TS巫女が圧倒的強者足る雄に惨めにも全裸土下座にて安産型のむち尻掲げた挙句の果てに交尾を懇願する程に雌落ちした隷属花嫁に至るまでの軌跡

ユキリス

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裏切り

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 場は依然として同じくして、邪な欲望は入り乱れる雑踏が支配する界隈の渦中、何処か薄暗いながらも人々の活気に満ち溢れて窺える娼館街の同所にて。



 紆余曲折を経て二人の姉妹と、その少女達の弟であるアイを含めれば計三名の彼等彼女等からの視線を背に受けながら、場を後にする運びと相成った次第の荒くれ者代表格の男。



 お陰で不承不承といった具合の塩梅にて、及び腰となりながらも、その足取りは存外のこと乱れてはいなかった。



 その理由は偏に、自身の眼前に見て取れる此方の様子を窺う女二人の姿が、何処からどの様にして見ても、人間の容姿をしていたからに他ならない。



 都合、つい今しがたまで浮かべられていた諦観の色がありありと窺える面持ちも自然、なりを潜めて足取りも軽くなる。



 先程までの遠目では判然としなかったものの必然、距離を縮めるに伴い、自ずと彼女等の容貌も鮮明に露わとなりゆく光景が見て取れる。



 どうやらある程度に距離を詰め、接近した状態で容貌を観察した限りでは、見惚れてしまう程の美貌は誇れど、ただの人間としか思えない。



「お、お嬢さん方、もしかして暇してるのか?そんなら俺と酒場‥、いや‥もっと上等な店でもいい。とにかく今はすげぇ、君たちが魅力的に思えるんだ。だから俺と一緒に食事でもどうだい?」



 それだから唐突、彼が口とした口説き文句からは、自ずと美女を前としたが故に、少なからず動揺から生じた淀みが窺える。



 何故ならば、彼が今現在進行形で真正面に対峙する女二人の容姿が、そんじょそこいらの娼婦と比較しては、あまりにも突出した見目を持ち合わせていたが所以である。



 それ故に自然再度に渡り、先程とは異なる緊張が彼の今し方に語り見せた口上をこれでもかと妨げる羽目と相成った。



 無論、街の荒くれ者として多少なりとも名を馳せている手前、平素から女漁りに余念がない彼であるがしかし、これ程の上玉を目の当たりとしては、萎縮してしまうのも致し方無いといった具合の塩梅だ。



 であるからして自ずと、自らの生命の危機から一転、煩悩に支配された荒くれ者の視線といえば、眼前に佇む女二人の肉体へと這わされる運びと相成った次第である。



 そんな始末に負えない、どうしようもない程に愚かな心中を面にも露呈させてしまっている彼であるが故に、これと対峙する二人の女側はといえば、ここぞとばかりに自らを取り繕う他にない。



 であるからして都合、対しては─


「そうなのよぉ。わたしたち、この街に来てからまだ間も無くて、どうすれば良いか全くわからなかったのぉ。もしかして貴方がわたしたちをエスコートしてくれるのかしらぁ?」



