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冒険者学校編
聖獣〈居候〉の託宣
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ミハエルさんとジャック大臣が席を立ったので、この席にアンナ監査官が戻ってきた。リリーがご満悦でケーキを頬張っているのを見て苦笑いしている。
「良かったわねリリー」
「はい!」
「何とかなりそうね。でも、ハウア外務大臣と情報相のメダル長官とハリー元帥は、苦言を呈してくるでしょうね」
「あのう、自分に申し開きの機会はあるでしょうか」
「ミハエルが認めたらそうです。何か言いたいのですか」
「それが、なんと言えば」
「ご主人様には、居候がいるんです。ですよねご主人様」
こいつ、秘密を守れないのか?
「自分、魔力が少し強いじゃないですか。北の山で修業した時知り合った精霊がいて、たまに、おれの中で寝ているんです。彼が、話たいことがあるそうです」
「北の山?どこの北の山ですか」
「自分、ノイ村出身なんです。それより北の山です」
― ユウ、わしと代われ
「ちょっと待てよ」
「・・・・・・、メアリー久しいな。冒険者を育てることは、勧めたが、まさか、結婚しなかったとは、思わなかったぞ」
メアリーは、この言葉を聞いて、地にひれ伏した。
「御久しゅうございます。聖獣様」
これを聞いたアンナ監察官や執事やメイドが地に伏した。リリーはそのまま。キョトンとしている。
「何、頃合いかと思っただけだ。そろそろ、同胞たちを港に捨て置くのは、忍びないと思ってな。どうだ、いい機会であろう」
おい、後でちゃんと説明しろよ
― 数人の関係者には、姿を見せて直接話そう。その機会は、すぐ来る
「心強いお言葉。では、わたくしの30年は、報われるのですね」
「まだ、しばしかかる。今は、我慢の時だ。しかし、今日が出発点になるであろうの。そのために、メアリーには、次のことを勧める。リリー、緑の魔石をメアリーに差し出せ」
「えー」
「差し出さんか。太るぞ」
「すいません。ご主人様」
メアリーは、リリーから極大の緑の魔石、生命の緑石を授かった。
「リリー、メアリーの生命を循環させよ」
「はい、ご主人様。命集めし宝石よ。風に運ばれ、地を寝床に、ここで苗木とならん。天よりの火かり、流れくる水によって命を解き放たん。バイオコーラス、アウレア。はーーーーーホォム」
メアリー先生の体が緑に薄く光り、その輝きはメアリー先生の内に届いて輝き続けた。
「メアリー、ミハエルと幸せにな。今の体を五十歳前の体と思うな。正当な世継ぎを残せ」
これを聞いたメアリー先生以下、セバスとアンナ監察官がむせび泣いている。メイドの、メイド長や古参のメイドもそうだった。
そしていきなり、交代させられた。
― わしは、疲れた。午後まで休む
説明なしかよ
「メアリー先生すいません。居候は、『わしは、疲れた。午後まで休む』って言って寝ちゃいました」
これを聞いて一同が、態度を切り替えた。全員とても優秀でなければこうはいかない。
「はあー、脱力しました。聖獣様とお友達みたいでしたが、どのような関係なのですか」
「本当に居候です。人間界を見たいからって、たまにおれの目で見学しています。入れ替わったの初めてなんで、ビックリしました」
メイド長や古参が、メアリー先生に近づいて、ほれぼれしている。
「メアリー様、なんだか肌が張ってつやつやしています」
「顎のあたりも、リンとしています髪の毛も。一度、湯あみをなさった方がよろしいのでは」
「そうね。そうさせてもらおうかしら。リリー、これありがとう」
「ずっと持っていてください。肌身離さずです。そうすれば、生命力は、ずっと巡回し続けます。ぜーったい二十メートル以上離れないでくださいね」
「ああ、そういう事。でも、二十メートルの生命カプセルなんて、とても大きいのね」
「魔石の大きさに準じます。それぐらい大きい魔石ってことです」
「分かりました。肌身離さず持っています。ユウさん、居候さんにお礼を言ってください。あなたの釈明の件、何とか致します。セバス、アンナ、マリア、フローラ、忙しくなりますよ。ついてきなさい。あなたたちは、ここでお食事ね。ゆっくりしなさい」
