【第二章開幕】男子大学生は二度召喚される

皇める

文字の大きさ
25 / 33
第二章 二度目の異世界

23.第一王子(改訂版)

しおりを挟む

22~23話を書き直しました。(11/24)
お手数おかけしますが、前話も読んでからこちらをお読みください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





「……っ」

 俺は必死に声を抑え込んだ。

 あの瞳からは妖精たちの憎悪が滲み出ている。なんで?どうして?そればかりが頭の中を駆け巡る。

 全員が言葉を失った中、王妃が口を開いた。

「陛下、これで何も躊躇ちゅうちょする必要はありませんわ」

「………躊躇するとはなんだ」

「もちろん王位継承ですわ!此奴こやつが王の色を持っていたため、本来持つはずであった由緒正しい血筋のディルバルドを跡継ぎに指名出来ないのはさぞお辛かったことでしょう」

 王妃は扇子で口もとを隠し憎しみの籠った目でユリウスを見た。

「………」

 ユリウスは気にしていないようで、じっと王妃たちを見据えていた。が、第一王子はずっとニヤニヤと見下した顔で見ていた。

「お前は何を言っているんじゃ?」

 陛下が怪訝そうに言う。

「そうですよ。父上、そもそもこいつに王の色が出たこと事態がおかしいのです」

 第一王子も王妃に同調するようにユリウスを指差して言った。

「ディアバルドの言う通りですわ!さぁ陛下、ディアバルドの王位継承を貴族、国民達に発表をしてくださな」

「お前たちは……」

 陛下の声など聞こえていないのだろう。2人はお披露目はいつだとか、パーティは盛大にしようなどで興奮した表情で話していた。

 俺はその異様な光景を隠れて見ていると、第一王子のディアバルドが俺の方へ視線を向けた。

(っ! もしかして気付かれた?)

