だるまっ子入手して恋人になるまでRTA

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もふおとお兄さんの何てことない一日

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僕がお兄さんに買われて二年近くが経った、何てことの無いある日の事。

「…んー、う”ー、良く寝た…ってやば、もう九時過ぎてんじゃん。うわー昨日《静岡ハザード》うっかりやり込みすぎて寝坊した。お兄さんごめん、すぐ朝ご飯作るねー!」

「あー、おはよもふお。君学校行ってないんだしたまには寝坊したっていいんだよ、私も作業集中してると朝ご飯抜いちゃう事なんてザラにあったし、徹夜して翌夕方起きとかもあったしさ」

「もーお兄さん、自営業とはいえもうちょっと生活リズム整えないとダメだよ。僕引き取った頃は部屋もかなりごちゃごちゃで相当だらしなかったし、生活習慣病の予防は若いうちからの規則正しい生活だよ」
「あはは、ごめんごめん。もふおたまーにゲームやって夜更かししたりはするけどそれ以外は生活規則正しいもんね。私もまだそこまでお腹空いてないしいざとなれば間食したりするし、そんな急がなくていいよー」


そう言いつつももふおはてきぱきと着替えた後エプロンを着け、手際よくミニサラダとハムエッグにトーストと見事な朝ご飯を作ってくれた。

「いただきまーす。いつも美味しいご飯ありがとね、もふお」
「いただきます。どういたしまして、お兄さん」


「あ、それで私これから外でアレ企画の打ち合わせがあってね。日帰りなんだけどちょっと遠出するから、帰宅は夜九時過ぎくらいになっちゃうかも。だからお昼ご飯は気にしないで、夕飯も待たないで先に食べてていいからね」
「そうなんだ、分かった。夕飯なにか食べたいものある?」

「うーん、今の気分だとちょっと中華が食べたいけど、もふおにお任せするよ」
「そっか、分かった。作れたらそれ系でなにか作っておくね」

「うん、無理はしないでもふおの作りたいものでいいからね。うん、ご飯今日も美味しかった、ごちそう様。じゃあ悪いけど行って来るねー、勿論買い物とか好きに行っていいけどお留守番よろしくね」
「うん、行ってらっしゃい」

そうしてお兄さんは一見すると普通のノマド系ワーカーっぽい恰好でアレな打ち合わせに出て行った。

「さて、冷蔵庫の中身心元ないし、昼と夕飯の食材調達に行かなきゃな。…ってそういえば今日闇家庭教師さんもお昼ごろから来るんだった。じゃあ急いで買い物行かなきゃ」


そんな訳で僕は遅まきながら歯磨きや洗顔を終え、近所のスーパーに買い物へ出た。

「えーっと今日は〇〇屋がポイント3倍デーで、確か卵もセールだったよな。じゃあそこだな。後は安くて美味しそうな食材でフィーリングで夕飯作るか」

そうしてスーパーに向かう途中で僕のスマホが鳴った。

「あ、お兄さんからLINEだ。なになに、ふーん、闇世界ニュースでちょっと話題になってるけど某所の研究者が造った遺伝子組み換えのアレなトマトがうっかり普通のトマトに混入して流通しちゃって、そのトマト美味しいんだけど凶暴で人に噛みついたり襲い掛かったりもするから気を付けて…か。うっわー、怖いなぁ」