メアリー先生は、本当に凛とした感じになって、セバスとアンナ監察官、そして古参のメイドを従えて、どこかに行ってしまった。
「ふーー疲れた」
おれは、どっかり椅子に座り込んだ。メイドたちが忙しく卓上をかたずけている。リリーは、自分のケーキを上に掲げて離さない。
「それにしても、居候の件は、秘密だって言ったよな。リリー」
「ぎょぇ!」
「あらあら、知らないんですか。妖精は、秘密をちゃんと守れないんですよ。出来てもせいぜい三つぐらいです」
メイドさんがリリーに助け船を出した。
「それで、意気込んでガッツポーズしてたのか・・って、ちょっと待て、おれって今日、これ秘密なって言ったの全部で、3つだったよな」
居候、リリーが魔王と友達、大蜘蛛グルニは秘密。
「うわーん、ごめんなさい」
悪気が無いのは分かる。
「正直なことはいいことだぞ。でも、話せないことは、話せませんって正直に言ってくれ」
「それならできそうです」
「じゃあ、ケーキを食べて良し」
「良かったね、リリーちゃん」
「嬉しいです」
おれより、とっても魔法が強そうなのに、なんか、先が思いやられる使い魔と契約した気がする。
ここで食事をしたのは、おれたちだけ。メイドさんたちに接待された気分だった。
メアリー・フッシャー・フローラル・マクナガルは、過日サザン王国の正当で、第一位の王位継承者だった。彼女と、従妹のミハエル・ブラット・フーラル・マクナガルが、結婚すれば、国は、安泰。そう、思われていた。ところがメアリーは、ミハエルに王位を譲り、ある事業をしたいと先王に申し込んだ。それが、冒険者学校だった。
当時、サザン王国には、これといった産業がなかった。隣国と貿易を盛大にできるのであれば、それなりの繁栄をしたのだろうが、世の中は、うまく行かないものである。当時、国力は、衰退する一方だった。
冒険者ギルドは、元々あったし、サザン王国の民は、風属性の民だったので、世界に散らばって、仕事をすることに、いとわは無かった。同じようにエルフとダークエルフも風属性の民。それも、人族より知能も身体能力も優れている民。その格差がありながら、サザン王国は、親交を深めていた。ここにジレンマがあった。他国は、エルフとの親交を快く思っていない。隣国のセイドン王国も人魚族と仲良くしているのだが、相手は水中。はっきりテリトリーが分かれると主張し、イスタル王国と親交を強めてしまった。それで、エルフたちの受け入れを細々としかしないで、彼らを港町に押し込めてきたというのが現状だ。
この時、北の山に住む聖獣は、メアリー姫に、一つの打開策を示した。それは、冒険者ギルドを世界展開させることだった。これによって外貨を獲得。更に、世界の情報を得ることが出来るというのだ。近隣の国が、自国と貿易してくれないのを疑問視していたメアリーは、この一石二鳥案に飛びついた。そして、人材の育成。女が一つのことに身をささげると、家庭という二足目のわらじをはくことが出来なくなった。必死になって求婚するミハエルを押して断り王位につかせた。
まさか、ミハエルの妃が、子を持たないまま他界するとは思っていなかった。ミハエルは、私に遠慮して、寵姫は持たなかったし、次の妃も決めなかった。今の王族は、自分が重要な所につけてしまって呼び戻せない。そうは言っても、いざとなったらと思っていた矢先の聖獣様のご神託だった。
「思いきり着飾りましょう」
「まだ若返っています。信じられません」
「わたくし、妖の類に見られてしまうのでしょうか」
「そんなことはありません。私たちが、証人です」
「はー、それに、これでは、寮長ができませんね」
「私が代わります」
「アンナには、苦労掛けます」
女、四人で湯あみ。セバスには、ミハエル王に、聖獣の神託とメアリーの事情を話しに行ってもらっている。リリーの国民承認の件が吹っ飛びそうな状態。でも、聖獣様の支援がこの後ある。メアリーは、いろいろと心の準備をお風呂ですることになった。
「良かったわねリリー」
「はい!」
「何とかなりそうね。でも、ハウア外務大臣と情報相のメダル長官とハリー元帥は、苦言を呈してくるでしょうね」
「あのう、自分に申し開きの機会はあるでしょうか」
「ミハエルが認めたらそうです。何か言いたいのですか」
「それが、なんと言えば」
「ご主人様には、居候がいるんです。ですよねご主人様」
こいつ、秘密を守れないのか?