 ユリウスが俺も元へ行こうと一歩前に出たが

「やぁ、オーウェン。聞いてた通りだ。それでもまだあいつの側に居るのか?」

「はい。私の気持ちは変わりません」

「ちっ おい、最後のチャンスだ。俺の元で仕えろっ、これは命令だ!」

 どうやらオーウェンさんに話しかけるため近いたようだ。

「申し訳ございません。前にもお断りさせていただきましたが、私はユリウス殿下に剣を捧げております。ですので私の主人はユリウス殿下ただお一人です」

 そう言ってオーウェンさんは頭を下げた。

「っ!何故だ!なぜ俺じゃなくてあいつを選ぶんだっ」

 第一王子は興奮しオーウェン後ろ、俺が隠れている大きな壺を思いっきり蹴った。

「っ!?」

 危うく声を上げそうになった。

「おい……いい加減にしろよ」

 ユリウスが2人に近づいて第一王子の肩を掴んだ。

「無礼者!穢れた血の分際で俺に触れるなっ」

 ユリウスの手を払い落とした。

「黙れ。父上の御前にも関わらず、やりたい放題しているお前たちの方が無礼者だ」

 殺気のこもった声。こんなユリウスの声初めて聞いた。


「……っ、お、俺は代々由緒正しい貴族の血を引き、王家の血も引いている尊い存在なんだ!お前のような卑しい孤児の血が混じったやつとは格が違うんだぞっ」

 第一王子が興奮した様子で大声を上げてユリウスに詰め寄った。

「母上を侮辱するな」

「っ、事実だろう!俺は高貴な存在なんだっ」

 第一王子は唾を飛ばしながら怒鳴った。

「血筋しか誇れるものがない奴ほどよく吠える」

「な、貴様ああああああっ」

 第一王子の手から黒くてモヤのようなものが集まりそれをユリウスめがけて放った。

 あれは嫌なものだ。そう思った俺は

「ユリウスっ」

 思わず2人の前に飛び出した。

「シュウっ!」

 ユリウスも咄嗟に魔法を使い第一王子の攻撃を相殺した。

「なっ、俺の魔法が」

 驚愕した顔をする第一王子。

「シュウ!いきなり飛び出したら危ないじゃないかっ」

 ユリウスが俺の肩を掴み焦った表情で言った。

「ご、ごめんね。ユリウスが攻撃されたと思ったら居ても立っても居られなくて……」

「シュウ……あの時もそうだったけど、今の俺は大丈夫だ。だから身を挺して俺を守らなくていい」

「でも……」

「お願いだ。もうあの時の様になってほしくない」

 ユリウスは辛そうな顔で言った。

「……うん」

 俺はこれ以上の事は言えなかった。

「おいお前、まさか人間?」

「チッ」

 ユリウスは俺を抱きしめた。

「下等な生き物が何故ここにいる?お前のおもちゃか?」

 ニタニタと笑いながら近づいてくる。

「シュウはおもちゃではないっ、これ以上侮辱するなら………殺す」

 ユリウスの体から金色の光が纏い、身を刺すような殺気が第一王子を襲った。

「っ、卑しい血の分際で」

 まさに一触即発だった。

「静まれっ」


 今にも殺し合いをしそうな2人に陛下はついに

「静まれ、ユリウス」

「……申し訳ございません」

 ユリウスは我にかえり陛下に頭を下げた。

「ち、父上! あいつは俺を殺そうとしました。罰を!!」

「そうですわ!あの愚か者に罰をお願いしますわっ」

 王妃と第一王子がユリウスに罰を与えてほしいと陛下に懇願した。しかし


「愚か者なのはお前たちだ!王妃とディルバルドには2週間の謹慎を申しつける。近衞騎士たちよ、この愚か者の二人を部屋に戻せ」

 陛下の怒りは頂点にいったようで、騎士たちに王妃たちを追い出すよう命令した。

「そんな、父上!」

「ちょっと、わたくしに触らないでっ!陛下、何故私たちが謹慎されないといけないのですかっ!納得できませんわ!陛下っ」

「おい、汚い手で俺に触れるなっ!俺は王なる尊い存在なんだぞっ」

 ぎゃあぎゃあと2人は騎士たちによって部屋から連れ出された。

「はぁ……」

 陛下はソファに座り直した。

「……父上。感情的になってしまい、申し訳ないございません」

「……シューヤ殿が危険な目に遭いそうになったんじゃ。仕方ない……だがユリウス、あまり感情的になるな。大切なものを失うぞ」

「はい……」

「陛下!元はと言えば俺が2人の間に入ってしまったことが原因で「シュウのせいじゃない」

 それ以上ユリウスは俺に言わせてくれなかった。









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
物語の進展や盛り上がりにかけていたので書き直しました。

長くなったので、ここで一度きります。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

病み墜ちした騎士を救う方法

無月陸兎
BL
目が覚めたら、友人が作ったゲームの“ハズレ神子”になっていた。 死亡フラグを回避しようと動くも、思うようにいかず、最終的には原作ルートから離脱。 死んだことにして田舎でのんびりスローライフを送っていた俺のもとに、ある噂が届く。 どうやら、かつてのバディだった騎士の様子が、どうもおかしいとか……? ※欠損表現有。本編が始まるのは実質中盤頃です

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

小学生のゲーム攻略相談にのっていたつもりだったのに、小学生じゃなく異世界の王子さま(イケメン)でした(涙)

九重
BL
大学院修了の年になったが就職できない今どきの学生 坂上 由(ゆう) 男 24歳。 半引きこもり状態となりネットに逃げた彼が見つけたのは【よろず相談サイト】という相談サイトだった。 そこで出会ったアディという小学生? の相談に乗っている間に、由はとんでもない状態に引きずり込まれていく。 これは、知らない間に異世界の国家育成にかかわり、あげく異世界に召喚され、そこで様々な国家の問題に突っ込みたくない足を突っ込み、思いもよらぬ『好意』を得てしまった男の奮闘記である。 注:主人公は女の子が大好きです。それが苦手な方はバックしてください。 *ずいぶん前に、他サイトで公開していた作品の再掲載です。(当時のタイトル「よろず相談サイト」)

この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜

COCO
BL
「ミミルがいないの……?」 涙目でそうつぶやいた僕を見て、 騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。 前世は政治家の家に生まれたけど、 愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。 最後はストーカーの担任に殺された。 でも今世では…… 「ルカは、僕らの宝物だよ」 目を覚ました僕は、 最強の父と美しい母に全力で愛されていた。 全員190cm超えの“男しかいない世界”で、 小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。 魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは── 「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」 これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

花屋の息子

きの
BL
ひょんなことから異世界転移してしまった、至って普通の男子高校生、橘伊織。 森の中を一人彷徨っていると運良く優しい夫婦に出会い、ひとまずその世界で過ごしていくことにするが___? 瞳を見て相手の感情がわかる能力を持つ、普段は冷静沈着無愛想だけど受けにだけ甘くて溺愛な攻め×至って普通の男子高校生な受け の、お話です。 不定期更新。大体一週間間隔のつもりです。 攻めが出てくるまでちょっとかかります。

腐男子♥異世界転生

よしの こひな
BL
ある日、腐男子で新卒サラリーマン・伊丹トキヤの自室にトラックが突っ込む。 目覚めたトキヤがそこで目にしたのは、彼が長年追い続けていたBL小説の世界――。しかも、なんとトキヤは彼が最推しするスパダリ攻め『黒の騎士』ことアルチュール・ド・シルエットの文武のライバルであり、恋のライバルでもあるサブキャラの「当て馬」セレスタン・ギレヌ・コルベールに転生してしまっていた。 トキヤは、「すぐそばで推しの2人を愛でられる!」と思っていたのに、次々と原作とは異なる展開が……。 ※なろうさん、Caitaさん、PIXIVさんでも掲載しています。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

処理中です...