魔法少年だるま☆マギカ

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魔法少年だるま☆マギカ セカンドシーズン

魔法少年だるま☆マギカセカンドシーズン 波乱の夏休み編

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ケッソンが魔獣にえげつなく喰われてから更に少し後。


「うーん、最近生徒会との小競り合いとか魔獣や3バカの襲撃はあるけど、謎勢力っぽいのは来ないね」
「僕もかなりダークシード稼いで魔力強化したし、あのアンドロイド野郎とそろそろ再戦したいんだけどなー」
「だねー。俺も魅了は効かないけどダークシード少し分けてもらって槍や魔力ある程度強化したし」
「うん、もう7月入ってそろそろ夏休みになっちゃうもんね」
「最近クソ暑すぎて登下校時にダウンしかねないからって、7月初旬辺りから前倒しで夏休み入るもんな」
「温暖化ヤバいから9月下旬辺りまでかなり暑いけどねー」
「とはいっても首都部よりは緑多いし、この辺りはまだマシだよね。たまに熱気対策で空中から大量のドローン使ってミスト散布してくれたりするし」
「それも例のすごい研究者が関わってたりするのかな。だとしたらちょっと怖いけど」
「大量のドローン登用はそれなりに予算がかかるだろうし、その可能性はあるな」

「で、夏休み中は流石に生徒会から呼び出しも来ないだろうし僕達どうしようか。アレな町だしいくらでも事件はあるだろうけどさ」
「そうだねー。とりあえず例の天才少年の子の力になってあげたいし、町内外の事件解決しがてら怪しい奴ら探そうか」
「まあ、それが無難だね。結局第一期とほぼ同じ感じだけど仕方ないね」
「たまには原点回帰も良いだろう」
「つっても第一期も2クールと劇場版二本程度しかやってねえがな」
「まあ、アレ過ぎな内容の割には打ち切りにもならず頑張ってる方じゃない?」
「時代に救われたよね」

「とは言ったものの、もちろん勉学や魔獣化嫌だから活動もしなきゃだけど少しは夏休みらしい事したいよね」
「うーん、でも泊まりに行くにも今から宿取るの大変じゃない?相当アレな安宿か、逆に足元見た超高い部屋とかしか残って無さそう」
「うわー、アレな安宿も嫌だが俺は施設暮らしだからぼったくり部屋は無理だな」
「俺も前はネットアイドルで荒稼ぎしたけど、もう全部気の毒な人達に返しちゃったしなー」

「ケッソンまたいつぞやみたいになんとかしてくれない?僕達二度も魔法界揺るがす巨悪倒したんだしそのくらいいいでしょ」
「えー、主人公の君も厚かましくなって来たっピね。魔法界も財政難で世知辛いんで英雄とは言えこれ以上の忖度は無理だっピ。魔法国民の消費税35%でこれ以上上げたら暴動起きかねないし」
「魔法界ほんとやべえな」


「あ、じゃあ僕のおじいちゃん、今は歳で廃業したけど昔民宿やってて家広いし、友達泊めるくらいなら快諾してくれると思うしそこ行かない?お礼に家の掃除とかしてくれればお代はいらないって言うと思うよ」
「え、性癖アレな子いいの?じゃあありがたくお言葉に甘えようかな」
「民宿も風情があっていいな」
「あー、俺も昔のド貧乏時代にちょっとだけそういう所泊ったっけ。家族との数少ない良い思い出だな」
「うん、俺ホテルや合宿所はあるけど民宿って初めてだし泊まってみたいなー」
「僕は昔熊狩りのボランティアやった時に泊まった事あるけど、民宿いいよね」
「君ほんと昔から怖い」

「じゃあ皆それで良いかな。おじいちゃんに電話して大人数で泊って良いか聞いてみるね。大丈夫そうだったら、皆で予定すり合わせよう」
「うん、変態の子よろしくー」

そうしてその日は何もアレ事件が起きなかったので解散し、翌日性癖がアレな子の祖父母からOKが出たのでさっそく皆で予定を合わせ、その間生徒会との小競り合いはあったが他の大きな事件は無く夏休みを迎えた。