「自分、魔力が少し強いじゃないですか。北の山で修業した時知り合った精霊がいて、たまに、おれの中で寝ているんです。彼が、話たいことがあるそうです」
「北の山?どこの北の山ですか」
「自分、ノイ村出身なんです。それより北の山です」
― ユウ、わしと代われ
「ちょっと待てよ」
「・・・・・・、メアリー久しいな。冒険者を育てることは、勧めたが、まさか、結婚しなかったとは、思わなかったぞ」
メアリーは、この言葉を聞いて、地にひれ伏した。
「御久しゅうございます。聖獣様」
これを聞いたアンナ監察官や執事やメイドが地に伏した。リリーはそのまま。キョトンとしている。
「何、頃合いかと思っただけだ。そろそろ、同胞たちを港に捨て置くのは、忍びないと思ってな。どうだ、いい機会であろう」
おい、後でちゃんと説明しろよ
― 数人の関係者には、姿を見せて直接話そう。その機会は、すぐ来る
「心強いお言葉。では、わたくしの30年は、報われるのですね」
「まだ、しばしかかる。今は、我慢の時だ。しかし、今日が出発点になるであろうの。そのために、メアリーには、次のことを勧める。リリー、緑の魔石をメアリーに差し出せ」
「えー」
「差し出さんか。太るぞ」
「すいません。ご主人様」
メアリーは、リリーから極大の緑の魔石、生命の緑石を授かった。
「リリー、メアリーの生命を循環させよ」
「はい、ご主人様。命集めし宝石よ。風に運ばれ、地を寝床に、ここで苗木とならん。天よりの火かり、流れくる水によって命を解き放たん。バイオコーラス、アウレア。はーーーーーホォム」
メアリー先生の体が緑に薄く光り、その輝きはメアリー先生の内に届いて輝き続けた。
「メアリー、ミハエルと幸せにな。今の体を五十歳前の体と思うな。正当な世継ぎを残せ」
これを聞いたメアリー先生以下、セバスとアンナ監察官がむせび泣いている。メイドの、メイド長や古参のメイドもそうだった。
そしていきなり、交代させられた。
― わしは、疲れた。午後まで休む
説明なしかよ
「メアリー先生すいません。居候は、『わしは、疲れた。午後まで休む』って言って寝ちゃいました」
これを聞いて一同が、態度を切り替えた。全員とても優秀でなければこうはいかない。
「はあー、脱力しました。聖獣様とお友達みたいでしたが、どのような関係なのですか」
「本当に居候です。人間界を見たいからって、たまにおれの目で見学しています。入れ替わったの初めてなんで、ビックリしました」
メイド長や古参が、メアリー先生に近づいて、ほれぼれしている。
「メアリー様、なんだか肌が張ってつやつやしています」
「顎のあたりも、リンとしています髪の毛も。一度、湯あみをなさった方がよろしいのでは」
「そうね。そうさせてもらおうかしら。リリー、これありがとう」
「ずっと持っていてください。肌身離さずです。そうすれば、生命力は、ずっと巡回し続けます。ぜーったい二十メートル以上離れないでくださいね」
「ああ、そういう事。でも、二十メートルの生命カプセルなんて、とても大きいのね」
「魔石の大きさに準じます。それぐらい大きい魔石ってことです」
「分かりました。肌身離さず持っています。ユウさん、居候さんにお礼を言ってください。あなたの釈明の件、何とか致します。セバス、アンナ、マリア、フローラ、忙しくなりますよ。ついてきなさい。あなたたちは、ここでお食事ね。ゆっくりしなさい」
メアリー先生は、本当に凛とした感じになって、セバスとアンナ監察官、そして古参のメイドを従えて、どこかに行ってしまった。
「ふーー疲れた」