昔の僕だったら相当引いたろうが、お兄さんのアレ企画に二年近く付き合っているうちにその程度はまああるよねーくらいに流せるようになってしまった。

「…うーん、普通ならドン引く案件なんだろうけど人喰いサメとかチュパカブラとか目の当たりにしてると殺人トマトくらいじゃもはや動じないな。我ながら慣れって怖い」


そうして大型スーパーの入っている商業ビルに入ると、入り口から間もないあたりの生鮮野菜コーナーで突如悲鳴が響き渡った。

「え、何事。…ってなんかトマトが数個唸りながら人に体当たりしてるし。ひょっとしてアレが例の殺人トマトか」

そのトマトは駆け付けた店員さんが叩き潰したりして必死に対処していたが、店員さんの攻撃をすり抜けて一体こちらへ恐ろしい唸り声をあげ向かって来た。

「うわ、危なっ」

僕はどうせ義肢だし噛みつかれても平気だろうと思い、咄嗟に片手を差し出し迫り来るキラートマトを思いっきりはたき落とした。

義肢の攻撃で勢いよく地面に叩きつけられたアレトマトはそのままびしゃりと潰れ動かなくなった。

「お、お客様申し訳ございません!お怪我はありませんか」
「あー、僕強いので大丈夫です。うわーでもカーディガンにトマト汁付いちゃった。帰ったら洗わなきゃ」
「も、申し訳ございません。クリーニング代は当店が持ちますので。本当に危ない目に遭わせてしまいすみませんでした」
「あー、それはどうもありがとうございます。店員さんも大変ですね」

「…お、お客様あまり動じて無くてすごいですね。あ、あの店長。暴れているトマトなんとか全滅させましたが、これ警察と消防どっちに連絡したらいいんでしょうか」
「ううむ、これはたぶん朝礼で少し触れたが危険な遺伝子組み換えアレ生物が混入したのだろうな。私が闇保健所に連絡しておこう。君は清掃と他のお客様の避難誘導を頼むよ」
「…や、闇保健所なんてあるんですか」

(あー、お兄さんから前ちょっと聞いた事あるけどこういう時に闇保健所が出動するんだ。リアルバイオハザード怖いなー)

そうしてぺこぺこと平謝りする店員さんをよそに、義肢とカーディガンをトイレで洗ってカーディガンは良くしぼり、濡れた物を出して申し訳無いがスーパーに併設されているクリーニング店に事情を説明してカーディガンを預けた。

「ふー、カーディガン以外はほぼ無事でよかった。エコバッグも汚れたら洗濯面倒だし」

そうしてつつがなく買い物を再開する事にし、僕はまだややざわついている食品コーナーを見て周る。

「あ、こんな理由でアレだけどさっきのトマト見てたら卵のトマト炒め食べたくなって来たな。お兄さん中華食べたいって言ってたし、卵もセールでちょうど良いし今夜はそれにするか」

そうしてまともなトマトを買い、他にもセール品などめぼしい物を手早く物色した後レジで会計を済ませた。


「さてと、ちょっと驚いたけど食材はオッケーっと。…あ、先生来るからあんまり長居出来ないけどちょっとだけ本屋見て行くか」

僕は商業ビルに入る本屋のスペースに立ち入った。

「えーっと、漫画とかは電子書籍で大体読んじゃうし、小説かなんかで面白そうな新書あったら買ってくか。…ん」


ふと、新書コーナーで平積みされている本が目に入った。

「《やさしい鉱物学》…ふーん、鉱物学の本かあ。僕ド貧乏だったから鉱物とか宝石とか全然詳しくないけど、表紙の鉱物綺麗だな、これなんて石だろ。…ん、この著者の苗字見覚えあるな、どこで見たんだっけ」

その綺麗な桃色と薄荷色の鉱物が表紙の本を手に取り、カバー袖の著者紹介を見てみた。

「あー、この苗字数年前にノーベル賞受賞した有名な鉱物学者の人か。ふーん、その養子兼弟子の男の子が著者で、まだ十代なのに優秀で飛び級して今某有名大学の助教授やってるんだ、僕とほとんど変わらない歳なのにすごいなあ」

僕はその著者の子の経歴に興味を持ち、その本を買う事にした。


そしてまた会計を済ませ、闇家庭教師さんを出迎えるため僕は急いで自宅のマンションにと帰った。

それから手早く買って来た荷物を分けたり冷蔵庫にしまい、一段落着いた頃。

(ピーンポーン)

「あ、先生だろうな。はーい、今出ます」

「やあ、もふお君。今回も家庭教師に来たよ」
「はい、よろしくお願いします」


それから闇家庭教師の先生のアレ気味ながらもためになる勉強を受け、数時間後。

「…と、以上がボストン糖蜜災害の概要です。分かったかな」
「はい、大丈夫です。ボストン茶会事件は知ってたけどこんな事もあったんですね、勉強になりました」
「ああ、字面だけだと可愛らしくも思えるが、実際は数十人の死者が出る凄惨な事件だったそうだからね」
「うわー、粘性のある糖蜜に飲まれて死ぬとか嫌だなあ」