そして性癖アレな子の祖父母宅に行く数日前、カケミンが魔法界の刀匠に話を付けて彼の愛刀を強化してくれる事となりカケミンに一時的に刀を預けた。

「はい、確かにお預かりしましたミン。すぐに魔法界に戻って、刀匠さんに鍛え直しを依頼しておきます。その間丸腰では危ないので、代替品にこちらをご用意しましたミン」

カケミンは彼の愛刀より少しだけ小ぶりな、見事な拵えの刀を差しだした。

「ありがとうカケミン。うん、これもかなり良い刀だね」
「ええ、これも君の愛刀に引けを取らない魔法界の業物、達磨兼定ですミン。切れ味は保証しますミン」
「ちゃんと代替品も用意してくれるとかカケミン仕事出来るよね。ケッソンならこうはいかないだろうなー」
「えー、ひどいっピー」
「あはははは」


そんなこんなでCMを挟み、アニメにありがちな場面転換であっという間に海辺の性癖アレな子の祖父母宅に僕達は到着した。
(流石に長距離飛ぶとだるま耐性の無い人々に驚かれるので普通に電車や高速バス使った)


「おー、着いた着いた」
「わー、民宿風情があって良い感じだね」
「良い意味で鄙びているな」
「まあ、元民宿だけどね。でも几帳面な人達だからお部屋はきちんと片付いてると思うよ」
「お料理楽しみだな~」
「あ、おじいちゃんたちまだ元気だけど結構高齢だから、悪いけど料理の仕込みや買い出しは手伝ってもらうけどよろしくね」
「うん、そのくらいはタダで泊めてもらうし当然だよね」
「俺、結構お料理得意だし余裕―」
「あー、結構魚いそうな浜辺だし釣りや魔法で捕ってくるか」
「魔法とは言え無許可の投網漁は違法の可能性があるので気を付けろ」
「まあその時は例によって俺が魅了でアレするよ」
「だからやめて」

「ふーん、やや小汚いけどまあまあ良い感じのお宿だっピね」
「ち、ちょっとケッソン、お世話になるのに失礼だミン」
「小汚いのはお前の存在そのものだろうが」
「実際よく血や臓物まみれになり小汚いしな」
「それ小汚いって言うのかなー」


「ああ、君達が孫のお友達かい。良い子とはいえかなりアレな部分のあるこの子と仲良くしてくれてありがとうねえ」
「ええ、趣味はアレですが彼にはいつも良くしてもらってますので」
「ご飯の準備やお掃除手伝って貰う事になって悪いけど、お金は要らないからゆっくりしていってね」

「はーい、喜んで。こちらこそお世話になりまーす」

性癖アレな子の祖父母は年老いているが心優しそうな人で、立派な大広間に通され地元のお菓子やお茶で気さくにもてなしてくれた。

そうして近所のスーパーにみんなで買い出しにいったり海辺で法に触れない程度に魔法でアレ漁をしたりして材料を調達し、特に出先でトラブルに見舞われる事もなく帰還しつつがなく料理や掃除の手伝いをし、新鮮な海や山の幸満載の料理を美味しく頂き夜は更けていった。

「あー、お料理美味しかったね。さすが商売してただけあって、お祖父さんたち料理上手だね」
「うん、昔からこの民宿浜鍋やお造りが名物だったから。魅了使いの子も包丁さばき器用だったね」
「へへー、でしょ。やっぱり最近の男子は料理も出来なきゃだしね~」
「僕もカレーくらいなら作れるけど、飾り切りもできるなんてすごいね」
「僕は昔力いっぱいやりすぎてまな板も粉砕しちゃって、相方から包丁持つの止められてるんだよね」
「君本当蛮族だな」