おれは、どっかり椅子に座り込んだ。メイドたちが忙しく卓上をかたずけている。リリーは、自分のケーキを上に掲げて離さない。
「それにしても、居候の件は、秘密だって言ったよな。リリー」
「ぎょぇ!」
「あらあら、知らないんですか。妖精は、秘密をちゃんと守れないんですよ。出来てもせいぜい三つぐらいです」
メイドさんがリリーに助け船を出した。
「それで、意気込んでガッツポーズしてたのか・・って、ちょっと待て、おれって今日、これ秘密なって言ったの全部で、3つだったよな」
居候、リリーが魔王と友達、大蜘蛛グルニは秘密。
「うわーん、ごめんなさい」
悪気が無いのは分かる。
「正直なことはいいことだぞ。でも、話せないことは、話せませんって正直に言ってくれ」
「それならできそうです」
「じゃあ、ケーキを食べて良し」
「良かったね、リリーちゃん」
「嬉しいです」
おれより、とっても魔法が強そうなのに、なんか、先が思いやられる使い魔と契約した気がする。
ここで食事をしたのは、おれたちだけ。メイドさんたちに接待された気分だった。
メアリー・フッシャー・フローラル・マクナガルは、過日サザン王国の正当で、第一位の王位継承者だった。彼女と、従妹のミハエル・ブラット・フーラル・マクナガルが、結婚すれば、国は、安泰。そう、思われていた。ところがメアリーは、ミハエルに王位を譲り、ある事業をしたいと先王に申し込んだ。それが、冒険者学校だった。
当時、サザン王国には、これといった産業がなかった。隣国と貿易を盛大にできるのであれば、それなりの繁栄をしたのだろうが、世の中は、うまく行かないものである。当時、国力は、衰退する一方だった。
冒険者ギルドは、元々あったし、サザン王国の民は、風属性の民だったので、世界に散らばって、仕事をすることに、いとわは無かった。同じようにエルフとダークエルフも風属性の民。それも、人族より知能も身体能力も優れている民。その格差がありながら、サザン王国は、親交を深めていた。ここにジレンマがあった。他国は、エルフとの親交を快く思っていない。隣国のセイドン王国も人魚族と仲良くしているのだが、相手は水中。はっきりテリトリーが分かれると主張し、イスタル王国と親交を強めてしまった。それで、エルフたちの受け入れを細々としかしないで、彼らを港町に押し込めてきたというのが現状だ。
この時、北の山に住む聖獣は、メアリー姫に、一つの打開策を示した。それは、冒険者ギルドを世界展開させることだった。これによって外貨を獲得。更に、世界の情報を得ることが出来るというのだ。近隣の国が、自国と貿易してくれないのを疑問視していたメアリーは、この一石二鳥案に飛びついた。そして、人材の育成。女が一つのことに身をささげると、家庭という二足目のわらじをはくことが出来なくなった。必死になって求婚するミハエルを押して断り王位につかせた。
まさか、ミハエルの妃が、子を持たないまま他界するとは思っていなかった。ミハエルは、私に遠慮して、寵姫は持たなかったし、次の妃も決めなかった。今の王族は、自分が重要な所につけてしまって呼び戻せない。そうは言っても、いざとなったらと思っていた矢先の聖獣様のご神託だった。
「思いきり着飾りましょう」
「まだ若返っています。信じられません」
「わたくし、妖の類に見られてしまうのでしょうか」
「そんなことはありません。私たちが、証人です」
「はー、それに、これでは、寮長ができませんね」
「私が代わります」
「アンナには、苦労掛けます」
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