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第一章 一度目の異世界
09.街へ
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8話の最後ミスりました。
すみません、修正してます。
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「わぁ~これが街か!中世ヨーロッパみたいな建物がいっぱい。まさに異世界って感じだ!」
(冬真がみたら興奮するだろうな)
俺は街の出入り口の門の前で、思っていた以上の街の大きさに圧倒されている。
〈ちょっと~遊びに来たわけじゃないだからね! 妖精王様のお話、忘れてないでしょうね!〉
「ごめん、ごめん。初めて街に来たから興奮しちゃってさ」
〈も~しっかりしてよね〉
俺たちは妖精王からの頼みで、グランティス国の2番目に大きい街、アルティに来ている。
あの日、妖精王から聞かされた話は妖精たちが行方不明になっていることだった。
見つかった妖精たちも居たが、みんな怪我をしていた上、精霊力が奪われた状態だったらしい。
精霊力とは人が持つ魔力とは全く違う。
妖精は清らかな泉や自然豊かな大地が神域となって、そこに集まった力から生まれる存在だ。精霊王はその集まった力を妖精へと変化させる。
そうやって妖精たちは生まれ、増える。
妖精は大地そのもの、妖精が傷つけば大地は荒れ果て厄災が起こる。
だから昔から
【妖精を傷つけべからず。妖精を敬い、愛せよ。さすれば大地は未来永劫豊かなものとなるであろう】という言葉があるらしい。
まぁ、ようは妖精を傷つけば妖精王が黙っていないってことだ。
(妖精王は妖精たちの事を大切にしている。きっと子どものような存在なんだろう)
俺は妖精を見ながらそう思った。
〈ん?なによ〉
「いや、何でもないよ。行こうか、ルル」
ルル——
それはこの火の玉の姿をした妖精の名前だ。
あの日、妖精王から話を聞いた後。俺と一緒に妖精たちを探す手伝いをしてくれる事になったのが、あの火の玉の妖精だ。
『俺、この世界の事含めてまだわからない事が多いから、教えてくれるかな?』
〈あら、そうなの。仕方ないわね~〉
『ありがとう。 そういえばキミの名前は何ていうの?』
〈名前?名前なんてないわ〉
『え、そうなの?名前ないと不便じゃない?』
〈別に~〉
『そうなんだ……。 ねぇ俺が付けてもいい?』
〈え?べ、別にいらないわよ!〉
『え~それだと火の玉って呼ぶよ~?』
〈それは嫌よっ!〉
『じゃあ付けてもいい?』
〈っ、変な名前だったら承知しないわよっ!〉
はいはいと、俺はこの妖精の名前を考える。
『ルル……ルルなんてどうかな?』
〈ルル……〉
『気に入らない?』
無言の妖精。
『じゃあやっぱり火の玉って……』
〈ちょっと!誰も嫌なんていってないわっ〉
『てことは気に入ってくれたんだ。よかった』
〈べっ別に気に入ってなんかないわ!ただ……火の玉よりマシだと思ったのよっ〉
顔を真っ赤にしてルルは言った。
『ツン強めのデレだ』
◇◆◇
俺たちは街を歩いて進み。ある路地裏についた。
「ここが妖精が見つかった場所」
〈えぇ、怪我はなかったけど精霊力を奪われた状態だったわ〉
妖精が見つかった場所はゴミ溜めだった。まるで不要になったから捨てた……そんな感じだった。
「……ひどい」
こんなところにひとり、辛かっただろう。
しゃがみ込んでその場所を見ていた俺の側にルルが近づいてきた。
〈シューヤはお人好しよね〉
「え?どうしたのいきなり」
〈今回の事、本来ならアナタには一切関係ない事。でもアナタじゃないとダメだったし、何より妖精王様直々のお願いだった。それをアナタは嫌な顔をせずに引き受けた〉
「まぁ……困ってる人が居たらやっぱり助けたいって思うし、最初はただの正義感だったよ。でもこんなの見たら許せないよ」
〈そんなシューヤだから妖精王様は今回の事が解決したら、アナタに褒賞を与えると言ったのでしょうね〉
「あー、畏れ多いことだよ」
〈ふふっでも結局断りきれず、困ったアナタはあの獣人の子どもために貴重な妖精王様からの褒賞を使うといった。あの子はアナタに愛されてるわね〉
「そういってもらえて嬉しいよ。ユリウスは俺の大切な弟だからね」
〈弟ねぇ〉
「ん?」
〈いや…ここに来る前凄かったなって思って〉
「あはははは……」
今回の件で、ユリウスの安全のためにシスターに預けて街へやってきた。
しかし街へ来るまでが大変だった。
ユリウスが泣いて叫んで俺から離れなかったのだ。
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体調不良で更新が遅れました。