「あ、ちょっと型は古いけど元民宿だからカラオケあるよ。おじいちゃん使っていいって言ってたし良かったらなんか歌わない?」
「あー、いいねいいね」

「んー、でもやや古めって事は最新の歌は入ってないかー。何歌おっかな」
「王道のアニソンとかで良くない?」
「俺は般若心経にする」
「怖い」

「あ、じゃあとりあえず僕から入れるね。じゃあこの歌なら絶対あると思うし。あ、あったあった」

そうして僕は古めのカラオケマシン特有のコードの書かれた分厚い本をめくり、目当ての曲番号を入力した。

カラオケマシンからは、いかにも昔の王道魔女っ娘ものっぽいイントロと動画が流れて来た。

「リリカルマジカル・リリカルマジカル♪魔法の呪文でみんなを~幸せに~するの~♪」

「あー、聞いた事あるけど何の歌だっけこれ」
「ああ、魔法少女ものの原点にして頂点とも言われている《魔法少女ミザリィ》のOPテーマだな」
「あー、俺もテレビの懐メロ特集で聞いた事あっかも」
「うん、魔女っ娘ものの原点なだけあってかなり古い、たしか60年代くらいの曲だよね」
「いきなり懐メロとは、主人公くんもやるっピねー」
「ボク達比較的最近に生まれた妖精なので、リアルタイムでは知らないですミン」
「うん、妖精でも最長老格くらいしかその時代にはまだ生まれてないっピね」

「魔法のステッキ回して~メタモルフォーゼ~♪」

そうして、僕はノリノリでその懐かしのアニソンを歌い終わった。

「おー、お前結構歌上手いじゃん」
「採点機能は付いていないが80点くらいは取れそうだな」
「ありがとねー。僕もそこまで流行りの歌とか詳しい方じゃないけど、この歌は小さい頃から好きでさ」
「ふーん、何か思い出でもあるの?」

「うん、僕のおじいちゃんがこの曲好きで、小さい頃からよく一緒に歌ってたんだ」
「へー、そうなんだ」
「今なら全然ありだけど、おじいさんの時代じゃ男で魔女っ娘もの好きって相当珍しいよね」
「俺のじいちゃんとばあちゃんは絶縁してたり早死にしちまったりで、そういう思い出ほとんどねえなー」
「うーん、あんた本当大変だね。俺も仲は良かったけど結構早くに死んじゃったけどね」
「僕はまだ健在だし、おばあちゃんっ子だな。おばあちゃん元猟師だし」
「君凶暴なのはおばあさん譲りか」

「うん、やっぱ当時はかなり恥ずかしかったけど昔から魔女っ娘とか魔法使いとかそういうの好きだったみたいで、友達や親には内緒でこっそりそのアニメリアタイで見てたんだって。そういう訳で僕が魔法少年やってるって家族に明かした時も、おじいちゃんだけは特に引かなかったんだよね」
「へー、そうなんだ。僕は全員から引かれた」
「俺の家族も特に全員引かなかったがな」
「お前家族もやっぱりアレなんだな」
「あー、俺は今も内緒にしてて、バレそうになったら魅了でアレしてる」
「僕も必要無いかと思って特に言ってないや。何度かニュースで写っちゃった事あるし、たぶんもう知られてるだろうけどね」
「まあ、身バレしても特にペナルティは無いからそこは各自に任せてるっピ」


「じゃー次は俺にするか。うーん、確かに古めだけどいつ頃の曲まで入ってるんだろうな」
「民宿やってたのが10年ちょっと前くらいだから、たぶんその頃の曲まではあると思うよ」
「んー、んじゃ当時流行ってたJPOPでも歌うか。俺小さすぎてその頃の曲あんま知らねえけど」
「2010年代の楽曲も良いな」
「僕は夜桜お七にしよーっと」
「渋い」


