこんなにも、明るかっただろうか。
外に出たのはあのときの一度だけだが、道はこんなにも整備されていなくて、建物もこんなにキレイではなかったと思う。
今の時刻は夕方だ。
私がボスの部屋にいたのは確か朝だった。
気を失っていたのは八、九時間程度だろうか?
その間何をされていた?
身なりが変わっていたわけではないし…
部屋にある大きな鏡をまじまじとみた。
そこには片目が閉じた、細い少女がいた。
閉じた目はわずかに赤みを帯びている。
私は超能力者。
いつ発動してしまうかわからない。
ウィリアムはあのとき、私の両目が開いたと言っていた。
この目が………
私の左目は、いらない存在の象徴。
そんな目が、どうして開くんだろう。
また、みんなに迷惑をかけてしまう。
やっぱり私はママの元にいるべきだ。
もうあのことはなかったことにするんだ。
「え!?なんでよ!もうここまできたのに!」
「なに?マクシル。うるさくしたら、こいつ起きるよ」
「そんなこと気にしてる場合じゃないわ!むしろ起こして!」
「……そそっかしいなぁ。ほら、変態、起きろ」
「はぅんっ……お尻蹴られると……前のほうにも快感がっ………って、なんだニコラスか…随分強引な起こしかただな……何?僕に快感を提供してくれたのかい?」
「もう…こいつ死んでほしいんだけど、早く用件言って?マクシル」
「なんだって!僕心が折れS」
「このメールを見て。レベッカちゃんからだけど…」
《緊急連絡!ごめん!入国許可が取り消された。 理由はわからない。以上。》
ニコラスは眉をひそめた。
「…どういうことだ?」
マクシルの整った顔には、わずかに汗が光っている。
「どうしましょう…レベッカちゃんから撤退命令は出てないし…カルラちゃんを助けてほしいんでしょうけど…」
「ふふん……やっぱりね」
ウィリアムは余裕の表情だ。
「やっぱりって?」
「…お前何か知ってるのか」
ウィリアムは真面目な顔になる。
「カルラがいるのは国王の城だ」
「「!?」」
二人はわけがわからないという顔だ。
ウィリアムは想像通りの反応だという表情をする。
「いやぁ、僕ったら名推理だよ。聞かせてやるさ。あ、ヘリはそのまま飛んでてね。大丈夫。…たぶんね」
「どういうことだ。早く説明しろ」
「これはね、彼女の母に関係がある。彼女の母は、オリヴァーの元妻『カルラ』の妹だ」
「妹!?彼の奥さん、『カルラ』って名前なのね…」
「これが写真だよ。オリヴァーったら、彼女にそっくりだから、『カルラ』ってつけたんだよ」
「……確かにそっくりだな」
「そ。『カルラだった少女』の境遇を見るに、『カルラ』の妹、すなわち『シルラ』は虐待母だったってわけさ。君達は『カルラだった少女』のことをよく知らないと思うけど。そこで僕は『シルラ』の行方を追った。『カルラだった少女』のいた街にはいなかった。それもそのはず、『シルラ』は国王と再婚して、今はその国王の妻、つまり王妃としてこの国にいるんだからね」
「それってつまり…カルラちゃんは虐待されてて、母親に捨てられていたってこと…?」
「そうだね」
「…」
マクシルは綺麗な形をした眉毛を歪ませている。
ニコラスは俯いたまま何も言わない。
ウィリアムはそんな二人に、パソコンの画面を見せた。
「これ、見て」
そこには、児童虐待やらなんやらのことが書かれていた。
するとニコラスはなにかに気づいたように眉を動かした。
「これって…」
ウィリアムはニコニコしている。
「そうだよ。通報したんだ。彼女がいくら王妃だとしても、虐待は事実。元々住んでいた家は燃えていて証拠は少ない。だけど、大丈夫。その証拠を探すための捜索隊を派遣してあるからね」
ウィリアムは自慢げに鼻を鳴らした。
「しかし…妙だな。全くボスに連絡がつかない。ちょっとマクシル、レベッカに繋いでくれ」
「ええ…でも、ボスのことはレベッカちゃんがどうにかするんじゃ?」
「彼女はさっき『連絡がつかない』と言っていたんだ。…ボスに何かないといいんだけど」
ウィリアムは心配そうに俯いた。
「頭は力がないからね。あたまは切れるけど」
三人は黙り込んでいた。
ママに見つかる前に部屋に戻り、ベッドに顔をうずめた。
「私は…ボスに何かされた……?」
しかし、ボスは銃で撃たれ入院中のはずだ。
もしかしてそれも嘘?
レベッカ達までも私を騙してる?
「……もやもや、する」
窓の外を見ると、美しい街並みが広がっていた。
《アリー》のいる場所は、だいぶ高いところにあるようだ。
「部屋の左側は玄関じゃないのか…」
少し不安になる。
それにしてもここはどこだろう?
知ってる街ではない。
私が住んでいたところはこんなにも、明るかっただろうか。
外に出たのはあのときの一度だけだが、道はこんなにも整備されていなくて、建物もこんなにキレイではなかったと思う。
今の時刻は夕方だ。
私がボスの部屋にいたのは確か朝だった。
気を失っていたのは八、九時間程度だろうか?
その間何をされていた?
身なりが変わっていたわけではないし…
部屋にある大きな鏡をまじまじとみた。
そこには片目が閉じた、細い少女がいた。
閉じた目はわずかに赤みを帯びている。
私は超能力者。
いつ発動してしまうかわからない。
ウィリアムはあのとき、私の両目が開いたと言っていた。
この目が………
私の左目は、いらない存在の象徴。
そんな目が、どうして開くんだろう。
また、みんなに迷惑をかけてしまう。
やっぱり私はママの元にいるべきだ。
もうあのことはなかったことにするんだ。
「え!?なんでよ!もうここまできたのに!」
「なに?マクシル。うるさくしたら、こいつ起きるよ」
「そんなこと気にしてる場合じゃないわ!むしろ起こして!」
「……そそっかしいなぁ。ほら、変態、起きろ」
「はぅんっ……お尻蹴られると……前のほうにも快感がっ………って、なんだニコラスか…随分強引な起こしかただな……何?僕に快感を提供してくれたのかい?」
「もう…こいつ死んでほしいんだけど、早く用件言って?マクシル」
「なんだって!僕心が折れS」
「このメールを見て。レベッカちゃんからだけど…」
《緊急連絡!ごめん!入国許可が取り消された。 理由はわからない。以上。》
ニコラスは眉をひそめた。
「…どういうことだ?」
マクシルの整った顔には、わずかに汗が光っている。
「どうしましょう…レベッカちゃんから撤退命令は出てないし…カルラちゃんを助けてほしいんでしょうけど…」
「ふふん……やっぱりね」
ウィリアムは余裕の表情だ。
「やっぱりって?」
「…お前何か知ってるのか」
ウィリアムは真面目な顔になる。
「カルラがいるのは国王の城だ」
「「!?」」
二人はわけがわからないという顔だ。
ウィリアムは想像通りの反応だという表情をする。
「いやぁ、僕ったら名推理だよ。聞かせてやるさ。あ、ヘリはそのまま飛んでてね。大丈夫。…たぶんね」
「どういうことだ。早く説明しろ」
「これはね、彼女の母に関係がある。彼女の母は、オリヴァーの元妻『カルラ』の妹だ」
「妹!?彼の奥さん、『カルラ』って名前なのね…」
「これが写真だよ。オリヴァーったら、彼女にそっくりだから、『カルラ』ってつけたんだよ」
「……確かにそっくりだな」
「そ。『カルラだった少女』の境遇を見るに、『カルラ』の妹、すなわち『シルラ』は虐待母だったってわけさ。君達は『カルラだった少女』のことをよく知らないと思うけど。そこで僕は『シルラ』の行方を追った。『カルラだった少女』のいた街にはいなかった。それもそのはず、『シルラ』は国王と再婚して、今はその国王の妻、つまり王妃としてこの国にいるんだからね」
「それってつまり…カルラちゃんは虐待されてて、母親に捨てられていたってこと…?」
「そうだね」
「…」
マクシルは綺麗な形をした眉毛を歪ませている。
ニコラスは俯いたまま何も言わない。
ウィリアムはそんな二人に、パソコンの画面を見せた。
「これ、見て」
そこには、児童虐待やらなんやらのことが書かれていた。
するとニコラスはなにかに気づいたように眉を動かした。
「これって…」
ウィリアムはニコニコしている。
「そうだよ。通報したんだ。彼女がいくら王妃だとしても、虐待は事実。元々住んでいた家は燃えていて証拠は少ない。だけど、大丈夫。その証拠を探すための捜索隊を派遣してあるからね」
ウィリアムは自慢げに鼻を鳴らした。
「しかし…妙だな。全くボスに連絡がつかない。ちょっとマクシル、レベッカに繋いでくれ」
「ええ…でも、ボスのことはレベッカちゃんがどうにかするんじゃ?」
「彼女はさっき『連絡がつかない』と言っていたんだ。…ボスに何かないといいんだけど」
ウィリアムは心配そうに俯いた。
「頭は力がないからね。あたまは切れるけど」
三人は黙り込んでいた。
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