長くなりそうなので、ここで一度きります。
後ほどもう一話更新します。
こっから頑張って巻き返したい。
すみません、修正してます。
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「わぁ~これが街か!中世ヨーロッパみたいな建物がいっぱい。まさに異世界って感じだ!」
(冬真がみたら興奮するだろうな)
俺は街の出入り口の門の前で、思っていた以上の街の大きさに圧倒されている。
〈ちょっと~遊びに来たわけじゃないだからね! 妖精王様のお話、忘れてないでしょうね!〉
「ごめん、ごめん。初めて街に来たから興奮しちゃってさ」
〈も~しっかりしてよね〉
俺たちは妖精王からの頼みで、グランティス国の2番目に大きい街、アルティに来ている。
あの日、妖精王から聞かされた話は妖精たちが行方不明になっていることだった。
見つかった妖精たちも居たが、みんな怪我をしていた上、精霊力が奪われた状態だったらしい。
精霊力とは人が持つ魔力とは全く違う。
妖精は清らかな泉や自然豊かな大地が神域となって、そこに集まった力から生まれる存在だ。精霊王はその集まった力を妖精へと変化させる。
そうやって妖精たちは生まれ、増える。
妖精は大地そのもの、妖精が傷つけば大地は荒れ果て厄災が起こる。
だから昔から
【妖精を傷つけべからず。妖精を敬い、愛せよ。さすれば大地は未来永劫豊かなものとなるであろう】という言葉があるらしい。
まぁ、ようは妖精を傷つけば妖精王が黙っていないってことだ。
(妖精王は妖精たちの事を大切にしている。きっと子どものような存在なんだろう)
俺は妖精を見ながらそう思った。
〈ん?なによ〉
「いや、何でもないよ。行こうか、ルル」
ルル——
それはこの火の玉の姿をした妖精の名前だ。
あの日、妖精王から話を聞いた後。俺と一緒に妖精たちを探す手伝いをしてくれる事になったのが、あの火の玉の妖精だ。
『俺、この世界の事含めてまだわからない事が多いから、教えてくれるかな?』
〈あら、そうなの。仕方ないわね~〉
『ありがとう。 そういえばキミの名前は何ていうの?』
〈名前?名前なんてないわ〉
『え、そうなの?名前ないと不便じゃない?』
〈別に~〉
『そうなんだ……。 ねぇ俺が付けてもいい?』
〈え?べ、別にいらないわよ!〉
『え~それだと火の玉って呼ぶよ~?』
〈それは嫌よっ!〉
『じゃあ付けてもいい?』
〈っ、変な名前だったら承知しないわよっ!〉
はいはいと、俺はこの妖精の名前を考える。
『ルル……ルルなんてどうかな?』
〈ルル……〉
『気に入らない?』
無言の妖精。
『じゃあやっぱり火の玉って……』
〈ちょっと!誰も嫌なんていってないわっ〉
『てことは気に入ってくれたんだ。よかった』
〈べっ別に気に入ってなんかないわ!ただ……火の玉よりマシだと思ったのよっ〉
顔を真っ赤にしてルルは言った。
『ツン強めのデレだ』
◇◆◇
俺たちは街を歩いて進み。ある路地裏についた。
「ここが妖精が見つかった場所」
〈えぇ、怪我はなかったけど精霊力を奪われた状態だったわ〉
妖精が見つかった場所はゴミ溜めだった。まるで不要になったから捨てた……そんな感じだった。
「……ひどい」
こんなところにひとり、辛かっただろう。
しゃがみ込んでその場所を見ていた俺の側にルルが近づいてきた。
〈シューヤはお人好しよね〉
「え?どうしたのいきなり」
〈今回の事、本来ならアナタには一切関係ない事。でもアナタじゃないとダメだったし、何より妖精王様直々のお願いだった。それをアナタは嫌な顔をせずに引き受けた〉
「まぁ……困ってる人が居たらやっぱり助けたいって思うし、最初はただの正義感だったよ。でもこんなの見たら許せないよ」
〈そんなシューヤだから妖精王様は今回の事が解決したら、アナタに褒賞を与えると言ったのでしょうね〉
「あー、畏れ多いことだよ」
〈ふふっでも結局断りきれず、困ったアナタはあの獣人の子どもために貴重な妖精王様からの褒賞を使うといった。あの子はアナタに愛されてるわね〉
「そういってもらえて嬉しいよ。ユリウスは俺の大切な弟だからね」
〈弟ねぇ〉
「ん?」
〈いや…ここに来る前凄かったなって思って〉
「あはははは……」
今回の件で、ユリウスの安全のためにシスターに預けて街へやってきた。
しかし街へ来るまでが大変だった。
ユリウスが泣いて叫んで俺から離れなかったのだ。
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体調不良で更新が遅れました。
長くなりそうなので、ここで一度きります。
後ほどもう一話更新します。
こっから頑張って巻き返したい。
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