そんな感じでその夜は皆で懐メロ中心に歌い楽しく更けていき、何事も無く翌日。

「んー、今日は何しよっかな」
「あ、おばあちゃん達言ってたけど食材は昨日十分買い込んだから、夜まで自由に遊んでていいってさ」
「そっか、分かった。じゃあ一部の子は昨日アレ漁してたけどみんなで海行こうか」
「おー、良いね良いね」
「あ、僕日焼け止め持って来るの忘れちゃった。まあ無くてもいいか」
「いやそれ後で地獄見るぞ。俺のやつ貸してやるから塗っとけって」

だがその時、急に外に設置してあるスピーカーから警報が流れ始めた。

「あれ、なんだろ。まあ何となく想像付くけど」
「うーん、折角の旅行中だし魔獣か三バカあたりだといいんだけどな」

「うーん、警報聞いてきたけど悪質なブリーダーや多頭飼育で崩壊した家庭が野に放って野生化した猫や犬たちが、突如凶暴化して通行人を襲ってるらしいっピね」
「あー、じゃあそういう系なら三バカのあいつかな」
「あいつ来るの久しぶりだね」

「ふーん、あいつって?俺分かんないや」
「あーうん、二期始まってからはほぼ出番無かったけど、あの魔女や軍服バカの仲間の人狼。動物達を凶暴化させたり、人を獣にしたりする系の魔法使うからたぶんそいつだと思うよ」
「ふーん、なるほどね」
「獣ならぶっ殺しちゃっていいよね。わーい」
「うーん、下手な人間より問題になりかねないし、動物虐待は色々まずいから殺すのは控えといて」
「えー残念。まあ分かった」

「み、みんな大変ね。そういう子達って言うのは聞いていたけど、くれぐれも気を付けてね」
「うん、僕達強いし大丈夫だよ。おばあちゃん達も屋内でじっとしててね。じゃあ行って来るね」


そうして僕等は、心配そうなおじいさん達に見送られ変身し飛び立った。(やっぱ変身した時引かれた)


「グルフフフフ。身勝手な人間共に虐げられた同胞たちよ、今こそ復讐の時だ。愚かな人間共をみな噛み殺してしまえ」

「あー、やっぱお前か。CV檜山〇之のオオカミ獣人」
「お前出るの久しぶりだね」
「人気キャラなのに随分出し惜しみしたな」
「抱き枕まで出てるのにね」

「あ”あ”?ウザい臭いがすると思ったらてめえらか。ここで会ったが百年目、ズダズダに引き裂いて肉塊にしてくれるわ」

「あー無理無理、確かに一期の序盤は強敵だったけど今は変身さえしなきゃ大した事ないし、こっちは6人もいるし」
「うん、もはやチワワ同然で余裕っピね~。プギャーwww」
「あーこいつ今すぐあの野犬の群れの中にぶん投げてえ」
「見事にフラグを建てたな」
「食べやすいようにチェーンソーで細切れにしとこうか」

「ふん、てめえら余裕ぶっこいてられるのも今の内だぜ。オレ様もあのクソ伯爵を見限る時に冷凍庫から伝説の神獣の霜降り肉をかっぱらって来たんだ。激ウマ肉でパワーアップしたオレ様は今までとは違うぜ。こいつを見な」

そう狼獣人はなぜかソースせんべいを取り出して自身の目の前に掲げた。

「はー?戦闘中におやつタイムとかそっちこそ舐め腐ってるじゃん」
「ウサギを狩るのにも全力を尽くすタイプのお前が、舐めプとかどうしたの」
「腹が減ってるのか」
「僕ソースせんべいは梅ジャム塗るのが一番好きだな」
「俺は練乳ー」

とか緊張感に欠けたおやつ談義をしていた僕達だが、突如獣人の様子が一変した。

「…え、このヤバ気な魔力なに」
「え、嘘。このエフェクトと変身バンクってまさか」

「ふん、驚いたろ。今更焦ったって遅いぞ、てめえら覚悟してもらおうか」

膨大な魔力を身にまとった獣人は、ツリ目で邪王炎殺〇龍波とか撃ちそうな感じの可愛らしい犬耳の生えた美少年に変貌していた。

「えー、こいつも三バカ魔女みたいに変身するの」
「…うん、でも満月の夜にしか変身できないはずなのに」
「今思いっきり昼だし、今日満月でも無いしね」

「ふふふ。これが神獣を喰らって力を増したオレ様の新たな力だ。満月の晩でなくとも丸い物さえ見ればいつでも人になれるようになったのさ。さあ、覚悟してもらおうか」
「え、えー。そんなのズルすぎでしょ。何でもありじゃん」
「…こいつ、変身すると相当強いから本気でかからないとやばいかも。みんな、気を付けて」

「うん、分かった」
「うー、完全に人の姿だと放送コード的にぶった斬れなくて残念だけど。ほぼ全力で頑張るね」


予想外に強敵化した獣人の少年と戦闘を開始しようとしたその時。
突如目の前の時空が歪み、いつぞやのCV岡本〇彦のアンドロイド少年が現れた。

「…うわ、こいつも来るとかヤバいな」
「うっわー、タイミング悪すぎー」
「でもあの時のリベンジが出来るね。上等だオラァ!」

「…工場以来だな。あの時は不覚にも遅れを取ったが、あのお方に強化改造を施され更に戦闘能力や外装強度を向上させた。二度とは負けん」
「うわー、ライバルキャラだし当然だろうけど厄介だなー」

《…ああ、また彼が現れてしまったんだね。今回もジャミングが発動しているようだけど、急いで解除して本物の僕も駆けつけるようにするよ。どうか、それまでみんな持ちこたえて》

スリープ状態になっていた僕のスマホから、天才少年のAIが起動して悲しそうな顔で話しかけてきた。

「…うん、頑張るね。こいつ厄介だから、君もくれぐれも気を付けて。…じゃあ皆、行こう」


「…っておいちょっと待てやコラ、オレ様をほったらかして何勝手に乱入してくれてんだこのクソガキがー!!」

予想外の乱入イベントに存在を忘れかけていた、獣人の変化した少年がアンドロイド少年に殴りかかった。

「あ、確かにそうだった」
「ちょっと一瞬忘れかけてたね」

「…誰だか知らんが邪魔だ、消え失せろこの駄犬が」

ドスの効いたCV岡本ボイスで吐き棄てアンドロイド少年は獣人少年へ向け手をかざし、手のひらに空いた発射孔から全力でエネルギー派をぶっ放した。

「キ、キャウ~~~ン」

情けない声を上げて元の狼姿に戻った三バカの獣人は、黒焦げになって遥か彼方へすっ飛んで行った。

「…うわ、変化したこいつ一撃で倒すとかヤバいな」
「うん、気を引き締めて行こう」

「…こっちも鍛えたり魔力かなり強化したし上等だ、この前の借りをきっちり返させてやんよオラァ!」

「ふん、今回の外装は貴様のチェーンソーでも理論上傷付かん。ほざいていろ。…だがその前に、二度同じ手を食わんように先手を打たせてもらう」

そう険しい顔でアンドロイド少年は今度はケッソンへ向け手を伸ばし、指先から射出された無数の銃弾でケッソンをハチの巣にした後火炎放射で完全に塵にした。

「え、ピギョフっ」

やっぱり情けない断末魔を上げてミンチを経て塵になったケッソンは風に飛ばされて行った。

「うっわー、これじゃケッソン砲身塞ぎ使えないな」
「まあ、流石に同じネタ3度もやったらマンネリだけどね」
「安易な天丼は視聴率に響きそうだしな」
「カケミンは残ってるけど、この子でやるのは流石に可哀想だしなー」
「うん、僕もカケミンは首跳ねる以上の事はしたくないなー」
「…あ、ありがとうございますミン。いや首跳ねられるのも嫌ですけど」

「…そういう事だ。これでもうあの忌々しい単細胞生物も消え去った、姑息な手は通じんぞ。貴様等全員、死んでもらう」


そうして僕達はより強化されたCV岡本〇彦のアンドロイド少年と激しい戦闘を開始したが、言葉通り彼の身体能力は更に恐ろしい物となっており、外装も相当強化されたのかバーサーカーの子のマジカルチェーンソーでも傷一つ付く気配がなかった。

「…うー、ほんとヤバいなこいつ」
「…うん。僕もかなり魔力や身体能力強化したのに歯が立たないとか、悔しい」

「…ううん。武器のせいにはしたくないけれど、やっぱり使い慣れた刀でないと今一つ調子が出ないな」
「あー、そういや今変態の子武器預け中だったもんね。タイミング悪い時に来ちゃったね」

「…そこの刀使いの貴様、動きが鈍いな。貴様から消させてもらう」

そう恐ろしい勢いでアンドロイド少年は変態の子に駆け寄り、腕から出した仕込み刀で彼を貫こうとした。

「…え、嘘危ない。援護魔法間に合わない」

「…あ、やば」


その時突如、天からまばゆい光弾が飛んできて襲い来るアンドロイド少年にぶち当たった。

「…え、な、何?」
「…助かったけど、今の誰の魔法?」

「ああ、それは僕が放ったものだ」

「…貴様、何者だ。ジャミング電波で転送は容易に出来んはずだ」

僕達が振り向いた先に居たのは、目元を隠すタイプのマスクを付けた男装の麗人っぽい装いの見慣れぬ魔法少年(CV斎〇みつき)だった。

「え、もう中盤なのにここに来てまた新キャラ?」
「えーっと、助かりましたがどちら様でしょうか」

「名乗る程の者では無い。だがまあ世を忍ぶ仮の名として、ミステリアス仮面とでも名乗っておこうか」
「い、いや君見かけによらずそういうキャラなの」
「君イケボで綺麗だけどネーミングセンスはアレだね」

「…貴様、問いかけを無視するな。どうやってここまでやって来たと聞いている、転送魔法の気配は感じなかった」
「ふん、まあこれも一種の魔法だが、確かに普通の移動魔法とも少し違うね。まあ企業秘密とだけ言っておこう」

「…ふざけた事を言ってくれる。まあ良い、増援一人程度で俺は負けん。さあ、戦るぞ」

「ああ、ちょっとその前に大事な用がある。…ほらそこの君、これを渡しに来たよ」
「…え、これは僕の達磨念仏。どうして君が?」

「まあ、ちょっと例の刀匠とは個人的に縁があってね。丁度研ぎと鍛え直しが終わったので、急いで君に届けて欲しいと預けられたんだよ」
「そ、そうなんだ。うん、どうもありがとう」

性癖がアレな子は戸惑いつつも馴染んだ愛刀を受け取った。

「…貴様、どこまでも無視しおって舐めた真似を。貴様から死ね」

そう怒気を孕んだ表情で謎の追加魔法少年を睨んだCV岡本〇彦の少年は、またもや容赦なく滅却法を彼目掛けてぶっ放した。

「ふふ、悪いが僕には成すべきことがある。まだ死ぬ訳にはいかないね」

突如少年はビームの射線上から消え去り、いつの間にかアンドロイド少年の背後に移動していた。

「…うわ、ワープ魔法の使い手なのかな」
「でもアンドロイドのあいつが、そういう魔法の気配はしなかったって言ってたけど」
「…うん、っていうかぼくもあの子知らないっピ」
「はい、ボクもです。というか魔法界は魔法少年といえど、気安く行き来は出来ないはずなのにミン」

「あー、そうだったよね。僕達も一期ラストで黒幕ぶっ倒す時に魔法長老に呼ばれて一度行ったきりだったし」
「本当あの子、何者なのかな」
「でもワープ魔法じゃ攻撃力は今一つだよな。あのアンドロイドの奴マジで堅いしどうやって倒すかなー」

「どんな物も完全無欠という事はそうそう無いものだ。…それは僕等や敵とて同じ事。知恵を使えばどうとでもなる」

そうCV斎〇みつきの少年は、どこからか出した多数の青と赤色の薔薇の花をアンドロイド少年に投げつける。

すると青い薔薇からは強烈な冷気が、赤い薔薇からは灼熱の炎が発生し交互にアンドロイド少年を包み込んだ。

「…猪口才な。この程度の熱と冷気で俺を倒せると思っているのか」

だがその時、闇深アンドロイド少年の外装に多数の亀裂が入り始めた。

「…なん、だと」

「…そうか。強烈な温度差による金属疲労か」
「あー、なるほど。あいつも人間っぽいけど金属で出来てるのは間違い無いわけだしね」
「あんたネーミングセンスはアレだけど、頭脳プレーやるじゃん。助かったよ」

「どういたしまして。さあ、もう余裕のよっちゃんだろう。あとは君達に任せるよ」
「いや君さらにそういうキャラなの、外見とのギャップ凄まじいんだけど」
「今シリアス展開なのに脱力しちゃうなー」

「まあそんな事言ってる暇無いか。よーし、みんな一気に行くよ!」
「「「おー!!!」」」


そうして僕達はキャラの読めないミステリアス仮面に若干戸惑いつつも、装甲が損傷したアンドロイド少年に全力で猛攻を加えまくった。

「…うん、この刀確かに切れ味すごくなってる。…これで、とどめだ!」

最後は性癖がアレな子が激しい斬撃を喰らわせ、アンドロイド少年の外装は大きく袈裟懸け状に抉れた。

「…おのれ、二度も不覚を取るとは。…ミステリアス仮面、貴様も要注意人物として記録させてもらう」

「あまり物騒な覚え方はされたく無いけれど、仕方ないね。…君も殺人兵器として生みだされて、気の毒な子ではあるのだけどね」

「…貴様等の同情など不愉快なだけだ。次は必ず殺す」

そうして殺意全開のアンドロイド少年は転送装置を起動しどこかへ消えて行った。


「…よかった、ケッソン未使用でもなんとか勝てて」
「うん、君、助けてくれて本当にありがとう」
「どういたしまして。理由あって素性は明かせないけれど、僕は君達の味方だ。ずっと応援しているよ。…では、さよなら三角、また来て四角」

「さ、最後までそういうキャラなの」

そう昭和臭いセリフとともに彼はマントを翻し、気が付くとどこかに消えていた。


「…ふー。疲れたけど今回は皆深刻な怪我はなくてよかったね」
「うん、ミステリアス仮面のおかげだね。ネーミングセンスアレだったり妙にノリが昭和だけどいい子だったね」

「うーん、本当あの子誰なんでしょうミン。明らかに普通の人間ではなさそうだけど、どうも魔法少年ともちょっと違った雰囲気がしましたミン」
「今度魔法界に行って、登録されてる歴代魔法少年のデータベース調べてみるっピよ」
「へー、そんなのあるんだ」
「はい、もちろん始まりの彼とかみたいに、プライバシーはアレな世界とはいえ尊重しないとなので変身前の詳しい素性とかは分かりませんが。正式な契約に基づいているならかならずデータベースに載ってるはずですミン」


「…君達、特に大きな怪我は無さそうで良かったよ。…ジャミングが以前より手強くてね。また入れ違いになってしまってごめんね」
「あ、天才少年の子来てくれたんだ。うん、今回は平気だったし気にしないで」

「…しかし、仲間とはいえ未知の魔法少年に、更に強化されたアンドロイドの彼か。…僕も、本気を出さないといけないね」

「あー、君が本気で協力してくれたらちょっと怖いけどすごく頼もしいよ。でも危険だし無理はしないでね」
「うん、ありがとうね。流石に差し違える気は無いから安心して」

「ん、じゃあ三バカのあいつ消えて野犬とかもおとなしくなったみたいだし帰ろうか」
「そうだね。あ、折角君も来たんだし夕飯一緒に食べてかない?おじいちゃんたちのご飯美味しいよ」

「…そう。じゃあ、ありがたくご馳走になろうかな」
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