 次の瞬間には平静を保ったまま、ここぞとばかりに自身の社交性を、これでもかと総動員した果てのレメラの美貌が曝け出された。



 そうして至極自然体を装いつつの面持ちとなりての微笑みは自ずと、極めて和かな表情に伴い艶然と。



 自然と浮かべられた表情には、思わず見惚れてしまう程に朗らかながらも、それに相反しているとまで思える程に、蠱惑的な色香を漂わせて窺えた。



 けれど片時として油断することもなく応じて見せるレメラからは、隙を窺うことも難しいまでの完膚なきまでに完成された、媚び諂う立ち振る舞いが見て取れる。



 一方、その様にして極めて美麗なる容姿を誇るレメラの、これまた聖母の如く包容力のあるそれを受ける側の荒くれ者はといえば、更なる追い討ちをかけられる形の展開となる。



「そ、そうなのか、それなら丁度良かったな。俺はこの街に来てそれなりに長い。だから多少は顔も効くし、穴場にも詳しい」



 お陰で、自らの語りに対して勢い込んだ彼の口上には自ずと、目の前の美女を籠絡するべくして熱が籠り始めるばかり。



 どうやらレメラの艶やかな微笑みに見惚れてしまったらしい荒くれ者は、彼女の美貌の虜となった様だ。



 しかしながらそれも健全なる男であれば、これを致し方無しと断じてしまう程度には、彼と相対する女は魅力的に思われた。



 だから、それを悟るに及ぶ荒くれ者と対峙するレメラはといえば、これ幸いといった具合の塩梅にて、次なる誘い文句を並べ立てる。



「あらぁ、それは重畳、随分と都合が良いわねぇ。それなら是非、貴方にこの街を案内して頂きたいものだわぁ」



 であるからして、そんな彼女の饒舌に過ぎる立ち振る舞いも鑑みて取れば、殊更に場慣れしている様子すらも窺える。



 自ずとその社交性の高い一面も見えてくる彼女の態度は、先に述べた初々しいまでに無知を装う騙り草には違和感も一入といった所だろうか。



 しかしながらそれは、傍目に観察しているからこそ呈することの出来る疑問であるが故に、現在進行形にて術中に嵌る荒くれ者がそれに気付ける筈もない。



 それ故に、心底から自身の邪な情動に翻弄されてしまっている彼は、レメラの誘い文句を断るには到底及ばない。



 何故ならば既に、自ら声を掛けてしまった手前、最初こそ強制された事態ではあるものの、この場でこれに対して断りを入れるのも憚られた。



 都合予期せずして見目美しい上玉から口説かれた事実と相まって、応じる荒くれ者の言葉は自ずと喜色の入り混じる声色となりて響いては聞こえる。



「ああ、勿論」



 二つ返事を伴い頷いた彼は、至極機嫌も上々といった具合の塩梅にて、了承の意を呈して見せた。



「あら嬉しい。エメルちゃん、どうやら此方の殿方がわたしたちをエスコートしてくださるらしいけれど、貴方は如何かしら?」



 どの様な因果か奇しくも、人間と同伴を余儀なくされる運びとなったレメラは自らの仲間に対して視線で見遣る。



そうして与えられた突然の提案を投げ掛けられるに応じるエメルであるがしかし、その思いがけない言葉に対して、異様な程に穏やかな振る舞いにて、粛々とした口調で返答した次第



「それは奇遇ね。わたしとしても大分退屈を持て余していた所だから、是非ともその気前の良いお話に御一緒させて頂きたい限りよ」



 その様な突如として自らに課された展開に対して受け答える至極冷静なエメルの声色が、存外にも響いては奏でられて聞こえた。



 どうやら彼女としても予期せずして降って湧いた人間を相手に騙し通せる機会は、絶好の狩時として見て取れた様だ。



「良いの?」



 だがしかし、そんな軽い調子に平静を保つエメルの返答を受けるに応じてはこれに対して、再度に渡り念押しをするレメラだろうか。



 その姿からは、今現在の不可解な状況に対しての、明確なまでの不安から生じた鮮明な程の躊躇いが垣間見える。



 どうやら兼ねてより宿敵である姉妹二人の手下から口説かれている不可思議な現状に対して、思う所がある模様。



 それも彼女曰く、それ程簡単に承諾をしてしまってもいいのかと。



 もし仮に先方の誘いに乗って、躊躇いながらもこれに同伴した結果、待ち受けている姉妹二人からもたらされるのは死の歓迎なんじゃないの、とか何とか思って見たり。



 それは、つい今し方まで騙る口上も流暢な具合の塩梅にて、自らの思う所好き放題余す所なく意気揚々にも相まり調子に乗って語って見せたレメラでありながらも、そんな彼女としても曰く、


 ─これって何かの罠じゃないわよね、みたく不安も一入といった所の胸中の塩梅な有り様の始末であるからして最早、否が応にも流れに乗る他にない次第な現状の事態さながらな様子。



 そうして密かに心中へと依然として抱かれるに至ったのは、つい先程まで完璧にも思える程の対応にて応じていたレメラの感慨だ。



 しかしながら、そんな彼女の疑念も致し方無くて思えるのは、今し方に相対する荒くれ者の男の姿からは少なからず何処か、緊張した様子が窺えるが所以。



 であるからして、もしかしてわたし達の擬態が見破られてしまったわけではなかろうか云々とは、現在レメラの心中へと浮かんだ寸暇だろうか。



 そうして不安を持て余している最中の彼女に対して、僅かながらに遅ればせながら先程に問いを投げかけたエメルから返答がもたらされる。



「丁度わたしも退屈していたところだから、少しばかり戯れにでも興じてしまいたい気分だったの」



 都合、レメラの焦燥も他所に、与えられた言葉はといえば、これでもかと意味深な物言いからなる語りとなる。



 お陰で、それの意味する所を鮮明に悟る聡明なレメラの側は、自らの社交性を総動員することにより動揺を押し隠して見せた。



 次いで、エメルから再々に渡り荒くれ者に対して向き直るレメラは、これからの行先を口とする。



「その意見には賛成ね、ああでも、少しばかり場所を移してもらえないかしらぁ?美味しいディナーを楽しむためにも、ここは騒々しく思えるものぉ。だから、これからのわたしたちの関係を育むのに相応しい静かな所に連れて行って欲しいのだけれどぉ。そうねぇ、出来ればあまり人の居ない屋内だと嬉しいわぁ」



 一方で、彼女の心中に対して一向に及びがつく筈もなく、委ねられたレメラに魅了されている側の荒くれ者といえば、浮かれた声色も露わの返答だろうか。



「ああそうだな。此処はお嬢さん達には到底見合わねえ所だぜ。へへっ、それなら俺に任せてくれや。安くて、料理がとんでもなく美味え宿屋を知ってるんだ」



 そうしてここぞとばかりに語り見せる彼は、自らの行末など知る由もなく自ずと、これに対して続く台詞を口とすることとなる。



 だがそれに応じる驚愕から見開かれたレメラの瞳は、今し方にやり取りを交わしていた彼ではなく、その後ろを捉えていた。



「それじゃあ、俺について来いッ。そっちのお嬢さんも、恥ずかしがらずこっちへ来るといい。いやぁ、ようやく俺にもツキが回ってきたぜ。それにしてもそんなに溜まってるなら俺のダチも呼んで─」



 しかしながらそれに気付けないが故、意気揚々といった具合の塩梅で、流暢にも語り見せる荒くれ者の淀みのない流れる様な誘い文句が妨げられる羽目となる。



 そして唐突、その様にして極めて気障ったらしい口上を言い終えるのを目前としての出来事である。



 次の瞬間に突如として、彼と向かい合う形で相対していたレメラの驚愕の面持ちを浮かべていた美貌が、苦渋の表情へと彩られる。



 すると途端、彼女の艶かしい薄桃色の唇からは突如として、まるで堰き止められていた濁流が解き放たれるかの如く、鮮血が溢れ出る羽目と相成った。



「‥ぁ」



 そうして眼前に起きた惨状も去ることながら、己の胸板から前方へと貫通している白金の刃へと漸く及びがついた彼は、瞠目する他にない。



何故ならば、自身の肉体を突き破った刀身の先端は、レメラの身体をも、これの切っ先が到達するに伴い貫いていたが所以である。



都合、自身の急所もまた、これに倣い破壊された事実を悟るに至る彼は、遅ればせながらにもたらされた激痛による呻き声と共に、問い掛けを呈さずにはいられなかった。


「ぐッ‥な‥ぜ‥」



 自ずと自らの肉体へと突き刺さる凶刃を繰り出した出所を求めて、自身の肩越しより振り返る荒くれ者の視線が向かう先には、到底信じられない様な光景がある。



 そうして彼の瞳が移された先に広がる視界に映るのは果たして、蠱惑的な微笑を称えたままのリリーが、レイピアを構えている姿が見て取れるのであった。
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