「さて、もう良い時間だし、今回はこのくらいにしておこうか」
「はい、色々ためになって楽しかったです。ありがとうございましたー。あ、先生良かったら何か軽くお昼でも食べていかれますか?大したものは用意できずすみませんが」

「ああ、気持ちは嬉しいがこれから副業のアレな仕事が入っていてね。ターゲットを待ち伏せしないといけないのでこのまま失礼するよ」
「あー、先生兼業で薙刀使いの仕事人さんされてるとの事でしたもんね、分かりました。お仕事頑張って下さいねー」

「ああ、ありがとうね。では私はこれで。次回のために歴史の参考書の70ページを予習しておいてね」
「はい、分かりましたー」


そうして仕事人と兼業のアレ気味だが心優しい闇家庭教師さんは帰って行った。

「うーん、実際戦う所は見た事無いけど、お兄さんの話だと結構腕の良い人らしいし、ただものでは無い雰囲気だからきっと強いんだろうな。ちょっと武道訓練とかもやってみたいかも。僕は義肢が強いから肉弾戦だけど長物もかっこいいよね」

そうして頭脳労働してほどよくお腹が空いたため、お兄さんがいないので手抜きでさっきスーパーで買っておいた弁当や総菜を食べ遅めの昼食を済ませた。

「あー、寝坊しちゃったけどご飯食べて少し眠くなって来た。ちょっと寝ちゃうか」

そして心地よい微睡みに身を任せ、スマホのアラームをセットしてしばらくの間眠る事にした。


それから一時間半くらい後、スマホのアラームで僕は目を覚ました。

「…んー、良く寝た。ちょうど夕方くらいだね。まだお兄さん帰って来ないだろうけど、夕飯仕込んでおくか」

そうして僕はスーパーで考えた通り、トマトの卵炒めを作る事にした。

手際よくメインディッシュの卵炒めを作り、ついでに中華スープも仕込み炊飯器もセットしておいた。


「よし出来たっと。僕もまだお腹空いてないし、あと何しようかな。…あ、さっき買った本でも読むか」

僕はエプロンを外し、買って来た鉱物の本をリビングに持って来て若干アレ気味だがゆったりしたソファに腰かけページをめくった。

「ふーん、僕みたいなド素人でもすごく分かりやすく説明してくれてる。図録の鉱物どれも綺麗だなー。面白いし読み終わったらお兄さんにも貸してあげよう」

「へえ、表紙の綺麗な鉱物、例のノーベル賞取った学者さんが発見した地球外鉱物で著者の子の名前を模して付けたんだ。〇〇タイトか、良い名前だね」

「…あれ、この子の手って」

本の中ほどにあった著者の少年の全身写真をよく見ると、長袖で隠れていて分かりにくいが両腕とも義手のようだった。

「…ひょっとしてこの子も、僕と似たような境遇なのかな。だとしたら大変だったのに、偉いね」

そう思いを馳せていると、いつの間にか随分と時間が経過していたのか玄関のチャイムが鳴った。

(ピーンポーン)

「…あ、気が付いたらもうこんな時間だ。お兄さん帰って来たのか。はーい、今開けるねー」


「ただいまー、もふお。もうご飯食べた?」
「いや、まだ。よかったら一緒に食べようよ」

「えー、待たなくて良かったのに。お腹空かなかった?」
「うん、そういう訳じゃないから大丈夫。お昼遅めだったから平気だし。後でご飯食べながら話すけどちょっと色々面白い事があってさ、気が付いたらこんな時間になってた」

「へー、そうなんだ。あ、良い匂いするけど夕飯中華?」
「あーうん、リクエスト通り中華でトマトの卵炒めと中華スープ、あと冷ややっこだよ」
「おー、いいねいいね。あ、私の方も色々話したい事あるんだ。今度のロケ因習村の予定なんだけど、今日打ち合わせしたアレ考古学者さんが面白くってさ~」
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