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聖句
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どうやらわたしの身体は、唯一の例外としてその髪色と顔立ちを残し、後は全てにおいて例外なく、ユキリスお母様と同様の代物として変貌してしまった様でした。
その中での相違点と言えば、お母様は綺麗なプラチナブロンドの長髪ですが、わたしは腰元に切り揃えた黒髪という所に御座います。
そして肉体的な面においては、その違いを見つけることすら難しいのですが、強いていうのであれば乳房がわたしの方が少しだけ大きな点でしょうか。
それもまるで誇れる様な事ではありませんので、大豊満なその双丘に対しては、思わず辟易としてしまいます。
加えて何よりも不便に思うのは、それなりに重量が感じられるというのもさることながら、それが前方へと突き出している手前も相まってわたしの視界が限定されてしまう事に御座います。
いざ地面を見る為に下を向うものなら、その豊満な乳房が、瞳に映し出される光景一杯に広がる限りという塩梅に御座います。
更にはその質量がどうやらわたしには身に余る様でして、急に身体を動かしたりなどする場合には、それに応じてその乳房も揺れ動くのです。
これは大変屈辱で、自らの双丘が下品に、たぱんったぱんっ、とあばらへと景気の良い音を立てて叩きつけられる無様な有様。
それは例え、側から見て取っても、さぞあまりに滑稽でいて、惨めな光景として窺える事でしょう。
そして挙げ句の果てには、どうやら骨格までもが変化してしまった様で、平素通りに姿勢を維持しようにも、自ずと内股に歩いてしまうのです。
そうしてこれらの問題よりもより一層に増して不本意であるのが、お尻が大きくなった為か、今に履いていましたスカートからそのお肉がはみ出てしまっている事でしょう。
無論その下に身につけています下着も例外ではなく、ただでさえサイズの合わなかったアナスタシアお姉様から譲り受けた代物。
それが今では痛い程にわたしの臀部のお肉へと食い込んで、窮屈にもそれを締め付けています。
ですがこれと同様に倣い、筋肉が一切付いていない柔らかな太腿を圧迫する様にして其処にある聖札符の納められたホルスター。
このわたしの奥の手足る切り札へと改めてわたしは自らの手を伸ばし掛けるに伴い、やはり自身の大きな乳房がそれを阻むのです。
その為自ずと自らの乳房を押しつぶすようにして太腿へと手を半ば強引に遣るわたしは、そのまま聖札符へと触れることが叶います。
すると少なからず混乱をきたしていましたわたしの心中はすぐさま落ち着くと共に、それに打って変わり段階的に焦燥が湧いてきます。
次いでそのせいかその場へと立てていることが不思議なほどに四肢から力が失われていく事に漸く及びがついた次第に御座います。
それ故自然とその場に頽れる羽目となるわたしですが、危うく尻もちを付きそうになった寸前で、フウガお兄様が抱き止めてくれたのでした。
そしてされるがままに、その鍛え上げられた筋肉に覆われた逞しい腕の中に身を落ち着けます。
「‥ありがとう御座いますフウガお兄様。そしてこの様な醜態を晒してしまい、大変申し訳御座いません。本来であれば魔物に後れを取るなど、一生の不覚に御座います」
そうして彼の屈強な肉体を肌身に感じながら、わたしは、否が応にも一息に、己が失態へと言い訳を述べます。
「いいや‥。奴は魔領の内でも取り分け上位の個体に位置ずく手練れに他ならぬ。故にアイリス、君が不意を打たれたのも必然。さして特段気に止む必要もない」
しかしながら、この様に浅ましくも自身の思う所を意識して気丈にも語ってみせた手前、フウガお兄様から与えられる言葉もそれ相応に、暖かな代物となります。
ですからその様にしてお尻をストんと四肢に力が入らなくなってしまったわたしは、暫くの間其処に身を落ち着けていたものの、すぐさま我へと帰ります。
その為この様にして殿方に対して自らの、しかも以前とは異なり、変貌してしまった身体を預けている現状が、心底から辱めとして感じられます次第に御座います。
それ故慌てて横たえた身をフウガお兄様の腕の中から起こすと共に、再び自らの姿を鏡面に映します。
そして反射された所に見えるわたしの太腿へと巻き付けられているホルスターから一枚だけ聖札符を取り出します。
其処に描かれているその聖句の程は無論、わたしの施した代物であるが為に、それを口ずさむ勝手は及んでいる次第に御座います。
ですからそうしてフウガお兄様に振り返りましたわたしはそれに伴い、レアノスティア様に捧げるべくして祝詞を唱えます。
するとたちまち眼前へと祝福が顕現する同所は、眩いばかりの輝きに包まれて、魔力の本流が迸る光景が見て取れます。
ですがその魔力の流れの程は、特段大規模と称する代物ではないが為、網膜を焼く訳ではないのです。
ですからそれは自ずとわたしが思うがままに応じて、フウガお兄様の肉体を覆う様にして展開展開致します。
次いでその様にして動きを見せましたその白金の粒子は、次第に柔らかくフウガお兄様の肉体を包み込みます。
すると先程までフウガお兄様の身体の所々に見受けられました古傷と思しき代物は、この光に宛てられるがままに変化を見せました。
それは時を遡るが如きレアノスティア様から受け賜ります祝福であり、正に神のみわざに御座います。
擦り傷ではありますが少なからず開いてしまったその赤銅色の肌は次第、完全に塞がる運びを見せた次第に御座います。
「ほう‥これは付喪神の類か?」
そしてそんな風にわたしの切り札足る術を披露して見せるに際しましてはしかし、フウガお兄様は特段取り乱す素振りは見せません。
「つくもがみ‥に御座いますか?」
しかしながら、そうして誰に言うでもなく感心致しているかの如き声色にて呟きましたフウガお兄様でしたので、わたしが反対に驚きを露わとしてしまいます。
今にレアノスティア様から授かりましたそれを行使致しました手前のわたしとしてはてっきり、心底から驚かれるものだと思っていました。
ですがそんなわたしの懸念を他所に、今にフウガお兄様の仰られました通りに、些か及びも付かない言葉が出てきた次第に御座います。
「いいや気にすることはない。その心遣いに感謝しよう。ただ随分と身体が変わってしまった様だが、平気か?」
ところがこの様にして何処か落ち着いた振る舞いにて、わたしへと問い掛けてきましたフウガお兄様の声色はしかし、平素の代物とは異として聞き取れます。
その露わとされました姿から鑑みるにどうやら、彼はわたしの身を案じてくれている様でした。
それ即ちわたし自身の自惚れで無いのでしたら恐らく彼は、自らが件の魔物を取り逃した事に対しての自身の無力に苛まれているに相違ありません。
「はい。先程よりは幾分か落ち着きました次第に御座います。ですので心配には及びません。此方こそ、先の御助力に感謝致します」
その為先程の窮地の折に助けられた旨に対しての、わたしが心底から想うに際した所の心境を語ります。
「はは、今の君の力を見た後では、それも差し出がましい振る舞いであったやもしれんな。見事なものだ」
しかしながらそれに応じましたフウガお兄様は、何処か戯けた振る舞いをわたしへと返します。
「まぁ‥ふふ。フウガお兄様は、とても意地悪なお方に御座いますのね。ええ、これはわたしがレアノスティア様に捧げる信仰の証に御座いますもの」
それ故この返答に際しましたわたしは、自らもそれに倣い悪戯っぽく口の端を吊り上げてみました所存に御座います。
そしてこれは自らの姉であり見倣うべき相手、リリーお姉様の振る舞いを真似した次第に御座いました。
そうしてフウガお兄様は、わたしの肉体が変貌をきたしてしまいました事実をまるで払拭するかの様にして、空気を朗らかにしてくださいました所存に御座います。
その為自らの迎えた身体の変質に対して沈んでしまったわたしの心は、自ずと気力を取り戻した次第に御座いました。
その中での相違点と言えば、お母様は綺麗なプラチナブロンドの長髪ですが、わたしは腰元に切り揃えた黒髪という所に御座います。
そして肉体的な面においては、その違いを見つけることすら難しいのですが、強いていうのであれば乳房がわたしの方が少しだけ大きな点でしょうか。
それもまるで誇れる様な事ではありませんので、大豊満なその双丘に対しては、思わず辟易としてしまいます。
加えて何よりも不便に思うのは、それなりに重量が感じられるというのもさることながら、それが前方へと突き出している手前も相まってわたしの視界が限定されてしまう事に御座います。
いざ地面を見る為に下を向うものなら、その豊満な乳房が、瞳に映し出される光景一杯に広がる限りという塩梅に御座います。
更にはその質量がどうやらわたしには身に余る様でして、急に身体を動かしたりなどする場合には、それに応じてその乳房も揺れ動くのです。
これは大変屈辱で、自らの双丘が下品に、たぱんったぱんっ、とあばらへと景気の良い音を立てて叩きつけられる無様な有様。
それは例え、側から見て取っても、さぞあまりに滑稽でいて、惨めな光景として窺える事でしょう。
そして挙げ句の果てには、どうやら骨格までもが変化してしまった様で、平素通りに姿勢を維持しようにも、自ずと内股に歩いてしまうのです。
そうしてこれらの問題よりもより一層に増して不本意であるのが、お尻が大きくなった為か、今に履いていましたスカートからそのお肉がはみ出てしまっている事でしょう。
無論その下に身につけています下着も例外ではなく、ただでさえサイズの合わなかったアナスタシアお姉様から譲り受けた代物。
それが今では痛い程にわたしの臀部のお肉へと食い込んで、窮屈にもそれを締め付けています。
ですがこれと同様に倣い、筋肉が一切付いていない柔らかな太腿を圧迫する様にして其処にある聖札符の納められたホルスター。
このわたしの奥の手足る切り札へと改めてわたしは自らの手を伸ばし掛けるに伴い、やはり自身の大きな乳房がそれを阻むのです。
その為自ずと自らの乳房を押しつぶすようにして太腿へと手を半ば強引に遣るわたしは、そのまま聖札符へと触れることが叶います。
すると少なからず混乱をきたしていましたわたしの心中はすぐさま落ち着くと共に、それに打って変わり段階的に焦燥が湧いてきます。
次いでそのせいかその場へと立てていることが不思議なほどに四肢から力が失われていく事に漸く及びがついた次第に御座います。
それ故自然とその場に頽れる羽目となるわたしですが、危うく尻もちを付きそうになった寸前で、フウガお兄様が抱き止めてくれたのでした。
そしてされるがままに、その鍛え上げられた筋肉に覆われた逞しい腕の中に身を落ち着けます。
「‥ありがとう御座いますフウガお兄様。そしてこの様な醜態を晒してしまい、大変申し訳御座いません。本来であれば魔物に後れを取るなど、一生の不覚に御座います」
そうして彼の屈強な肉体を肌身に感じながら、わたしは、否が応にも一息に、己が失態へと言い訳を述べます。
「いいや‥。奴は魔領の内でも取り分け上位の個体に位置ずく手練れに他ならぬ。故にアイリス、君が不意を打たれたのも必然。さして特段気に止む必要もない」
しかしながら、この様に浅ましくも自身の思う所を意識して気丈にも語ってみせた手前、フウガお兄様から与えられる言葉もそれ相応に、暖かな代物となります。
ですからその様にしてお尻をストんと四肢に力が入らなくなってしまったわたしは、暫くの間其処に身を落ち着けていたものの、すぐさま我へと帰ります。
その為この様にして殿方に対して自らの、しかも以前とは異なり、変貌してしまった身体を預けている現状が、心底から辱めとして感じられます次第に御座います。
それ故慌てて横たえた身をフウガお兄様の腕の中から起こすと共に、再び自らの姿を鏡面に映します。
そして反射された所に見えるわたしの太腿へと巻き付けられているホルスターから一枚だけ聖札符を取り出します。
其処に描かれているその聖句の程は無論、わたしの施した代物であるが為に、それを口ずさむ勝手は及んでいる次第に御座います。
ですからそうしてフウガお兄様に振り返りましたわたしはそれに伴い、レアノスティア様に捧げるべくして祝詞を唱えます。
するとたちまち眼前へと祝福が顕現する同所は、眩いばかりの輝きに包まれて、魔力の本流が迸る光景が見て取れます。
ですがその魔力の流れの程は、特段大規模と称する代物ではないが為、網膜を焼く訳ではないのです。
ですからそれは自ずとわたしが思うがままに応じて、フウガお兄様の肉体を覆う様にして展開展開致します。
次いでその様にして動きを見せましたその白金の粒子は、次第に柔らかくフウガお兄様の肉体を包み込みます。
すると先程までフウガお兄様の身体の所々に見受けられました古傷と思しき代物は、この光に宛てられるがままに変化を見せました。
それは時を遡るが如きレアノスティア様から受け賜ります祝福であり、正に神のみわざに御座います。
擦り傷ではありますが少なからず開いてしまったその赤銅色の肌は次第、完全に塞がる運びを見せた次第に御座います。
「ほう‥これは付喪神の類か?」
そしてそんな風にわたしの切り札足る術を披露して見せるに際しましてはしかし、フウガお兄様は特段取り乱す素振りは見せません。
「つくもがみ‥に御座いますか?」
しかしながら、そうして誰に言うでもなく感心致しているかの如き声色にて呟きましたフウガお兄様でしたので、わたしが反対に驚きを露わとしてしまいます。
今にレアノスティア様から授かりましたそれを行使致しました手前のわたしとしてはてっきり、心底から驚かれるものだと思っていました。
ですがそんなわたしの懸念を他所に、今にフウガお兄様の仰られました通りに、些か及びも付かない言葉が出てきた次第に御座います。
「いいや気にすることはない。その心遣いに感謝しよう。ただ随分と身体が変わってしまった様だが、平気か?」
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その露わとされました姿から鑑みるにどうやら、彼はわたしの身を案じてくれている様でした。
それ即ちわたし自身の自惚れで無いのでしたら恐らく彼は、自らが件の魔物を取り逃した事に対しての自身の無力に苛まれているに相違ありません。
「はい。先程よりは幾分か落ち着きました次第に御座います。ですので心配には及びません。此方こそ、先の御助力に感謝致します」
その為先程の窮地の折に助けられた旨に対しての、わたしが心底から想うに際した所の心境を語ります。
「はは、今の君の力を見た後では、それも差し出がましい振る舞いであったやもしれんな。見事なものだ」
しかしながらそれに応じましたフウガお兄様は、何処か戯けた振る舞いをわたしへと返します。
「まぁ‥ふふ。フウガお兄様は、とても意地悪なお方に御座いますのね。ええ、これはわたしがレアノスティア様に捧げる信仰の証に御座いますもの」
それ故この返答に際しましたわたしは、自らもそれに倣い悪戯っぽく口の端を吊り上げてみました所存に御座います。
そしてこれは自らの姉であり見倣うべき相手、リリーお姉様の振る舞いを真似した次第に御座いました。
そうしてフウガお兄様は、わたしの肉体が変貌をきたしてしまいました事実をまるで払拭するかの様にして、空気を朗らかにしてくださいました所存に御座います。
その為自らの迎えた身体の変質に対して沈んでしまったわたしの心は、自ずと気力を取り戻した次第に御座いました。
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