28 / 33
第二章 二度目の異世界
26.番※
しおりを挟む※前半R指定・背後注意
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あっあん」
真っ暗な寝室で喘ぎ声と肌と肌がぶつかる音が響く。
「シュウ、シュウっ」
「ゆり、うす……もう、くるしぃ やだぁぬいてぇ」
俺のお腹はユリウスが出したものでぽっこりと膨らんでいた。
「まだだ、まだ足りない」
そう言ってユリウスは更に腰を激しく動かし、俺の奥に入ってきた。
「ひゃあっあん」
目にはチカチカと星が飛び、部屋にはお互いが出した精液とユリウスの甘い匂いが充満して、俺はただ喘ぐことしかできなかった。
「シュウ、好きだ。愛してる」
「あっ、あっ、んんんっ」
「誰にも渡さない。俺の花嫁、俺の番」
そう言ってユリウスは俺のうなじに噛みついた。
「~~~~~っ!!!!」
全身に電気が走り、まるで体が作り替えられたような感覚に襲われた。
俺はそのまま意識を手放した。
◇◆◇
それが、昨夜の出来事だ。
「くぅ~~~~!」
思い出して更に恥ずかしくなり、俺はソファの脇にあったクッションに顔を埋めた。
(恥ずかしすぎて死ぬっ)
思わず足をバタバタとさせ唸っていると
「シュウ……」
ユリウスが俺のうなじを撫でまたピリッと電気が走った。
がばっと起き上がりユリウスを見た。
「そういえば昨日、ユリウスにうなじを噛まれたんだけど、どうして噛んだの?」
「ん~ 強いて言うなら本能?」
と、めっちゃ嬉しそうに言った。
「本能って……」
(獣人だからなのかな? 昔、猫の盛りの時期にオス猫がメス猫の首筋を噛んでるのを見たことあるけど)
「ん?」
(待って、これ知ってる気がする)
「これでシュウは俺だけの花嫁だ。子どもいっぱい作って、大家族もいいな~」
嬉しそうに俺のお腹をさするユリウス。
いい笑顔でとんでもないことを言ったと同時に俺は瑠夏の言葉を思い出した。
『最近このシリーズにめっちゃハマってるんだけど、お兄ちゃん読んでみて~♪』
瑠夏は最近ハマっているというジャンルの小説と漫画を俺に手渡してきた。
『読んだら感想聞かせてね~』
と、瑠夏は俺に渡して部屋から出ていった。まぁ、毎度のことであるので慣れっこだ。
(へぇ~異世界ものに現代もあるのか)
ちなみに俺は瑠夏の影響でBLも普通に読む。が、瑠夏が勧めるのは過激なものが多いから感想を聞かれるのは正直つらい。
『男も妊娠出来る世界なのかぁ』
とパラパラと読んでいると、瑠夏がまた本を抱えてやってきた。
『あ、それおすすめのやつだよ~ その世界だとお兄ちゃんは絶対Ωだよね~そんで、執着強めのαに溺愛されて毎晩はら『わぁーーーーーーっ!瑠夏!!なんて事言うの!!お兄ちゃん泣くよっ』
あ………思い出した。
「これオメガバースだ………」
「おめがばーす?」
「嘘だろ……俺、Ωになっちゃったの?そしてユリウスはαで………うなじを噛んだから俺とユリウスは番になったってことは追々………」
つまりこの世界は実はオメガバースで、俺は本当にユリウスの子どもを産めるという事だ———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
オメガバースではありません笑
でも作者はオメガバース好きなのでいつか書きたいです。
13
あなたにおすすめの小説
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
大好きな獅子様の番になりたい
あまさき
BL
獣人騎士×魔術学院生
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
カナリエ=リュードリアには夢があった。
それは〝王家の獅子〟レオス=シェルリオンの番になること。しかし臆病なカナリエは、自身がレオスの番でないことを知るのが怖くて距離を置いてきた。
そして特別な血を持つリュードリア家の人間であるカナリエは、レオスに番が見つからなかった場合彼の婚約者になることが決まっている。
望まれない婚姻への苦しみ、捨てきれない運命への期待。
「____僕は、貴方の番になれますか?」
臆病な魔術師と番を手に入れたい騎士の、すれ違いラブコメディ
※第1章完結しました
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
長編です。お付き合いくださると嬉しいです。
完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!
めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈
社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。
もらった能力は“全言語理解”と“回復力”!
……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈
キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん!
出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。
最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈
攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉
--------------------
※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
【完結済み】騎士団長は親友に生き写しの隣国の魔術師を溺愛する
兔世夜美(トヨヤミ)
BL
アイゼンベルク帝国の騎士団長ジュリアスは留学してきた隣国ゼレスティア公国の数十年ぶりのビショップ候補、シタンの後見となる。その理由はシタンが十年前に失った親友であり片恋の相手、ラシードにうり二つだから。だが出会ったシタンのラシードとは違う表情や振る舞いに心が惹かれていき…。過去の恋と現在目の前にいる存在。その両方の間で惑うジュリアスの心の行方は。※最終話まで毎日更新。※大柄な体躯の30代黒髪碧眼の騎士団長×細身の20代長髪魔術師のカップリングです。※完結済みの「テンペストの魔女」と若干繋がっていますがそちらを知らなくても読めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる