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第四章 驚天動地のアレ事件
番外編 まなとと桃太の昔の話
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僕は物心の付いて間もない頃に、まともに家の手伝いも出来ない厄介者という事で悪質な見世物小屋に二束三文で売り飛ばされた。
こういう国でこういう体だし仕方の無い事だと思ってはいたが、実の親からそのような仕打ちを受けたのはやはり悲しかった。
自分で言うのも何だが顔立ちは綺麗な方だったので、ある程度の年齢になってからはそういう事も度々されるようになった。
やはり仕方の無い事だと思い、抵抗もほとんど出来ないし受け入れていたが辛いし悲しかった。
そういう物憂げな表情でされるがままなのも良い、と客には良く言われた。
そんな生活の心の支えになっていたのは歌う事と、そういう事をされるようになる少し前に同じくその見た目から売られて来た弟分の騰蛇だった。
騰蛇も少し癖のある顔立ちなものの愛嬌があったので、やはりある程度の年齢になってからはそういう事を頻繁にされていた。
彼も生きるために表向きは受け入れてはいたがやはり辛くていつも苦しそうだったので、可能な限り僕がもっと楽しませますのでと身代わりを引き受けた。
特別興業という名目のそれが済んだ後、騰蛇はいつも僕に申し訳なさそうに謝っていた。
僕がしたくてやった事だから気にしないでとその度僕は微笑んだが、当然彼はずっと悲しそうだった。
こういう国のこういう身の上な時点で相当に難しいとは思いつつも、僕達はこの地獄からいつか抜け出せないかと願っていた。
そして僕が17で騰蛇が15くらいになったある日の事、僕の歌声と騰蛇の堅さに目を付けた軍の関係者がスカウトにやって来た。
僕達はこの地獄から抜け出せる事を喜び、二つ返事で勧誘を承諾した。
だがそれはまた別の地獄の始まりだと、すぐに気付かされる事となった。
こういう国でこういう体だし仕方の無い事だと思ってはいたが、実の親からそのような仕打ちを受けたのはやはり悲しかった。
自分で言うのも何だが顔立ちは綺麗な方だったので、ある程度の年齢になってからはそういう事も度々されるようになった。
やはり仕方の無い事だと思い、抵抗もほとんど出来ないし受け入れていたが辛いし悲しかった。
そういう物憂げな表情でされるがままなのも良い、と客には良く言われた。
そんな生活の心の支えになっていたのは歌う事と、そういう事をされるようになる少し前に同じくその見た目から売られて来た弟分の騰蛇だった。
騰蛇も少し癖のある顔立ちなものの愛嬌があったので、やはりある程度の年齢になってからはそういう事を頻繁にされていた。
彼も生きるために表向きは受け入れてはいたがやはり辛くていつも苦しそうだったので、可能な限り僕がもっと楽しませますのでと身代わりを引き受けた。
特別興業という名目のそれが済んだ後、騰蛇はいつも僕に申し訳なさそうに謝っていた。
僕がしたくてやった事だから気にしないでとその度僕は微笑んだが、当然彼はずっと悲しそうだった。
こういう国のこういう身の上な時点で相当に難しいとは思いつつも、僕達はこの地獄からいつか抜け出せないかと願っていた。
そして僕が17で騰蛇が15くらいになったある日の事、僕の歌声と騰蛇の堅さに目を付けた軍の関係者がスカウトにやって来た。
僕達はこの地獄から抜け出せる事を喜び、二つ返事で勧誘を承諾した。
だがそれはまた別の地獄の始まりだと、すぐに気付かされる事となった。
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